2024年03月18日
「参加」の取り違え
昨日の夜中に届いていた1通のメールを今朝読んで、いささか混乱しました。ベルギー人東大名誉教授のDさんが、会えるといいねと紹介してくれた、稀覯本書店代表のEJさんからのメールです。
明日はもうフランスへ帰らなければならないのです。今回お会いできなかったのを残念に思います。次の機会をお待ちしています。
Dさんと店主へ、同時に出されていました。もちろん日本語で。文末に(下手な日本語で申し訳ありません)と断り書きまである丁寧さ。
それにしても一体どういうわけでしょう。日本に来られていたことは間違いないらしい。店主は昨日のうちにDさんに宛てて「出展されていなかったようです」というメールを出してしまっております。
そこでひとまず、知り合いの書店に言伝を頼んだが、当方の説明不足でうまく伝えられなかったようだという旨の、お詫びメールをEJさん、およびDさんに宛てて出しました。
すると午後になって一誠堂書店の上田さんから、EJさんという方が金曜日に会場で、同店の商品を注文されていたことが分かったとLINEしてくれました。
要するにDさんが「古本フェアーに参加」と書いてこられたのを、店主は出展とばかり受け取っていたのですが、お客様として来日されていたというわけです。分かってみれば店主も早とちり。上田さんには余計なご面倒をかけてしまいました。
EJさんとDさんには、あらためて、事情をメールするつもりです。そのEJさんのメールにあった嬉しい一文。
駒場にいた時、河野書店で"bibliographie du theatre espagnol au 17eme siecle"と言う本を買いました。とても役に立った本です!
それがどんな本か、今調べても分からないのですが。
明日はもうフランスへ帰らなければならないのです。今回お会いできなかったのを残念に思います。次の機会をお待ちしています。
Dさんと店主へ、同時に出されていました。もちろん日本語で。文末に(下手な日本語で申し訳ありません)と断り書きまである丁寧さ。
それにしても一体どういうわけでしょう。日本に来られていたことは間違いないらしい。店主は昨日のうちにDさんに宛てて「出展されていなかったようです」というメールを出してしまっております。
そこでひとまず、知り合いの書店に言伝を頼んだが、当方の説明不足でうまく伝えられなかったようだという旨の、お詫びメールをEJさん、およびDさんに宛てて出しました。
すると午後になって一誠堂書店の上田さんから、EJさんという方が金曜日に会場で、同店の商品を注文されていたことが分かったとLINEしてくれました。
要するにDさんが「古本フェアーに参加」と書いてこられたのを、店主は出展とばかり受け取っていたのですが、お客様として来日されていたというわけです。分かってみれば店主も早とちり。上田さんには余計なご面倒をかけてしまいました。
EJさんとDさんには、あらためて、事情をメールするつもりです。そのEJさんのメールにあった嬉しい一文。
駒場にいた時、河野書店で"bibliographie du theatre espagnol au 17eme siecle"と言う本を買いました。とても役に立った本です!
