2021年10月26日

領収書への注文

今日が今月の洋書会当番最後の日。そして今月は班長だということは先週にも書いたとおりです。だから遅れないように努めてきたのですが、ついに今朝は15分ばかり遅刻をしてしまいました。

荷造りに手間取る注文品があったことも理由のひとつ。ほかにも、こまごまとした作業に思いのほか時間を要し、集合時間に間に合わないと判断してグループLINEに「30分遅れます」と上げておきました。

手間がかかった別の理由は、領収書の書式について指定されるご注文が多かったことです。

宛名を学校名にしてほしいというのは良くあることで、それだけなら特に面倒はありませんが、あるご注文では送料を分かるようにして欲しい、別のご注文では書名を入れてほしい(ちなみに小店はデフォルトで書名入り)。

これらは公費の立て替え払いが増えてきたことと関係しているでしょう。納品、請求書を出して、支払い日まで入金を待つよりは、小店としてもよほどありがたいことです。ですから、なるべく意に沿うように書式を整えています。

DSC_0384ただ時に、それとは逆に書名を入れないで欲しいとか、但し書きを空欄にして欲しいなどというご要望をいただくこともあります。

昔はもっと乱暴に、金額だけ入れた手書きの領収書が欲しいというご希望もありました。大した金額ではありませんからお求めに応じましたが、あまり良い気分はしませんでした。

いずれも経理上の操作に必要なのでしょうし、目くじらを立てるほどの金額でもないのですが、「適格請求書等保存方式」が導入されると、こうしたことは難しくなるのではと、よそ事ながら心配です。

水清ければ魚棲まず、とならなければよいのですが。

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2021年10月25日

駒場を歩く

何日か前に、また自転車がパンクしていることに気がつきました。毎日乗るわけではありませんから、分かるまでに日数がかかったのです。今度は後輪。

自転車屋さんまで持って行く時間がなかなか取れず、今朝はいつものかどやさんに、歩いてお昼のパンを買いに行きました。

歩くと、ふだん見逃しているものが目に入ってきます。ゴミの集積所に、整った文字で「ここにタバコを拾てないでください」と手書きされた貼り紙がありました。

よほどお困りなのだろうと同情しつつ、もう一度文面を見ると、文字が一つ間違っております。「捨」とすべきところが、「拾」となっていたのです。貼られてまだ間がないのかもしれません。

ポイ捨てタバコに迷惑している一人として、早く気づいて修正していただけることを願うものです。

その先へ進むと、もっか駒場の二大空き地のひとつ、郵政宿舎跡地がきれいに整地されて広がっています。

DSC_0383その向かいあたりには現在、数件の食べ物屋さんが軒を並べています。それぞれは小さな店ですが、いずれもユニーク。手作りシュークリームのIle Bigne(イル・ビニエ)、その隣がティラミスホームメイド、さらに隣には小店より古くからあるタコ焼きのみしま、一軒おいてtokyo pasta works

前の2軒はお持ち帰りのみ(のはず)。みしまは以前は中で食べることもできましたが、コロナ以降は持ち帰りのみのようです。パスタ屋さんは逆に緊急事態中、テイクアウトもやっておりましたが、今はどうでしょう。

みしま以外はまだ新しい店ですが、古本屋とは違って、跡地開発でお客さんの増加が期待できます。ぜひ続けて、駒場を盛り上げてもらいたいと思います。

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2021年10月24日

シェイクスピアの次

久しぶりにご来店になったオリリー先生。店の表でしばらく本を選ばれ、やがて10冊余りを両手で抱えて入ってこられました。

「もう少し見ます」とおっしゃって、今度は店内を。そのうち、積み上げてあるジョイス本に気がつかれました。

先生のご専門は中世宗教哲学あたりのはずですから、特に反応は示されないと思いきや、感嘆の声を上げて積まれた本をご覧になりはじめます。

上智大学で教えておられたころ、ジョイスの講義もされたとか。先生は日本語でお話しくださるのですが、マスク越しですから聞こえづらく、意味の取りにくいところもありました。ですから店主の聞き違いだったかもしれません。

