2020年07月06日

無理は通らず

RIMG4359今朝、店に着いた頃が一番の土砂降り。風もあって雨が吹き込んできますので、しばらく表に本棚を出すのを控えました。

その間に注文品の伝票づくり。やがて小やみになったので、本棚を表に出して通常の営業態勢に。店主の仕事は引き続いて注文品の発送準備です。

佐川急便で送るものが3点ありましたので、まずそれを最優先に荷造り。送り状を印刷し、荷物に貼りつけて準備完了。帳場脇の小さな折り畳み机に載せておきました。

佐川の集荷は、最近では午前中、早ければ10時過ぎにも来ることがあるため、何はともあれ、それを済ませない事には落ち着きませんから。

そのあと日本郵便の荷造りも済ませ、昼前、会館に向かいました。少し頼まれていることがあって、中央市会を覗きに出かけたのです。会場を一回り。数点入札して、店にとんぼ返り。

午後からは、今日は店番のMさんがおられるので、裏に籠ってひたすら在庫整理。そして夕方5時、Mさんと店番を交代するときに、佐川の荷物に気が付きました。まだ3点、机に置かれたままです。

そこでようやく、集荷依頼を忘れていたことに気が付きました。伝票作成は専用のアプリで行いますが、集荷の依頼は別に佐川のサイトから頼まなければなりません。

こんなうっかりは、これが初めてではありません。慌てて電話を入れて、事なきを得たことも一度ならずあります。

しかし今回は時間が時間ですから、ダメもとで電話を入れてみると、営業所につながる電話は廃止されて、自動応答の電話になっていました。

幾つか数字を押すと「センター」の女性が電話口に出られましたが、無理をお願いする雰囲気ではありません。あきらめて明日の集荷を、ネットから依頼しました。

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2020年07月05日

「物書き」で古本屋

家人が購読している岩波『図書』の、7月号が届いているのを見つけました。

お茶の時間に手に取って目次を眺めると、まず目に入ったのは「古本屋」の文字。切通理作さんが「古本屋は、無限の世界とつながっている」という文章を寄せておられます。早速読みました。

昨年初めの閉店が、マスコミなどにも取り上げられた阿佐ヶ谷駅近くの「ネオ書房」。切通さんは現在、その店のご店主なのだそうです。

すでに知られた話なのでしょうが、店主は初めて知りました。それに至るいきさつと、店を開けてみて感じたことなどが、興味深い話にまとめられています。なかで店主が気に入ったのは、次の一節。

その時「この人にとっては、べつにうちが駄菓子屋であろうが、古本屋であろうが、総菜屋であろうが、今この時に欲しいものがあれば、なんだっていいのだ」という真理に目覚めた。

「この人」というのは、中棚を取り払った後に作った駄菓子コーナーに置いた「なんちゃってオレンジ」を、本物の醤油と間違えて買おうとした通りすがりの主婦とおぼしき女性。以後、棚揃えに関し肩の力が抜けたとか。

また、店に置いていた古いレコードを、開店用に買ったプレーヤーにかけた途端、眠っていたものが「ある日突然復活する」醍醐味を感じたことから、標題となった一節に続いていきます。

RIMG4351古書や古いソフトを扱う店というものは、この世の中のどこかに眠っていて、目覚めさせられるのを待っている、無限の〈世界〉につながっているのだと実感するようになった。

共感しながらも、これからの「古本屋」が、自分ひとりの食い扶持稼ぎでもなく、古本ビジネスでもなく、ささやかながらも生業として成りたっていくためには、何が必要だろうかと、あらためて考えさせられました。

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2020年07月04日

ユーゴーの画集

お電話で「ユーゴーの画集はありますか?」という問い合わせがありました。

「見たことがありません」と正直にお答えしたのですが、何十年この商売をやっていても、いかに知らなことが多いかを思い知らされるばかりです。

RIMG4349実際に思い浮かぶ本がありませんでしたし、お客様も具体的にはご存知ないようでしたから「どんな本があるか調べておきます」というようなお返事で、ご勘弁願ったのでした。