それがどんな本か、今調べても分からないのですが。
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2024年03月17日
突然のメール
お元気でしょうか。/大変御無沙汰しております。/今日、珍しくベルギーの方からご連絡申し上げる次第です。
まるでフーテンの寅さんかと思うような書き出しで、メールが届きました。
もう少し早くご連絡を申し上げるべきでしたが、現在東京で開催中の古本フェアーに参加するために、私のフランス人の友人が来日しています。
つづけてパリの稀覯本書店の名をあげ、その代表者だという女性(お名前から察して)は、かつて駒場に2年留学し日本語はとても上手。もしかしたら河野書店へ行ったことがあるかもしれない。フェアで合えたら「アドバイスでもして上げて下さい」と書かれています。
本日で、ブックフェアーが終わってしまうかと思いますので、出会いが実現できるチャンスがとても少ないかも知れませんが、兎も角天の働きでその実現が可能になるようにとお祈りしています。
急いで出したらしく、明らかな打ち間違いがあり、それは修正いたしましたが、達者な日本語。というのもこの差出人は、アフリカ生まれのベルギー人ながら、日本暮らしのほうが遥かに長い東大名誉教授なのです。
ただ、めったにない連絡が店主に入るときは、明日にも欲しい本のお尋ねだったりします。それで今回も、フェアに行けない店主としては、一誠堂の上田さんに、その書店さんへの伝言をお願いしようとLINEしたところ、その店は今回出展されていないというお返事。いかにもこの方らしいと、苦笑するしかありませんでした。
それにしても、パリの有名な稀覯本書店の代表になっているような人物が、小店に来られていたかもしれないと聞かされると、あらためて客商売の怖さを感じます。いまさらではありますが。
ちなみに上田さんによれば、お天気に恵まれ「国際稀覯本フェア」の客足は上々だったとのことです。
まるでフーテンの寅さんかと思うような書き出しで、メールが届きました。
もう少し早くご連絡を申し上げるべきでしたが、現在東京で開催中の古本フェアーに参加するために、私のフランス人の友人が来日しています。
つづけてパリの稀覯本書店の名をあげ、その代表者だという女性(お名前から察して)は、かつて駒場に2年留学し日本語はとても上手。もしかしたら河野書店へ行ったことがあるかもしれない。フェアで合えたら「アドバイスでもして上げて下さい」と書かれています。
本日で、ブックフェアーが終わってしまうかと思いますので、出会いが実現できるチャンスがとても少ないかも知れませんが、兎も角天の働きでその実現が可能になるようにとお祈りしています。
急いで出したらしく、明らかな打ち間違いがあり、それは修正いたしましたが、達者な日本語。というのもこの差出人は、アフリカ生まれのベルギー人ながら、日本暮らしのほうが遥かに長い東大名誉教授なのです。
ただ、めったにない連絡が店主に入るときは、明日にも欲しい本のお尋ねだったりします。それで今回も、フェアに行けない店主としては、一誠堂の上田さんに、その書店さんへの伝言をお願いしようとLINEしたところ、その店は今回出展されていないというお返事。いかにもこの方らしいと、苦笑するしかありませんでした。
それにしても、パリの有名な稀覯本書店の代表になっているような人物が、小店に来られていたかもしれないと聞かされると、あらためて客商売の怖さを感じます。いまさらではありますが。
ちなみに上田さんによれば、お天気に恵まれ「国際稀覯本フェア」の客足は上々だったとのことです。
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2024年03月16日
万引き以下の所業
今朝も良いお天気。家人にちょっとした用があって、店主一人で先に店へ。
車から降りても寒さを感じません。昼食用に途中、ベッカライで買い求めたパンと、ショルダーバッグを店の奥にしまい、のんびりした気分で店を開け始めました。
一人なので自分のペースで一台ずつ棚を出し、そのたびにハタキを掛ける。そうして何台目かの均一台にハタキを掛けた時、文庫数冊の天にずいぶんシワがあるのに気がつきました。