RIMG4936とはいえ英語で話されたら、余計に聞き取れなかったことでしょう。それにしても熱心に山を崩しはじめられましたので、いささか焦りました。慌てて「洋書まつり」に出すために準備してある本だと説明したのです。

しかし意に介される様子はありません。時々鼻歌まじりでご覧になっています。よく考えれば先生もアイルランドの方、ご興味が無いわけはないでしょう。

ただし何年も前に学校を退職されてからは、昔のように大量買いはされません。今回も途中で我に帰られたようで、静かに本を山に戻されました。

帰りがけに「ジョイスの本はシェイクスピアの次にたくさん出ている」と教えてくださいました。それが事実かどうかはともかく、聞き違いはなかったはずです。

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2021年10月23日

ジョイス研究書

気温は低めですが昨日と違って良いお天気。土曜日ということもあり、店内にも割り合い頻繁にお客様が入ってこられます。

ただしこういう日は珍しそうに立ち寄られる方が多く、お買い上げ率は高くありません。

昼過ぎ、二人連れの外国人青年が、表から何やら声高に英語で話しながら店内に入ってきました。一人はよくお見掛けする顔。

そのお馴染みさんがポスターに目を止め「洋書まつり」と口にされました。日本語を話されることは存じていましたのに、文字を読まれたことに少し驚き、驚いたことをすぐさま反省しました。

「日本語会話が出来ることに驚かない人も、読み書きができるというと驚かれる」というようなことを、ドナルド・キーンさんがどこかに書いておられた気がします。店主も先入観にとらわれている一人でした。

店内に入ってきた二人のうち、新顔のお一人が棚をご覧になっている間、お馴染みさんはあたりを見回し、やがて積み上げてある本の山に興味を引かれたようで、背を見ながら読み上げます。

Joyce, Joyce, Joyce, Joyce, Joyce, Joyce...

RIMG4935積まれている本が、すべてジョイス関係の本であることに、驚き呆れた様子でした。そう、小店が「洋書まつり」で並べる予定の本です。じつはそこに積まれていたのは、まだ一部。

限られた方にしか必要なさそうなジョイス研究書が、今回小店のメイン商材ですから、研究者の方々においでいただけるかどうが鍵です。果たして情報が届くでしょうか。

「洋書まつり」まであと1週間を切りました。

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2021年10月22日

即売展の記帳

ダウンジャケットを着て出かけました。下はハイネックのシャツだけですから、井の頭線のホームで電車を待っていると、少し寒さを感じるほどでした。

それでも市場に着くと数人の同業から「防寒対策だね」とか「俺も迷ったんだよ」などと、声がかかります。いずれも店主より年長の方々。「無理せず暖かくして出かけましょう」とお返しいたしました。

今日の市はあまり大きな一口ものはなさそうでしたが、限定本や美術書などに、何件かまとまった口があったようです。珍しいところでは『マヴォ染色図案集』が、最終台の上に乗っていました。

大勢の同業が入れ代わり立ち代わり本に触れて見ておりましたので、店主が荷主なら、傷みはしないかと心配になるところです。しかし無事高値で落札され、ほっと安心。他人の出品物なのですが。

さて今日も市場の途中から、6階に上がって小会議。懸案の一つが、この先の古書会館での感染症予防対策です。これまで通り続けるのか、多少とも緩和するのか。

とりわけ入館時に行っている記名を、さらに継続するかどうかが問題になりました。

結論として、交換会の場合はいざとなれば来場者が把握できるので、一旦、打ち切りとする。ただし即売展については、いましばらく続けた方が良いだろう、となりました。後者については、保健所にも問い合わせて意見を伺った結果です。
RIMG4923
ということで、さしあたり来週開かれる「洋書まつり」の際にも、ご来場者に昨年同様、お名前と連絡先を記帳いただくことになるわけです。

