2009年06月06日

南部地区大市会

朝まで雨。次第に回復し、昼過ぎから日も。

南部支部の、年に一度の大市会。午前で入札を終えて、午後からの作業を少しだけお手伝いしました。

本部会館に比べればずっと手狭な南部会館に、圧縮陳列の粋を極めて大量の出品物が並べられ、そこに店主のようなお手伝いを含めて総勢60名のボランティアが取り付き、次々と開札していきます。この人数は、本部交換会の大市に較べても遜色ない多さです。

正午から始めて、午後3時には全点の開札が終了しました。数の力は大したものです。しかし単純作業とはいえ、それなりに経験の求められる面もあり、不慣れなお手伝いも多い集団を束ねていくにはエネルギーを要します。

南部支部の事業部は、未経験者の参加を厭わず受け入れる気風があり、それが新加入の組合員、さらには他組合の同業者も巻き込む力になっているようです。

大勢で賑やかに作業を進める様子は、ちょっとしたお祭りのようでした。

肝心の売買ですが、狙いを絞って入札した数学関係の洋書に結局手が届かず、めぼしい成果はなく終わりました。

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2009年06月05日

明治古典会の収穫

今日もいくつかの一口ものがあって、それも黒っぽいものが中心で、明古らしい市になりました。

戦前刊行のキリスト教、神道、哲学関係の一口は、タイムカプセルから取り出したようにきれいな状態。どこに、どうやって保存されていたのかと不思議です。特別珍しい本は少なくとも、その保存の良さが珍しく、人気を呼んでいました。

もう一つ人気だったのが、雑誌類の一口。1920年代から1950年代までの、主に英、仏、独で発行されたもの。さすがにムレたり、傷んだりしているものもありましたが、旧家、それもかなりの大家の蔵にでも納まっていたようです。

中に、日本関係の洋雑誌(もちろん戦前の)が何種類かあり、飛びぬけて高値を呼んでいました。

この雑誌の口には小店も何点か入札し、ちょっと面白いものを一点だけ手に入れることができました。Country Life というタイトルの1930年前後を中心とした100冊ほどです。

調べてみると、現在でも刊行が続く英国のハイクラスマガジンで、田園生活を楽しむ上流、あるいはそれに憧れる人たちのための雑誌のようです。掲載されたカラー広告の面白さに惹かれて入札してみました。

古いものですから、湿気て綴じが緩んでいたりして、どの程度商品として生かせるか分かりません。本が届いたら、まずは自分で楽しみながら、改めてみるつもりです。

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2009年06月04日

芥川・シェイクスピア

先日「芥川龍之介の本はおいていますか」と店に入って来られたのは二人連れの若い女性。「芥川の書いた本でも、芥川について書かれた本でも、何でもいいのですが」と揃ってスーツ姿で大きなかばんを持って。

作家論はこの辺り、作品ならこちらの文庫棚、と店番のχ君が案内すると、何冊かあったタイトルに「芥川」と付いた本をいちいち手にとって開き、一通り見終わると帰っていかれました。

今日はシェイクスピア。「評論のようなものはそこにあるのを見ましたが、作品はおいていませんか、読んでみたいのですが」と学生さん風。

作品を読むのなら文庫、新書でしょうねと、店主自ら棚へ行き、岩波の赤帯の10冊ほど、ちくま文庫の5、6冊を示して、松岡訳の方が新しくて読みやすいでしょうとお薦めし、ハムレット一冊をお買い上げいただきました。

本の世界の入り口から、奥へ踏み込むほど偉いというわけではありません。しかし外から見えるよりずっと深い、広大な森があることを、彼らにいつかは知ってもらえるでしょうか。

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2009年06月03日

ラティスと日よけ

店の前の建物敷地と道路との間に、閉店後はラティスを立てて仕切りにしています。何も置かないでいると、ちょうど車を止めるのに具合の良い場所になってしまうので、その予防のためです。

このラティスが、5年経って相当傷んでしまいました。強い風で倒れて車に踏まれたこともありましたし、次第に斜め格子の板が反って外れても来ました。かなりみすぼらしくなっていたのです。

