2018年01月06日

不思議な「書簡」

昨日の明古に、ちょっと不思議な出品物がありました。

出品封筒に書かれている品名によれば「森鴎外書簡」。確かに封筒(こちらは切手のついた郵便封筒)裏には、差出人として森林太郎の名があります。

表書きの方は宛名が伊原敏郎で、切手に押された消印の日付は明治42年。

そのペン書き文字も、封筒自体も紛い物には見えません。どうやら間違いなく、鴎外から伊原青々園に宛てられたもののようです。

しかしその本体とされている方は、20枚近くもありそうな茶色っぽい便箋で、封筒のとは色が異なる青インクの文字がびっしりと書き込まれていました。

店主は鴎外の自筆についてほとんど知識がありませんが、見たところどうも雰囲気が違います。何より封筒の文字と便箋の文字も、同じ手には見えません。

そして少し文面を読んでみますと、とても「書簡」とは思えない内容。どうやら小説か何からしい。

RIMG2514そこで店主の想像です。これは青々園の作品で、鴎外に見てもらい、それが返却されたのではないか。

だとしても、感想なりなんなり、たとえ一言でも実際の「書簡」があっても良さそうなのに、便箋に添削の跡さえ見受けられませんでしたから、はっきりしたことはやはり不明です。

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2018年01月05日

初市・新年会

RIMG2475市場が始まりました。今年は明古がトップバッター。東京組合にとっても初市。

昨日今日あたりから営業を始めている店が多いでしょうから、まだ出品にまで手が回らない。ということで、市場に集まる荷はどうしても少なめになります。

とりわけ地方荷の集まりが乏しかったようです。いつもは3階4階の2フロアを使うのですが、今日は3階だけでの開催となりました。

それでもじっくり見れば、面白い本が色々見つかるのが明治古典会です。もちろん、手に入れられるかどうかは別問題ですが。

会場はいつものように賑わって、終わってみれば出来高も、点数の割には良い数字になりました。

さて初市終了後、恒例の新年会が午後6時から予定されていましたが、朝の時点でその出品量を見て、急きょ開宴を1時間早めようと協議。

会場の了解も取れましたので、午後5時(!)から「銀座アスターお茶の水賓館」で新年会となりました。

店主にとっては何十年ぶりか。明古でも随分以前に一度、やはり新年会に利用したことを覚えております。久々の「アスター」は、しかし店主にとっては今一つピンと来ない味でした。

もしかしたらウーロン茶でなく、紹興酒でいただけば、また違っていたかもしれません。

ともあれ宴そのものは和やかに楽しく進み、7時過ぎにはお開き。体にも負担が少なく、店主にとっては実にありがたい展開の一日でした。

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2018年01月04日

忙のち閑

午前9時2分の新幹線で名古屋を発ち、家に寄ってから車で出て、店に着いたのがお昼少し前。

小店、本年は本日から営業開始ですが、朝は家人が一人で店を開けてくれました。

その家人の言では、開店してからその時まで「とても忙しかった」そうです。

RIMG2519ただしその中で、売り上げに結び付いたのは、リストを手にご来店くださったご常連様の一件だけで、あとは雑用雑務のたぐい。それで余計に疲れてしまった、とのこと。

店主も、まずは休みの間にいただいた注文品の荷造りを最優先に取り掛かりました。一段落して気がつくと、もう午後2時過ぎ。

もちろん、まるまる2時間を要するほどの注文件数があったわけではありません。食事をし、お客様と応対したりしながらの作業でした。

しかし優先して良かった。荷造りを終えてしばらく経ったころ、郵便局の集荷員さんが「早いですか?」と顔を出されたのです。

暮のような殺人的な集配量は、さすがに治まったようですが、慢性業務過多が解消されているわけではなく、「もう一度あとで来てください」とは、とても言いません。仮に言ったとしても、来てもらえる保証はないでしょう。

ともあれ、今朝までのご入金品は、すべて無事発送。

そうして一息ついたあとの半日は、まったく静かなまま暮れていきました。

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2018年01月03日

「伏見ミリオン座」

昨夜は旧友宅での新年会。これも毎年のことで、顔ぶれも主だったところは変化なし。少しばかりの変化といえば、お開きの時間がいくらか早かったことでしょうか。

まず、メンバーの一人が、午後9時を回ったあたりで腰を上げました。

昔は最後まで付き合ったのですが、近年は体調を気遣ってか、少しずつ早めに帰ります。それが今年は、さらに早くなった感じ。しかし、また来年も会えることの方が大事ですから、無理に引き留めはしませんでした。

残りのメンバーで、なおしばらく歓談を続けましたが、午後11時になる前に宴を終えました。一つには翌朝、つまり今朝、早い時間の映画を見に行くことで話がまとまったからです。

