2009年10月10日

新学期

ようやく新学期(後期)が始まって、店にも学生さんの来店が増えてきたようです。

教科書のリストを持って、棚を見て回る姿も見受けました。しかし申し訳ないことながら、教科書・参考書の棚は、現在あまり充実しているとはいえません。

持ち込み自体も、年々減っているのですが、何より、売れるものはすぐ売れてしまいます。似たような本が並んでいても、指定されたもの以外は用なし、というのが教科書の世界ですから、殆どの方には当て外れとなります。

何とか需要に応えたいとは思っても、客寄せの一環として細々と一コーナーで続けるのが精一杯。それが四半世紀、駒場唯一の古書店として営業を続けて、今日までに得た教科書取り扱いの結論です。

しかし前期と違い、後期の学生さんは教科書探しのついでに、読書への興味も示してくれるような気がします。文学書や、岩波文庫などの定番がポツポツと売れていきます。

先日も、学生さんらしい一人が村上春樹の本を5、6冊、あとから別の一人が夏目漱石の文庫を5、6冊、それぞれまとめ買い。いいんじゃないでしょうか。何にでも始まりがあります。


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2009年10月09日

聞く耳を持つ

明治古典会は、市会終了後に第二回の勉強会。というより懇話会とでも言うべきですね。今回は長老方のお話を聞く会。

文学堂書店の内藤さん、中野書店の中野さん、八勝堂書店の八木さん、お三方とも現役で毎週入札に参加されており、長老などと言う呼称はお叱りを受けそうですが、一番若い八木さんでも、まもなく傘寿。

いずれも明治古典会が現在の組織になった当時から、会の仕事に係わってこられました。もちろん古本屋としての経歴は、それ以上にあるわけで、豊富な体験の一端でも披露していただこうという企画です。

前回の時もそうでしたが、今回もいつにまして市会の出品量が多く、後片付けなどに時間がかかり、開始は午後6時半。それから軽食を摘まみながらの懇談も含めて約2時間、総勢20名ほどの集まりでした。

若い経営員諸君にとっては始めて聞く話ばかりで、結構面白かったのではないかと思います。店主も進行役を仰せつかったため、身を入れて聞かざるを得ず、そうすると案外(というのも失礼ですが)興味深く聞くことが出来ました。

話と言うのは、聞く側の心持ち一つで、得られる情報の質も量も大きく違ってくるものですね。

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2009年10月08日

台風一過

激しい雨は夜明けまでに峠を過ぎ、昼からは晴れ間の方が多くなり、しかし風は夕方になっても時折り強く吹いています。この十年来で最大級という台風18号は、この地には幸い格別の被害も及ぼさずに北へ過ぎました。

台風一過の秋晴れ、などと昔はよく言ったものですが、近年はそんなにすっきりした感じがないと思うのは店主だけでしょうか。

思い出すのは50年前の伊勢湾台風のことです。我が家は床上浸水。家族は二階にひとかたまりとなり、階段を迫ってくる泥水を見て兄は震えていたと、後年すぐ下の妹が作文に書き、文集に載せられました。

しかしその恐怖よりも、翌日、まだ水の引かない地域まで友と探検に出かけ、長靴でジャブジャブ入り込み、膝の辺りに傷を作ってそれを化膿させてしまい、医者で切開してもらったことの方を鮮明に覚えています。

その時の空が、本当に雲ひとつないような秋晴れでした。

今年があれから50年目に当たることは、新聞記事などで知らされました。ついでに思い出したのは、被災家屋の児童に文具などの見舞品が支給され、それが床上浸水と、床下浸水で区別されていたということです。

思えばそんなことで、ちょっと得したような気分になった、能天気な子どもでした。


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2009年10月07日

大阪古書研究会

大阪から古書合同目録『萬巻』23号が届きました。もう幾日か前のことですが。「ごあいさつ」によると、12周年になるそうです。

主催者である「大阪古書研究会」には、以前、石神井書林の内堀さんと一緒に招かれて、お話をしたことがあります。そんなご縁もあって、同人のお一人が、ずっとお送りくださっているのです。

