2009年06月17日

十年一日

晴れたり曇ったりいそがしい天気。曇ると、とたんに降り出しそうな気配になるのが梅雨でしょうか。

先日、雑誌をまとめてお持込のお客様があり、その整理に手を取られました。雑誌といっても様々で、売り物になるものもあれば、ならないものも多い。これは書籍だって同じですか。

今回は音楽雑誌、映画雑誌、デザイン、ライフスタイルなどのビジュアル雑誌が中心でしたが、その中に毛色の違う「東京人」が30冊ほどありました。古本屋の割合好きな雑誌、つまり置いておけばポツポツ売れる雑誌です。

東京という地元ネタであることと、レトロ趣味が強いところも古本屋向きかもしれません。実際この30冊の中に、「神田神保町の歩き方」という特集が二冊もありました。1998年6月号と2004年10月号です。

11年前の号を見ると、今昔の感に打たれます。町はすっかり様変わり。本屋はともかく、飲食店、物販店は大きく入れ替わり、だからこそ古本屋はつぶれないなどという伝説が生まれたのだと分かります。

しかし、その本屋以上に変らないのは、そこを歩く古書マニアの方々であることを、この雑誌を見て、改めて感じました。新しい顧客層が育っているか、それが問題です。

konoinfo at 18:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月16日

取材を受けました

今日は洋書会に特に惹かれるものなく、あっさりと一渡り見てお終い。いつも出るわけではない、いつ何が出るか分からない、というのも交換会の面白さであり、辛さでもあります。

中には、毎日行かないと気がすまないという業者もいるのは、たまたま行かない時に限って面白いものが出て、安く同業の手に渡るのではないかという強迫観念に取り付かれるから。本当に熱心な人たちもいます。

不熱心な店主は、某新聞社から取材の要請を受け、日を今日に合わせておいたので、小一時間ほど会館の応接室でお話をしました。

取材といっても、小店についてではありません。ネット古書店の現在というようなことを聞きたいようでしたが、そのような動向に詳しいわけではありませんので、ネット販売と店舗販売の利点、欠点など一般的なお話になってしまいました。

とても本好きな記者さんで、本がなくなる訳がない、なくなるときは人間もいなくなるときだとまで肩入れして下さいます。ネット古書店でもその先に人間が見えなければ、やっていて楽しくないじゃないですか、など、まるで主客が入れ替わったようでした。

どんな記事になるのでしょう。


konoinfo at 19:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月15日

見れども見えず

この地球儀、いつ来ましたか?と二人連れの若い女性のお一人がご下問。聞き返すと、前来たときにはありませんでしたよね?

あいにく前回のご来店が何時のことか記憶にはありませんが、何年も前のことではなさそうです。そこで「ずっと置いてありますよ」とお答えすると「えー、気がつかなかった」

前にも書きましたが、子達は店に入る前から、何よりもまずこの地球儀もどきに眼を留め、突進してきます。それくらい存在を主張している物体だと思っておりました。

この時のお連れが買っていかれたのは、表の棚でしばらく売れずにいて、今日、レジ前のテーブルに平置きにした本。前にも小林秀雄の「モオツァルト」(創元社百花文庫)をレジ横から入り口横へ、移したらその日に売れたと報告を受けたことがあります。

人間の視野というのは案外狭いもののようです。

長く売れない本を棚から抜いて床に積んでおくと、しばしば売れることがある、という古書店主の茶飲み話十八番は、これとはまた少し意味が違いますね。

konoinfo at 18:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月14日

自主コード

書いています、とことさらに喧伝もしないので、僅かの方にしかご覧いただいていないはずです。もともと、更新のないホームページでは見る人もいなくなるという焦りから、「今日も営業しています」程度のお知らせを続けることが目的でした。

毎日書いているとネタも尽きてきて、交換会のこともしばしば取り上げます。それが時に、目敏い同業の目に止まることもあるようで、先日もこっそり、見たよと告げられ冷や汗を掻きました。

もちろん初めから書かないと決めていることはあります。

何が幾らになった、誰が幾らで買ったという話。つまり当人の商売の妨げになりそうな話です。

何が出品された、という話にしても、それが他に代わりのないものの場合は、やはり書くのを控えます。

市場の話をごく懇意なお客様に話すことは、どんな本屋にも大なり小なりあるはずですが、口コミしかなかった時代でも、驚くほど早く広まったものです。ましてこのブログ時代、迂闊なことは書けません。そうした話を期待されませんように。

はっきり書けるのは自分で買ったものについてです。だから面白い話を書くためには、もっと沢山、面白い本を買わなくてはならない、というのが今日の結論です。

konoinfo at 16:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月13日

目的はどっち?

