2009年12月24日

嵯峨本源氏物語

明日の明治古典会クリスマス特選市の準備のため、昼から古書会館へ。

地方から届いた出品物の梱包を解いたり、持ち込まれた品物を会場に並べたりして午後7時まで。ほぼ目処がついたところで、ロートルは一足お先に放免されました。

経営員と若手はもう少し残って片付け。彼らは明日、また早くから出て仕事です。終わったあとで食事でも行こうと誘い合っていました。

クリスマス・イヴ、本当はもう少し違う相手と食事をしたかったことでしょう。

駒場に帰り着いて、店までにある数件の飲食店は、どこも閑散としていました。デート向きでないお店は、今夜は暇かもしれません。彼らも歓迎されるはずです。

さて、明日の市場の一番の目玉は、『伝嵯峨本源氏物語』54帖の揃い。伝とつけたのは、嵯峨本であるという学問的な保証はついていないからです。

しかし版面に見る限り、国内で唯一所蔵を公開している大阪樟蔭女子大学の蔵本と同じもの。さらにその来歴も、かなり確かなものです。

どんな評価がつくのか、誰が手に入れるのか、まさに興味津々。その結果は明日、このブログで、というわけに行かないのは残念ですが、どこからか風評は伝わるもの。

いずれ皆様のお耳にも届くかもしれません。

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2009年12月23日

親切と見識

本当に静かな年の瀬。駒場がこれだけ静かだということは、例によって渋谷あたりは、さぞや賑やかなことでしょう。

学生さんらしいお客様から「日本古典文学関係の本はどのあたりでしょうか」と尋ねられ、答えに窮しました。

国文学関係といえないこともない本も、店の中に何冊かはありますが、とてもこのあたりがそうですと申し上げられるほど、集まっているわけではありません。

しかし、緊張したような話し方から、もしかすると単に何か古典作品を探しているだけかもしれないと思いました。

それで「どんな本をお探しですか」とお尋ねすると、「特に何というわけではありません」と、ますます固くなってお答えになります。

それ以上、立ち入って「研究書ですか、作品ですか」と聞くのもためらわれ、結局「ウチには古典文学関係を集めたところはありません」というつれない返事になってしまいました。

古本屋に慣れていない人にとって、どこに何があるか分かりにくいのは、確かに不便だと思います。その点ではブックオフなどが棚に細かく表示しているのは、親切なことだとはいえるでしょう。

とはいっても、むやみな表示で見識を疑われることのほうを、どうしても気にしてしまうのです。

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2009年12月22日

今年最後の洋書会

先日、今年の会議はお終い、と書いた時には忘れていましたが、今朝は南部の役員会。

10時からの開始に少し遅れて到着。すでに始まっていて、ちょうど報告のお鉢がまわてきたところでした。とくに何事もなく、30分ほどで終了、「みなさん良いお年を」でお開きとなりました。

その足で洋書会へ。英文学ロマン派関係60箱出品という触れ込みだったので、少しでもお手伝いできればと思ってです。

その60箱ですが、確かにかなりの量。しかし殆どは、いわゆる店頭の均一本。それでもこのくらいの量があると、掘り出し物を手に入れていることもありますから、一応丹念に目を通します。

ですが今回の本の旧蔵者には独特の習慣がありました。タイトルページに太い赤のフェルトペンで、大きく自分の名を記すことです。

結果として、細かく仕分けるようなものは見出せず、大半が大きな山で出品されました。

その評価はともかく、丹念に古本屋巡りをして、楽しみながら集められた本だということは分かります。問題はこのようにして本を買っていただけるような、古本好きのお客様が、明らかに減っているという事実です。

その点に話が至り、会員一同、溜息となりました。

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2009年12月21日

年末年始の予定

今朝は所用あって、昼からお店。

昨日あたりから、ここいらはすっかり静かです。今日はともかく、昨日などは渋谷、下北沢では年の瀬の賑わいを見せていたのに、その中間に位置する当地では、昼過ぎまで店に入るひととていない過疎ぶり。いつものことではありますが。

