2018年07月21日

掘っては埋め戻し

暑くて表に出る気になれないでしょうから、ネットからの本の注文が増えても良さそうなものですが、むしろ店売りに歩調を合わせるように、ペースが落ちております。

ご来客は少ない、注文品も少ないとあって、今日は朝から店内の整理に精を出しておりました。

そこいらに積まれている本を少しでも片付けようと、手をつけ始めたのですが、どう処理するのか判断に困る本が多い。だから積まれていたわけです。

RIMG3043なかなか捗らないまま日も傾いてきたころ、1台の乗用車が店の前に止まりました。宅買いに伺うことになっていた先から、朝のうちお電話があって、打ち合わせの結果、ご自身で運んで来ていただけることになったのです。

大きな段ボールが8箱。この暑さですからひとまず店内に入れました。やりかけの整理を中断し、箱から本を出して積み上げます。

そんな仕事をしていると、5人のお仲間連れが店に入ってこられました。皆さん大きなバッグを背負われたり持たれたり。その置き場所をテーブルの上や椅子の上に振り分けて、棚をご覧いただいたのですが、店の中が急に狭くなったようでした。

中のお一人が、数冊の学術書をお買い上げくださって、それが本日初めてのまともな売り上げ。

一団がお帰りになると、もう閉店の時間まで30分ほどしかありません。結局、またそこいらに積み上げる「埋め戻し」作業で、1日が締めくくられることになりました。

お持ち込みの本の値踏みは、明日の仕事になります。

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2018年07月20日

愚痴は一言

「この一週間、本当に店を閉めようかと思ったよ」

RIMG3017席につくなり、ほとほと参ったという感じでそんな嘆きを口にしたのは、都内でも一二を争う商店街に店を構える同業。

店の前を通る人の数は、日に数万人。いやもっと多い数字を聴いたような気がしますが、実感できないため忘れてしまいました。ともかくそうした立地条件から、店の品揃えは文庫や読み物類などの一般書が中心。

それで50年以上、一家二代を養ってきた店です。売れた時期は、札束のしまい場所に困るほどの売り上げがあったとも聞きました。

そんな店にとって、それでなくとも長きにわたって低落傾向にある店売りが、この暑さで危機感を募らせる状態にまで至ったということでしょう。

その言葉を聞いたのは、明治古典会が終わって、いつもの仲間での会食の席。今日は間が良く、人気の「金剛庵」に入ることができました。

といっても椅子席ではなく、奥の小上がり。座敷になっていて、足腰が痛くなることは必定。それを分かっていても、この店のうまい酒肴には惹かれます。

同業の愚痴も、最初の一言だけ。あとはいつもの他愛ない話題に振り替えて、絶品の枝豆や、のどぐろの干物などをいただきながら、楽しく飲み、かつ語り合ったのでした。

例によって店主はアルコールなし。次第に関心が、足や腰の痛みに移ったあたりでお開きとなりました。

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2018年07月19日

専用パウチ

昨日の午後、フランスの本を「日本の古本屋」で見つけたとおっしゃって、フランスに滞在中の日本の方から、お問い合わせをいただきました。送料はいくらくらいになりますかと。

73305本の題名はAnnales bergsoniennes ; 4 L'Évolution créatrice 1907-2007 : épistémologie et métaphysique < Epiméthée >の一冊です。

厚さ約5cm、1kg近くある重い本ですので、EMSより安い国際eパケットでお送りするとしても2千円以上。それに対して、本の価格は3千円。おそらく勝負にならないだろうなと思いつつ、返信いたしました。ご当地でなら、もっと安く手に入れられるはずだと想像したからです。

ところが案に相違して、ほとんど折り返すように「日本の古本屋」経由で注文が入りました。店を閉め、帰る前にクレジット決済用のメールをお送りしたのですが、決済の手続きも、ほぼ即時だったようです。

