2009年04月16日

「日本の古本屋」講習会

古書会館の地下にある多目的室で、午後四時から100名ほどの同業を前に、約1時間半、話をしました。

このところ安定期に入った、別の言葉で言えば伸びが鈍っている「日本の古本屋」に、一つテコ入れをしようと理事会が企画して、役目柄、お鉢が回ってきた次第です。

近く行われるデザインリニューアルの説明、クレジット決済が利用できるようになるという説明、あわせて新たな利用者を募ることが目的です。

東京組合には現在約650軒が加盟していますが、「日本の古本屋」に出品している書店はそのうちのまだ270軒ほど。まだまだ増やす余地はあります。

ちなみに東京以外も含めると、参加古書店はおよそ850軒。今日の集まりが少しでも参加店増、売り上げ増(それぞれの)につながれば良いのですが。

終わって、声が少し枯れ、立ち通しで足に来ました。学校の先生というのは大変なお仕事だなと、あらためて感じました。

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2009年04月15日

誰でも始めは新入生

あるお客様「ここの本はどんな順に並んでいるのですか」
「一言で説明できませんが、何かお探しの本があるのですか」
一冊の書名が挙げられました。
「教科書類は表の棚にまとめてあります。ただしその本は今、残念ながら在庫はありません」

別のお客様「本を探していただくことはできますか」
小店の在庫についてのお尋ねです。著者と書名を聞きました。コンピュータで検索すると思ったかもしれません。
「それは新書ですね。新書はこの辺りに出版社別にまとめてあります。大体、刊行順にしてありますから、ここになければ、いま在庫はないということです」

しばらくすると二人連れの学生さん。一人がフランス語の辞書をとっかえひっかえ函から出しては入れて、三冊の候補から、選びあぐねている様子です。

お連れは電子辞書を持っているらしく、その説明をしています。結局決めかねてお帰りになるかと思っていたら、やがて一冊を選んで、レジへお持ちになりました。

入学式もすみ、いよいよ新入生の新学期です。



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2009年04月14日

ちょっと負け惜しみ

洋書会。一口ものがあって盛り上がりました。その一口の大部分は日本書。

洋学、蘭学、科学史という、人気の高い分野が中心で、他に校史、社史の割り合い珍しいものもあり、結構な高値となりました。

洋書の市に和書が出るというのはイレギュラーな現象ですが、和本の市にだって洋書が出ることもあり、荷主さんの希望次第で、どこの市に出すことも自由です。結果的にも遜色のない落札価でした。

そういえば先日の五反田、南部市にも洋書がかなり出ており、何点か札を入れたのですが、店主、恥ずかしながらほとんど落札できませんでした。

言い訳をするつもりはありませんが、他の入札者を侮って「げそる」(安めの札を入れる)心理がどこかで働いたのでしょう。

専門の市に出さなくとも、良い本は、良い値になるというのは当然といえば当然です。それでも目のきく業者が集まる専門市で、きちんと仕分けされた本は、札を入れる側を本気にさせることも確かです。

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2009年04月13日

今日も会議

午前中、服部まき子さんの版画が続けて二点売れました。どちらも小店に飾っているもののなかでは比較的値の張る作品。うれしいことです。

一人は女性。おいでになるなり「これください」と指差して「ああ良かった、もう売れてしまったかと思った」。

もう一人は男性。「明るい店になりましたね」と声を掛けられました。なじみのお顔なので思わず「そんなにおいでになっていませんでしたか」と返すと、10年ぶりくらいかもしれないとの答え。

言われてみれば確かに、記憶にあるのは学生の顔。いま改めて見直すと、すっかり落ち着いた感じです。名前も伺ったことはないはずですが、おそらく院生の時分でしょう、毎日のように顔を出してくれていました。本二冊とあわせてのお買い上げ。

午後からは古書会館へ。出掛けに居合わせた某教授から「会議ですか」と声を掛けられ苦笑。

2時から5時までTKI会議。6時から7時まで合同役員会議。でも今日はどちらも、比較的短めに終えることができました。これから店を閉めます。

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2009年04月12日

Tolkienの一冊

EETSをようやく棚に並べました。55冊、セットものもあるので点数はこれより少なくなりますが、半分以上は一冊千円。

専門においては基本図書といえるものなので、今でも新刊在庫のあるものも少なくありません。他社からリプリントとして出ていたり、ソフトカバーで出ていたり。値付けの参考のためにネットで調べていて、タイトルによっては本ではなく、データとして売っている店もあることが分かりました。

10年以上前、デジタル社会の到来を予測して、組合で珍しい古書を集め、データ化して売ったらどうかと「古書月報」に書いていた組合員がいたことを思い出しました。考えることは誰も同じ、というべきか、思いつくだけなら誰にも出来る、というべきか。

そんな味気ない話より、Tolkienの名が編者として表記された一冊を見つけました。あの指輪物語の作者が名のある英語学者であったことは聞いておりましたが、その仕事の一つです。

Ancrene Wisseというのがそのタイトル。13世紀前半のこのテキストの定本とされています。ちなみに3000円をつけました。調べられる限りではどこよりも安い価格です。

