2009年03月16日

古本ですか

これも古本ですか?といって、若いお母さんが
ベビーカーを押して店に入って来られました。

ウチにおいてあるものはどんなにきれいでも古本
です、と少し力をこめて答えますと、本を開いて
「ああここに値札がありました」

新刊が欲しくて、そうおっしゃっていると、つい
思ってしまいましたが、ただ単に値札が見つからず
本がきれいなので新刊=定価販売かと、それを
お聞きになりたかったのでした。

全部古本ですかとお聞きになる方も時々おられて
真意を測りかね、答えように困ることもありますが
普段のやり取りも、お互い分かったようなつもりで
随分、頓珍漢なこともあるかもしれません。

昨日に続いて好天。ぐんと春めいてきました。

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2009年03月15日

門出を祝す

若い同業の結婚披露宴に招かれ、出席しました。
1969年生まれというので、世間的には若いという
年齢でもありませんが、仲間内ではこれから
いよいよ活躍が期待される年頃です。

12年前、父上が宿痾に侵されると、教職にあった
同君を呼び返し、店の手伝いを頼みました。それ
の姿を見て安心されたように父上は亡くなられ
若くして跡を継ぐことになりました。

以来、10年余、苦労もあったことでしょう。
この日を迎えるにあたり、リッツ・カールトンを
その会場に選んだのは、そうした当人の思いを
表わすものだったと、今は思います。

高級な会場ではありましたが総勢で80名余。
そして何より、小店主などがメインテーブルに着く
つまり新郎側は殆どが彼の同僚という構成は、今日
ホテルに着くまで思いもしないことでした。
いわゆる派手婚ではなく、落ち着いた感じの宴で
これから業を共にする仲間への、彼なりの精一杯の
アピールだったのでしょう。

しかし一番の話題は、誰かが開宴前お茶を飲みに
行きコーヒー一杯1680円だったということでした。

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2009年03月14日

エフェメラ(ephemera)

昨日の明治古典会で、ふと目にとまったのが
古い演劇の公演チラシ。40年ほど前のものなので
ちょうど店主の学生時代。全部で15、6枚しか
なかったのですが、驚くほど良い保存状態。

自由劇場、菅孝行など、懐かしい名前とともに
その公演場所が京都のものもあったりして
思わず往時をしのぶ気分となりました。
自分がまさに見た公演などが含まれていれば
商売を離れて入札したかもしれません。

こんな刷り物類も、和洋を問わず昔から
古本屋の扱ってきたものです。
映画チラシなどは、熱心なコレクターもいて
びっくりするほど高価な値が付くものもあります。
江戸、明治の引き札と呼ばれる宣伝ビラなどは
博物館も競って集めます。

エフェメラとはすぐ消えてしまう儚いもの
厳密には一枚刷りのものを指す言葉のようですが
古書店の目録などではこのジャンルの中に
パンフレットや小冊子も含まれています。
保存されることを前提としないものであれば
エフェメラの資格はあるかもしれません。

残っていない、というのは古書の価格を決める
大きな要素の一つですが、高い値がついた途端
あちこちから同じものが出てくるというのが
古書の世界の不思議の一つです。




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2009年03月13日

坪内さん、私です

ちょうど一週間前のことになります。
明治古典会の仲間と、仕事のあと、神保町の
八羽へ行きました。一杯やりながら本音トーク
を交わそうという時間ですが、店主はそのあと
店へ戻り、店からは車で帰る都合があるので
食事だけのお付き合いです。

その八羽で、坪内祐三さんをお見かけしました。
どうも、というと「久しぶりじゃないですか」
と返ってきました。それだけで後は、先方が
帰るとき、じゃ、どうも、と挨拶しただけです。

後でつらつら考えれば、坪内さん、こちらを
誰だか認識していなかったのではないか。
言葉を交わしたのは、もう何年前か、石神井書林
の内堀さんが二冊目の本を出した、そのお祝いの
席以来なく、よほど記憶力が良くなければ
覚えてはいられないでしょう。