そこで今朝、TKI定例会議に出かける前に、荷造りをして郵便局まで出しに行きました。

書類の印刷や荷造りそのものには、たいして時間はかからなかったのですが、いざ書類を専用のパウチに入れようと引き出しを探ると、あるべきところに見つかりません。

片側に糊の付いたビニールの袋のようなものですが、これに入れないことには発送を受け付けてもらえないのです。

焦りました。まだ何枚か残っていたはずですが、使い切ったのか、引き出しをひっくり返しても1枚も出てこない。郵便局にも置いていません。新たに申し込んで取り寄せるには何日もかかります。

と考えたところで、新たに取り寄せたはずだということを思い出しました。さてどこに置いたか。机の周りを探すと、今度は幸いすぐに、送られてきたまま開封もしていないA4封筒が見つかりました。

というわけで、今日は午前11時からの開始だった定例会議に、10分ほど遅れての到着となったのでした。

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2018年07月18日

昔から暑かった

暑さの話を続けます。

本日ついに、多治見市で40℃超えを記録したとか。この暑さ、この先まだ1週間は続きそうだという予報に、いささかげんなりとしておりますが、暑いと言えば、名古屋も暑い土地だったのですね。

RIMG3028京都は盆地ですから、冬寒く夏暑い。小学校の時にも、そう習った記憶があります。しかし自分たちの住む名古屋が、やはり冬寒く夏暑いということは、教わった覚えがありません。

そもそもその土地に生まれ育った児童にとって、そこの気候がほかより厳しいのか穏やかなのか、比べるすべもないのですから、店主には、特に暑い土地に育ったという実感もないのです。

しかし天気予報などで、各地の気温が当たり前のように表示される今日、名古屋も、京都に負けず劣らず暑くて寒い土地だと分かります。

地理的な条件からは、それほど厳しい気候になるとも思われないのですが、それをやはり不思議に思う人もいるらしく、いつだったか猛暑の夏に帰省した時、地元の新聞にその原因を探る記事が出ていました。

全体の文脈としては、近代化、工業化に要因を見ていたと記憶しています。つまり、昔の名古屋はこれほど暑くなかった、というのがその記者の感じていたところだったのでしょう。店主も、また同じ思いでした。

ところが『「敗者」の精神史』を読んでいて先日、山口さんが引用した文中に、名古屋は昔から暑かったという傍証が見つかりました。

…明治二十三年から、再び古書生涯に入るに及んで、大惣との旧交を温め、暑中休暇になると、わざわざ暑い名古屋に赴いて、大惣の書庫を訪ひ、其後は東京へ借り出してきて読んだ。(水谷不倒『明治大正古書価之研究』)

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2018年07月17日

祇園祭の思い出

京都の友人から、暑中見舞いのメールをもらって、ようやく今日が祇園祭の当日であることに気がつきました。

連日、東京より2℃以上高い最高気温が記録されています。確かに京都の夏は暑かったですが、今年はやはり異常です。38℃の炎天下の山鉾巡行は、ほとんど決死行ではないでしょうか。

店主は8年ほど京都に住みましたが、実のところ、祇園祭を見物したことは一度もありません。宵山に何度か足を運んだくらい。

8年のうち4年は勤め人でしたから、休日でなければ無理。学生時代は夏休みで、帰省してしまっている年もありました。それ以前に、特別見たいとも思わなかったのは、若いということもあったでしょう。

RIMG3023ただ一度だけ、詳しい経緯は忘れてしまいましたが、どこやらの「山」を曳いたことがあります。白いお仕着せを着て、淡々と歩いただけですが、肌寒いような日だった記憶ばかりが残っています。あれは、いつのことだったでしょう。

学生であったことは間違いありませんから、4年間(1968-71)のうちのいつか。1年目、2年目は、実家に戻ってアルバイトをした覚えがあります。残るは3年目か4年目。

いま気づいたのは、その前後の年の7月17日の気温を調べてみれば、確定できるのではないかということ。そこまでして、知りたいとも思いませんが。

メールをくれた友人のほかには、市内に住む学生時代の友人は数えるほどです。京都も年々遠くなっていきます。

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2018年07月16日

新台導入

昨日、暑い中を伺った宅買いは、1件が展覧会カタログ約50冊、その他単行本50冊。もう1件が染織関係を中心とする約40冊。大判が多いので、2件を回ると小さな車の後部は、ほぼ一杯になりました。

