2009年11月22日

『全国古本屋地図』の衝撃

宅買いで引き取った本の中に『全国古本屋地図』(日本古書通信社)があったのを思い出し、積み上げておいた本の山から探しだしました。

出てきたのは昭和53年8月刊の改訂新版第二刷。まえがきと奥付によれば、昭和52年の初版発行からここまでに、都合五回、刷を重ねています。

これ以降、2001年の21世紀版まで、改訂や増補をしながら繰り返し出版されたようですが、詳しくは分かりません。今度、樽見さんに会った時にでも聞いてみようと思います。

ただ、この昭和53年は、店主にとっては何とか五十嵐書店に拾い上げてもらい、この業界とのつながりが出来たばかりの頃で、とても思い出深いものがあります。

当時の早稲田、神田はもとより、暇を見つけては回ったあちこちの本屋さんの佇まいを、巻末の名簿を見ながら思い浮かべ、なくなった店の多さに改めて驚きました。

しかしそれより大きな衝撃を受けたのは、表紙に使われている写真です。どこか一流書店(想像はつきますが)の棚らしい。あの頃こうした棚を見れば、立派な(そして高価な)本が並んでいると感心したはずです。

試みに背が写っている本の何点かを、「日本の古本屋」で検索してみました。思ったとおり、悲しくなるような価格崩壊ぶりを、この目で確かめることになってしまったのでした。
kotsu

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2009年11月21日

静かな土曜日

今朝は10時から南部支部役員会。2回ほど続けてお休みさせてもらっていて、久々に顔を出しました。

先日(10日)定例役員会の帰り道に支部長、副支部長と電車が同じになり、今度は出られますかと問われ、大丈夫ですと答えたのです。

その後、店番のミセスBがこの日お休みすることになり、家族に助けを求めたところ、それぞれ用事がある中で、幸い一人が予定をやりくりして店番を引き受けてくれ、おかげで無事出席を果たせました。

格別難しい議題があったわけではありません。年末を控え、大掃除などの行事日程を確認しました。店主に求められているのは、担当する「日本の古本屋」についての報告。現在の動きなどをお知らせしました。

30名ほどの出席者が、毎回どんな思いで出ておられるかは分かりませんが、店主などはここに来るたびに、支部組織が健全に機能していることを感じ、心強く思います。

会議は短時間。すぐに引き返し、家族を店番から解放。この数日と比べて気温も高め、穏やかな土曜日です。しかも今日から「駒場祭」。小店の裏、井の頭線をはさんだ向こう側にある大学構内は、今日から三日間、大賑わいのはず。

静けさをお求めの方は、どうぞ小店まで。

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2009年11月20日

明古の金曜日

二週間ぶりの明治古典会で、出品量は多め。出品点数は千点を超えました。現代美術を中心とした画集、研究書で100点前後という口が二口あって、人気を呼び、高値になっていました。

不思議なことに、似たような口が同時に複数出るということが、良くあります。一般の入札者には、それが同じ一口か、別々の出品者によるものかは分からないことになっていますから、ボリューム感が出て、良い効果を生むことが多いように思います。

また今日の一口は、白っぽい、新刊のような本が多かったので、誰にでも手が出しやすいということも、人気の原因であったようです。「定価の割りで売れるような本の方が、今時は高いんだよね」と、ある同業は嘆いていました。

一方、入札する側にしてみれば的を絞りにくく、苦労することもあります。平均的に入札していると、全滅するか、あまり欲しくないものだけ落札するかということになりがち。といって、精一杯気張って入れると、落札したはいいが、売れても儲けが出ないということにも。

そんな中、店主はやや腰が引け、めぼしい成果なし。

市会終了後、神保町駅近くの小さなステーキハウスで、いつもの仲間と食事。その中の幾人かが連れ立って出かけた旅行の、みやげ話が盛り上がり、遅い帰りとなりました。

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2009年11月19日

葱背負って帰る

一日中冷たい雨。午後一時の神保町の気温表示は8℃。月に一度のTKI会議です、6時過ぎまで。

終わって店に電話。店番の家人から夕食材料の補充を頼まれ、「マザース」で葱その他を購入。電車に乗りました。

九段下で前の席が端から二つ空くと、まず駆け寄ってさっと座ったのは携帯片手の若い女性。その隣りに空いた席には、ダブルの背広で恰幅のいい中年、ただしノーネクタイ。

女性はひとしきり携帯を操作し終えると、バッグからイヤホンを引き出して耳に付け、目を閉じます。中年は携帯と睨めっこ。ふと見るとピンクの画面が動いて、どうやらゲームに熱中。しかし時折り瞼が降りてきます。

