2019年08月21日

談論風発

「お礼を兼ねて一席設けたいのですが」と、洋書会仲間のお1人からお誘いを受けたのは4月末のことでした。

お礼されるほどのことをしたつもりはありませんが、酒席を共にすることについては異議がなく、ではお互いの時間を調整して、とお答えしてありました。

それからなかなか都合が合わず、ようやく昨日、4か月越しの懸案を果たすことができたのです。

場所は神保町の健康中華庵『清蓮』。店の存在は以前から知っておりましたが、入ったのは初めて。急きょお誘いした1名を加えて3名、小さな個室でゆっくり飲食しながら、閑談いたしました。

話題は業界のことから、天下国家のことまで。無責任な放言も当然のように混じります。

その中で、昔はどうして一家の主人が朝9時から夕方5時まで働けば、家族を養えるほどの給料が貰えていたのか、という話になりました。

しかもその当時でさえ、日本の会社は米国企業などに比べて内部留保が大きく、社員への分配が少ないという批判があったように記憶しています。

それに引き比べ昨今は、「働き方改革」などという掛け声ばかりで、暮らしからゆとりが失われる一方なのはどうしてか。すべてどこかに吸い上げられているのではないか。

RIMG3897その時は随分明快な答えに到達して、意見の一致を見たような気がするのですが、今になってみるとどんな結論だったか思い出せません。いくらか酔いの勢いも手伝ったのでしょうか。

すっかりご馳走になってしまった一夕でした。

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2019年08月20日

発送を急ぐ

油断をしていたら、ちょっとの差で雨が降り出して、それが午後4時過ぎ。

今日は洋書会でしたが、休み明けで出品が少なく(最近はそうでなくても少なめですが)早々と店に戻っていたのです。

店売りもヒマですが、ネット注文も今日は僅か。それなのにちょっとした手違いで、定時集荷に間に合わなかった荷物が一つだけ残っていました。

郵便局が閉まる午後5時までには持っていくつもりにしていたところ、それまでも怪しかったお天気がついに崩れ、雨が降り出しました。

晴れているうちなら自転車で行けたのですが、すぐ本降りになってきて、傘を差して歩いていくしかありません。意を決して店を出ました。

歩いて3分、差し出しに1分、といったところでしょうか。郵便局を出た時には、かなり強い降りになっていて、帰りの3分でズボンから靴から水浸しになってしまいました。

このあと出かける予定があったのです。だからこそ、無理して局へ出しに行ったのですが、よりによって一番降りの強い中を歩く羽目になったようです。

ゆうパケットは配達記録が付いていて安心なのですが、ポストに投函できません。局に間に合わなければ、発送が1日遅れとなってしまいます。

RIMG3899近ごろの風潮からすれば、そこまで無理して急ぐこともないような気もするのですが、待つ身にとっては、その1日も長く感じられるはず。そう考えて、つい急いでしまうのでした。

自営業だからといって、なんでも自分のペースで仕事ができるわけではないのです。

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2019年08月19日

お知らせメール

RIMG3895今度の木曜日には、また月例のTKI会議があるというのに、何を寝惚けたことを書いているのだろうと、我ながら情けなくなりました。

昨日のお客様からメールをいただき、
この本については、「日本の古本屋」から、「探求書リクエストを登録された方にお送りしています。」との文面で、入荷の知らせがありました。
と書かれていたのです。

そうです。なるべく費用をかけずに出来る方法をということで、しばらく前から採用されているしくみがあるのでした。何度か会議で話し合ったことなのに、自分で実際に使ったことがないので、こうした失念が起きるのですね。

欲しい本を検索して「日本の古本屋」に見つからない時、それを「リクエスト」しておくことができます。そしてその本が出品されると、お知らせのメールが届きます。

実際にやってみればシンプルな手順です。ただし現状では書誌カタログにある本しかリクエストできません。つまり書誌情報の存在する本に限られます。その代わり、ピタリと合えば今回のように連絡が入ります。

書店側はリスト形式で探求書情報を一覧することができます。もちろん探求者の個人情報はありません。この4日間では265件が登録されているようです。このうちの何人が、入荷の知らせを貰っているのでしょうか。

少しでも有用性を高めるために、書誌カタログにない本も探求書としてリクエストできないか、ということも何度か話し合われてきました。そんなこんなもすっかり忘れて書いたのが、昨日のブログでした。

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2019年08月18日

線引き耳折

われらが「日本の古本屋」には、今のところ、お客様に新入荷をお知らせする、アラートの仕組みは備わっていないはずです。

しかし今日はそれを疑いたくなるような反応の速さで、登録したばかりの本に注文が入りました。ご注文者は、時々ご来店いただくこともあるお得意様。

なんと間の良いこと、と普通なら喜んで手続きを進めるところですが、あることに気づいて愕然といたしました。

版元品切れで、某サイトなどではむやみと高い値がついている本。「日本の古本屋」でも過去数点の出品はすべて売切れとなっていた本ですが、耳折と線引きがあるため安い値をつけました。しかし、その理由を書かないまま出品してしまっていたのです。