もしこんな風な説明が、あらかじめそれぞれのお客様からあったとしたら、大方の同業は、後者の方に、より期待を掛けることでしょう。

確かに染め織りの方は、何冊か高額の限定本の書名をあげられ、それを処分したいというお電話でした。店主もそれで伺ったわけです。

しかし実際に拝見してみると、輸送用の外箱が強くヤケていて、イタミも大きい。動きの良くない大判本では、本の状態が大きく価格を左右します。それを勘案して申し上げた価格は、お客様の期待を大きく下回ったようです。

RIMG3022それで一旦お預かりして、市場に出すことにいたしました。そこでついた値なら、納得していただけるとのことで。

一方、展覧会カタログは、昨今値崩れの甚だしい商品です。もともとの出版部数が多いため、ネット上にも、あふれているのが現状。ただ一部に、値のつくものもあります。

こちらのお宅には以前にも伺っていて、本の状態が良いことは分かっておりました。お引き取りした本を今日調べてみると、3割ほどはネットに出せそう。残りも安く店に置けば、売れそうな気がします。

思い切って、ブックトラックを1台購入することにいたしました。この暑さも、いつかは治まるでしょうから、店頭売り上げ向上に、威力を発揮してくれるはずです。

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2018年07月15日

猛暑日でも営業

世間様は三連休なのでしたね。
RIMG3019
河野書店は休まずに営業しておりますが、お客様の方がすっかりお休みのようで、さすがに今日は、昨日よりさらに暑いということも手伝って、朝からご来店のお客様は数えるほど。

ゼロでないのが不思議なくらいです。たまたま通りかかって、炎暑を避けるために店内に逃げ込まれるのならまだ分かります。日の当たっている均一台の前に、立ち止まって本をご覧になっているお客様がいると、感心よりも、心配になってきます。

ネットの注文もパッタリと、お休みモード。この暑さでは本を読む気にもなれないということでしょうか。

こんな日に、わざわざおいで下さったお客様がおられました。ネット目録をご覧になって、ご関心を持たれた本が何点かあったようです。「ほとんど店に並んでいますか?」とのお尋ね。

目録品で店に並んでいるものは、一部に過ぎないとお答えしますと、5点ほどのリストをお出しになり、その中の2点について、在庫があれば買いたいとおっしゃいます。

さっそく探しましたが、1点だけしか見つかりません。申しわけなく思い、店頭からお持ちになった500円の本1冊を、サービスでお付けいたしましたところ、大変喜んでくださいました。

リストに有った残りの本は、棚に並んでいれば、ご覧になったうえで判断しようと思われたのかもしれません。「事前に問い合わせていただければ、探してご用意しておきますから、遠慮なくご連絡ください」と申し上げました。

店主の方も、今朝は五反田へ落札品の引き取り。戻ってから宅買い2件。車の温度計が38℃を示す中、暑さに負けず働いております。

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2018年07月14日

『中村屋のボース』

すこしでも暑さを避けようと、開店準備を終えて早々に五反田へ。第2土曜日、南部地区入札会です。

会場に着いたのは午前10時前。平均月よりは多めの出品量。親しい同業の一人と顔を合わすと、また誰か店じまいしたのかと問われましたが、店主も事情は知りません。

確かに、何となくそう感じさせるような傾向の口が目につきました。じっくり見て回ったのですが、小店にとって一番のお目当てである文庫本に、適当な量と質の口が見当たりません。20分ほどの間に2点ばかり入札しただけで、会館を後にしました。

店に戻ってからは、荷造り作業などをしながら店番。表に出るのが嫌になるような暑さです。ポツリポツリとご来客があることに、今日はむしろ驚くくらい。

ボース一人の女性客が、表の棚から『中村屋のボース』(中島岳志、白水社、2005年)を持って入ってこられました。店内を回っている間に文庫2冊を選ばれ、「やっぱりこれは重いから」と戻しに出ようとされます。