だから百円に値下げしたのだろうかと、あらためてよく見ると、いくら何でもひどすぎます。ほとんどずぶ濡れの状態。これを売り物にはできません。
不思議に思ってその周りを見れば、背にあたる部分に立てかけてあるボール紙の看板に茶色いシミができていました。さらに濡れて膨らんだ4冊を抜いてみると、ボール紙の下部にもヨレしわができています。
本の並んだ上に飲み物の入った容器を置くかして、それが倒れて中身がこぼれたのかもしれません。少し奥へ傾いていますから。
それでなくともわが家人は以前から、歩き飲みや、歩き食べを行儀の悪い行為として嫌がります。それもあって店の前には何カ所か「この場所でのご飲食はご遠慮ください」と書いた紙を掲示しているほどです。英文版まで作って。
昼前にやってきた家人に、この一件を報告すると案の定、怒り心頭。「いつだろう?」と、事件を未然に防げなかったことが、悔しくてたまらない様子。見かければ注意もできたはずですから。
被害額は売価にして400円に過ぎませんが、万引きにも劣る行為だと感じるのは店主とて同じ。犯人は、どんな思いでその場を立ち去ったのでしょう。
車から降りても寒さを感じません。昼食用に途中、ベッカライで買い求めたパンと、ショルダーバッグを店の奥にしまい、のんびりした気分で店を開け始めました。
一人なので自分のペースで一台ずつ棚を出し、そのたびにハタキを掛ける。そうして何台目かの均一台にハタキを掛けた時、文庫数冊の天にずいぶんシワがあるのに気がつきました。
だから百円に値下げしたのだろうかと、あらためてよく見ると、いくら何でもひどすぎます。ほとんどずぶ濡れの状態。これを売り物にはできません。
不思議に思ってその周りを見れば、背にあたる部分に立てかけてあるボール紙の看板に茶色いシミができていました。さらに濡れて膨らんだ4冊を抜いてみると、ボール紙の下部にもヨレしわができています。
本の並んだ上に飲み物の入った容器を置くかして、それが倒れて中身がこぼれたのかもしれません。少し奥へ傾いていますから。
それでなくともわが家人は以前から、歩き飲みや、歩き食べを行儀の悪い行為として嫌がります。それもあって店の前には何カ所か「この場所でのご飲食はご遠慮ください」と書いた紙を掲示しているほどです。英文版まで作って。
昼前にやってきた家人に、この一件を報告すると案の定、怒り心頭。「いつだろう?」と、事件を未然に防げなかったことが、悔しくてたまらない様子。見かければ注意もできたはずですから。
被害額は売価にして400円に過ぎませんが、万引きにも劣る行為だと感じるのは店主とて同じ。犯人は、どんな思いでその場を立ち去ったのでしょう。
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2024年03月15日
金曜日の過ごし方
火曜日の春嵐をともなった雨以来、好天が続きます。少しずつ気温も上がって、今朝は薄手のコートを羽織って出たものの、帰る時には着ないで手にかけ、お荷物と化すほどでした。
本日の明治古典会、先週よりは多くの本が出品されておりましたが、相変わらず店主に札を書かせるものに出会いません。それでもじっくりひと回りしたあと、昼食仲間を待ちました。
午後1時過ぎ、いつものメンバーと、いつもの「たんぽぽ」へ。うまい具合に席が空き、思い思いにメニューを見て注文。本日店主が頼んだのは「イカまぐ」。イカのリングフライにマグロのお刺身が付いて1,250円。
ちなみにお刺身、とりわけマグロは、この店の売り物。定食は刺身と揚げ物、あるいは煮物の組み合わせというのが主流で、ほかにチラシ寿司系もいろいろあります。ただし今日は、これまでなかった取り合わせであったため、5人のうち3人が「イカまぐ」となってしまいました。
食事が済むと、神田スクエアのタリーズでコーヒーを飲むのも、近ごろお定まりのコース。ビル1階の広い吹き抜けに面して店があり、その前に椅子とテーブルが何組も並べられて、屋内でありながらオープンテラスのよう。
ここで延々と語り合うのですが、つい時間を忘れ、慌てて会館に戻ると市会がほとんど終わりかけていることも。つまりそれほどに、最近の明古は、終わり時間が早まっているということです。