昨年は、思いのほか気持ちよくご協力いただきました。対策の緩和が進む中、今年も同じようにご協力を得られるでしょうか。

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2021年10月21日

駅前開発

DSC_0368先日、市場で後輩の同業から「河野さん、駅前に何ができるのですか」と声をかけられました。久しぶりに駒場に立ち寄ることがあって、大きな空き地ができているのに驚いたということです。

それ以前にも何人かから、同じような質問を受けたことがあります。駅の真ん前が更地になったまま、丸1年近くなるのではないでしょうか。

古い建物でも建っていた間は、近くまで来ない限り空き家とは分からなかったでしょうが、建物が取り壊されてしまうと駅からでも、電車の中からでも一目瞭然。興味を引くのは当然のことです。

なかなか事業が進んでいませんが、令和3年3月の日付で「利用方針(国家公務員宿舎駒場住宅跡地)」という文書が発表されました。

ようやくに方針が策定されたわけですが、それから今日まで、新たな動きがあるようには見えません。

駒場住宅跡地「利用方針」には読んでみようという気にならない文章がながながと書かれていますが、最後の最後にイメージ図なるものが掲載されていて、これが一番わかりやすい。

この文書によれば、「二段階一般競争入札」というものが行われることになっています。そこで事業者が決まり、実際に建設が始まるまでには、まだまだ相当時間がかかりそうです。ましてや完成までは遥か先。


駅前の開発で、駒場も賑わうようになるのではないかというのが、同業の言いたかったことのようです。しかしそれが小店に、何らかでも恩恵をもたらしてくれそうな気がしません。第一に、それまで店が存続しているかどうか。

そう書いてみて、その蓋然性の高さに、あらためて驚かされました。

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2021年10月20日

アンカット装

売れて驚いた現代ギリシャ語訳のホメロスでしたが、お手元に届いてご覧になったお客様から「思っていたものと違うので」と、返品したいむねのご連絡をいただきました。

通販の場合、従来から一定期間内の返品は受け付けるのが慣習です。書籍でも目録販売をされてこられた店は、多くがそのようなルールを設けておられるようです。

ただし本である以上「読み終えてから返される」可能性もないわけではなく、釈然としない点もあります。しかしそれを言えば、コピーやスキャンをされる怖れだってあるわけです。

もっとも現実にはそんな悪意や故意の返品が、それほどあるとは思えません。少なくとも小店では、これまでも、お申し出があれば返品に応じてきました。

今回ご返品の理由は、ご自身が現代ギリシャ語を学んでおられ、それに適したテキストをお求めだったのですが、古典語も多く含まれていて目的にそぐわないこと。もうひとつ「書籍の綴じかたが現在一般に使用されているものとは異なり、私には扱いにくく、日々の学習には難しい」というものでした。

前段はともかく、後段は少し説明が必要でしょう。

DSC_0373この2冊のホメロスはいわゆるアンカット装で三方とも裁ち落とされておらず、したがって天のところは切り開かなければ読めません。そのことをおっしゃっていると思われます。

以前、別のお客様にフランス語の詩集をお送りした際にも「ページが開かない欠陥本です」と、お怒りのメールをいただいたことがありました。思いのほか知られていない装本のようです。

少なくともスキャンして返品というわけでないことはたしか。往復送料はご負担願い、書籍代のみをご返金することでご了解いただきました。

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2021年10月19日

ゼロからのスタート

今日も洋書会当番、しかも今月は班長という役目もあります。遅れてはならじと雨もよいの冷たい朝、集合時間前に古書会館4階に着くと、人もいなければ、出品物の気配もありません。

RIMG4921いやな予感にとらわれつつ2階の出品準備室に降りて、担当職員さんに「なにか届いてませんか」と尋ねますと「ハイこれまでのところ」と、申し訳なさそうな顔で返事をされました。

つまり今日の洋書会は出品物ゼロ、という可能性がその時点ではあったわけです。

やがて一人二人と当番会員が到着し、豆香坊のコーヒーも運ばれてきました。ジタバタしても始まりません、まずは朝の一杯。飲みながら一人の会員が、店に戻って何か持ってくると言い、店主は店主で会員にグループLINEを送り現状を伝えました。

