2021年04月11日

2件のご相談

今日も日差しはたっぷり。朝方はまだ空気が冷たかったのですが、昼頃には過ごしやすい陽気となりました。

学生さんの姿が少ない分、昨日より静かに一日が過ぎたようです。新学期の学生さんたちは3人、5人と連れ立って歩くことが多いので、たまにそのまま店に入ってこられると、途端に密が気になります。

今日はそういう心配のない、せいぜいがお二人連れのお散歩帰りという、いたって穏やかな一日でした。

午後になって「ご相談が」というお客様がお二方。

お一人は、ある専門書をお探しの方で、もともとの定価が1万7千円。それが品切れとなって、現在はその倍ほどの値段で「日本の古本屋」に1冊出ているだけ。

「もう少し安く手に入らないでしょうか」というご相談です。Amazonを検索してみると、4点ばかり登録されていましたが、その最低値は「日本の古本屋」とほぼ同じ。お客様もご承知でした。

ネット時代、値崩れも激しい一方で、稀にこうして高騰する本も目につきます。「偶然を待つしかありませんね」と申し上げたところ「ダメもとで」と、ご連絡先を書き置いていかれました。

RIMG4795もうお一方は「英語の小説本などは、引き取っていただけますか」というご相談でした。10年ほど前に亡くなられた、お連れ合いが遺されたものだとかで、本棚3つほど。

お住まいをお尋ねすると群馬の前橋。ちょっと拝見にというわけにも行きません。こちらに来られる機会は多いらしく「少しずつ持ってきてもいいですか」とおっしゃいますので、まずはお持ちいただくことにいたしました。

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2021年04月10日

良く晴れた土曜日

良く晴れて、けれども風の冷たい一日。五反田の南部地区会館へ出かけました。もちろん入札会に参加するために。

しかし一回りして入札するものが見つからず、結果として参加できずに帰ることになりました。ただ居合わせた支部役員さんと少しばかり話ができて、それはそれで必要なことでもありましたから、無駄足ではなかったわけです。

さて店を出たのが午前9時半頃。帰ってきたのが11時半頃で、その間ほぼ2時間。店に戻ると、月に1、2度ご来店くださるご常連の姿がありました。ほかにもうお一方、若いお客様が。

ご常連は、来られると必ず何かしらお買い上げくださいます。今日は特に、先回お越しの際に取り置きを頼まれたものもありましたから、少しまとまった金額になりました。

いつもながら有り難いお得意様です。お会計のあと、少しばかり本に関わる世間話をしていかれるのが常で、今日もそうしてお昼前にはお帰りになりました。

さて店には、若い男性が一人残っておられます。しばらく前から気になっていたのですが、この男性、今朝まだ開店準備中の午前9時に、店に入ってこられた方のようです。

店主が出かける時は、まだおいででした。その時に置かれていたバッグが、そのままの位置にあります。ということは、あれからずっと本をご覧になっていたのでしょうか。

KIMG1945そこで「何かお探しのものがおありですか」と声をおかけすると、読んでいた本を棚に戻し、きまり悪そうに「長居して済みません。学校の図書館も入れないものですから」。

そうおっしゃると岩波文庫を4冊、帳場にお持ちになって会計を済まされ、「またたまに寄らせていただきます」。時計は正午を指そうとしていました。



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2021年04月09日

署名本コレクション

RIMG4793今日の明治古典会は久しぶりの大量出品で、ふだんは使わない4階の休憩コーナーにまで、本が積み上げられておりました。

一口ものがいくつか重なったということで、仕分けも大変だったようです。

そのなかでも一番の大口は、カーゴ15台とも20台とも聞く署名入り文芸書の一口。

それほど古いものはなく、飛びぬけた価格になるようなものも見かけませんでしたが、なにしろその数が半端ではありません。

出品した書店さんの話では、この旧蔵者は、署名本を集めるために、わざわざ夜の仕事に就かれたのだそうです。勤務後寝て起きるのはお昼。それからが蒐集活動。

古本屋を回って均一本まで丹念にチェックし、署名のあるものを拾う。さらにサイン会、講演会があると言えば当該作家の著書を持って駆けつける。会場に入れない集まりの時は「出待ち」して署名をお願いする。

そのようにして、時間と足を使って集めたコレクションなのでした。決して金に飽かして買い漁ったものでないことは、全体を見て行くと自ずから明らかです。

中に極め付きと思われたのが、最終台に並べられた芥川賞全集19冊でした。この本はご承知のとおり歴代の受賞作を集成したものです。1巻に複数の作品が入っています。

その殆んどの巻に署名がありました。しかも少なからぬ巻数に複数の署名が見られます。ある巻などは両見返しに収まりきらず、その裏にまで署名がなされていました。あたかも芳名帳のように。

一体どのようにして書いてもらったのか、その様子を推理するだけでも興味は尽きません。

コレクター一番の労作ともいえるこの全集、しかし落札価格は思いのほか高くありませんでした。

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2021年04月08日

まん延防止措置のまん延

来週14日の全古書連総会に行く前に、PCR検査をしておこうということになり、今日、理事会が終わったあと、出席予定理事に検査キットが配られました。

感染多発地帯から出向くのに、手順として踏んでおくのが礼儀だろうと、2か月ばかり前に決めたことです。併せて全国の出席予定者にも呼びかけ、希望した人にはキットを送っております。

KIMG1941店に戻ってからキットを開け、説明文をよく読み、慎重に唾液を採取して、近くのポストに投函いたしました。

箱に印刷された「ご注意事項」には、この検査が感染、非感染を判定するものではなく、感染リスクの高低を示すだけだというようなことが、慎重な言い回しで書かれております。

それでもウイルスが見つからなかったと告げられれば、多少とも気が休まることは確かです。そんな思いで、検査を受けることにしたのでした。

しかし、そう決めた当時から今日までのあいだに、半ば恐れていた大きな事態の変化がありました。

感染はその後、むしろ関西で急速に拡大し、さらにここにきて東京でも「まん延防止等重点措置」が出されることが必至となっています。

総会後の恒例となっている懇親会は、早い時期に行わないことを決めていたのですが、こうなると総会自体も開催すべきかどうか、今一度判断を迫られることになりました。

結論としては、この後、もし京都にも「まん延防止措置」が出されるようならば、その段階で総会開催を断念せざるを得ないだろうということです。

現時点では、その可能性が極めて高いように思われます。

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2021年04月07日

不可解なお客様

KIMG1938フランス語のペーパーバック、ポケットサイズのものです。50代くらいの男性が、それを1冊持って帳場までこられました。

受け取って裏表ひっくり返してみても、どこにも値札シールが貼られていません。念のため表紙をめくっても、伝票もはさまれていなければ、値書きもない。

「どこにありました?」とお尋ねしたところ、通路の奥の方に積んであったもののようです。

「すみません、これから値段をつけるものです」と申し上げると、「ああそうですか」とおっしゃって、そのままお帰りになられました。

未整理のまま多くの本が店内に積んでありますから、その中から抜き出して持って来られる方は、しばしばいらっしゃいます。

その場で値をつけられないことも多いので、できる限り整理しておこうという気はあるのですが、気ばかりで実行が伴わないのが現実です。

それにしても、どこにも値段がないのに、「いくら」とのお尋ねもなく本を差し出されたのも不思議ですが、「これから」と申し上げただけですぐお帰りになられたのも拍子抜けでした。

やはり早く整理しなければと、本があった筈の場所を見に行くと、あらたに小さな山ができています。

そのあたりには、まだ手をつけるのに時間が掛かりそうだと考えて、ひもで縛ったペーパーバックが何本も積んであったのでした。

近くには、外されたビニールひもが落ちたまま。

どんなおつもりで帳場に持って来られたのか、ますます不可解になりました。

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2021年04月06日

着払い送料、切手でOKです

先月初めに、大阪にお住まいの方から、6冊セットの書籍をご注文いただきました。

そのメールに、4月末に上京する予定があるので、それまで取り置きをお願いできるかという文面があり、必要なら代金は先に支払うともおっしゃいます。

取り置き期間が2か月近くにもなることですので、先に頂戴したい旨を返信したところ、すぐに代金が振り込まれてきました。

それから1か月、今朝そのお客様からお電話をいただいた時、思い出すのに少し時間がかかりました。お話を伺ううち、次第に記憶が蘇ってきたのですが、そのお話というのは次のようなことです。

今月末にも東京に行く予定だったが、このところの感染拡大で、行かれなくなる可能性がある。そこでこの際、送ってもらいたいのだが、それには日本郵便を使ってほしい。
なぜなら溜まっている切手で支払いたいからだ。それについて一つお願いがある。送料分の切手を送るので、それを使って局出し願えないか。


こう聞いて、「着払い」ではダメなのですかと尋ね返しました。すると着払いでは切手を受け取ってくれないのだとおっしゃいます。
RIMG4788
少々虫の良い話に聞こえましたが、お断りするのも角が立つと思い、ひとまず送料を調べてから、あらためてご連絡しますとお返事いたしました。

しかしどうも腑に落ちません。以前、同じような理由で「着払い」を求められ、お送りしたことがあります。当時出来て、今出来ない理由があるでしょうか。対面作業を減らすため?むしろ局の混雑緩和につながるのでは?

不思議に思って日本郵便のHPで検索してみると、着払ゆうパックは切手で送料を支払えると明記されたページが見つかりました。早速メールにそのURLをコピーし、着払いで発送することをお伝えした次第です。

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2021年04月05日

突貫作業

昨日は午前中、宅買いのつもりが下見となった1件。そのあと、お昼からまた1件、引き取りに車を出しました。

出かけたというほどの距離ではありません、裏の大学の研究室です。

じつは金曜日の夜、すでに一度、引き取りに伺っております。その時は、目一杯詰まって結構重い引っ越し用のダンボール7箱。

研究室明け渡しの日が迫っているということで、店を閉めた後に伺いました。「明後日には引っ越しです」と部屋の中を覗かせてくださいましたが、まだ本棚にはほとんど本が詰まった状態。

先生はその日、新任地の名古屋で所用を済ませて戻られたところ。それから準備作業をしても、丸一日半しか時間はありません。

KIMG1936どうされるのだろうと案じていたら、土曜日の夜になって「あと3箱引き取ってもらえないですか」というお電話をいただきました。そこで昨日、再び伺ったという次第です。

「一昨日から一歩も外に出ていません」とおっしゃってから、「持っていく本を80箱積み上げましたが、どうしても全部は新しい研究室に入りそうにないので、二度手間をおかけすることになりました。申し訳ありません」。

店主がお邪魔したのが午後1時過ぎ。引っ越し便は午後2時に到着予定とか。まさに綱渡りです。

それにしても店主でさえ腰を気にしながら持ち運ぶような重さの箱を、お一人で荷造りされたのでしょうか。ちなみに先生は、中背のスリムな女性。気力と体力に、ジェンダーの違いはなさそうです。

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2021年04月04日

一括整理をご提案

KIMG1934午前中、六本木方面へ宅買いに出かけました。そのつもりで出かけたのですが、結果として下見となってしまいました。

あらかじめ書棚の様子を写真で送っていただいたのです。それもメールではなく、dropboxへのリンクという形で。何十枚という画像が載っていて、おおよその様子はつかめたつもりでした。

写されていたのは主に洋書。結構な量はありましたが、背中で判断して、さしあたり店主の食欲を誘ったのは数十冊のpleiade叢書くらい。

そこでお客様に、すべてお片付けになりたいのか、欲しいものだけお譲りいただけるのかとお尋ねしたところ、「全部引き取るのは無理でしょうから、持って行っていただけるものだけで結構です」というお返事がありました。

それで、pleiade叢書だけでも買い取らせていただくつもりで出かけたのです。

ところが案内されてマンションの部屋に入ると、すぐ目に入ってきたのは、写真に撮られていなかった日本書の棚。洋書よりはるかに多いばかりでなく、白っぽい売れ筋の本も沢山並んでいます。

そこであらためてお客様に尋ね直しました。「ここの本はどうされるおつもりでしょうか」と。

すると借りている部屋でもあり、書斎として使っておられたご主人が亡くなられたうえは、少しでも早く空けて返したいとのこと。

そいういうことならばと、まとめて市場へ出品することをお勧めいたしました。骨抜きになった蔵書では、引き取る業者もなく、処分に費用が掛かる可能性もあります。

店主の提案を、渡りに船と喜んでいただき、日を改めて引き取りに伺うことが決まったのでした。

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2021年04月03日

お渡しできない

「この本」と、スマホを差し出された外国人男性。そこには「日本の古本屋」を検索して現れた、小店出品の洋書が一冊、表示されておりました。

帳場のPCでその本の在庫を確認してみたところ、あまり見ない符丁が保管場所として記されています。とっさにはそれがどこだか分らず焦りましたが、落ち着いて考えてみて思い出しました。

RIMG4784書かれている符丁の場所から動かしていなければ、そこにあるはず。祈る思いで裏に入って、その場所を探してみると、見つかりました。およそ2メートルほど先の、ほぼ目の高さ。

よくよく確かめて、間違いなくそれがお尋ねの本だと分かりましたが、問題はそこからです。

店主と目指す本との間には、うず高く未整理在庫が積み上げられています。とても手を伸ばして届くような距離ではありません。そこに到達するためには、積んである在庫を取り除けて通路を作るか、本の山の上を踏み越えていくしかないのです。

間の悪いことに、その時間は店主一人で店番をしておりました。「ちょっとお待ちください」と言って取り出せる場所ではありません。

正直にお客様にそのことをお伝えしました。幸い日本語が達者な方でしたので、説明に苦労せずに済み、後日再来店していただけることになりました。

「少し見て行っていいですか?」とお尋ねになりますので「どうぞどうぞ」とお答えすると、それから約2時間ばかり熱心に本をご覧になって、何冊かを帳場に持って来られました。「疲れました。本が好きなので」と長居を詫びるようにおっしゃって。

お客様がお疲れになることは分かりますが、店主もまた疲れを覚えたのが不思議です。じっと見張っていたわけでもありませんのに。

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2021年04月02日

まん延防止等重点措置

「まん防」という略称はともかく、何のために作られた法律か、はっきりしないまま施行され、それが実際に適用されるという事態になりました。

うがった見方としては、まさに今回のようなときのため——つまり緊急事態宣言を解除していくらも経たないうちに、再び緊急事態を宣言するのは、解除が失敗であったと認めることになる。それをカモフラージュするためだ——という意見があります。

しかしカモフラージュにもなりませんね。大阪では緊急事態宣言の時より感染が拡大しているようです。

これからも出したり引っ込めたりしていくしかないとなると「緊急事態」では事々しすぎるので、「まん防」でお茶を濁そうというのでしょうか。ハンマー&ダンスの掛け声には、まさにうってつけというわけです。

RIMG4787しかし果たしてどれほどのハンマー効果があるのでしょう。問題は名称ではなく中身です。ただ唱えるだけで感染が減る「魔法の言葉」なら何の苦労もありませんが。

じつは店主にとっても、現在の(とりわけ関西地方の)感染拡大は、他人事ではありません。2週間ほど先に、全国古書籍商組合連合会の総会が京都で開かれることになっているのです。

年に一度、全国の古本屋さんの組合から代表者が集まって会議をする。現在は格別重要な懸案があるわけではありませんが、戦後ほどなくから70年以上にわたって続いてきた集会です。

昨年は緊急事態宣言とも重なり、東京で開くはずだった総会が中止となりました。今年は何とか、と考えて開催の方向で進めてきたのですが、この先「まん防」の効果がどう出るか。

むしろ「魔法の言葉」であってほしいくらいの思いです。

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