おかげで夜の五人組食事会は、長い間、出来ていません。考えてみれば1月生まれのメンバーの誕生会が、一度は流れてしまったこともあり、未だに未開催。
この際、月に一度くらいは豪華ランチにして、それを夕食会の代わりにしたらどうかと提案してみようと思います。店主の場合は、どうせ飲まないのですから。
本日の明治古典会、先週よりは多くの本が出品されておりましたが、相変わらず店主に札を書かせるものに出会いません。それでもじっくりひと回りしたあと、昼食仲間を待ちました。
午後1時過ぎ、いつものメンバーと、いつもの「たんぽぽ」へ。うまい具合に席が空き、思い思いにメニューを見て注文。本日店主が頼んだのは「イカまぐ」。イカのリングフライにマグロのお刺身が付いて1,250円。
ちなみにお刺身、とりわけマグロは、この店の売り物。定食は刺身と揚げ物、あるいは煮物の組み合わせというのが主流で、ほかにチラシ寿司系もいろいろあります。ただし今日は、これまでなかった取り合わせであったため、5人のうち3人が「イカまぐ」となってしまいました。
食事が済むと、神田スクエアのタリーズでコーヒーを飲むのも、近ごろお定まりのコース。ビル1階の広い吹き抜けに面して店があり、その前に椅子とテーブルが何組も並べられて、屋内でありながらオープンテラスのよう。
ここで延々と語り合うのですが、つい時間を忘れ、慌てて会館に戻ると市会がほとんど終わりかけていることも。つまりそれほどに、最近の明古は、終わり時間が早まっているということです。
おかげで夜の五人組食事会は、長い間、出来ていません。考えてみれば1月生まれのメンバーの誕生会が、一度は流れてしまったこともあり、未だに未開催。
この際、月に一度くらいは豪華ランチにして、それを夕食会の代わりにしたらどうかと提案してみようと思います。店主の場合は、どうせ飲まないのですから。
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2024年03月14日
古代史探求
先日の洋書会で会員のS書店が「明日から奈良に行く」と言っていたのを、今朝の朝日新聞を見て思い出しました。
載っていたのは「銅鏡・竪櫛が出土 女性を埋葬か」という記事。奈良・富雄丸山古墳で2022年から行われていた発掘調査で、今回見つかったものだそうです。市教育委員会が13日に発表したとされていますが、おそらくその前に情報を得ていたのでしょう。
大変な古代史ファンで、博物館や各地の古代遺跡をしばしば訪ねています。かつては病気がちだったのですが、ここ数年来、劇的に体調が回復し、ご夫人と連れ立っての古代史探求旅行を、何よりの楽しみにしているようです。
ただ新聞によると「現地見学会は16、17日」とのこと。本当に昨日から出かけたのでしょうか。何泊もすることになってしまいますから、出発を遅らせたかもしれません。
もっとも店主と違い、カネもヒマも十分にある人物ですので、滞在しようと思えばできるはず。話好きでもありますから、今度の火曜日には、こちらから尋ねるまでもなく、仔細にわたって報告をしてくれることでしょう。
日ごろから「教科書で教えてきた今までの古代史は、近くほとんど書き変えられる」と、該博な歴史知識を披露してくれる彼です。聞いている分には大変面白いのですが、その最新の学説とやらに時おり、店主などには、にわかに信じがたい話も混じります。
謎も多く、新説、異説を立てやすいのが古代史の魅力のようです。しかもその中に、やがて定説となるものが含まれていないとは、誰にも断言できません。
今回は、どんな土産話をしてくれるでしょうか。
載っていたのは「銅鏡・竪櫛が出土 女性を埋葬か」という記事。奈良・富雄丸山古墳で2022年から行われていた発掘調査で、今回見つかったものだそうです。市教育委員会が13日に発表したとされていますが、おそらくその前に情報を得ていたのでしょう。
大変な古代史ファンで、博物館や各地の古代遺跡をしばしば訪ねています。かつては病気がちだったのですが、ここ数年来、劇的に体調が回復し、ご夫人と連れ立っての古代史探求旅行を、何よりの楽しみにしているようです。