駒場にはゆったりした時間が流れています。そこで、気持ちのせわしさとはうらはらに、こちらもスローダウンしてしまうのです。

さて、年末年始の予定を立てましたので、お知らせいたします。

年内は30日まで通常営業。31日は午後6時まで。
新年元旦はお休みをさせていただきます。
2日から4日までは正午から午後6時まで。
5日から通常営業の体勢になります。

先月、契約更新をして、この店も7年目に入りました。移転当時の新鮮な気分はすでに遠い過去のものですが、店主は新年に少しお休みをいただきますので、この機会にリフレッシュできることを楽しみにしています。

その前に、まだあと十日。やることはやっておきましょうね。

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2009年12月20日

ちんぷんかんぷん

ご常連の、双子二組のお母さんが表の棚から絵本を二冊抜いてきて、これはオランダ語かと尋ねます。知り合いのオランダ人母さんにあげたいからと。

日本語も随分と達者になったこのお母さんは、自分の言葉は英語、お連れ合いは仏語、それで6歳くらいの長男は三ヶ国語を操る、と以前お話しました。ともかくそのお母さんのご質問です。

あらためて一冊、奥付で出版地を確かめてみると、間違いなさそう。オランダ語ですね、というと二冊お買い上げになりました。二週間ほど前のことです。

先日ご来店の折り、「この間の本、一冊はオランダ語だったけど、もう一冊はデンマーク語だった」とのご報告。もとより読めるわけではないですが、二冊とも確かめるべきでした。もし不要なら戻してくださいと申し上げておきました。

そのお母さんでさえ判別できないほど似通っていても、当のオランダ人にとってはあきらかな外国語、まったく違う言葉です。言語の不思議さを感じます。

最近、ウェールズ語、アイルランド語、ゲール語といった言語の本が入ってきました。似ているけど皆違う。

読めもしないいろいろな言語の本を置いていることに、後ろめたさを感じないでもありませんが、そんな自分に対しては、こう開き直っているのです。

じゃ、日本語の本なら読めるとでも言うのかね。


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2009年12月19日

『あさきゆめみし』

きっと誰かの目に留まるはず、と思っていた本に注文が入るのは嬉しいものです。

今では画家としてもかなり著名となった牧野義雄の最後の著作が、この本。「暮しの手帖」社から氏の没年、1956年に刊行されています。

小店の本は函もなく、全体にヤケクスミが見られる一冊ですが、あまり手に入らない本ですから、2000円としておきました。

20年以上前は、英国で出された画文集も、ときどき洋書会の市場などに出て、安く買うことができたものです。まだ我が国では、それほど注目されていなかったからでしょう。

漱石の研究者などが、比較的早い時期から着目していたようです。たまたま小店で同書を手に入れたお客様が、以後、何度もご来店になり、「あれから入りませんか」とお尋ねになっていたのを思い出します。

その後瞬く間にMarkino(この表記が、最初から気になっていました)の本は高騰。たまに見かけても、すでに美術書を扱う業者も着目するようになっていて、小店あたりでは手が届きません。近年になって、次々に翻訳書も出版されました。

今回の本、入荷した時に少しだけ拾い読みし、その文体にも表れているユニークな人柄に、一度は読んでおきたいと思っていたのですが、その暇もなくご注文をいただいてしまいました。嬉しいけれど、ちょっと淋しい気もします。

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2009年12月18日

年の瀬、新たな動き

寒さも本格的。厚着をして明治古典会へ。

来週にクリスマス市を控え、荷物は少なめ。落ち着いた感じの市でしたが、出来高は思ったより健闘しました。

今日は、店主がこの半年ほど担当してきた、会内部の事務作業がひと段落。市会終了後に、一緒にかかわってきた仲間と、簡単な打ち上げ会をすることに。

忘年会ピーク、折り良く席が取れたのは、時々利用するカジュアル・フレンチの小さなお店。いつもの食事会よりは、ちょっとだけ値も張りますが、今日はこの半年の仕事のお駄賃として、費用は会持ちです。

