2009年02月21日

新品でしょうか

在庫のお尋ねで、そのように訊かれました。
小店は古本屋ですから、新品はございません。
そうお答えするしかないのですが、お尋ねの
主旨は「新品同然でしょうか」ということかも
知れません。
綺麗な本です、とお答えすれば済むかもしれません。

しかしその場合も、実は本の美醜を問うているのか
前に誰かが読んだかどうか(つまりsecond hand)
を問うているのか、確かなところが分かりません。
そのどちらも、ということでしょうか。

版元から直接送られてくるような状態と、たとえ
短期間とはいえ、店の棚に差して人の手が触れたもの
とでは、同じ新本でも厳密に言えば綺麗さは違います。
その微妙な差異を問題にするのか、ともかく一度人の
手に渡ったものはイヤだということなのか。

要するに小店が古本屋であることを認識した上での
ご質問かどうかという点が、このようなお問い合わせ
の際一番分かりにくいところです。

同じようなことが、店でもあります。
この本は古本ですか、というご質問です。
店の場合は、そうですとお答えし、あとはご本人に
良くご検分いただけば、それで済みますが
メールのお問い合わせには、なかなか苦慮します。


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2009年02月20日

天下一本

まさかと思いましたが、やっぱりこれは私が
以前住んでいた近くの古本屋さんに売った本です。
ほらここに書いてあるのは、私の名前です。
こんなところでまた出会うとは。

よほど感激されたのか、そういってその本を
また買っていかれたお客様がおられました。

また、別のお客様からは、注文して届いた本に
懐かしい恩師の名が記されていたが、どのような
経緯で手に入れられたか、というお尋ねを
受けました。

他にも、尊敬する学者の書き入れ本と知り、喜んで
買っていかれるお客様もおられます。

古書は、多くの場合、少なくとも一度は誰かの
手を経たものです。その誰かに意味を見出した時
その一冊は他にはない、ただ一冊の本になります。

著者の署名がある本は、ファンや蒐書家に
珍重されますが、古本を求める醍醐味としては
こちらの方が、数等勝っているように店主は思います。

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2009年02月19日

山が生まれる時

ただ今帰りました。
お昼から出かけて、もう店をしまう時間。
出かけた先は古書会館、用事はTKI会議。
TKIというのは東京都古書籍商業協同組合
インターネット事業部の略称。
「日本の古本屋」を運営している会議です。

月に一度の会議なので、つい長くなって
2時から6時半まで延々。
もう少し頻繁にして、一度の会議を短く
という案もあるのですが、それはそれで。
どうせ店を空けるなら、一時間も六時間も
同じことだということもあり、それなら
まとめて、となっている次第です。

しかし考えてみれば、今週は昨日一日を
除いて毎日出かけることになります。
明日は朝から明治古典会、あさっては南部。
一つの会議を月一度にまとめても、こう
いろいろな用事があっては、やっぱり
店の仕事に手がつきません。
なぜなら先日も申し上げたとおり、やるべき
仕事は道路工事、まとまった時間がないと
はかが行かないことおびただしい。

で、せっかく昨日少し片付けた辺りに
また山が一つ、ふたつ…

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2009年02月18日

pain in the neck

外国へ本を送るのが、昔に比べて何倍も
楽になりました。

まず、送料の算出です。
日本郵便のホームページで国際郵便料金を
簡単に調べることが出来ます。

次に、送金を受ける手段です。
これは小店も最近利用するようになったのですが
PayPalというシステムが、お客様の送金手続きも
簡単で、こちらの入金処理も確実にでき、他の
手段に比べ手数料もかなり安くなっています。

これで鬼に金棒、河野書店も外国へ向けて
積極的に販路を拡大―とは思うのですが
一つ残る難題は、お客様とのメールのやり取り。
古書ですから、注文を受けてすぐ送るという
わけには行きません。

在庫のあるなし、送料その他の説明、加えて
その本がどんな状態であるか、ようするに
丁寧にお知らせすることが大切なのは、国内で
のお取引と同じことです。

時たま入る注文に、何倍もの時間をかけて
英文メールを打つ苦労は、相変わらずです。


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2009年02月17日

大山を片付ける

今日の火曜日も、中央市会大市の片づけで
洋書会はお休み。お昼過ぎまで店で本の整理。

土曜日の南部入札市で一点だけ落ちてきて
一点とはいえ10本口なので、値付けして
棚に入れるだけで一仕事。
それでも一応、すべて店に出しました。

市場では、ある程度の冊数になると紐で括って
取り扱います。その一括りを一本、二本と数え
その数で何本口などと称します。
大きな本口を大山と言ったりもします。

大山にするのは、細かく仕分けていては札が
入らない場合か、傾向が似ているので
まとめた方が良い値になると思われる場合
さらには、全体の量が多すぎて、細かく仕分ける
時間も手間もない場合などです。
買う側では、そのいずれの要素が大きいかを
見極めなければなりません。

値付けする段になって、思わぬ拾い物を
見落としていた事に気が付き得した気分に
なることもあれば、お目当ての本が思いのほか
傷んでいてがっかりすることもありますが
そんな一喜一憂は、市場に付きものでしょう。

今回がどちらであったかはご想像に任せます。
午後から、また組合で会議の店主でした。


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2009年02月16日

中央市会大市会

今日は毎週月曜日に開かれる中央市会の
年に一度の大市会。
普段は出かけないのですが、大市となると
いろいろとお付き合いもあって
僅かながら出品もし入札にも参加する
ということになります。