今日は珍しく男性三人組でしたが、一番多いのは中年婦人の二人ないし三人連れ。

店に入って、何か買ったときは一声掛けて頼むこと、という統一マニュアルがあるのでしょうか。ありがとうございましたと本を渡した後で、ところで、と切り出されます。

選挙も近いが、もう決めていますか、まだならひとつ何某をよろしく、というその候補者は大抵いつも決まった政党。口上も慣れたものです。

ご婦人の時は、気配でなんとなく事前に察知できますが、今日のように若い男性だと、なかなかそれとは分かりません。ご婦人方の場合は本を買うことより、候補者を売り込むことに目的があるようですが、若者の場合は本を買ったついでに声を掛けたようにも思えます。

どちらにしても、代金を頂戴した後の「お願い」に対して、一応は機嫌よく、なおかつあいまいにお返事をするのですが、良い気分は残りません。商売は商品とお金の引換えで、主客は対等の立場だといえばそれはそうですが、お買い上げに対して精一杯の感謝を表そうとするときだからです。

選挙運動としても、決して効果のある良策には思えません、マニュアルだとしたら改定をお勧めしたいところです。

konoinfo at 17:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月12日

ガイモノ

明治古典会、出品量はやや少なめ。その割には時間がかかり、終わってから七夕大入札会実行委員会会議。そのあといつもの仲間で食事、近間のうなぎや。もちろん割り勘、飲まないからと少し割り引いてくれました。

今日の市場ではカンディンスキー、エルンストの珍しい画集、ロシアバレエのパンフレットなどが個人的には興味を惹かれましたが、ちょっと手の出る金額でないことは分かっていたので入札には参加しませんでした。

目立ったところとしては、ノーベル書房の大型本が大量に送られてきて、ガイモノとして出品されました。夢二の復刻版などもあって、格安の価格に設定されたものは、人気を呼んでいました。

ガイモノというのは同じものが数ある時に、入札ではなく、価格を決めておいて購入希望者を募り、売り捌く方法です。

これにもウブいもの、そうでないものがあり、さすがにプロは臭覚鋭く嗅ぎ分けて、売れそうなものは人気殺到で抽選になることもあり、逆に全く売れずに残ってしまうものもあります。そういえばこのところ、魅力のあるガイモノが、ちょっと続きました。

ところで、どうしてガイモノというのか。今度調べておきます。

konoinfo at 23:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月11日

駒場の名物家族

梅雨入り。初日の今日は昼ごろから日も差して、梅雨の晴れ間というわけでしょうか。

その晴れ間を縫うように、にぎやかな一団の襲来を受けました。駒場の住人なら、おそらく知らぬ人はないだろうと思われる母子連れです。

なぜかというと、まずその構成。5歳くらいの男の子、3歳くらいの双子(!)の女の子たち、そしてようやく歩き始めた双子(!!)の男の子たち。

次にお父さんが(たぶん)フランス人、お母さんが(たぶん)アメリカ人で、子達は濃淡様々な金髪碧眼。さらに元気なお母さんで、ほぼ毎日のように子どもを散歩に連れ出します。

最近では女の子達も保育園に行くようになったので、朝の散歩は下の子二人だけ。二人用のベビーカーを押して毎朝出かける姿は、駒場名物と呼びたいほどです。

今日は午後でもあり、しばらくぶりにフルメンバーでご来店。二年ほど前、初めて来た頃は店の中を走り回っていたお兄ちゃんは、すっかり大人しくなり日本語も達者に。替わって3歳児が好奇心満開です。