先日、思い切って新しいものと交換しました。作業は二時間ほどで済み、面目を一新しました。

同時に店頭の日よけにシェードを取り付けました。時間帯によっては軒下まで日が差し込み、本も焼けるし、何よりこれからの時期、暑くてゆっくり本も見られなくなります。

よしずでも立てようかと様々研究の結果、突っ張りポールにロールスクリーンを渡し、ひさし状に出し入れできるものを見つけ、取り付けてみることにしたのです。

なかなか見た目も具合も良いので、もう一基購入してさらに日陰を増やそうと考えていますが、先日取り付けて以来、雨天曇天が続き、まともに照る日が幾日もなく、なんとなく気勢をそがれております。

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2009年06月02日

公費・校費、歓迎します

公費注文を嫌う同業が多いのでしょうか、心配そうに問い合わせておいでのことが良くあります。

確かに学校その他の機関、それぞれに手続きの方法や書式が異なり、書類作りが面倒であったりします。しかし昔に比べれば、随分簡便になり、融通が利くようになりました。さらに納品から支払いまでの期間も全体に短くなってきたようです。

その一方で昨年度末など、幾つかの学校から実態確認の調査用紙が送られてきて、公費の使い方に厳しく眼を光らせているぞというところを見せています。

今日は、洋書会のついでに組合事務所で「価格認定書」を貰ってきました。5000円ほどの本を納めるについて、この書類をつけることを求められたからです。

古書価が適正であると組合が証明することで、いわゆる「相見積り」に替えることが出来るとされているもので、公費納入の面倒を代表するような仕組みですが、最近は、これを要求されることもかなり少なくなりました。

公費扱いは多少の面倒があっても、入金は確実です。それに近頃、小店では増えてきた「科研費購入」は、まだ実収入のない院生、研究生なども利用する制度です。小額の書籍でも、気持ちよくお受けしようと、最近では思うようになりました。

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2009年06月01日

ソムリエ

知り合いの知り合いがイタリアに留学するので、本をプレゼントしたい。これからその人に会うので、直ちに適当な一冊を選べ。

学生さんには見えませんが、年恰好は似たようなその若者は、さすがに言葉遣いはもう少し丁寧でしたが、ニュアンスとしてはほぼ正確に以上のようなことを、おっしゃいます。

その人には自分もまだ会ったことはないが、25歳、女性、デザイン関係の勉強に行く。それがヒントのようです。

思いつくものは何冊かあっても、いま在庫にはないので、渋谷にでも出て、新刊屋さんで買ったらどうかと勧めるのですが「有るものでいいです」ときっぱり。

最近、新刊書店の店員さんを「文庫のソムリエ」と紹介している広告を見たことがあります。書店員が本をお奨めなど出来るのでしょうか。丸ごと一本飲まなくてすむワインとは訳が違うのに、と思うのですが、ソムリエを求めるお客様は案外多い、それは確かに感じます。

ソムリエはともかく、叩いただけでスイカの出来が分かる八百屋さんと似たようなところは、古本屋にもあるかもしれません。

おりよく一冊「ミラノ霧の風景」(須賀敦子・白水Uブックス)の在庫を見つけ、400円でお買い上げいただきました。

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2009年05月31日

運動会の季節

朝のうち曇り。時々シャワーのように雨が降ってきて、止んだかと思うと日も差して、しかしまた思い出したようにシャワー。

こんな日に、地元の小学校では運動会です。昨日の予定が雨で今日に延びたのですが、不安定なお天気の中、何とかプログラムは消化できた様子。終わって帰る頃にやや強い雨が降って、傘の親子が店の前を何組も通り過ぎていきました。

何時からこの時期になったのでしょう。わが子たちも春の運動会を経験しているので、すでにかなり以前からのことであるのは確かです。

その経験からしても今頃は不安定なお天気の日が多く、酷く暑かったり、今日のように梅雨のはしりのようだったりで、何故こんな時期に運動会をやるのかと思ったものでした。

諸説あるうち一番うがった説は、中学受験の追い込み時期に、行事で時間を取られるのを嫌う親たちの要望に合わせるためというもの。中学校や、高校でもこの時期に行うところが次第に増えているようです。

