2016年02月08日

百日は困る

RIMG0724咳に悩まされております。

昨日の朝から、間歇的に出るようになったのですが、一日やり過ごしておりましたところ、夜床に入っても治まらず、間をおいて単発の咳が発作的に出て、なかなか寝付けませんでした。

身体を絞るようにして咳をするので、体力も消耗します。このままでは明日起きられるだろうかと心配になりましたが、その疲れもあって、朝方ようやくまどろむことができたようです。おかげで、起きて仕事に出かけるくらいには元気が回復しておりました。

店に来て開店準備をして、すぐ古書会館へ。理事会は午前10時から約2時間。8月のゴール(任期満了)へ向かって、一つ一つ課題を片付けていく段階に入っています。

会議を終えてから、4月の全古書連のための打ち合わせを30分ばかり。階下へ降りて4階、3階の中央市会を見て回りました。年に何回も覗くことがありませんから、久しぶりに顔を見る同業も多く、入札よりもっぱら挨拶に追われた次第です。

仲間と「やぶ仙」で昼食をとり、そこで解散して店に戻ってきました。午後2時を少し回ったくらい。

さて仕事をしなければ、という気持ちはあるのですが、やはり寝不足がたたっているのか、体の動きがスローモー。日ごろから、テキパキしているとは言い難い店主ではありますが。

1時間ばかり、昼寝をさせてもらいました。それでもなんだかボンヤリした感じ。そして、咳が残っています。大分出なくなりましたが、話をするとダメなようです。電話を取るたびに、咳き込んでしまいました。

明日は洋書会の当番。明後日はお昼と夜に会議。こんな時に限って予定が立て込んでいます。今夜のビデオ観戦は、早目に蒲団を敷いて観ることにしようと思います。

ちなみに業界では最近、相次いで何人かが、まるで百日咳のような長い咳に苦しめられたという話を聞きました。店主のは、せいぜい3日くらいで治まってほしいものです。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月07日

知りたくない

いよいよ第50回スーパーボウルの日がやってきます。これが日本時間では明日、2月8日(月)。午前8時半がキックオフ。

例年なら午前中は仕事を休ませてもらい、家でLive中継を観戦するというのが、年に一度のお楽しみとして、家族公認ともなっているところです。

しかし、今年は何の因果か、定例理事会と重なってしまいました。午前10時には、古書組合7階の会議室に座っていなければなりません。

このことに気がついたのは、迂闊にもプレーオフが始まった頃のこと。もっとも、それより早くから気がついていたとしても、如何ともしがたいことではありました。

RIMG0745会議の時間を午後に繰り下げるくらいの調整は、無理をすればできたかもしれません。しかしその理由が店主のスーパーボウル観戦のためというのでは、やはり納得はしてもらえないでしょう。

ミサイルの打ち上げ日程すら、直前に変えてしまう、どこかの独裁国とは訳が違いますから。

ということで、明日は夜、家に帰ってからビデオを見るまで、試合結果が耳や目から飛び込んでこないよう、充分注意するつもりでおります。

といっても、情報管制を敷けるわけではありませんから、出会いがしらに情報と遭遇してしまうことも充分考えられます。まあ、そうなればなったで、あきらめるしかありませんが。

願わくは、結果が分かっていても見たくなるようなゲームでありますことを。

一つ心配は、今回応援するブロンコスのマニングは、過去にもボロ負け試合の経験があることです。そのころよりも、QBとしての力が更に落ちていることは、否定できないところ。チーム全員の頑張りで、拮抗した試合になることを望んでおります。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月06日

日吉通い

去年の暮れからの日吉通いが、今日で何回目になるでしょう。4回か5回か、すぐには思い出せないほどになってきました。

片道小一時間。往復二時間。M先生の研究室での作業がやはり小一時間。それで一回に、約300冊ほどを積んで戻ってきます。

作業が小一時間というのは、ただ本を縛るのに時間がかかるのではなく、先生が棚や、床に積んだ本、あるいは段ボール箱の中から選び出して、お渡しくださるのに要する時間も含まれます。

初めは、ずいぶん時間の無駄のような気もしました。もう少しまとめておいていただいて、一度に済ませる方が、お互い効率的ではないかと思ったのです。

しかし繰り返しているうちに、案外、理にかなった方法かもしれないと思うようになりました。その大きな理由の一つは、M先生のお出し下さる本が、ほぼ店売りに向いたものばかりだからです。

