2010年02月12日

瞬間湯沸器

店にはガス設備が無く、暖房も給湯も電気を利用しています。流し台には作りつけの電熱コンロが一つあって、お湯を沸かすのはこれを使っています。

しかしこのコンロが、スイッチを入れてもなかなか熱くならず、時間がかかるばかりか、沸いたら沸いたで消した後も長いこと熱いまま。エコ(この場合はエコノミーでしょうか)じゃありません。

それどころか、時には沸かしていることをすっかり忘れ、鉄瓶の底が赤くなっていたこともありました。

それで今度、ちょっとしたきっかけもあって、T-fallという湯沸かしポットを購入してみたのです。評判通りの速さ。スイッチを入れ、見ているうちにお湯が沸くという感じ。しかも沸くや否やスイッチが切れます。

早速お茶を飲みました。しかしどうも「深みがない」というのが家人の意見です。臭いが気になるかもというので、プラスチック製ではなく、ステンレス製を張り込んだにもかかわらず。

自称、我が家で一番気が短いという家人に、もっとも親和性が高いと踏んだのでしたが、スローライフへの思い入れもあり、電熱コンロに鉄瓶の組合せは、まだまだ活躍しそうです。

でも1人で店番の時は「深み」より「安全」。新兵器に期するところ大です。

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2010年02月11日

委託出品

曇天、時折粉糠雨。

去年の暮れ、近くの男子校で国語教師をされていた先生が、久しぶりにご来店になりました。本のご整理の相談です。

退職してもう10年になるそうです。開業以来、良くお寄りいただいていたのに、近年お顔を見なくなったと思っていました。

吉田幸一という名は、国文学の世界で知らぬ人のないほど有名ですが、その直弟子に当たる方で、師の最晩年まで出版のお手伝いをされたといいます。

その「古典文庫」の刊行書、大切に私蔵されてきたものを、処分したいとのお話なのです。代表叢書である「日本古典文庫」が約500冊。そのほかの単行本が約50冊。

いずれ近いうちにとお話しだった蔵書リストが先日送られてきて、今日それを引き取りに和光市まで伺ったのでした。

覚悟はしていると言われるのですが、昔の相場を思うと買値をつけづらい。それで、ちょうど来週の月曜日に開かれる中央市会の大市に委託出品することとしました。

先生宅から古書会館へ直行。荷を預け、帰店。朝10時に出て午後2時。道路が比較的空いていたのが助かりました。

さてしかし帰ってみると道中以上に駒場界隈は閑散。先生のためにも良い値になって欲しいのですが、期待もしぼみそうなお天気です。

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2010年02月10日

乱れる棚

朝から曇り空、昨日の今日で、とても寒く感じます。

自然科学の棚、というのもおこがましいのですが、いわゆる理系の本を集めた棚がごく一部分あります。

数学、物理、化学、生物、はては医学まで、何でもここにまとめて差しておきます。

教科書、参考書は表に棚があって、そちらに差しますから、ここには少し専門度の高いもの、あるいは逆に一般的な科学読み物なども並びます。

わずかばかりのこの棚が、実は店内で一番乱れます。

他には文庫、新書を並べた棚が、同じように乱れますが、たまに背を揃えればよい棚が多い中で、理系棚は毎日整理する必要があるくらい本が動かされています。

考えてみれば当然かもしれません。駒場の学生は文系、理系ほぼ同数。それに比例して研究生、先生方も同様の比率でおられるはずです。

それに対して小店の在庫は、9割9分が文系書籍。二人に一人、とまでは言わなくとも、ご来店者の多くが狭いこの一角に興味を示されることになります。

そうしたお客様のためにも、もう少し理系書籍を増やしたいという思いはずっと持っていますが、覚悟も力も足りず、今日まで来ました。

ただ、棚が乱れるについてはもう一つ別の要素も疑っています。それは本の扱いの問題です。一般に理系生の方が、本の取扱に無頓着ということはないでしょうか。

今度、神田の専門店にでも聞いてみようと思います。

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2010年02月09日

自己責任

天気予報通り、昨日までの服装だと汗ばむほどの陽気でした。

ネット販売の本屋仲間で繰り返し論じ合われる問題があります。本を先に送るべきか、お代を先にいただくべきか。

お客様の反応も様々で、黙っていても先にお支払いになる方もいらっしゃれば、先払いなど聞いたことが無いとお怒りになる場合もあるようです。

「日本の古本屋」では参加古書店に対して先払い方式を推奨しています。これは取りはぐれのトラブルや、中には初めから払う意思がないと思われるケースもあるからです。

そして何よりそうしたトラブルの解決を、「日本の古本屋」を運営するTKIや古書組合に求めてくることが少なくないからです。

推奨はしても先払い方式は規則ではありません。かく言う小店自体、書籍先送り方式を続けています。お客様を信頼しているなどと、綺麗事を言うつもりはありません。色々と理屈は付けられますが、結局は在庫管理上の問題です。