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2009年04月11日

赤い花、白い花

暑いですね、が今日の挨拶。表のハナミズキの若葉がこの数日でぐんと大きくなりました。

毎年気を揉んでいるのですが、店の入り口左右に一本ずつ植えられたこの木、なかなか花を着けてくれません。冬、枯れた枝の先に花芽を探し、ようやく一つ二つ見つけると、ほっとするくらいです。

日のあたる時間が短すぎるのかもしれません。その僅かな着花も、年によって異なり、まったく花の見られない年もあります。

それに気を揉むのは、この木に店の命運を重ね合わせてみるような気分になるからです。

辛抱して見守っていれば、いつかは沢山の花を咲かせてくれる日が来るのでしょうか。ただ見ているだけではダメで、手を入れて育てなければいけないのでしょうか。

赤い花を着ける木と、白い花を着ける木。今年は今のところ、赤い花が一つ見られるだけです。

今日は午前中、五反田の南部会館へ入札に。

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2009年04月10日

本−その格差

今日の明古で面白い本が眼に留まりました。『体道・日本のボディビルダーたち』という、その筋では有名な本らしい。

序文を三島由紀夫が書いていることでも知られていて、しかも今日眼にした一冊は、その三島自身の署名入り。さらに献呈先が思わず唸りたくなるような著名人。

三島の署名には偽物も多くあるので、判断は難しいのですが、落札価格を見る限りホンモノと判定されたようです。

一方で、埋蔵遺跡発掘調査の報告書を中心とする約2500冊ほどの出品があり、仕分けに多くの人出を要しました。この手のものは現在、なかなか値がつきません。終わってみると総額で、三島署名本の約三倍。つまり、1冊と800冊ほどの価格が同等ということになります。

もちろんこの一冊より高い本はまだいくらでもありますし、報告書より値にならないものも沢山あります。

本の世界の格差は厳然として存在しています。

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2009年04月09日

虫たちの季節

陽気につられて、さまざまな虫たちが羽音を立てて飛び交うようになりました。開け放ったドアから店内に入り込み、蛍光灯に何度も体当たりを繰り返す小さな虻もあらわれました。

この辺りは教養学部、駒場野公園など緑が多く、井の頭線の土手も昆虫の成育を助けているようです。

以前、人に教えられて、小店をとても好意的に紹介していただいているブログを読みました。本の配列などについても、店主の意図をはるかに超えた深い読みに、却って教えられるほどでした。

その記事の中で、ほとんど唯一の難点として取り上げられていたのが、夏場、店頭の蚊の多さです。店頭どころか、戸が開いていると店番をしていても蚊に襲われます。

少し汗ばむような日が続く頃になると、蚊対策に本腰を入れなければなりません。除虫菊の蚊取り線香。対策といっても今のところこれ一つですが、隣のコンビニには置いてありませんので、気がついたときに手配しておこうと思います。

今日の作業は洋書の値付け。精神療法関係を少し店頭に出しました。



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2009年04月08日

神田へ行こう

普段でもいないわけではありませんが、この時期、特に目立つのが学生さん数人で連れ立ってのご来店。もちろん教科書探しが目的です。

にぎやかに探し回って、大概はお目当ては見つからず、それでも一通り店内も見て回り、嵐が通り抜けるように去っていきます。

「神田へ行こう、神田へ」などと威勢よく出て行くグループもありますが、疲れを知らない若者達でしょうから、敢えて忠告を与えることもしません。たとえ目当ての本が見つからないにしても、古書店街を歩くことは、良い経験になると思うからです。

チェーン型の古書店が増えて、認知度が高まったとはいえ、多くの新入生にとって、古本屋という世界は殆ど未知のものでしょう。

その入り口が、教科書探しでも悪いことは一つもありません。

願わくは、少ない人数(出来れば一人)で訪れて、せっかくの機会に棚に並んだ本の背中を一当たり見て回ってもらいたいものです。

どんなに大きな新刊書店にも見当たらないような本が必ずいくらかは並んでいる、そういう店を私どもは古本屋と呼んでいます。

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2009年04月07日

新年度の始まり

洋書会の火曜日。神保町の駅を上がると、ちょうどお昼時。まぶしい日差しで汗ばむほどの陽気。食事どころを探してグループでゆっくり歩いている人達を、掻き分けながら会館へ向かいました。

多くはいかにも研修期間中という、黒いスーツの新入社員。上着を脱いで、シャツ姿でくつろいで歩いているのはベテラン社員達です。

普段、本の街などと自分達に引きつけて考えていますが、基本的にはビジネス街なのだと改めて感じました。

途中耳にした新人達の会話。
「そういえばここは元スポーツ店街だったんだよね、スキー用品なんかを買いに来たことがある」

確かにスポーツ用品店も一時に比べれば数が減りました。しかしどんなに多い時でも、古書店の数より多かったことはないのですが。

帰りに駅へ降りると、定期券売り場に長蛇の列。新年度の始まりを実感しました。

今日の洋書会は画集が中心で、特筆すべき成果はなし。「日本の古本屋」リニューアルのデザイン検討会議。洋書会の役員会議、そんなことに時間を費やしました。

konoinfo at 19:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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