皆さんお疲れです。とても本なんて。

渋谷が近づくにつれて車内は混雑してきました。提げたビニールバッグから覗く葱。さすがに長いので先を切ってもらったのですが、それでも長く飛び出ています。さらに切ったため、袋はかぶせてあっても、そこはかとなく匂いたってきます。

やっと渋谷。ここまで来れば着いたも同然。店に帰ると今シーズン初めて入れたエアコン暖房が、暑いくらい効いていました。殆どドアの開閉がなかった証拠かも。

しかし冷たい雨の今夜は、家族でお鍋です。




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2009年11月18日

ケネディからオバマまで

お天気は回復、日も差したのに、気がついてみると一日雨の昨日より客足がありません。夜になって冷え込んできました。

というわけで片付け仕事に精を出していたら、また手を止めさせるものが。『ケネディ大統領の就任演説』という小冊子です。

演説部分は2〜12頁、見開きで対訳が3〜13頁。注釈が29頁まで。ロバート・フロストの詩とその注が35頁まで。それに前付などを入れて40頁仕立てに、タイトル頁が貼り付けてあり、その外に写真入の表紙がつきます。

発行は米国大使館文化交換局、1961年3月20日。半世紀近く前のことになるのですね。

オバマ大統領と比べられることも多いケネディ大統領ですが、冊子を眺めていると、この年月を経て、むしろ比べようもなく変ってしまった多くのことに思いが行きます。

しかし演説文を読んでみて、確かに比較される理由もわかる気がしました。当時は冷戦真っ只中、今とはまるで様子が違いますが、解決すべき多くの課題は、殆どそのまま残っています。

「これらすべてのことは、(中略)この地球上におけるわれわれ生涯の間にも恐らくなしとげられないであろう。だが、始めようではないか」

今また、ほとんど同じ言葉を聞くことに、希望を見るべきでしょうか、それとも絶望?
kennedy

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2009年11月17日

日本民藝館

『民藝』が30冊ばかり手元に入りました。日本民藝協会が出している雑誌です。その所在地は日本民藝館。ご当地なので、以前はご近所に宅買いに伺うと、たまにまとまって出てきました。

薄い雑誌で、一冊づつ値をつけるのが憚られるようで、まとめて市場に出した記憶があります。

今回は少量ですから、一冊100円で、表に出してみようと思います。157号から187号、昭和41年から43年にかけて。一応、目は通っています。

「日本の古本屋」を見てみたら、ずっと新しいところですが、1冊400円以上で出しているようです。さすがに100円では商売になりませんからね。

時折、思い出したようにマスコミに取り上げられる民藝館ですが、地道な活動で長く存続しているのは大したものだと思います。

店主はこんなに近くにいて、これまで二度ほどしか同館を訪れたことがありません。そのうちの一度が、ブレイク展。由良先生が企画に参加され、楽しみにしておられたものです。

ご自身の所蔵品も展示されましたが、その時には遺愛の品となっていました。ついこの間のことのようでもあり、遠い昔のことのようでもあります。

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2009年11月16日

冬支度

この一、二週間で、淡島通りの街路樹が順々に刈り込まれて、剥き出しの枝をさらしています。

ずっとプラタナスと思い込んでいたのですが、ふと気になってよく見ると、葉の形がどうも違う気がします。調べてみたところ、プラタナスと言うのは属名で、その点では間違いではありません。

その属に主なものとして三種あり、そのうちスズカケノキというのが葉の切れ込みが深く、どうやらこれのようです。

さらに注意して見ると、もう少しぽってりとした葉の、モミジバスズカケも僅かに混じっていました。街路樹としては、こちらの方が多いらしく、店主などはこれをプラタナスと認識していたのです。