二人用のベビーカーが壊れたので、普通のベビーカー一台。下の子を交互に乗せるしかありません。大変ですといいながら一人に一冊あて、絵本を買っていかれました。

子育ては体力勝負だと、あらためて思ったしだいです。

konoinfo at 17:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月10日

公費歓迎:その2

公費購入歓迎いたしますと、数日前にも申し上げました。

その点にはなんら変りはありませんが、やはりもう少し柔軟に対応できないだろうかと、思うことがあります。「価格認定書」についてです。

かつては公費購入にこの認定書は、殆ど付き物のようにして要求されました。最近は一定金額以下の書籍は消耗品扱いとするところが増え、認定書は不要というところが多くなりました。

必要だといってきたところにも、改めて確認をお願いすると、慣習で要求していただけと分かり、不要になった例もあります。

この認定書は古書組合が発行していて、これを取得するのに費用と時間がかかります。費用は僅かなものですが、古書会館へ出向く機会の少ない業者は、そのためにわざわざ出かけるか、ついでの時まで待つかしかありません。

小店では、一応確かめるようにしています。本当に必要かお確かめいただけますか?多少時間がかかりますが?と。

ある回答はこうでした。「あったほうが良いので付けて下さい、急いでいません」

少しでも障壁を低くして、利用しやすくすることがお互いのメリットだと思うのですが。もっともこの認定書発行費用は、僅かとはいえ組合の貴重な収入でもあります。悩ましいところです。


konoinfo at 14:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月09日

図書館払下げ本

今日の洋書会は、ほどほどの分量。少なくても困りますが、あまり多くても、何しろ買い手が限られているので、引き受けるのが大変です。

小店、本日の落札はフランス文学書一括の一点のみ。といっても約300冊ほどあります。

洋書の場合は一点の冊数が多くなりがちで、そのようなものを山とか大山とか読んでいます。細かく仕分けをすると買い手がつかないか、ついても一人か、という場合、あえて山にして入札者が競合するようにします。

もちろん同じ著者、同じテーマなど、ひとまとめにした方が人気を呼ぶ場合も一山にまとめます。

小店の買った山は、某大学の図書館から払い下げられたものでした。寄贈されながら、重複などのため受入れもされず、そのまま溜まってしまった本を、定期的に処分しているようです。したがって蔵書印なども押されていません。

何件もの寄せ集めでジャンルに統一性がない、図書館が欠本を埋めるため揃い物の一冊二冊だけ抜いていたりする、などの難点はありますが寄贈者は殆どが大学の先生。質の高い学術書が多いのが有り難いところです。

今日の山も中世から現代まで幅広く、テクストも研究書も含まれていて、明日届くのが楽しみです。

konoinfo at 19:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年06月08日

お母さん対応

毎年一人か二人、必ずお出でになるのが、お子様の宿題のための参考資料探しのお母様。

定番は偉人伝で、だれそれについての本はありませんか、と歴史上の人物の名を挙げられます。大抵は小学生の夏休みの宿題などというケースで、初めからそう言ってくださる方もおられますが、こちらから尋ねてようやく子どもの宿題ですと答えられる場合も。

近頃は小学生のお母さんあたりですと、見かけだけでは判断が付かないことも多くなりました。

今日のお客様は黄色いニットのワンピース、ヒールの高いサンダル。「アスカモモヤマのことが書いてある本はどのあたりにありますか」「安土桃山ですか」「あ、間違えましたアスカコフンです」

何をお調べになりたいのですかと尋ねると、子どもが明日までに飛鳥古墳のことを調べて行かなくてはならないとのこと。急に言われたので図書館に行ってる暇がない、とも。しばらく見回し、やがて諦めてお帰りになりました。

飛鳥古墳とは、飛鳥時代に作られた古墳のことだろうか、などとしばらく考えているうちに、飛鳥地方にある古墳のことだと気がつきました。高松塚とかキトラとか、そんなことを調べて行くという宿題だったのでしょうね。

お奨めできる適当な本は有りませんが、次からはもう少し的確な応対が出来そうです。

konoinfo at 18:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
Profile