RIMG0744一度に例えば1千冊以上お引き取りするとなると、置き場を考えた時、まず市場に持っていくしかありません。利益の面では薄くなりますが、それはそれで勝負が早いという利点もあります。

しかし、M先生の蔵書には、しばしば書入れや耳折があり、これが市場で取引する上で、大きなマイナスになります。

実際、自分で売るに際しても、そうした書入れや耳折があることで、手間が数倍かかるのですから、市場取引のマイナスになるのも、致し方ないことだと思います。

ようするに、手間をかけて自分の店で売る本だということです。となると、少しずつ引き取って来る方が、仕事がやりやすい。一冊ずつは、面白い本なのですから。

ただ問題は、今のペースの引取りでも、処理能力を超えて本が溜まって来ていることです。せっせと片づけるしかありません。

konoinfo at 18:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月05日

リオの不安

KIMG0323今日は明治古典会――、のつもりで店を出たのですが、実際に市場にいられたのは、延べにしても30分ほどではなかったでしょうか。

着いて、一回りしているうちに午後1時。2時からは会議の予定が入っておりましたので、いつもの仲間と連れだって昼食に出ました。このところ決まったように、まず「たんぽぽ」を覗きます。

幸い今日は席も空いていて、そこで食事。終わって少しのティータイム。市場に戻るとちょうど午後2時、そのまま7階の会議室に向かいました。

今日の会議は、4月の全古書連総会歓迎大市会(長ったらしい名前ですね)の目玉企画である、「出品アプリ」の開発状況を検討し、この先のスケジュールを再調整するためのものです。

アプリ作成を依頼しているシステム会社さんが、ここまでに出来上がったところを見せてくださいました。

まだ未完成の部分が多く、時間的にも多少押してきてはいますが、ようやく実際の画面や動きが目に見える形になり、会議の参加メンバーも、かなり具体的なイメージがつかめるようになったはずです。

アプリを実際に使ってもらうのは3月に入って以降のこと。しかし、それ以前にマニュアルを用意しておかなければなりません。

今回のアプリは、マニュアルを必要としない簡単操作を目指しているとはいえ、多少の説明文は必要です。今日の段階では、まだその基本操作説明書を作れるまでには至りませんでした。

もちろん、このほかにも大市準備の作業はいろいろとあります。果たして万端整って、期日を迎えることができるかどうか。オリンピック準備に追われるリオデジャネイロも、こんな心境かもしれません。

幾許かの焦りも伴って、会議は5時半まで続き、疾うに明古は終わっていたのでした。

konoinfo at 21:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月04日

梅の花冠

冬の間は落ち葉も少なく、朝、家の前を掃く手間がほとんど要りません。

今朝も箒と塵取りを手にして歩道に出たものの、煙草の吸殻が一つ二つあったくらいで、それを掃き取って終わりにしようとしたとき、ふと白いものが目に入りました。

近づいてみると、梅の花でした。一輪そっくり、緑色のがくを上にして落ちていたのです。教えられるように上を見ると、我が家の老梅が、既に多くの蕾を付け、いくつもが花開いておりました。ついこの間までは、堅い冬芽しか見つからなかったのですが。

今日は立春。自然の律義さには感心させられます。

昨夜は節分ということで、我が家でも恵方巻を作っていただきました。この風習が、いつから一般的になったのかも不思議なところです。家人も東京にはなかったと申しますし、店主の名古屋でも経験はありません。

それが今や、デパ地下などではケーキまでが恵方巻ロール。便乗商法と言えばそれまでですが、これもまあ営業努力と思えば、多少温かい目で見られるというものです。

RIMG0743さて本日、店の前の道路工事が、いよいよ大詰めの路面舗装となりました。お昼頃はまさにクライマックス。ちょうど小店前の部分にアスファルトが撒かれ、ローラー車が路面を均していきます。

音もさることながら、煙と臭い。とても店頭で、本をご覧いただくような環境ではありません。そもそも店にたどりつくのも、容易ではない状況。それもこれも今日までの辛抱と、じっと我慢の数時間でありました。

しかし、そんな中でも、店内でじっくり本をご覧になるお客様がおられ、やがて数冊の本をお買い上げくださいました。その一冊が呉茂一の訳詩集『花冠』(紀伊國屋書店1973年)。

この花冠は、文字通り花で作った冠のことですが、今朝落ちていた梅一輪、これも花冠と言うのだと、つい今しがた知りました。

ちなみに『花冠』は素敵な本で、昔はそれなりの価格で売られていたものですが、岩波で文庫になったこともあり、売値は1000円。本に申し訳ないような気も、多少いたしました。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月03日