先払いであれ、先送りであれ、店とお客様との信頼関係の中で取引が行われることに変わりはありません。そこから生じる様々なトラブルは、各店の責任で解決せざるを得ないのです。

お互いの顔が見えない分、店よりは余計に気を使うことになりますが、元々それも商売のうちではないでしょうか。


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2010年02月08日

一期一会

スーパーボウルマンデー。家族が気を使ってくれて、午前中、家でTV観戦。

今年の組み合わせは格別贔屓のチームでもなく、是非にというわけでもなかったのですが、恒例の年中行事なのでゆっくり見よとの思し召し。ありがたく従いました。

昼過ぎに店に着いて、先日の雑誌などを片付け始めたのですが、どうも調子が出ません。観戦疲れでしょうか。

ペースが上がらぬまま片づけを進めるうち一冊の本にぶつかりました。表紙にはフランス語のタイトル、扉に邦題があって『スタジオ・アッズーロ 地中海を巡る思い」(mori-yu-gallery、2003年)

10年以上前、彼らが展覧会のため来日した折、日伊会館で講演会があり、懇意にしていただいている先生が講演メンバーでしたので、お招きを受け聞きに出かけたことがあります。

その先生が、本書の日本語版監修者となっています。そういえば、そんな話を伺っていたことを思い出し、しばらくお会いしていない懐かしさもあって、短い序文を読みました。

しかし続いて頁をめくると、さらに懐かしい名前を見ることになりました。店主の恩師です。思いがけない偶然ではありますが、この偶然は、すでにあの日伊会館で一度経験しています。その会場で実に20数年ぶりに師と出会っていたのです。

その恩師は既に故人。その時以降、何度かお便りは交わしたものの、再びお目にかかる機会はありませんでした。


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2010年02月07日

不振打開策

近々旅行の予定があるので、セーターかジャケットでも(いい加減ですね)見てみようと、店番がいるのをいいことに昼過ぎ、デパートへ出かけました。

めったに足を向けません。以前、平日の紳士服売り場に足を踏み入れた時、閑散とした中、一つの売り場を横切るたび、センサーに触れたように「どうぞご覧ください」「よろしかったらご着用に」という声が降りかかり、早々に退散したことがあります。

日曜日の午後なら、少しは人に紛れて目に付かないだろうと踏んだのです。あにはからんや、店員さんも平日より多く配置されているようで、うっかり商品に近づこうものなら、すかさず声掛け。

買い物に不慣れな人間にとっては、気の重いことこの上なく、次第に足も速まります。結局、一回りしただけで階を降り、お三時にいつもの和菓子を調達して店に戻りました。

商売柄、あの手の声掛けは、万引き予防や、立ち読み追い払いなどを連想してしまいます。それで、普通の人が感じる以上に居心地悪さを感じるのかもしれません。

とはいえ同様の感じを受ける方も多いはず。苦戦続きといわれるデパートも、このあたりの改善工夫で、もう少し顧客を取り戻すことができるのではないか、などと余計なおせっかいを言いたくなりました。。

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2010年02月06日

リピーター

「あなたに聞くのも変ですが、今日は寒いですか」。週に一度、ご来店のたび、律儀に表の本を一冊お買い上げくださるフランス語教室の先生。

日も差して良いお天気なのに、部屋の中にいても寒さを感じ、体の具合でも悪いのかと思ったと、独り言のように話しながら引き上げられました。

時折強い風も吹いて、確かにちょっと外に出ただけで体に滲みるような寒さです。

「すいません、持ってきちゃいました」と、こちらは以前にも何度かお持込みのお客様。ご主人(フランス人)がワンボックスの乗用車を店の前につけています。

さて降ろし始めると、次々に出てくるのはファッション系を中心とした雑誌の束。いずれも持ち重りのするものばかり。腰までの高さで6つの山ができました。他に紙袋が8つ、小さな段ボール箱が5つ。

「車は大丈夫でしたか」「主人は重い、重いといってました」

もう一人別のお客様、紙袋一つお持込み。こちらも時折お出での方。もしやと思って、机の引き出しからカフスボタン一つ取り出してお目に掛けると、「いやあ、これは僕のだ」。