友人宅を出ると、冷たい雨が降り出したところでしたが、歩いて3分、本降りになる前に家まで帰りつきました。

そして今朝、午前8時半に、再び旧友宅へ集合。その足で地下鉄駅へ、そして映画館へ。

去年と同じ「伏見ミリオン座」。ここで9時20分から上映される『永遠のジャンゴ』が、われらが本年の「新春映画鑑賞会」に選ばれた作品です。

KIMG0334映画館に着くと、ちょうど開館するところで、すでに入場を待つ短い列もできていました。とはいえチケットを買って会場に入ると、さほど大きくない場内に観客は数えるほど。

結局、観客数はせいぜい20名といったところでした。普段の入りと比べてどうなのでしょうか。

この映画館、小ぶりながら複数の上映設備を持ち、ほかにも見たい作品がいくつか上映されていました。たまたま上映時間の都合で、この作品を選んだにすぎません。

結論だけ先に申し上げれば、まずまずの「当たり」でした。何の予備知識もなしに、観たのですが。

このように質の良い映画をコンスタントに上映してくれる映画館が近くにあれば、店主だって、年に一度といわず、数回は足を運べるような気がします。

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2018年01月02日

明治150年

KIMG0329新年二日目、朝起きてまず熱田神宮に参拝してまいりました。

午前8時半過ぎくらいでしたから、まだそれほどの参詣客ではありません。西門から入って本殿前まで、特に混み合うこともなく着き、お賽銭を投じて柏手を打って。

本殿両脇のお札所は本殿前以上に混み合っていて、破魔矢やお守りを買う人々が群がっています。まるでそれを目的に来ているよう。

比較的空いたところを見つけて、店主も例年通り破魔矢を一本。娘もお札を一枚。それで退出。家を出て戻るまで、全行程30分と要しませんでした。

話は変わりますが、今年は明治150年。

世間の人にはあまり関心のないことかもしれませんが、店主のかかわっている明治古典会にとっては、結構意味のある年です。

正確に申せば、意味を持たせたい年です。

毎年7月のメインイベント、七夕古書大入札会に際し、それを前面に打ち出すことで、例年以上に盛り上げたいというのが、会としての戦略なのです。

それが、単に一交換会の出来高向上戦略にとどまるのであれば、大した意味はありません。

この取り組みを、明治から150年にわたる、わが国の出版文化を改めて俯瞰するようなものにすることが、会としての真の狙いなのです。

大それた望みかもしれませんが、それでこそ、業界に対しても、なにがしかの寄与ができるのだろうと思います。

なにより、それがきっかけとなって、普段の交換会が活性化してくれること。それが一番の願いではあるのです。

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2018年01月01日

新年ご挨拶

明けましておめでとうございます。

今年も、恒例の行事から1年がスタートしました。家族そろっての墓参りです。

家族というのは店主の実父と二人の妹。つまり店主が生まれ育った家族。それに我が末娘が加わって、総勢5名という構成が、この何年かのお決まりになっています。

墓参り自体は、さらに昔から、今では墓の中に入って参られる側になっている、母の生前から続いている慣習ですから、20年以上は続いている勘定です。

よく晴れて、しかし風の冷たい朝、家から墓所までの行程のほとんどを先頭切って歩いたのは、今年で8回目の年男となる老父でした。

すっかり耳が遠くなり、大声で話さないと話が通じづらいのですが、それ以外は普段の生活に不自由はしていないようです。

墓参りを済ませて、これも恒例化した近くの中華料理店に繰り込み、今年は珍しく個室も取れて早めの昼食をゆっくりとることができました。

ここでも老父は、グラス一杯の紹興酒を「これぐらい」と言って飲み干し、取り分けられた料理もすべて平らげる健啖ぶりを見せておりました。
nenga
私的な話題に終始してしまいましたが、ともあれつつがなく、新しい年を迎えることができたという次第です。

こちらもまたマンネリズムの極致ともいうべき、小店の年賀状です。ご笑覧ください。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2017年12月31日