例によって店主はアルコール抜き。ワインの生産者が作ったというぶどうジュースをいただき、とぎれる間もない談笑に時を忘れました。終わって帰ると、今日ももうこんな時間です。

ところで、今日の市会のさなか、ちょっとしたニュースがもたらされました。明日の西部の入札会に「山羊の歌」(中也自筆はがき付きとか!)をはじめとする、稀少近現代詩集、限定本が数十冊出品されるといいます。

組織を改編して、新しく始めようという西部の市が、南部のように勢いのある市に育っていくかどうかは未知数です。ただ少なくとも上々のスタートを切ることにはなりました。

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2009年12月17日

年内無休

遣り残していることがいっぱいあるような感じ。普段でもそうなのに、年末を控え、ますますそれが顕著に。もう一種の強迫観念。

今年もあと二週間です。洋書会があと一回、明治古典会が明日と来週との二回。店主の出かける市場はそれでおしまい。組合としては28日の月曜日、中央市会が今年、納めの市となります。

今日は昼から今まで、TKI他の会議で都合6時間。会議関係の予定は、年内はこれでおしまいのはず。

残りの時間は、店のことに使える計算になるのですが、毎日しなければならない日常業務を差し引くと、余分の時間はいくらもありません。まるで収入から経費を差し引くと、殆ど利益が残らない商売のよう。

急ぎで本を送って欲しいというお客様がいらして、宅配便で送る手配をしましたが、九州への翌日配達は無理ということ。世間も確実に年末モードです。

年内はいつまでやっていますか、と何人かのお客様から尋ねられました。もちろん大晦日まで営業します。

今年も振り返ると、正月二日から休みなし。お隣のセブンイレブンには負けますが、なくても困らない店を、よくも一年、休まずにやってきました。

遣り残したっていいから、無事に年を越したいものです。


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2009年12月16日

出前お断り

昼頃電話がありました。
受話器をとり店名を名乗ります。すると―

「4時に来てください」
「もしもし」
「今日の4時でお願いします」
「本の引き取りということですか」
「そうです、近くなんで」
「今日はちょっと都合がつかないんですが」
「何時ならいいですか」
「量はどれくらいですか、どんなものがありますか」
「雑誌が、30センチくらい。まだ片付けてるところなので、はっきりとは」
「ちょっと難しいですね。どんな雑誌ですか」
「難しいというのは、引取りがですか」
「そうですね」
「そうですか、分かりました」

これで電話が切れました。はじめはてっきり知った方かと思いました。次に、約束を忘れていたのかと不安になりました。電話番号をご存知だったということは、おっしゃるとおり近くの方で、店においでになったこともあるのでしょう。

切り出し方も単刀直入なら、切り上げ方もあっさりしたもの。かえってこちらが、出前をお断りした蕎麦屋さんの心境です。もちろん想像するだけですが。

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2009年12月15日

手に入れる喜び

東京洋書会は今日が歳末特選市。400点近くという、当会としては多い出品点数でした。

出品もさることながら、入札に来る業者の数も、いつもに比べはるかに多く、とても賑わった感がありました。洋書に興味を持ち、扱っている、あるいはこれから扱おうとしている古書店が、増えているように見受けられます。

今回は面白い一口や、地方からの質の良い出品があり、例年の歳末市と比べても盛り上がり、出来高も良かったはずです。

とりわけルソー、ディドロをはじめとするフランス18世紀思想の口。ヴォルテール、ユゴーの初版本などは、本の状態も良く、思い切りのいい札を入れる人が目立ちました。

小店の成果はこれとは別の口でしたが、書誌関係の美装本、シェイクスピアの挿絵本。もちろんすぐに売れるあてはありませんが、飾っておくにも良い本です。

こういう本は、いざとなれば市場に出して売っても、買値をそれほど割り込むことはない。はず。

そんな本ばかりで棚を埋めることが、古本屋の目指すところだったのですが、相場の下落で目算が狂った店も多いことでしょう。しかし今日のところは、良い本を手に入れたことを、喜びとしておきたいと思います。


konoinfo at 18:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
年内は31日(日)まで
新年は4日(木)から
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