以前、紙袋を整理しているときに見つけたもので、たぶんその方だと思いながら確証もなく、そのまま取っておいたのです。

もうリタイアして着ける機会もないが、僕には思い出深いものですよと、しみじみと見つめ、持って帰られました。


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2010年02月05日

災厄の芽

どんなに飲んで食べても割り勘で3000円を超えることはまずない、というお手ごろ中華店で食事。総勢8人で約22000円、飲まない割引で2000円にしてもらいました。午後8時半帰着。

今日の明古に料理本を出品。どうやら手間賃は出たかなという程度の売り上げで、一番良い結果だったかもしれません。損をしたわけでもなく、儲け過ぎたわけでもなく。

市場全体としては、まだ出品量などが物足りない感じでしたが、それなりに活気はありました。

嫌なニュース。ごく稀にですが、ネットを利用した取り込み詐欺のようなことが、本の世界にも起こります。数年前には刑事事件になったケースもありました。

今日また、そんな恐れが新たに出てきたため、TKIで対応を話し合いました。

一度に何軒もに注文を出していて、それも割合高価な古書。すでに送ってしまった数軒から、代金が入らない、連絡が取れないという連絡が来ています。

非常にデリケートな問題でもあるため、なかなか思い切った手段を取れないのが悩ましいところ。今回も、まずは一般的な注意喚起のメールを同業に出すことだけを決めました。

これからの展開によっては、さらに対策が必要になるかもしれません。


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2010年02月04日

『金はなくても』

『金はなくても 芝居と女と貧乏と』(松村達雄・未央書房・昭43)

この本に『日本の古本屋』から注文が入り、奥の棚から取り出して机に置くと、思わず懐かしくなって急いで拾い読みをしてしまいました。

表紙には50代半ばの著者の和服姿の写真。並装でカバーを折り込んだ部分には「私は推薦する」と題された小文と渥美清の顔写真。

見返しにマジックで署名が入っていて、それでネットに載せてみたわけですが、注文が入るまでに何年もかかりました。売れたら売れたで、ちょっと惜しいような、寂しいような。

テレビや映画でバイプレイヤーとして既に名が売れていた当時、若かりし日々を回想したもので、副題からもおよその内容が想像できます。

何よりも芝居が好き、だから当然のように食えない。熱い思いを抱えていたはずの往時を振り返りながら、芸風そのまま、飄々とした文体で綴っています。

幾つか興味深い事実を知ることもできました。若い頃、ラグビーをやっていた。水上勉とは古い友人だった。

氏が本当の円熟期を迎えるのはまだこの先。印象に残る映画作品などの多くは、これ以後に作られています。同時代人の伝記は、書き手と読み手、複数の時制を重ね合わせることで、一層興味深い読み物になるのですね。

それにしても、お客様は何をキーワードに本書を尋ね当てられたのでしょうか。伺ってみたい気もします。

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2010年02月03日

売り払う

時折、帰りの車内で読むらしい文庫を一冊、二冊と買っていかれるお客様が、先日もいつものようお買い上げくださり、カバーを掛けていると、本を引き取って欲しいと切り出されました。

料理の本、ただし専門的、といわれます。どこへ伺えばよいか尋ねると「駒場エミナース」。国民年金中央会館と前につけるのが正式呼称で、ホール、結婚式場、レストラン、ホテルが揃った施設です。

どうやらそのレストランの料理長さんらしく、高いお金を出して買ったまま箱も開けていない本が多いとのこと。良いものがありそうな気がして、日を打ち合わせ出向きました。

料理雑誌類が積み上げて1メートルほど、料理事典といった類のセットものが数点。定価の高い専門書ですが、箱も開けていないというのは聞き違いのようで、すべて裸本。確かにあまり使っていはいないようですが、それなりに古びています。

なかでも一番大きなセットには天地、あるいは小口に「エミナース」の印が押されていました。

とにかく片付けてもらえればということでしたので重い本や雑誌、すべて引取りました。申し上げた金額には、さすがに一瞬たじろがれましたが。

どうにもならないものはつぶして、残りはすべて市場に出すつもりです。果たして買入価格をどれほど上回るでしょうか。

ところで「エミナース」は先月末、最低価格46億円で公売に掛けられました。落札価格は85億円ほどであったといいます。3月には取り壊しが決まっていますが、何になるかはもちろんこれから。

料理長のこれからについては、聞きそびれました。


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