そこで早速調べることにしました。まず「ユゴー」あるいは「ユーゴー」そして「画集」という語句で『日本の古本屋』を始め、AmazonさらにCiNiiまで探しましたが、何も見つかりません。

引き続きGoogleで検索したところ、洋書が2点ヒットしました。ひとつはShadows of a Hand : The Drawings of Victor Hugo. N.Y.: The Drawing Center, 1998.という展覧会図録。

もうひとつはVictor Hugo, dessins et lavis. Hervas, c1983.というフランス語の大判画集。

どちらも知らない本です。フランス語の方はさほどでもありませんが、英語の図録は結構良い値段で売られています。これについては、内容を詳しく紹介したブログも見つかりました。

さらに調べていくと、小田急百貨店などで1996年に開かれた展覧会の図録『ヴィクトル・ユゴーの世界』(ブレーントラスト)があることが分かりました。こちらは『日本の古本屋』でも数件販売されていますが、これも店主はまだ扱ったことがありません。

電話をかけて来られたお客様は、さぞや頼りない本屋だと思われたことでしょうから、こちらからかけ直して、知りえたことをお伝えしようかとも思いましたが、お名前すら名乗られませんでしたので、控えることにいたしました。

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2020年07月03日

プレミアム特選市

明治古典会の大市が終わりました。例年の七夕古書大入札会とは違い、業者のみを対象にしたプレミアム特選市。

もともと七夕市に並行して、付録のような形で行うつもりだったものです。つまり本誌がなくなって、別冊だけを出すことになったような形。

出品点数は1300点ほどと聞いていますので、本来予定していた形からすると、半分程度ではないでしょうか。しかも出品最低価格は2万円。大きな出来高を期待するほうが無理というもの。

しかしそれもこれも、毎年の大入札会を基準に考えるからのことで、実際に終わってみれば、思ったより健闘した成績となりました。

いつもなら今日、金曜日は公開下見初日。明日もう一日下見を行って、日曜日が入札会。そこに至るまでに荷受け日があり、陳列日があり、ほとんど1週間出ずっ張り。

更にさかのぼれば、目録編集などのためにも、何日かを費やします。幹事、経営員だけでなく、会員も多くの時間を割くことで成り立ってきた大入札会でした。

RIMG4347今回は、それに比べると拘束時間がぐっと減りました。今年の場合は降ってわいたコロナ禍による、やむを得ざる決断でしたが、その結果を見て、改めて考えさせられました。

それは、これを転機と捉えてみてはどうかということ。過去に大きな成果を上げてきた一般公開下見方式ですが、次第に労力に見合わないものとなりつつあります。

別冊を本誌にするというのも、あり得ない選択ではありません。シンプルな大市会。いくらか先祖返りのような気もいたしますが。

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2020年07月02日

足に合う靴

かれこれ10年ほど愛用しているウォーキングシューズがあります。
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寸詰まりの幅広足のため、なかなか合う靴を見つけるのがむつかしい店主は、昔から靴選びに苦労してきました。ふだん履く靴の話です。

しかしある時、大橋の246に面した靴屋さんで、その靴に出会ったのです。店員さんに相談して、探し出してもらったような気がします。4Eというだけあって、足を入れると確かに楽でした。

一番気に入ったのは、甲の部分がファスナーで開くようになっていて、履くのも脱ぐのも楽なこと。お客様のところへ宅買いに伺った時などに、とても便利です。

以来、ふだん履きは、ほぼその靴一辺倒。古書会館への行き帰りすら、よほどの時以外はそれで済ませています。そんなわけで年に2度ほどは新調してきたのですが、店舗に在庫のないこともあります。それである時から、ネットで調べて購入するようになりました。

ところが案外しばしば、微妙なモデルチェンジがあるようで、それにつれて履き心地も、良くなったり悪くなったりします。ネットの場合、取り寄せてみるまで、そのあたりの具合が分からないのが難点です。