ただ新聞によると「現地見学会は16、17日」とのこと。本当に昨日から出かけたのでしょうか。何泊もすることになってしまいますから、出発を遅らせたかもしれません。
もっとも店主と違い、カネもヒマも十分にある人物ですので、滞在しようと思えばできるはず。話好きでもありますから、今度の火曜日には、こちらから尋ねるまでもなく、仔細にわたって報告をしてくれることでしょう。
日ごろから「教科書で教えてきた今までの古代史は、近くほとんど書き変えられる」と、該博な歴史知識を披露してくれる彼です。聞いている分には大変面白いのですが、その最新の学説とやらに時おり、店主などには、にわかに信じがたい話も混じります。
謎も多く、新説、異説を立てやすいのが古代史の魅力のようです。しかもその中に、やがて定説となるものが含まれていないとは、誰にも断言できません。
今回は、どんな土産話をしてくれるでしょうか。
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2024年03月13日
成し遂げる
この一週間ほど、お持ち込みがなかったS先生。お天気が悪い日もあったので、最後の追い込みに来て、お困りではないだろうかと案じておりました。
すると午後3時頃、卒然と店に。いつものようにはバッグを提げておられず、数冊の本を手にお持ちで、それを荷置台の上に置かれました。どこか晴れやかなご表情です。
察した店主が「終わられましたか?」とお尋ねしたところ「一応これで最後です。あとはまだ家の方にも残っていますが、それはいずれ」。
そこで、前回清算以降にお持ちいただいた本の評価額をお伝えし、今日の分と合わせ、お支払いをいたしました。お互いに短い感想を二言三言交わし、最後にもう一度お礼を申し上げてお見送りしたのです。
さて一体、何度くらいお越しいただいたのか。手元にお預かり一覧表があります。店主の留守中などに本をお持ち込みいただいたお客様の、ご連絡先などを記録しておく台帳です。
それで確かめてみたところ、最初にお名前が残されていたのは2021年12月でした。以来、丸2年と4か月にわたり、研究室の本をお運びいただいたわけです。
おもむろに数えて見ましたら、なんと104回。日に何度かお運びいただいた場合でも、1回と数えてです。終わりの頃は、5度、6度と往復されたこともありますから、実際に運ばれた回数は、おそらくこの倍にはなるでしょう。
1度に運ばれる量は、ほぼ手提げバッグ2袋。バケツでプールの水を掻い出すような作業を、ついにやり通されたのです。小店にとっても、得難い経験となりました。
すると午後3時頃、卒然と店に。いつものようにはバッグを提げておられず、数冊の本を手にお持ちで、それを荷置台の上に置かれました。どこか晴れやかなご表情です。
察した店主が「終わられましたか?」とお尋ねしたところ「一応これで最後です。あとはまだ家の方にも残っていますが、それはいずれ」。
そこで、前回清算以降にお持ちいただいた本の評価額をお伝えし、今日の分と合わせ、お支払いをいたしました。お互いに短い感想を二言三言交わし、最後にもう一度お礼を申し上げてお見送りしたのです。
さて一体、何度くらいお越しいただいたのか。手元にお預かり一覧表があります。店主の留守中などに本をお持ち込みいただいたお客様の、ご連絡先などを記録しておく台帳です。
それで確かめてみたところ、最初にお名前が残されていたのは2021年12月でした。以来、丸2年と4か月にわたり、研究室の本をお運びいただいたわけです。
おもむろに数えて見ましたら、なんと104回。日に何度かお運びいただいた場合でも、1回と数えてです。終わりの頃は、5度、6度と往復されたこともありますから、実際に運ばれた回数は、おそらくこの倍にはなるでしょう。
1度に運ばれる量は、ほぼ手提げバッグ2袋。バケツでプールの水を掻い出すような作業を、ついにやり通されたのです。小店にとっても、得難い経験となりました。
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2024年03月12日
結果がすべて
洋書会に半カーゴ程度の出品をするため、お昼少し前に会館に着いております。