今回は19名の参加。新しいメンバーも次第に力をつけておられる様子が分かります。ただ、以前はもっと各店主の文章が、多く載せられていたように思います。目録といいながら、いくらか会員誌風の趣きもあって独特でした。

回を重ねるうちに、文章よりも、集めた本にメッセージを語らせようということになって来たのかも知れません。それはそれで見識だと思いますが、言葉で語らずにいられない「熱」のような部分は、持ち続けていただきたいと思います。

そんな偉そうなことを言うのも、東京で毎週のように開かれる即売展からは、次第に独自性が失われてきたような気がしてならないからです。そしてそのことが、外的要因は別として、売上げ低下の内的要因となっていると考えるからです。

自らの経験を省みても、そう思うのです。

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2009年10月06日

立場が違う

今日も朝から一日雨。

今週は一週間こんな調子で、後半には台風も来そうだという予報。ちょっと暗い気分です。

しかし今朝の朝日新聞には、農家の方の投書が載っていて、先週までお天気続きで、雨を待望しているとありました。その中で、天気予報などの「お天気の崩れはなさそうです」という言い方に噛みついておられました。

確かにいろいろな立場の人がいるわけですし、物の言い方には配慮が必要だと改めて感じます。でも「崩れ」に、そんな罪はないのになとも思いました。

今日の洋書会は、二週間のブランクがあったにもかかわらず出品量が少なく、3時半には会が終わってしまいました。しかしその後の総会、これが思いのほかに議論白熱。終わったのは6時半。会の運営を巡って意見が分かれたためですが、結局決着がつかず、また次の機会に持ち越しとなりました。

こんな小さな会でも、立ち場により意見が異なるものです。とはいえどの意見も、会への愛着があればこそ。その点では出席者全員が、同じ思いを持っているのだと信じられる、決して後味の悪くない物分かれでした。

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2009年10月05日

日本人だけじゃない

表の均一棚の洋書を凄い勢いで抜いて、地べたへ投げるようにして積み上げている若い外人さんがいます。

あれは本当に買うつもりだろうかと、店番のミセスCは不安顔。やがて抱えて帳場へ持ってきました。量はあっても100円のペーペーバックが殆どなので、大した金額ではありません。

数えているうち、店内で今度は二冊、古い本を抜いて、うち一冊には値段がついていなかったので「何?」と日本語で聞きます。「4千と500である」と答えると、「これは必要だから」というようなことを英語でもごもごと言っています。

店内の2冊が6500円。外の62冊が9600円。少しおまけすると「アリガトゴザイマス」。その間にも独り言のように何やら言っていると思ったら、何か伝えたいことがある様子。

で改めて聞いてみると、これらの本はコラージュして作品にするらしい。それでイメージに合う表紙などを選んでいたらしく、またこんな本が入ったら連絡をくれるだろうかと尋ねます。どこまでも独り言のようで、分かりづらい。

自分が日本語を良く理解できないことを、引け目に感じているようです。日本人ならよくあるパターンですが、米国人(らしい)にだってコミュニケーション下手は居ると分かりました。

もう一つ、外人だからといって洋書を「読む」ために買うとは限らないことも。

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2009年10月04日

出久根さん

「古書の日」イベントを見に、古書会館へ行って来ました。

日曜日の神保町は殆どの書店がお休みなので、道行く人の姿なども、いつもとは違った街のようです。それでも古書会館には思ったより多くのお客様が入っておられました。

12時から「体験古本市場」と銘打って、本屋の取引の様子を実体験するコーナーが始まりました。「椀伏せ」の再現。「フリ市(口競り)」の実演。現在の「置き入札」の様子まで、約一時間半。

企画者のご苦労もさることながら、大勢の組合員の協力がなければ実現できなかったでしょう。その点に敬意を表したいと思います。

午後二時からは出久根さんの講演会があるというので、ご本人が到着するまで待つことにしました。程なく現れたところへ声を掛けると、例の「やあやあ」調で、「皆随分年を取りましたね。そういう自分もなのですね」。