ちなみに俳句の世界でも「運動会」を秋の季語とするのは実態に合わないからと、「通季」としている歳時記もあるとのこと。

閑話休題、五月も今日まで。例年よりは客足が良かったように思います。六月も期待できるでしょうか。


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2009年05月30日

日本英文学会

朝からそれらしいお客様が何名かご来店になり、そういえば今日と明日は駒場で日本英文学会の全国大会があると、大分前に北沢書店さんから聞いたのを思い出しました。

北沢さんのような専門店にとっては、専門に関連する学会の動向は営業に直結する重要な情報です。大きな学会があるときには、定休日を返上して営業されますし、それに合わせて目録を出すこともあるようです。

しかし小店のように専門性に乏しい店は、すぐ隣で学会があるからといって、そのおこぼれに預かるのも容易ではありません。せいぜい奇特な本好きの先生が、ちょっと足を伸ばして覗きに来ていただくのを期待する程度です。

それでも今朝は、何度かネットでご注文いただいている大阪の先生が、本をお買い上げいただく際に、名乗って下さいました。

ふと、この間から積んだままになっている英語の本の山に手をつける気になり、ようやく雨も上がったのを幸い、取り崩し始めたところです。

いかにも泥縄、専門店との違いは大きいですね。

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2009年05月29日

善因善果?

明治古典会は月の最終週で、特選市。粒が揃って出来高もまずまずでしたが、その話ではありません。ちょっとした失敗譚から。

今朝も昨日からの雨で肌寒く、長袖のシャツにしようとクリーニングの袋を破ると、小さな封筒が目に付きました。「お確かめの上、お出し下さい」というような文字があって、中に一万円札が二枚。胸ポケットに入れたままだったようです。

とっても得した気分ですが、もちろん自分のお金が戻ってきただけ、感謝感激しこそすれ、儲かったわけではありません。いずれ不足に気がついて、大騒ぎしたことでしょう。その前に出てきてくれて助かりました。商道徳いまだ廃れず、というところでしょうか。

それで思い出したのは、聖徳太子が福沢さんに代わった頃のこと、つまり店を始めて間もない頃です。お客様から買い取った本の中から、古い一万円札が七枚出てきました。

買い取り帳を調べてすぐにそのお客様に電話し、その旨をお伝えすると、やがて赤ちゃんを背負った若いお母さんが、受け取りに来られました。

当然、喜んでいただけるものと思って、お金をお渡ししたのですが、何だかご機嫌斜めな様子で、ムスッとしたまま受け取って帰られました。それがあまりにも意外だったので、長く記憶に残っています。

きっと、ご主人の秘密のヘソクリだったのだろうと、当時、結論付けたものでした。

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2009年05月28日

パヴロフ英訳初版

未明から雨。もう上がったかと思うとまた降りだして、結局夜までそんな具合で肌寒い一日です。来客も少なく、溜まっていた本の整理が捗りました。

科学哲学関係の口。主なものはホールデン(J. B. S. Haldane)とドリーシュ(Hans Driesch)の著作。前者はイギリスの生物学者、後者はドイツの動物学者。

1930年前後出版の本が中心ですが、調べてみると過半は現在でも新刊が出ていて驚かされました。今でも必要とされているということでしょうか。オリジナルで状態が良い、ということで手ごろな価格なら売れてくれると思います。

この口に、あのパヴロフの、条件反射についての英訳初版本が二点ありました。これも保存状態は悪くありません。こちらの方はちょっと気張って値をつけてみます。もちろん読むだけなら幾らも安い版があります。1927年、1928年に出た最初の英語版、そこにどの程度の価値を見るかです。

その他も含め数十冊、どこででも見かけるという本では有りません。興味のある方はどうぞご来店の上、ご実見ください。

追記:整理が捗ったというのは嘘です。その間にも別の荷物が入り、さらに未整理の山が増えております。

konoinfo at 19:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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