「コショタン」で届いた本

昨年の11月から始まった、店の前の道路改善工事は、明日で概ねのところ終了となるそうです。

例によって現場監督の方が、昨日店に来て説明してくださいました。明日、小店の前一帯を舗装工事して、「それで大きなところは、ほぼ終わりになります」と。

つまり明日は、朝店に来て車を止めたら、工事が終わる夕方まで出入りはできないということ。

明日で助かりました。今日だったら「コショタン」も、店の前に停められなかったところです。市場からのルート便を、小店ではそう呼んでいます。ボディーに大きくコショタンのイラストが描かれているからです。

午後、警備員さんの誘導でコショタンが、店の前までバックで入ってきました。先の方が舗装工事で、通行止めになっていますから、来た道を戻らなければなりません。どうせバックするならと、手前で向きを変えてきたのでした。

昨日の洋書会の仕入れと、組合で購入した梱包資材が積まれたカーゴ1台が、トラックから降ろされ、入れ替わりに、来週出品するつもりの本を積んだカーゴ1台を、トラックに積み込みました。

帰りは、誘導してもらいながら少しの区間、一方通行を逆走するのだそうです。この不便も今回限りの筈。コショタンの運転手さんに、そう伝えました。

lerouxさて届いた荷物を改めて検分。冷静になってみると、ちょっと惚れ込みすぎたかと思わないでもありません。店主にとっては、かつてパリから取り寄せたりして売った、懐かしい本も何冊か。

しかし、以前扱ったのは20年ばかりも前。当時に比べると、付ける値段はかなり安くなりますが、それでも今の時代、新しいお客様が見つかるかどうか、いささか心もとないところではあります。

でも、まずは売るための努力もしてみないことには、ですね。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2016年02月02日

仕分けの判断

今月は洋書会の当番です。午前10時の集合時間より少し早く、市場に着きました。

このところ出品量が多めだったのですが、店主を気遣ってか(そんな筈はありませんが)、今日の出品は少なめ。カーゴにすると4〜5台というところでした。

しかし量が多ければ良いというものではありません。本日の出品物の中には、店主にとってなかなか興味深い一口があり、自ら仕分けをして入札をし、何点かを落札することができたのです。

その意味では、こと店主に限って言えば、久々に面白い市場でありました。

その一口というのは、サーカス・見世物・道化に関する、主にフランス書のコレクション。全部で50冊ほどありましたでしょうか。

分野のまとまったものですから、これを1点として、一括で入札してもらうという手もあります。その方が競り合って高くなる、という場合もあるからです。

しかし考えた末、敢えて7点に分けることにいたしました。その理由の一つは、刊行年のそれほど古くない、いわゆる白っぽい本も、けっこう混じっていましたが、それらの状態が必ずしも良いとは言えなかったからです。

一口にまとめるより、分けておいた方が、そうした状態を確かめ易くなります。それによって、しっかりした札を入れてもらうことができますし、難点を見落として落札後にクレームが出る割合を減らすことができます。

要するに、仕分けた方が入札者には入れやすくなり、全体としても高くなるはずで、つまりは荷主さんの利益にもなると思ったわけです。

RIMG0744結果として、何点かを買い逃したことに、悔いが残りましたが、落札して喜んだ人がほかにもいたということですから、当番としては良い選択だったのだと、自らを慰めることにいたしました。

konoinfo at 19:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年02月01日

古書の履歴

RIMG0739少々見づらい写真ですが、ご容赦ください。右の本は Letourneau, L'evolution du mariage et de la famille. (1891) の英訳本です。

わが国でもルトウルノ『男女関係の進化』(春陽堂)として、1916年に翻訳書が出版されています。翻訳者は誰あろう、かの大杉栄(らしい)。

先日、宅買いで引き取ってきた、社会人類学者の御蔵書の一冊ですが、今日話題にしようというのは、この本の内容に関することでも、本の造りについてでもありません。

ハーフタイトルページに堂々と押された学校印。これが何とも気になったのです。

昔は図書館蔵書の扱いには、厳しい制約がありましたから、廃棄印や除籍印も押されていない状態で、売り買いされることは、まずなかった筈。

見返しの上隅にあるラベルを見るまでもなく、これが古本として売られ、買われたものであることは間違いありません。となるとカギは蔵書印。「日本済美学校図書印」と読めます。