少し迷いはいたしました。ほとんどが日本書(それも社会科学系)だったからです。翌日の資料会に回した方が良いだろうかと。
先週も同じような分量を、この時は洋書会ではなく資料会に回したのでした。ただ先週とは違って、白っぽい全集系も含まれていましたから、必ずしも専門店でなくとも札を入れてくれるはず。そう考えて、今日の出品に踏み切ったのでした。
最近は日本書を目当てとする来場者も、確実に増えてきています。入札さえ噛み合えば、ほかの市会に遜色ない落札価となるはずです。
しかし誤算がありました。今日のお天気です。昨日の暖かな日差しが嘘のように、昼前から冷たい雨が降り始め、開札時刻ころにはしっかりした本降り。
よく入札は「2人いればいい」という言い方をします。つまり何枚の札が入ろうが、落ち札に絡む札が1枚あればいいのです。ところが今日は来場者も少なく、その絡み札を入れる人が現れませんでした。
おかげで店主の出品物は、ほとんどが下札で落札されています。こういう時に、上札がいくらまで入っていたかを目にすると、落胆せざるを得ません。ついお天気のせいにしたくもなろうというものです。
ところでこれは、荷主の側からみた思い。買い手にしてみれば、また違う心境で、下札だからと素直に喜ぶとは限りません。逆に、自分が高く踏み過ぎたのではないかと、不安に駆られるかもしれないのです。
店主にしても、その落札者がいなければさらに安い値で買われたか、自身で買い引く結果となったわけで、まずは売れてくれたことを喜ぶべきでしょう。
市場は結果がすべてです。
少し迷いはいたしました。ほとんどが日本書(それも社会科学系)だったからです。翌日の資料会に回した方が良いだろうかと。
先週も同じような分量を、この時は洋書会ではなく資料会に回したのでした。ただ先週とは違って、白っぽい全集系も含まれていましたから、必ずしも専門店でなくとも札を入れてくれるはず。そう考えて、今日の出品に踏み切ったのでした。
最近は日本書を目当てとする来場者も、確実に増えてきています。入札さえ噛み合えば、ほかの市会に遜色ない落札価となるはずです。
しかし誤算がありました。今日のお天気です。昨日の暖かな日差しが嘘のように、昼前から冷たい雨が降り始め、開札時刻ころにはしっかりした本降り。
よく入札は「2人いればいい」という言い方をします。つまり何枚の札が入ろうが、落ち札に絡む札が1枚あればいいのです。ところが今日は来場者も少なく、その絡み札を入れる人が現れませんでした。
おかげで店主の出品物は、ほとんどが下札で落札されています。こういう時に、上札がいくらまで入っていたかを目にすると、落胆せざるを得ません。ついお天気のせいにしたくもなろうというものです。
ところでこれは、荷主の側からみた思い。買い手にしてみれば、また違う心境で、下札だからと素直に喜ぶとは限りません。逆に、自分が高く踏み過ぎたのではないかと、不安に駆られるかもしれないのです。
店主にしても、その落札者がいなければさらに安い値で買われたか、自身で買い引く結果となったわけで、まずは売れてくれたことを喜ぶべきでしょう。
市場は結果がすべてです。
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2024年03月11日
葬儀の列で
喪服に袖を通すのはいつ以来かと考えました。すぐ思い浮かんだのは、目黒のシカさん。弘南堂書店の先代ご店主のご葬儀です。
それが果たしていつだったか。今回も過去ブログを検索して、それが2021年10月13日のことであったと分かりました。
以来、他界された同業組合員は幾人かおられますが、そのほとんどが近親者のみで葬儀を行い、事後に知らせを出す形。かつてなら当然、店主もお悔みにうかがったであろう方々もです。
今回、訃報とともに葬儀の知らせが届いたのは先週6日のこと。亡くなられたのは、少しばかり前から重篤を伝えられていた明倫館書店の平尾一善さん。「様」とするのが礼儀でしょうが、後輩の遠慮ない物言いを寛大に受け止めていただいていた生前を思い返すと、やはり「さん」とお呼びしたい。
通夜はなし、告別式のみ。変則かもしれませんが、それだけに葬儀会場となった本郷の三念寺前の道路には、参列者の長い列ができておりました。