「こちらで戻しますから」と引き取り、文庫2冊にカバーを掛けてお渡ししました。

実は、先日の七夕大入札会に「ラース・ビハーリー・ボース書幅」なる出品がありました。興味を持ったお客様がおられ、ある会員が注文を受けて落札したのですが、書かれてある文字(梵語)の意味を調べるのを手伝ったことで、印象に残っております。

そういえば先月末頃、この本を表の棚に挿したのでした。読んでみなさい、という啓示かもしれません。

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2018年07月13日

新旧幹事会

KIMG06307月に入って最初の明治古典会通常市。午後1時半から始まる開札に先立って、新会長の挨拶、新幹事、経営員の紹介が行われました。

いつものことですが、この時期の出品量は少なめ。ただ地図などの1枚ものが多かったおかげで、平台はすべて埋め尽くされて、淋しい感じはありませんでした。

それどころか、終わってみれば平均を超える出来高だったようで、実に効率の良い市会でありました。

市が終わったあとは、恒例の新旧幹事会、と称する食事会です。この先1年を担当する新幹事が、1年務め終えた前幹事を慰労するというのが、そもそもの趣旨。

しかしながら、総員9名の幹事のうち、前期と今期で入れ替わったのは僅か3名。そのため、全員が出席しても、12名にしかなりません。実際には1名が、事情により欠席。11名による食事会となりました。

現在の会員数とその年齢構成からして、9名全員が交代できることはまず無理です。それにしても3名しか代わらないというのはいささか異常に見えるかもしれません。

しかしこれも本当のところは、今期の会長が全員の留任を望んだにもかかわらず、さまざまな理由により続けることができない会員が3名いたというのが実情です。

さてその11名による新旧幹事会が開かれたのは、水道橋駅近く、三崎町の「酒菜 向日葵」。店の奥にある座敷をほぼ占有する形で、はも鍋コースをいただきました。

季節の魚を、季節外れの鍋仕立てでいただいたわけですが、料理もさることながら関西弁のおかみさんの愛想の良さが、人気のひみつかもしれません。

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2018年07月12日

移ろう読書

ここしばらく『日本文壇史』の方は中断して、古書会館の行き帰り、もっぱら山口昌男『「敗者」の精神史』(岩波現代文庫)、その上巻を読んでいます。

中断の理由は、読みかけの巻がどこへ紛れ込んだか、見つからなくなってしまったからです。山口さんの本を読み始めたのは、その巻の捜索中にふと出現したから。

実はこの本も、以前読みかけて、そのままになっていたものです。探したけれど見つからず、ほかの本に移り、やがて忘れておりました。

3分の1くらいのところに栞が挟んでありましたから、そこまでは読んだのでしょうが、初めから読み返えすことにしました。そうしてみて、ほとんど記憶していないことに呆れましたが。

ようやく半分過ぎたあたりまで読み進みました。懐かしい山口節ではありますが、当方の脳の老化が甚だしいためでしょうか、思いのほか難渋しております。

ただ、取り上げている時代と対象が『日本文壇史』に重なるところも随所にあって、なかなか興味深く読めることも確かです。

例えば幸田露伴と淡島寒月の交友を紹介する部分を読んだばかりですが、ここでの露伴は、あくまでも引用された露伴で、店主などのイメージにある露伴と大きな違いはありません。

それに対して伊藤整の露伴は、伊藤によって描かれた露伴であり、私たちの知る由もない、若い日の悩める露伴であったりします。

二つの書物の目的とするところが異なる以上、そうした違いがあるのは当然であり、良い悪いの問題でないことは言うまでもありません。

RIMG2987しかし比べてみることで、あらためて伊藤の作品が『小説・日本文壇史』ともいうべきものであることに気づかされます。このことは、初めの方の巻の解説で、夙にどなたかがおっしゃっていたことではありますが。

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