出久根さんとは昔、城南古書展の同人として何年かご一緒しました。文筆業に比重を移すため退会する際、彼がそれまで担当していた名簿係を引き継ぎました。引き継いだ膨大な手書きの原簿は、やがてワープロ名簿に、続いてパソコンによる管理に。

その店主も名簿係を後継に託し、退会してもう何年か経ちます。年も取る筈。お顔だけ見て、講演会は遠慮し、帰ることにしました。満員御礼間違いなしですから。



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2009年10月03日

モデルルーム

ディスプレイ用の洋書を、と言う注文が久し振りにありました。予算、冊数その他、先方の要求に合わせて何とか取りまとめ、すぐ近くでしたので、今日、直接納品してきました。

ところが代々木神園町のその番地は、googleでもカーナビでも、上手く表示されません。近くまで行きましたが、ナビが示している道が見つかりません。

オリンピックセンターの前に車を止めて、門衛さんに尋ねようとすると、険しい顔で「そんな所へ止めては邪魔になる」というばかり。なかなか答えてくれません。繰り返し聞くと、仏頂面で「それなら隣りのマンションだろう」。ナビでは道路と表示されているところが、大きな建物の内部へのアプローチになっていました。

いつの間にこれほど大きなマンションが出来ていたのでしょう。まごつくほど広いエントランスにいた「コンシアージュ」さんに尋ねると、元は公園の駐車場だったところ。

ようやくたどり着いたモデルルームは作業の真っ最中。入り口から覗いただけでは、いくつあるか分からないほど部屋が続いています。せっかくの機会なので中を拝見させてもらいました。

帰ってからネットで建物名「グロブナープレイス」を検索してみますと、昨年十月竣工の高級賃貸マンション、賃料135万円から。どんな人びとが利用するのやら。ご興味のある方は検索してみてください。

しかしそれならそうで、飾りにしても、もう少し高級なものを納めたかったですね。

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2009年10月02日

明後日は「古書の日」

10月4日は「古書の日」です。何故そうなのか、話すと長くなりますのでよしましょう。とにかく6年前からそう決まっているのです。

毎日、何かしらの日で、はっきりした理由があるものやら、単なる語呂あわせやら、色々とありますが、「古書の日」は全国古書籍商組合連合会の理事会でそう決めたので、そうなのです。

何故この日かが問題ではなく、何をこの日にやるかが問題です。こういう日を決めて、全国的にさまざまなイベントを行い、この業界についてもっと知ってもらおうと言うのが、そもそも発案の理由でした。

発案は東京から出たのではありません。しかし結局は、何かしらのイベントを行うとなると、東京が中心とならざるを得ません。意義は意義として、担当者は大変です。今回も盛りだくさんの企画、ご苦労様でしたと申し上げたい。

今年はちょうど日曜日、お天気もよさそうです。東京古書会館とはどんなところだろうか、と言う程度の興味で構いません。どうぞ足をお運び下さい。

「椀伏せ」という、業者でも殆どの人は見たことがない、昔の入札方法など、一見の価値は有りそうです。当日は案外、本屋が多いかもしれません。

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2009年10月01日

一新会大市会

東京古書会館で開かれる6つの交換会は、それぞれ年に一度「大市会」と称して、大掛かりな市を開催します。今日は毎週木曜日に開いている「一新会」の大市。

他の5つが昔の同人市の名残をとどめて、それぞれ特色を持った専門書市であるのに対し、この一新会というのは、神田支部の地区市という位置づけです。

つまり神田の本屋さんたちが当番制で運営に当たりますから、良く言えば取り扱うものは多彩。一方で専門店としての各々にとっては、かえって食いたりない面が生じがちというジレンマを抱えています。

そんな苦労がありながらも、自分たちの市場という愛着から会を守ってきて、今日も出品点数にして約3700点という、立派な大市会を作り上げていました。

普段の市では余り眼にしなくなった全集類や研究書など、さすがは神田、本らしい本が並んでいて、何かほっとする感じでした。

小店もささやかに出品、落札も僅かながらあって、まあ貧者の一灯を捧げたというところ。それよりもしばらくぶりに会った各地の同業と、お互いの近況やら情報交換やらを交わし、大市にはそうした効用も少なからずあるのでした。

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