すぐ事情をお伝えして、キャンセルを含め、ご判断をお任せしているところです。

先日お引き取りしてきたM先生蔵書です。以前よりその割合は減りましたが、洋書でも和書でも、これはと思う本に限って、耳折と線引きがあります。

今回も、1冊ずつ調べながら、何度肩を落としたことでしょう。それでも線引きのある本ほど、読むべき本であるともいえるわけで、うんと安くすれば、喜んで買ってくださるお客様もおられるはず。
blackshirts
そう考えてネットに上げることにしたのですが、やはり店売りにして、手に取ってご判断いただけるようにすべきだったと、反省しております。

※画像は本件とは別の本ですが、やはり線引き耳折のある面白そうな本。

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2019年08月17日

敗戦のころ

先日引用した朝比奈隆さんの「負けるとは思わなんだ」というひと言。実はそもそも、この言葉から衝撃を受けたのが、その対談を紹介しようと思ったきっかけでした。

既に敗色濃厚であったはずの昭和20年5月の時点で、それは普通の感覚だったのでしょうか。それとも朝比奈さん、特別に暢気な方だったのでしょうか。

そのあっけらかんとした語り口から、しばらくは暢気説のほうに傾いておりました。

しかしふと気になって山田風太郎『戦中派不戦日記』(講談社文庫、2002年)を拾い読みしていくと、8月10日の部分にこんな文章を見つけました。

〇日本人の大部分は、理性的にはこの戦争は勝てまいと考えている。しかし感情的には、まさか負けやしないだろうとまだ考えている。

これは決して自分を高みにおいて、世間一般を評した言葉ではありません。自分自身もその大部分の一人だとして、さらに考察を進めていく部分です。

朝比奈さんも、戦争の形勢が良くないくらいは理解されていたのでしょう。それでも「まさか負けやしない」と思っていたのは、必ずしも暢気だったからではなかった。大部分の人にとっては、負けるということが本当に想像できなかったのでしょう。

watanabeそれに対して、大部分とは異なる意識を持って当時を生きた人のことが気になり『渡辺一夫 敗戦日記』を拾い読みしました。

そこから伝わってきたのは、狂気の時代に正気を保つことの苦しさでした。

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2019年08月16日

意趣返し

今年の明治古典会七夕大入札会に、ある画家の遺稿、遺品関係をまとめて出品いたしました。大正期に早世したその画家の、仲間の一人だった方のご遺族Sさんから、お預かりしたものです。

絵画作品であれば、美術オークションで高額な値の付くであろう著名画家ですが、そうしたものは早い時点で美術館などに収まっています。今回は遺された資料類で、Sさんが義父から受け継ぎ、大切に保管してこられたものでした。

RIMG3901それを手放す気になられたのは、Sさんご自身がご高齢となり、あとに託すお身内もいないためです。

他の本をお引き取りに伺った時、「こんなものがあるのですが、どこか引き取ってくれるところがあるでしょうか?」と言ってお見せいただいたのがその資料。

ゆかりのある美術館などが欲しがりそうな気がしたのですが、Sさんによれば以前、他にもあった遺品類をご主人が某美術館に寄贈した際、随分粗略な扱いを受け、以来不信感を抱いておられるとか。

そこで店主は七夕大入札会への出品をお勧めし、ご承諾いただいたのでした。
 
結果は、店主の予想もしていなかったような落札価格となりました。喜んでご報告したのですが、Sさんは「そうですか」とあっさりしたものです。

もともと金額にはあまりこだわっておられず、ともかく整理をつけたいというお気持ちが強かったからでしょう。

それでも落札された資料がどうやら、かつて粗略な扱いをした当の美術館に納められそうだという話をお伝えしたところ、「それは良かった」と、ようやく晴れ晴れとした声を上げられました。

仇を取ったような気分になられたのかもしれません。

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2019年08月15日

戦争番組を観る

思いのほかTVを観てしまう、この夏です。枝垂桜の葉が繁ってBSアンテナを遮り、衛星放送が視聴不能となっているため、これを機会にTV離れが進むはずだったのですが。

特に8月に入ってからNHK地上波で戦争関連の番組がいくつか続き、ついつい見入ってしまうのでした。

偶然目にした映画『この世界の片隅に』(8月3日)は、末娘に以前から、観るようにと勧められていたものです。途中からでしたが、結局最後まで観てしまいました。

事前に情報を得ていて、初めから終わりまで観たのはNHKスペシャル「激闘ガダルカナル 悲劇の指揮官」(8月10日)と、同「かくて“自由”は死せり〜ある新聞と戦争への道〜」(8月12日)の2本です。

前者は例によって大本営の無能ぶりを暴く番組でしたが、以前観たインパールやノモンハンを扱ったものに比べ、軍部批判のトーンが和らいでいるように思えたのは、店主の思い過ごしでしょうか。