学校名で検索すると、何件かの記事がヒットしました。それらによると、「日本済美学校」は今井恒郎という教育者によって明治40年に創設され、昭和25年には「敷地、建物、設備一切を杉並区に寄付」しているそうです。

つまりおそらくはその時点で、学校の蔵書も処分されたのでしょう。それで謎のひとつは解けました。

しかしもっと不思議な謎は、中学生、のちには小学生をも対象とした全寮制少数教育の学校に、なぜこのような本が架蔵されていたかという点です。それを知るほどの手がかりは、WEB上には見つかりませんでした。

店主にとってさらに興味深いのは、「1964年5月6日神田・明治堂にて」とある書入れ。そして松村書店のラベル。どちらの店も今はありません。その下にもう一枚ラベルがあるようですが、うまく剥がせれば見てみたいものです。

この本の履歴は、古書業界の履歴でもあるのでした。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年01月31日

コプト語辞典

今日は昨日に比べると大分暖かであったらしく、そのせいか近ごろになく店がにぎわいました。

お客様のおられる時間の方が、おられない時間より長いというのは、小店あたりでは稀有なことと言わねばなりません。

お一人ずつの滞在時間が長いのも特徴的でした。遠方から、わざわざお越しいただいている方が多かったのかもしれません。

今朝は、まだ開店時間になる前に、語学書の持ち込みがありました。ご常連のMさんです。

71665アフリカ、中近東をはじめアジア、ヨーロッパ各国、一体何か国の言語を学習されたのか数えきれない、という方で、今日ご持参になった目玉はコプト語辞典。ほかにエチオピア語の研究書、スウェーデン語とポーランド語の小説など。

実は、前回Mさんからお売りいただいたアルメニア語の辞典に注文が入り、たまたま今日、お客様が引取りに来られることになっておりました。

これほど足が速いことも珍しいのですが、しっかりした辞典類は概ね間違いなく売れていきます。というわけで、今回のコプト語辞典も高く評価いたしました。

この辞書は、過去にOxfordから出ていたものを復刻したもので、例によって製本はそちらの方が良いのですが、今回は新たな序文が加えられていて、価格もリーズナブルになっています。

小説の方は、ほとんど売れる気はいたしませんが、しばらくは安い値段で店頭に出しておくつもりです。

このMさん、今朝早くご来店になったのは、お昼から近くの学校でTOEICのテストを受けるため。どこまでも、語学学習がお好きな方なのでした。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年01月30日

久々の通夜

RIMG0699同業の葬儀に出かけるのは、いつ以来のことだろうかと考えてしまいました。すぐには思い出せません。

組合には訃報を回す仕組みがあり、今はFAXの一斉送信で報されるようになっていますが、かつては、各支部の役員(文化厚生部)が、電話連絡網などを使って報せたものでした。

昔はまずその報せを受けて、当該支部役員が葬儀の手配などに当たるのが通例で、支部では文化厚生部というのが、一番大変な役職だとされていたのはそのためです。

訃報自体が少なくなった、ということではないはずです。ただ報せるタイミングが変わってきました。葬儀などを済ませてから、事後報告を行うケースが増えてきたのです。

忙しい同業に迷惑を掛けたくないという配慮が、まず一番にあるでしょう。しかしそれ以上に、遺族が業界とあまり接点がない、という場合が多くなったことが、大きな要因だと思われます。

今日、久々に通夜に出かけることになった目黒駅近くの弘南堂書店は、今では珍しくなった家族ぐるみの本屋さんです。それも四代目に継承されつつあるという老舗。

亡くなられたのは三代目の御母堂で、享年102歳。この方とご面識はありませんが、三代目には駆け出しの頃、いろいろとお世話になりました。四代目も、もちろん良く存じ上げております。

また同じ南部支部であることはもとより、古物商としては、目黒区の防犯協会に所属している、いわばご近所さん。お報せを聞いて、顔を出さないでは義理を欠くことになります。

今日が、ひと際寒い日であったことにも、ある感慨を覚えました。葬儀と言えば、恐ろしく暑いか、耐え難く寒いか、そんな日ばかりが思い出されるからです。

少し遅れて通夜に駆けつけると、何人もの同業と顔を合わせました。しかし中心となって仕切っておられたのは、商店会の方々。確かに、こちらの方が、より深いつながりがあるのでしょう。それで、こうした葬儀になったことも、頷けました。

konoinfo at 19:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives