2017年01月24日

交換会風景

東京組合広報部が「東京の古本屋」HPのリニューアルを考えておられるとかで、その一環として、交換会風景を見せることを企画されたようです。

それも素人のスナップ写真ではなく、プロの写真家に撮っていただくということになり、東京洋書会もその撮影対象の一つに入れていただきました。

その撮影日が今日。

ところが先週とは打って変わって、出品が少ない。陳列用の平台に本日の出品物を並べて見ると、せいぜい3割程度の埋まり具合です。

当番長としては大変焦りましたが、こればかりは、いかんともしようがありません。店主自身のロッカーも先々週に一度整理したところですので、賑やかしの出品も無理。やむなくそのまま成り行きに任せました。

やがて広報部担当理事さんと写真家さんが顔を出され、さすがにちょっとひるんだ様子。

確かに2週間前から伺ってはおりましたが、出品をその日に合わせて集めるのは難しい。とはいえプロにお願いする以上、先方のスケジュールに合わせざるを得ませんから、まあ出たとこ勝負でした。

RIMG1621結果として、いささか淋しい市場の光景となりましたが、あとはプロの腕前を信頼するしかありません。どのような写真が出来上がるにせよ、それもまた洋書会の真実なのですから。

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2017年01月23日

翻訳ソフト

ネットに出品しているある昆虫図鑑に対し、こんなメールをいただきました。

この本は実物の写真を何枚送ってくれますか。

発信者のお名前からすると、外国の方のようです。本の形態や内容がが分かるような写真が、何枚か欲しいということだと理解し、メールに添付して返信いたしました。するとこんなお返事。

kuwagata3本はとても良くて、しかし私達はちょうど春節が休みになって、等の春節後に私は更にあなたに連絡して、ありがとうございます。

これで分かったのは、発信者がどうやら中国の方だということ。しかしその意味するところは判然としません。いずれご注文いただけるかもしれませんが、アテにしないで待つことにいたします。

おそらく翻訳ソフトをお使いになったのだと思いますが、最近店主も、これとちょうど逆の経験をいたしました。

フランスのAmazonで、お客様から頼まれたフランス書を注文したところ、先方の書店からフランス語(当たり前ですが)で問い合わせが来ました。

言っていることは何となく分かりますが、返事をフランス語で書くのは手に余ります。それで英語でメッセージを書いたのですが、ふと思いついて、翻訳ソフトでフランス語に変換して送りました。

その後メールが来ないのは、無事に通じたのか、あるいはこれは無理だと意思疎通をあきらめたのか。商品だけは発送された模様です。

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2017年01月22日

真剣に悩む

3時のお茶を済ませ、家人と交替しようとすると「こちら、ご検討中ですから」と帳場の上に置かれたNゲージのケース(2500円)を指して、裏へ引っ込んでいきました。

高校生が二人、すぐ前に立っていて、時おり小声で何やら言い交していますが、それよりずっと沈黙の時間が長い。

別のお客様がお勘定に来られ、二人は店の隅の方に移動し、そこでまたボソボソとやっています。買うか買うまいか、悩んでいるのは一人で、もう一人はお付き合いらしいのですが、一緒に真剣に悩んでいます。

やがて家人もお茶を済ませて表に出てきたころ、ついに「また来ます」と言って帰って行きました。

ところが、それから幾らもたたないうちに再び二人で戻ってくると、意を決したように「やっぱり買います」。

まあ高校生にとって、2500円は決心が必要な金額なのだろうと目を合わせると、「じつは女性の方が中の1台でも売っていただけると…」。家人を呼んで交渉を任せました。

RIMG1617あとから聞くと、ケースの中には6台の車両が入っていて、1台だけが違う種類。その1台が欲しいと言うので500円ならと答えたところ、それから悩み始めたというのです。

割高に感じたのでしょうか。しかし他の1台売りは500円です。あるいはそれなら、いっそ全部買った方が得だと思ったのでしょうか。

この買い物に少なくとも30分以上は費やしたはずですが、その当人より、付き合った友達の姿に、なにか懐かしいものを感じたのでした。

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2017年01月21日

戦間期出版事情

「この本はおいくらですか」と差し出されたのは、値をつけないまま、机の脇の棚に挿してあった一冊。

Paul Morand, Papiers d'identite. Bernard Grasset, 1931 というのがその本。CiNii には39版という登録もありますから、良く売れた本だったのでしょう。Bookfinder で調べると、500円くらいから何冊も見つかります。

しかしこれはその初版、しかもハードカバー。Acceptable でも2000円台が最安値――と言うことが分かったのは、お客様がお帰りになった後のこと。ご常連のお得意様でもありますし、直感的に500円という価格を申し上げ、お買い上げいただいたのでした。

安く売りすぎたとか、そういうことを申し上げようというのではありません。価格は適正であったと今でも思っております。本の状態はAcceptable もいいところ。ヤケが強く、背の角も割れていて、読むのに支障はないと言う程度でしたから。

その本文用紙は安手のペーパーバックのような紙質で、束がある割に手に持ったとき軽く、まるでゾッキ本のような安っぽい造りに見えました。

RIMG1610それが何とも不可解でしたので、「この頃は大戦後で、ものがなかったのでしょうかね」などと思わず口走ったのですが、言ったすぐあとでその不正確さに気づきました。

31年ともなれば戦後というより、のちに言うところの戦間期。仮にも戦勝国のフランスが、ドイツほど物資不足に悩んでいたかどうか。いつか調べてみたいものです。

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2017年01月20日

ゆうメールのこと

日本郵便には、日ごろ大変お世話になっています。「ゆうメール」「ゆうパック」の発送に関しては、毎日店まで集荷に来ていただき、とても助かっております。

とりわけ「ゆうメール」は、一般に配達記録も保証もつけないまま出しておりますが、ほとんど事故がありません。その安価なことと相まって、大変重宝しています。

というわけで、とても文句を言える筋合いではないのですが、ごく稀に不達事故が起きることがあります。小店でも過去をふりかえると、住所違いや宛先不明をのぞいて、1、2年に1通くらいの頻度で起こっているような気がします。

それだって、突き詰めていくと何かしら原因が分かるもので、大概は出し手、受け手いずれかに問題があります。

今朝、我が家の郵便受けに、何やら大きくはみ出して郵便物が入っておりました。

天部が開閉式のふたになっていて、その下の受け口から投函してもらうタイプのものです。その天部はふだん鍵で止めるようになっているのですが、たまたま(というよりしばしばですが)鍵がかかっておりませんでした。

そこで、そのふたを開けて郵便物を納め、ふたを戻したようですが、もちろん大きくはみ出していますからふたが閉まるわけもありません。しかし配達員さんは、それで投函完了とお考えになったのでしょう。

RIMG1608おそらく昨日の午後のことです。家の者が帰ったのは暗くなってからで、玄関わきの郵便受けがそのような状態であることに、誰も気がつかなかったようです。

今朝になって店主が朝刊を取りに行くまで、そのままの状態だったことになります。郵便物はB5判サイズのゆうメール。中味が絵本であることがすぐわかるような、会社のロゴ入りケースです。その気になれば、持ち去ることは簡単でした。

今朝まで残っていたことは幸いだったと思います。しかし、発送する立場としては、今後に不安を感じさせる出来事でした。

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2017年01月19日

TKI新年初会議

Google アナリティクスというインターネット分析サイトで調べてみると、「日本の古本屋」と言う語がGoogleで検索された回数は、この2年ほどの間、漸減していることが分かりました。

今日の「日本の古本屋」事業部定例会議で、マーケティング会社の方からレポートしていただいたことです。

その緩やかな下り方が、最近の「日本の古本屋」の売り上げ成績の推移と妙に近いところがあったので、部員一同、あれこれと考えさせられました。もちろん、どんな因果関係があるのか、本当のところは分かりません。

ついでにその場で、同じようにして「古本」を検索した回数を調べていただいたところ、2004年から比べると、およそ4分の1にまで下がっておりました。

こちらもいろいろな見方が出来るでしょうが、ネット社会における古本の位置が、相対的に縮小してきたことは確かだと思われます。

ただそれはあくまで相対的な問題で、市場規模自体は必ずしも縮小しているとは思えません。とはいえ、売上増加のための方策を見つけるのは、簡単でないことは確かです。

難しい課題を抱えたまま、会議終了後は恒例の新年会。協力業者さんたちも交え、仕事を離れて歓談――と行きたいところですが、つい話は我らがサイトの問題に戻りがち。

RIMG1605時間とともにようやく座がほぐれたころ、一次会終了となりました。二次会へ向かうメンバーと分かれ、素面の店主は帰途に。何しろ明日もまた、新年会が控えておりますので。

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2017年01月18日

祝100号

shakujii石神井書林の内堀さんから、いつものように目録を送っていただきました。

いつからかは忘れましたが、少なくとも初めて一緒に理事を務めた2000年頃からは、ほぼ欠かさず送っていただいているのではないでしょうか。

その目録が100号に達したとあります。いかにも内堀さんらしく、ごくさりげない口上が巻頭に述べられていました。

そのさりげなさとはうらはらに、二つの特集(「特集練馬区関町」「特集村上一郎」)は、かなり力のこもったものです。店主のような畑違いのものにも、それくらいは分かります。