というのは、これらの番組が一部の人びとから、いわゆる「反日番組」として、WEB上などで執拗な批判を受けていることを、最近知ったばかりだからです。

RIMG3889そうした点も考えあわせると、後者は決して過去の話ではなく、今まさに起きつつあることのように思えてきます。

ふたたび物が言いづらい時代に向かおうとしているのでしょうか。

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2019年08月14日

魅力ある人柄

朝比奈隆さんは、とても人気のあった指揮者だということくらいしか存じませんでした。1度や2度はTVを通して演奏を聴いたこともあるはずですが、かなり晩年の番組だったと思います。

『米朝置土産 一芸一談』(淡交社、2016年)という本の中に桂米朝との対談(1988年)が収録されていて、その闊達な語り口に、あらためて好感を覚えました。

終戦前後の、ふつうなら悲壮な苦労話になるところを、笑い話のように語られています。

beityo朝比奈 …満鉄の線路を歩いて千足(ご子息)をおぶって荷物持って、親子三人。ずーっと歩くと遠いでっせ、あれ。 米朝 そらあ遠いですよ。 朝比奈 「ここはお国を何百里」と思いましたな、あれは。

驚いたのは、その「二つ半か三つ」のお子さんを連れて満州へ渡ったのが昭和20年5月だったということ。

当時は軍の証明書を持って満鉄の一等車に乗ってサーッといくなんて格好いいでしょう?日本は爆撃で神戸が焼けた、大阪が焼けたと言うてたころやから、内地に置いていくのも心配ですしね。向こう行ったらホテル住まいで食うものは心配ないと思って連れて行ったんですけどね……負けるとは思わなんだ。

極めつけは次の一言。

いまだに女房に恨まれてますね。「あほや」言うて。

手に入れたまま置いてある実相寺監督撮影のDVDを、今度、聴いてみようと思います。

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2019年08月13日

ネット商流

先月末から1週間ほどの間に、外国書店への代行注文が3件続きました。うち2件は同じ方からです。

代行と言っても、ご依頼を受けた本をネットで注文してクレジットで決済し、到着した本をお送りするだけのことですから、手間賃をいただくのも悪いくらいのものです。

昔ほどリスクもありませんので、その手間賃は総額の1割程度、ただし最低500円、を目安に頂戴しております。

これまでに一度だけ、注文書籍が届かないというトラブルがありましたが、先方がミスを認めて再発送してくれて解決しております。

じつは今回、WEB上で5段階評価の5と1しかないという店に注文いたしました。気になったのは、送料が高いわりに、納期が遅いことです。小さな本1冊に18ドルという送料が示されていて、到着予定は15〜30営業日。

もう少し早く届く便はないのかと尋ねたところ、「当店はオンライン書店で手元に本はありません」以下、質問とは無関係な説明が連ねられていました。

いささか不安でしたが、依頼者のご意向を確認してそのまま発注。決済メールにある配達期限は9月7日。その旨お伝えし、気長にお待ちいただくようお願いしました。

ところが今日午前、1週間ほどあとから発注した別件の、こちらは8〜14営業日という本が届いたあと、午後になって最初の注文品も届いたのです。

ergode2届いた包みにはラベルが2重に貼られていて、上に貼られているのは配送会社のラベル。それを剥がすと手書きのラベルで、その宛先が小店の発注した書店なのでした。

ネットは流通をシンプルにするはずでは?

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2019年08月12日

お盆の昼食

今日は月曜日。朝のうち、なんとなく午後7時まで営業する気でおりましたが、ふと気づけば祝日です。いつの間にか出来ていた「山の日」の、振り替え休日。

8月に入ってから、毎日がすっかり夏休みモードなのですから、今さら振り替えと言われてもピンときません。それでも休日は休日です、本日の営業は午後6時まで。

ところで駒場の繁盛店「菱田屋」さんは、8月7日から19日までお休み。お店のシャッターに、予定を書いた紙が貼り出されておりました。

連日の忙しさを見ていると、それくらいのリフレッシュ期間は必要なのでしょう。

ちょっと気になるのはご家族以外の従業員さんのこと。皆さん月給制の社員なのでしょうか。もっとも何人働いておられるのかも存じませんが。

同じように、家人ご贔屓の桜新町のパン屋さん「ベッカライ」も、今日から22日まで夏休みに入りました。この店も繁盛店で忙しい。ご店主は年に2度、お休みを利用して、ドイツなどへ行っておられるとか。

RIMG3892駒場にも「ル・ルソール」という人気パン屋さんがあります。こちらも、夏と冬に長めのお休みをとられるので、今年はどうかと家人がお店の方に尋ねたところ、この夏はお盆休みなしだということです。

というのも、9月に店舗リニューアルを予定されているためだとか。おかげで今年のお盆期間、お昼の調達は、あまり苦労しなくて済みそうです。

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