するとそこに救いの神。出品させてもらえるかと、カーゴ3台が運び上げられてきたのです。

じつは明日の資料会さんに出品という札が下げられていたカーゴ7台のうち3台は洋書で、それは初めから今日出す予定のものだったようなのでした。

洋書会出品の札を下げていなかったのは、ご自分たちで仕分けされるつもりだったからと思われます。実際に出品者(のお手伝いの方たち)が仕分けをし、封筒まで付けてくださいましたので、当番はただ見守るばかり。

そして終わってみれば、会員の持ち寄ってくれた出品も併せ、ふだんの市会と遜色ない出来高となりました。

店主もお目当てのプレイヤード叢書を中札で落札。知り合いでもある荷主さんに、若干の面目を施した次第です。

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2021年10月18日

来年のカレンダー

もうそんな時になったのかと毎年のように意表を突かれるのですが、運送屋さんが「みすずカレンダー2022年版」を運んできました。

今年のタイトルは「ジャズ小景」。セッションの様子などが、モノクロ写真で撮られたものです。美術カレンダーのイメージが強かった従来とは、いささか趣が違いますが、これはこれで机上に似合いそうです。

RIMG4933先日取り上げたビリー・ホリデイも登場いたします。

果たしてこれを配り切れるほどのお客様に来ていただけるでしょうか。例年通り、店頭で3千円以上お買い上げの方に、差し上げるつもりでおります。

さて本日、アメリカ宛に1件、発送をいたしました。千円の日本書です。EMS代金2400円、合計で3400円として決済メールをお送りしたところ、「航空便・印刷物で送ってもらえないか」という返信がありました。

きっと慣れた方なのでしょう。「書留が付けられないから不達の場合も保証はできません」と返しますと「構いません」とのお返事。

それで送料1160円、合計2160円として再度決済メールを送ると、すぐに決済完了の通知が届きました。

いざ荷造りして国際郵便マイページサービスで送り状を作ろうとしたところ、航空便・印刷物は作成できません。小型包装物ならできるのですが、送料が高くなります。

仕方なく通常郵便物として宛名と差出ラベルを作成して貼り付け、郵便局に持ち込みました。「本だと返送される場合もあるんですよ」と脅されましたが、お客様のご要望だからと、受け付けてもらいました。


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2021年10月17日

世間は広い

緊急事態宣言が解除されて以降「すっかり本が売れなくなった」という声がSMSに満ちている、と家人は申します。

確かに小店の場合でも、解除早々の10月初めこそ学生さんたちの姿もありましたが、中旬に入ってパッタリと店売りが止まってしまいました。昨日今日など、土日というのに驚くほど閑散としています。

最も今日の場合は雨に加え、急に寒くなったことも影響しているかもしれません。

「日本の古本屋」の場合はどうなのでしょう。まだ現時点では、全体の動向は知らされておりませんが、月次報告を聞くのが怖いような気もします。

ただ最近続けて、インターネットの威力を感じさせられたことがありました。

まずひとつは一度ブログで紹介したこともある私家版の回想記に、その縁者らしい方からご注文が入ったことです。お送りしたあとで「私の祖父です」と、お礼のメールをいただきました。

次に驚いたのは、かなり以前に出品してあったDictionary of pipe organ stopsに注文が入ったこと。パイプオルガンのストップが何であるかは、どうぞご自身でお調べください。自分で出品しておいて驚くのも変ですが、店に並べておくだけでは、まず売れることはなかったでしょう。

DSC_0370さらに今日になって、ホメロスのギリシャ語版2冊が売れて行きました。それだけ聞けば何の不思議もなさそうですが、じつはこのイリアスとオデュッセイア、ニコス・カザンツァキスによる現代ギリシャ語訳なのです。

お客様からお引き取りした時、これもまた、はたして売れるだろうかと危ぶんだものでした。

世間の広さは決して侮れません。

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