明倫館書店については、いまさら店主が説明するまでもない、おそらく日本最大の自然科学系古書店。故人となられた平尾さんは、先代の跡を継ぎ二代目店主として今日の大を築かれた方。そればかりでなく東京組合の理事長としても、大きな功績を残されています。
組合の重要なインフラである現東京古書会館、インターネット事業「日本の古本屋」——これらへの足掛かりとなった活路開拓ビジョン報告書「東京の古本屋」は平尾理事長のもとで刊行されました。
焼香の列に並び合わせた文生書院の小沼さんは、その時の副理事長(のちに理事長も2期務められました)。そういえば阪神淡路大震災もその時代だったねと、同じく列に並ぶ石神井書林の内堀さん共々、過ぎ去った年月の長さを嘆じたのでした。
それが果たしていつだったか。今回も過去ブログを検索して、それが2021年10月13日のことであったと分かりました。
以来、他界された同業組合員は幾人かおられますが、そのほとんどが近親者のみで葬儀を行い、事後に知らせを出す形。かつてなら当然、店主もお悔みにうかがったであろう方々もです。
今回、訃報とともに葬儀の知らせが届いたのは先週6日のこと。亡くなられたのは、少しばかり前から重篤を伝えられていた明倫館書店の平尾一善さん。「様」とするのが礼儀でしょうが、後輩の遠慮ない物言いを寛大に受け止めていただいていた生前を思い返すと、やはり「さん」とお呼びしたい。
通夜はなし、告別式のみ。変則かもしれませんが、それだけに葬儀会場となった本郷の三念寺前の道路には、参列者の長い列ができておりました。
明倫館書店については、いまさら店主が説明するまでもない、おそらく日本最大の自然科学系古書店。故人となられた平尾さんは、先代の跡を継ぎ二代目店主として今日の大を築かれた方。そればかりでなく東京組合の理事長としても、大きな功績を残されています。
組合の重要なインフラである現東京古書会館、インターネット事業「日本の古本屋」——これらへの足掛かりとなった活路開拓ビジョン報告書「東京の古本屋」は平尾理事長のもとで刊行されました。
焼香の列に並び合わせた文生書院の小沼さんは、その時の副理事長(のちに理事長も2期務められました)。そういえば阪神淡路大震災もその時代だったねと、同じく列に並ぶ石神井書林の内堀さん共々、過ぎ去った年月の長さを嘆じたのでした。
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2024年03月10日
まちづくりの課題
伸びてしまった髪を切りに午前中、青木理容院に行きました。マスターの青木さんは、駒場東大前商店会の会長さんです。切ってもらいながらの世間話も、自然の流れで地域のことに。
店主としても一番気になるのは、公務員住宅跡地と郵政宿舎跡地という、二つの空き地の今後の予定。
郵政宿舎の方は、ほぼ計画も出来上がっていて、近いうちに着工するそうです。出来上がるのは「高齢者向け賃貸マンション」だとか。完成は2年半ほど先らしく「ずいぶん時間がかかるものですね」とマスター。
一方の駒場住宅跡地の方は、昨年暮れあたりから工事車両が出入りするようになり、いよいよ始まるのかと思いきや、あれは単なる整地作業で「跡地の地下に空洞が見つかり、それを埋めている」段階とか。
こちらは大きく二つに分けられた区画のうち、目黒区が担当する部分については着工を待つばかり。しかし残り半分の、住友商事が担当する部分については、いまだ住民との間で合意ができていないとのことです。
区の施設としてできるのはコミュニティスペースや特別養護老人ホームなど。住商ではスーパーマーケットほかの施設が入るマンションを計画。
問題はそのマンション部分について、住商側では「高齢者向け」を打ち出しているのですが、住民サイドはこれに反発していて、この点でなかなか折り合いがつかないのだと聞きました。
確かに「まちづくり」の観点から言えば、高齢者向け施設ばかりができるというのは、歓迎しかねることではあるでしょう。しかし業者からすれば、そこにニーズを見ているわけです。
紛れもない高齢者の店主としては、複雑な思いです。
店主としても一番気になるのは、公務員住宅跡地と郵政宿舎跡地という、二つの空き地の今後の予定。