どっちもプラタナス、ということで一件落着。

それにしても、いよいよ冬が近づいてきました。店の前のハナミズキもほとんど裸木となり、残った葉が風に揺れる様を店内から見ていると、それだけで寒そう。

ところでこのハナミズキ、去年と違い花芽が沢山ついています。来年の春には、今までになく多くの花が見られることでしょう。それを励みに、冬を耐え忍ぼうと思います。

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2009年11月15日

自分の本(近頃出版事情)

「本を買ってもらえますか」と言った後、恥ずかしそうに「自分の本ですが」。そう言うと同じ本を三冊、机の上に乗せました。

近代史の翻訳書、要するにその翻訳者がご自分であると言うことのようです。ご本人のために、漠然とした言い方にとどめます。

初版部数800部、そのうち80部を現物支給された。ということは印税代わりなのでしょう。仕舞っておいても仕方ない、金よりも、少しでも読んでもらいたい。置いてもらえるだけで有難い。

お気持ちは充分にわかるのですが、古本屋に売ると言うことは、売れる値段にまで、値を下げて売られると言うことです。そのことが理解できているのか、何度も念を押しました。

発行は6年前。版元はまだ通常在庫として持っているはずです。値崩れを招けばそちらにも影響します。

しかし、一人でも多くの人に読んで貰いたいという著(訳)者の心情を無碍にも出来ず、ともかくその三冊をお引き受けしました。

買い切りですので、正直、かなり安い値段です。特価本などを卸から仕入れる程度の価格。それでも、これを売って利益を出すのは結構難しいと思います。

他に引き受けてくれそうなところはと尋ねられましたので、信用の置ける店を二三軒、ご紹介しておきました。

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2009年11月14日

非優先席

昨日からの雨は朝には大方上がったというのに、一日中はっきりしないお天気。

本部会館は大市ですが、地区会館は通常どおり。第二土曜日ということで五反田の南部会館へ入札に。

実は今日は高円寺にある西部会館でも、西部地区の大市会。色々な経緯があって、今回が最後の西部大市会となりますが、それをわざわざ本来の日程から繰り上げてこの日に持ってきたのには、また別に思惑が。

ともかくそちらの方はパス。で、昼前には五反田から店に戻りました。その帰りのJR車中の見聞。

店主の母親くらいの年恰好のご婦人の後について乗り込んだのですが、その方が席を見つけ向かおうとすると、一足早く若い男が席を占めました。車両の端の、ふつう優先席となっているあたりです。たまたまそこには表示はありませんでしたけれど。

彼とその脇の二人、向かい側のシートの三人、いずれも店主の息子か娘ほどの年恰好。立っている自分のお祖母ちゃんほどのご婦人が、杖を手にしていることも見ようとしません。携帯に見入っていたり、あらぬ方を眺めていたり、ヘッドフォンを眼閉じて聞き入っていたり。

晩年の母が、あれば楽なはずの杖を持って出かけるのを嫌がっていたことを思い出し、悲しい気分になりました。

幸い離れた席にいた中年男性が席を譲り、店主の心も少し安らいだのでしたが。

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2009年11月13日

遠近道印

急に古書会館へ行く用が出来、雨にならないうちにと午前中に出かけました。それでついでにと言っては失礼ながら、東京古典会の大入札会を見学。

会場に並べられた約2000点の古典籍は、最低入札価格10万円からという高額品ばかり。落札価格は何百万円、あるいはそれ以上になるかも知れない商品も並んでいます。

取り扱う業者も、お客様も、古書の世界のエリートたち。やはり店主などには敷居が高すぎるようです。

それでも一目見ておきたいものがあったので、会場をぐるり一回り。地階の会場が古地図のコーナーで、そこにありました。遠近道印の『新板江戸大絵図・江戸外絵図』全五舗です。

幻とまで言われたこの地図の原本が、揃って出てきたのは、専門家にとっても大きな驚きだと聞きます。一舗だけ広げられた「南」図を見て、後の四舗には手も触れずに引き上げました。

すべて手に取って見られる、というのがこの催しの一番の売りではあるのですが、素人の野次馬ならともかく、端くれとはいえ同業としては、単なる興味で触れるのはためらわれたのです。

でも見た目はとても地味で、ちょっと肩透かしを食ったよう。「実測図は地味なんだよ」との先輩の一言が勉強になりました。

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