整理が悪いので、今までいただいた目録は、あちらこちらに紛れ込んでいますが、捨てたことはありませんから全て残っているはずです。

先日の市場で、彼の目録が数十冊まとめて出品されているのを見ました。残念ながら、誰が幾らで落札したか、その結末は聞きそびれました。

しかしいつか小店が店をたたみ、在庫整理をする時になれば、その目録が、小店蔵書中の数少ない値打ち品として仕分けられることになるかもしれません。

目録を見ているだけで楽しいのですが、内堀さんはその実物を扱っているわけです。楽しくないはずはありません。

学術書などという無粋なものを主な扱い分野とする自分が、無粋な唐変木に思えてきました。

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2017年01月17日

遺された蔵書

因果な商売だと思うこともあります。

カーゴ5台半、哲学関係の仕分けあり。そんなメールが事前に届いておりました。当番長として2週目の洋書会。

朝、会場に着くと、すでに荷主である書店さんが来られていて、カーゴを移動中でした。同じ洋書会員、同じ役員メンバーです。

カーゴから本をおろし、平台に並べると、会場の半分ほどがそれで埋まりました。ひとまずそこまででコーヒーブレイクとし、この先の作業手順などを打ち合わせ。

手分けして他の比較的小さな口を片付けて、その後に当番全員で、その大口に取り掛かることにしました。

ギリシャ・ローマ哲学からフランス現代思想まで、普段あまり出てこない、比較的状態の良い哲学・思想関係の学術書が大量に含まれています。

出品者に尋ねてみると、まだ60代そこそこで急逝された学者さんの研究室から引き取ってきたのだそうです。

因果と言うのはこの点です。現役の先生が、これからも使うつもりで持っておられた本ですから、古書としても需要の高い本である場合が多いのです。
RIMG1611
市場に出すのは、故人のご遺志であったようです。競って求めることが、ご供養にもなると、そう考えることにして、いつも以上に札を入れたのでした。

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2017年01月16日

贋作シンジケート?

ネットオークションなどで、ニセの署名本が出回っているという話が、昨年秋くらいから、業界の一部で噂になっておりました。

古書組合の交換会でも、自筆本として出品される中に、偽物が見つかるのは、決して珍しいことではありません。署名本に限らず、色紙や原稿、書簡など、過去にさかのぼれば枚挙にいとまのない状態です。

交換会の場合は、お互いプロ同士ですから、真贋についてはそれぞれの判断に任されます。落札してから、これは偽物だったからという返品は、基本的に認められません。

しかし市場で買ったものが偽物であっても返せないが、お客様に売ったものが偽物であれば引き取らなければならない。それがプロの掟です。

そもそも真贋を判定するのは、決して簡単なことではありません。専門家どころか、本人でさえ間違えたという、笑い話のようなこともあります。

ならば疑わしいものには手を出さなければよいのですが、高い付加価値が付くこともある自筆本には、それなりのリスク覚悟で手を出す業者もいるわけです。

RIMG1607そんな交換会に、最近、似たような贋物の出品が目につくようになりました。あちこちの古書店に売り歩いているグループがあるようです。同じようなモノが、異なる人物によって、各地の本屋に持ち込まれている実態が分かってきました。

警察に相談しても、詐欺行為として扱ってもらうのはハードルが高いとか。業界のなかで、充分に注意喚起していくしかなさそうです。

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2017年01月15日

年賀状解答編

ボロ市日和。寒いのは当たり前、昔の寒さはこんなものではなかった――といっても、体感にはある程度相対的なものがありますので、このところ暖かかった分、寒さが身に応えます。

年齢的なものもあるでしょう。表でジャンクおもちゃを選び、プラモの箱を一つ持って店に入ってきた小学生は、半袖Tシャツ姿。「寒くないの?」と聞くと「寒くない!」。少し得意そうな顔で帰っていきました。

さて正月も15日。年賀状の解答を公開いたします。まだ考えておられる方は、本日分はどうか読み飛ばしていただきますように。

nenga-ans毎年作っていて、苦労するのはタテヨコの「かぎ」です。易しすぎないように、といって誰にもわからないような「かぎ」では意味がない。

たとえば同音異義語がある場合(日本語にはそれが多いのですが)、そのどれを選ぶかは、どんな「かぎ」を思いつくかで決まります。

今回、いささか頭をひねったのは16のヨコ。ザウと言う文字列は、座右という単語以外、店主は存じません。しかもこの単語、通常はザユウと読むことの方が一般的。ではこれを捨てるか。しかしここを他の文字に変えるとなると、8、10、14、19と考え直さねばなりません。

そこで志賀直哉の編集した豪華写真集『座右寶』を持ち出すことにしました。古書業界では知られた本ですが、この読みは「ザウホウ」。出版社で座右宝刊行会というのも、同様の読み。

ある程度文字が埋まっていくと、入れられる文字は限定されます。だから「かぎ」はヒントではなく、まさに鍵。ピタリと鍵穴に入るかどうかを確かめるものなのでした。

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