出来合いのもので済まそうとする限りは、多少の当たり外れは仕方ないのでしょう。いまだに、この靴に代わるものは見つかっておりません。

とはいうものの、ファスナー開きがもっともその威力を発揮するはずの宅買いについて言えば、近ごろその機会がめっきり減ってきております。

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2020年07月01日

ちょっと不合理

今日7月1日からは、レジ袋が有料となりました。その目的、趣旨について異を唱えようとは思いませんが、有料化を求められる対象である小売店としては、どうしても不合理な気分が残ります。

私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。(略)普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。

経産省のホームページは、どこまでもソフトな口調で、消費者に協力を呼びかけています。その一方でプラスチック製買物袋を扱う小売業を営む全ての事業者に対しては、有料化を義務として強いているのです。

いつの間にこんな強制的な制度が決まったのでしょう。小店のように、小銭を扱う煩わしさから、ずっと内税方式を通してきたような店にとって、今さら3円、5円を別途頂戴するのは、できれば避けたいところです。帳簿にレジ袋販売収入などと、費目を増やすのも面倒。

RIMG4348そこで小店としては先日もお伝えしたとおり、プラスチック袋は原則廃止。千円以下のお買い上げで、手提げ袋をご要望のお客様には、紙の手提げを10円でお分けすることにしています。千円以上ならサービスです。

思い返せば早稲田の頃は、本を一冊(もしくは数冊)ずつ包装紙で包んでいました。開業当初もしばらくは、それがふつう。嵩がある場合は包んだあと紐をかけ、プラスチックの提げ手を付けてお渡ししておりました。

本屋があまり、あの提げ手を使わなくなったのは、いつ頃からでしょう。しかしあれもプラスチックですから、いずれ有料化の対象になるのでしょうか。

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2020年06月30日

早稲田を思い出す

今日は火曜日で洋書会の日ですが、明治古典会の大市準備のためお休み。その明古の大市も、例年より規模を縮小しての開催のため会員手伝いの動員もなし。

出かけないつもりにしていたのですが、急遽会議が入って午後、会館に行きました。それでも3時には戻り、間もなく店番のΧ君も来てくれたので、裏に引っ込んで片付け仕事でもしようと机に座りました。

RIMG4350その時目に入ったのが、昨日、五十嵐さんの項だけ走り読みした『早稲田古本屋街』です。誘惑に負けて、最初から読み始めることにしました。

結局、小一時間ほどかけて半分以上を読み進めたのですが、店主はこれまで、これほどに知った人物ばかりが登場する文章を、読んだ記憶がありません。

取り上げられる古書店主はもとより、その様々なエピソードに登場する同業についても、大抵はその顔を思い浮かべることができます。

しかしそこで語られるのは、知っていたことより知らなかったことの方がはるかに多く、あらためて透史君の取材力に感心させられました(もちろん表現力にも)。

例えば、さとし書房の佐藤さんの項で、古本屋に勤めることになった時、新聞紙で本を包む練習をしたという話。その手作業へのこだわりは、店主の記憶にある佐藤さんに重なります。

かつてBigBoxの売り上げ計算の時、山のような伝票を人一倍のスピードで数えていた姿。同様に、何かの用で店を訪れた時、店番をしながら出品のための伝票貼りをされていた、その手早さ。

それにつれて、驚くほど大量の本が、即売展で売れていた時代を思い出しました。

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2020年06月29日

不義理な話

『古書月報』などを見ていると、古本屋さんにも文章の達者な人が多いことがわかります。

しかしプロの目にかなって、出版物になるほどの文を書く人は、やはり少しばかりレベルが違うようです。

もちろん内容が興味深いものであれば、編集者の力によって、ある程度は読むに堪えるものになるでしょう。しかし文章の力だけで読ませるのは、恵まれた才能のなせる業としか言いようがありません。

そんな思いを抱かせる同業が何人かいますが、そのひとりが「古書現世」の向井透史君。同業を君付けで呼ぶのも失礼なことですが、子どものころから知っているので、許してもらえるでしょう。

透史君のお父さん、つまり古書現世の創業者は、五十嵐書店で店主の先輩店員でした。といっても向井(父)さんが独立されて、2年ばかり経ってからの店員ですから、一緒に仕事をしたことはありません。