郵政宿舎の方は、ほぼ計画も出来上がっていて、近いうちに着工するそうです。出来上がるのは「高齢者向け賃貸マンション」だとか。完成は2年半ほど先らしく「ずいぶん時間がかかるものですね」とマスター。
一方の駒場住宅跡地の方は、昨年暮れあたりから工事車両が出入りするようになり、いよいよ始まるのかと思いきや、あれは単なる整地作業で「跡地の地下に空洞が見つかり、それを埋めている」段階とか。
こちらは大きく二つに分けられた区画のうち、目黒区が担当する部分については着工を待つばかり。しかし残り半分の、住友商事が担当する部分については、いまだ住民との間で合意ができていないとのことです。
区の施設としてできるのはコミュニティスペースや特別養護老人ホームなど。住商ではスーパーマーケットほかの施設が入るマンションを計画。
問題はそのマンション部分について、住商側では「高齢者向け」を打ち出しているのですが、住民サイドはこれに反発していて、この点でなかなか折り合いがつかないのだと聞きました。
確かに「まちづくり」の観点から言えば、高齢者向け施設ばかりができるというのは、歓迎しかねることではあるでしょう。しかし業者からすれば、そこにニーズを見ているわけです。
紛れもない高齢者の店主としては、複雑な思いです。
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2024年03月09日
失われた記憶
一昨日のブログで話題にした「横須賀美術館」について、家人がまるで記憶していないらしいのに驚きました。
余りにきっぱりと「覚えてない」といいますので、あるいは一緒に行かなかったのだろうかと、店主も考えこんでしまったほどです。
しかしこの時は、美術館を目的に出かけたのではありません。早くに相次いで世を去った、学生時代からの友人夫妻の、墓参りに出かけたのでしたから一緒でないはずはない。
「いつ誰と行った?」と問われて、言葉に詰まりました。その点では店主にも、はっきりした記憶がないのです。ただ推測はつきます。そこから必死に記憶を手繰り寄せようとするのですが、じつに朧げなもの。
さいわいにも、過去ブログに記録が見つかりました。「総勢6人」とあるので店主と家人の他に、古い友人4人が一緒。推測はほぼ正しかったと分かり、きれぎれながらいくつかの場面も思い出されてきました。
おかげではっきりしたのはその日時。2010年3月20日。東日本大震災の、ほぼ1年前ということになります。
愚にもつかないことを日々書き連ねているだけですが、少なくとも自分自身の記録としては、時々役に立つこともあるようです。
とはいえ、まだ家人の記憶をよみがえらせるまでには至っておりません。14年の歳月が流れています。2年前のことさえ「覚えがない」大臣がいるのですから、仕方ないことかもしれません。
余りにきっぱりと「覚えてない」といいますので、あるいは一緒に行かなかったのだろうかと、店主も考えこんでしまったほどです。
しかしこの時は、美術館を目的に出かけたのではありません。早くに相次いで世を去った、学生時代からの友人夫妻の、墓参りに出かけたのでしたから一緒でないはずはない。
「いつ誰と行った?」と問われて、言葉に詰まりました。その点では店主にも、はっきりした記憶がないのです。ただ推測はつきます。そこから必死に記憶を手繰り寄せようとするのですが、じつに朧げなもの。
さいわいにも、過去ブログに記録が見つかりました。「総勢6人」とあるので店主と家人の他に、古い友人4人が一緒。推測はほぼ正しかったと分かり、きれぎれながらいくつかの場面も思い出されてきました。
おかげではっきりしたのはその日時。2010年3月20日。東日本大震災の、ほぼ1年前ということになります。
愚にもつかないことを日々書き連ねているだけですが、少なくとも自分自身の記録としては、時々役に立つこともあるようです。
とはいえ、まだ家人の記憶をよみがえらせるまでには至っておりません。14年の歳月が流れています。2年前のことさえ「覚えがない」大臣がいるのですから、仕方ないことかもしれません。
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