12月31日

1231風花が舞いました。朝方一瞬のことでしたが、ちらりと目に入ったネットニュースの見出しに、東京に大晦日初雪が降るのは何十年ぶりかだと、報じられていました。

運んでおきたいものがありましたので、まず家人も一緒に車で店に来て、荷物と家人を降ろしたのち自宅に取って返し、車を車庫に入れて再びバスで店に向かいました。

大橋バス停で降りて店まで歩いて12、3分。その間に、すっかり体が冷え切ってしまいました。ダウンコートを着ていたのですが。

今夜から寒さの厳しい名古屋に向かいます。これ以上の防寒着は用意しておりません。元旦のお墓参りが大丈夫だろうかと、いささか不安です。

などと愚にもつかないことを記して、今年も一年、休まずにブログを書き続けました。

先日も市場で同業から「よく続くねえ」と、ねぎらいとも呆れともつかぬ言葉をもらったのですが、本当のところを言えば、書かないと決める方が決断を要します。

つまりは惰性以外の何物でもないのですが、寝込みでもすれば途切れざるを得ないだろうと考え、無理にやめようとすることはやめました(ちょっと変ですね)。

これでもう少しましな写真を撮るセンスがあれば、くだくだと駄文をひねり出す代わりに、数枚のスナップで代用してみたい。

いや、文章だって写真程度の腕前ですから、いまさら構えることもないのかもしれません。いつか試してみることにしましょう。

ともあれまた一年、おかげ様で店を続けることが出来ました。この先も続けられる限り、ブログ同様、構えずに続けたいと思います。

どうぞ皆さま、良いお年をお迎えください。

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2017年12月30日

家賃の行方

昨日、出がけに、スマホをバッグに入れ忘れました。

店に着いてから気がついたのですが、出かける予定もないし、組合も冬期休暇に入り、掛かってくる電話やLINEもなさそうなので、特に問題ないだろうと思っておりました。

それで一日、片付けものに精を出して、ふと時計を見ると午後2時を回っております。29日の金曜日、月末の支払い日。家賃を振り込むべき日であることを思い出しました。

そこで仕事の手を休め、おもむろにパソコンに向かったところ、ハタと当惑いたしました。

振込にはワンタイムパスワードが必要です。そしてそれは店主のスマホに送られてきます。つまりスマホがなければ送金ができないのです。

そういえば、この数か月、家賃の送金はスマホから行っておりました。スマホからなら、端末で個人が認識されるからか、改めてワンタイムパスワードを聞かれるまでもなく、送金してくれます。

余り簡単なのでおそろしい気さえしますが、それが安全だと考えるからこそ、銀行がそのような仕組みを推し進めているのでしょう。

さて折あしく、店には店主しかおりません。銀行ATMに走って、そこから送金することもできないのです。

というわけで、ただの月末ではない、一年最後の大つごもりに、家賃を納められないという事態になってしまったのでした。

RIMG2506今朝、店に来てから、早速スマホで送金を済ませました。昨日の夜、帰ってすぐ送金することだってできたのですが、こういうことは、やはり営業時間にやりたい。

どちらにせよ、振り込まれるのは1月4日になります。年明けに送金しても同じなわけですが、それもやはりケジメ。

かくして店主の口座から家賃分は消えたのですが、これが家主さんの口座に入るまでの間、このお金はいったいどこにあるのでしょう。

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2017年12月29日

交換会ルール

東京古書組合の交換会には、事故係と呼ばれる仕事があります。なぜそう呼ぶようになったのかは分かりませんが、要するにトラブル処理係です。

組合職員さんが一人、専門で担当していているのですが、なかなか心労の絶えない業務です。

一番多いのは、落札した商品に欠陥があったといったたぐいの、いわゆるクレーム対応。他には、落札品が見つからない、入札した覚えのない本が落ちている、などといった申し立てへの対応。

後者は原則として市会当日の申し立て以外は認められないのですが、翌日以降の申告も後を絶たず、むげに門前払いもできないので、困ることが多いようです。

クレームも含め、解決のむつかしい事故は、交換会の運営担当に相談が回ってきます。明古でも最近、こんな事故が報告されました。

クリスマス特選市で、ある本を落札された業者さんが、清算に来られて、自分の入れた札と一桁違うと申し出られたのです。

札には7、8、9で始まる数が3列に書かれていました。いうところの3枚札です。その桁が4桁なのか5桁なのか、多少紛らわしい書き方ではありました。

RIMG25033枚札は1万円以上でしか使用できません。しかもクリスマス特選市の最低出品価格は1万円です。開札者は何も疑わず、7万円台の数字を落札価格として封筒に書き入れたのでした。

当日、発声を聞いて異議を唱えるか、遅くともその日のうちにご本人が気づいて訂正を申し入れれば、対応は可能だったでしょう。

しかし時すでに遅く、これを今になって修正することは、入札システムの根幹にかかわるため、強いてご理解をお願いしたのでした。

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2017年12月28日

適正買い取り

昨日あたりから、めっきり人気がなくなった感じです。

ふだんから賑やかとは言えない駅前(!)の通りですが、日中でも人影を見ない時間が長くなりました。

通り過ぎるのさえ思い出したようにですから、その希少な通行人のうち、小店に立ち寄っていただける方はまさに極稀。scarceと、本なら見返しに書き込むところです。

そしてその稀なご来客についても、お買い上げより、お持ち込みの方が多い、というのがこの時期の決まったパターンで、今年もその例にもれません。

それだけでも店を開けている意味があるではないか、と言われればその通り。ありがたいことに違いありません。

RIMG2473特にこの暮れは、文庫本のお持ち込みが例年より多く、しかも比較的新しい、状態の良いものを多数お譲りいただいています。

今の時期にはとりわけありがたい仕入れですので、評価もいつも以上に奮発し、たいていのお客様にはご満足いただいているはずです。

実際、すなおに喜ばれたり、「そんなに!」と驚かれたり――などと言っていると余りに宣伝臭いので、今日あった反対の例をご披露いたします。

無言で帳場前に立ち、ショルダーバッグから文庫本を6冊引っ張り出した60年配男性。「これでいくらになる?」

謹んで拝見し、お値段を申し上げると「そんなもんにしかならないの!」あきれたような声をあげられますので、そのままお返しすると、やはり黙ってバッグに戻してお帰りになりました。

万人に喜んでいただくのは難しいようです。

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