それでも同じ早稲田で催事などを通じ、あるいは飲み会などで親しく話しをし、お宅に招かれて食事したこともあります。そのころはまだ小学生だったはずで、彼の方は覚えていないでしょうが。

その透史君の『早稲田古本屋街』(未来社、2006年)が、お客様のお持ち込みになった中にありました。例によって不義理な店主は、買って読むなどということをしておりません。さっそく本を開いて五十嵐書店の項を読みました。

スキャン_20200629そして、もう一つの不義理を思いました。市場で会う度に「たまにはお出でよ」というオヤジさんに、ついぞ応えぬまま長い年月が経っています。本が出版されてからでさえ、もう14年が経ってしまっているのです。

いつか訪れる機会があるでしょうか。

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2020年06月28日

マスクという苦行

IMG_20200624_074950まだ雨がしっかり降っていた朝方、淡島通りを走ってきて、いつものように「駒場」の信号を左に折れると、駅の方から上がってくる道が、人で埋まっているように見えました。これほどの人波を見るのは久しぶりのことです。

最徐行ですれ違いながら様子を見ると、若い人が多いものの、年齢層に幅があります。服装は一様にカジュアル。「英検かしら」と後ろの席から家人がひと言。

それが正解であったことは、しばらくして分かりました。店を開けて間もなく、何名かのご来客があったのですが、その中のお一人が帳場に来られた時、胸に「英検保護者」というシールを見つけたのです。

伺ってみると、会場は日本工業大学駒場高校だとか。一つの教室に入れる受験生の数を減らし、付き添いの控室はなく「追い出された」とおっしゃってました。

試験の付き添いで来られて、暇をつぶすために読む本を買っていかれる例は、過去にもありました。入学試験などが多いのですが。しかし保護者控室もないとなると、どこで本を読まれるのでしょう。

英検のホームページを見てみると「保護者控室の設置は行いません」と確かに記されていました。午前中にあったのは、準2級と準1級、それに4級の試験。お母さんがついて来られたのは、4級の試験だったでしょうか。いや中学生なら準2級ということも、あり得ます。

それにしても「会場内で必ずマスクを着用してください(マスクはご自身でご用意ください。)」と、当たり前のように書かれていますが、本当に必要なものでしょうか。それで試験を受けるなんて、なんだか気の毒に思えます。

今日は比較的、店に入ってこられるお客様が多く、マスクを着けている時間が長くなって、店番でさえ辛くなったので、つい同情してしまいました。

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2020年06月27日

あれもこれもバカラック

RIMG4343手に入れたのは随分と以前のことですが、店頭に置いてからでも1年以上は経つのではないでしょうか。しかし今日まで興味を持たれる方はおられなかったようで、依然として店内に飾られたままです。

あるいは何だろうかと、手に取られた方はおられたかもしれませんが。

バート・バカラックの5枚組CDセットTimeless

先日、思いついてUSBにダウンロードし、店の行き帰りにカーオーディオで聴いてみることにしました。

5枚はレコーディング年代順に編集されていて、概ね作曲された順でもあります。後半に入るとカバーバージョンも増えてくるのですが、それらも含めて全98曲。

番号に従って1枚目から聴き始めると、いきなり懐かしい気分に引き込まれました。何しろ最初の曲はペリー・コモのMagic Moments(1957)。驚くのは、聴き覚えのある曲の多さです。

1963年に入るとビートルズのBaby It's You、ボビー・ヴィントンのBlue on Blue、衝撃的だったのはジーン・ピットニィのTwenty Four Hours From Tulsa。この曲を聴いたのは何十年ぶりでしょうか。

トム・ジョーンズのWhat's New Pussycat?では、曲もともかく、不思議な映画であったことを思い出しました。

2枚目が60年代後半から70年代の初めにかけてで、このあたりが店主には一番のツボ。アレサ・フランクリンのI Say A Little Prayerもバカラックだったのですね。

音源が様々なので音量レベルが不揃いなのが難ですが、この数日、楽しませてもらっています。

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