東京組合全体としてみても、年に何回かの
大きなイベントですので、北海道から沖縄まで
各地の有力な古書店が顔を見せていました。
店主にとっては入札よりも、そうした同業との
挨拶の方が忙しかったかも知れません。

この中央市会というのは、普段は文庫、雑誌
コミックをはじめ、一般書中心の、いわゆる
シロッポイものを主に扱っている市です。
出版点数も、それぞれの出版部数も多いため
毎週、会場狭しと本の壁が出来て、活気のある
市会ですが、扱い高に比して出来高が伸びない
のが悩みです。

しかし今日はそんな普段とは少し違って
少しヨソ行きの本が並んでいました。
学校関係の予算消化需要が見込まれて
全集類などに高値が付くと言われてきましたが
さて今年はどうなったでしょう。
全体の状況が分かるのは明日以降になります。


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2009年02月15日

同人誌

「同人誌を扱ってますか」という女性からの
電話を受け、一瞬の戸惑いのあと
「扱っておりません」と答えました。
一瞬戸惑ったのは、「同人誌」の意味するものを
思い出すのに僅かでも時間を要したからです。

もう何年も前に取りやめになりましたが
かつて新宿伊勢丹で年に一度か二度
「大古本市」を開催していました。
30年近く続いたように記憶していますが
小店も半分ほどの時期、それに参加しています。
いつ頃からか特別企画をたて、専用コーナー
を設けて集客、販売増を図るようになり
ある年その企画に「同人誌」を取り上げました。

コミックマーケットという催しが世間でも
知られるようになった頃で、その集客力に
期待しての企画だったわけです。
特設コーナーに集まった、いつもの古書展の
お客様とはまったく雰囲気の違う若い女性の
集団がかもし出す、その異様な熱気と
不思議なまでの静けさに、多くの古本屋の
オヤジたちが驚いていたことを思い出します。

最近、ひところのブームは下火になったように
聞いていますが、まだ根強く探し求めている
顧客層があることを知らされた次第です。

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2009年02月14日

南部入札会

昨日の春一番から、夜間も強風が吹き荒れ
店の表の鉢植えが根から倒れていました。
その南風で、この時期としては異様な「暑さ」。

午前、五反田の南部地区会館へ。
二階建ての会館では、荷捌き場まで使って
本が積み上げられていました。
大量の一口モノがあったためです。
一口モノというのは一軒(とは限りませんが)に
旧蔵されていた書物を、そのまま市場に
持ち込んだもので、ウブ口などとも呼ばれます。

交換会という名が示すとおり、普段の市会では
業者がそれぞれの在庫調整に利用することも
多いのですが、そうした出品物にくらべて
一口モノ、ウブ口は人気が高く、自然と高値を
呼びます。

旧蔵者が専門の研究者や、特殊な分野の収集家
である場合などは、それぞれに古書価の高い本も多く
そういう時は「スジが良い」ものとしてとりわけ
喜ばれます。

今日の一口は、量としてはかなりのものでしたが
スジは今ひとつ、というのが正直なところでした。
しかし量が熱気を生み、それなりの相場には
なったのではないでしょうか。


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2009年02月13日

即売展代表者会議

今日は金曜日ですが、2月16日に開かれる
中央市会の大市会準備のために明治古典会は
お休み。
それで普通なら、一日店で仕事が出来るのに
会議が二つ入って、午後から会館へ。

一つ目は「日本の古本屋」を他の有力なサイトと
リンクさせて、強力化を図る打ち合わせ。
もう一つは古書会館で週末を中心に開かれる
即売展の次年度の日程を調整する会議。

古書会館の地階では年に40回を超える即売展が
開かれています。
金曜日、土曜日はほぼ毎週の開催で、旧会館
さらにはそれ以前から続いている会もあって
根強い人気を保ち、ファンを惹きつけてきました。
しかし年間の日程は隙間なく埋められているため
暦の関係で、どうしても調整が必要になることがあり
そこで担当者が集まり、鳩首会合となるのです。

年6回開催という4つの会をはじめ、主要な会には
これを商売の主力として参加する古書店も多いので
どこも少しでも良い日程を取ろうと真剣です。
店主が出席するのは、年に一度、秋に開かれる
「洋書バーゲン」の世話役を引き受けているため。
お余りで結構と、隅で小さくなっています。


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2009年02月12日

函とか帯とか

ネット購入が一般的になるにつれて
多くの古本屋に戸惑いが広がっています。

たとえば専門書の注文を受けた際
「帯は付いていますか」と尋ねられたとか。
研究書に「線引き有り」を了承の上、送ると
函が付いていない、と返品されたとか。

新刊と古本を同じ土俵で売るサイトの出現と
「きれいな本」しか買わない新古書店の増加で
お客様の古本に対する要求が、随分と
変わってきたように感じているのです。

従来、通常に保管されていて生じる古びや
軽いイタミなどは、いわゆるコレクターアイテム
以外の本については、古本である以上
当然のこととして、表記してきませんでした。
しかし完本へのこだわりも、専門書、研究書にまで
及ぶようになって、昨今では、殆どの店が
状態表記に、かつての何倍もの努力をしています。

一概に悪い面ばかりではありません
新しいお客様が増えたのだという見方も出来ます。
しかし古書には価格という、最も重要な表記があり
内容的な価値、希少性、それに保存の良否まで
含めた古書店の総合的判断が、古書の価格なのです。
この点を、お客様にもっと理解していただくよう
業界としても広報に努めなければなりません。




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