こちらは小店が十分坪内さんの生活圏内にある
のに、まるで敬遠しているように近寄らないのを
前からいささか不満に感じていることもあり
つい声をお掛けしてしまったのでした。

誰だったろうと、考え込んだかもしれません
悪いことをしましたね。


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2009年03月12日

日本の古本屋リニューアル

今日また少し「日本の古本屋」が変わりました。

トップページの検索窓で、出版社も検索できる
ようになりました。
たとえば「漱石」「岩波」と入力すると、書名
著者名、出版社名に、いずれかの語句を含んだ
書籍が出てくるようになったわけです。

また、検索後のデータを、「書名」「著者名」
「出版社」「刊行年」「価格」のいずれかの
項目でソートすることもできるようになりました。

このあと予定しているのは、画面をさらに見やすく
新しいものに変えていくことです。
5月の初めには、一新したデザインをご覧いただける
予定です。

そんなことを、今日の午後はTKI会議で話し合い
戻るともう閉店時間です。
風強く、店の前に何の種子か、綿毛のようなものが
やたらに吹き溜まっていた一日でした。

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2009年03月11日

棚の入れ替え

もちろん棚自体を入れ替えるわけではなく
本を移動させるのですが、久々やや思い切った
入れ替えを試みました。

文庫が、それもやや固めの文庫の在庫が増えて
入りきらないものが多くなったので、今まで
売れ筋読み物系が入っていたところを空にし
それらは表に出しました。

段数にして10段ほど空きましたので、講談社の
学術、文芸文庫。ちくま学芸文庫、ちくま文庫
中公文庫などの棚が、拡張できました。
岩波の各シリーズも、少しずつ広がりました。
店内の文庫は学術、古典、名作といったものが
中心となります。ひとまずこれでやってみようと
思います。

古書の仕入れは思い通りには行きませんから
その時々の在庫状況に合わせて、棚も入れ替える
必要が生まれます。
なるべくこまめに、とは思っているのですが。

今回の入れ替えで、100円均一の台が一つ減る
ことになりました。こちらの方も、こまめに
精を出して入れ替えなくては。


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2009年03月10日

ウオジンショク

「古い言葉は、だんだん通じなくなるわね」と、
時折、本の整理にご利用いただくご近所の奥様が
買い物帰りか、店に立ち寄って世間話です。

いやまったくと相槌を打つ店主に「子供に〈ネコノ
ウオジンショク〉と言っても、何それ、ですものね」
いやそれは初耳ですとも言えず、言葉を濁していると
どうやら、欲しいのに眺めるだけで手も出さずにいる
状態を表す言葉で「だけど調べても出てないのよ」
辞書やネットで調べたということでしょう。

どんな字を書くのでしょうね、と水を向けると、猫と
魚までは確からしいのですが、あとは不明。
調べてみると、多くの辞書に「猫の魚辞退」という
ことわざが出ています。ほかに「猫の精進」「猫の
魚を食わぬふり」が、同義語として出ています。

耳から入った言葉がだんだんに変化していくのは
極めて普通のことでしょうが、まだ少し離れすぎて
いるような気がして、ネットでも調べてみると
「猫のうるめ斟酌」という言葉が出てきました。
これでかなり近づいたでしょうか。

「つづめてウオジン、ウオジンと言ってたのよ」
今度おいでになった折に、成果をお話ししようと
思います。

本日、洋書会、のち合同役員会。
店に戻るのは閉店時間前後の予定。

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2009年03月09日

自著を求める

店長さんはおいででしょうか

そう言って掛かってくる電話は返事もそこそこに
切ってしまう事にしています。しかしお一人だけ
大切なお客様で、そう言って掛けておいでになる
方がおられます。お声を聞いただけで分かりますし
明らかに他の営業電話とは、物腰から違いますので
誤って切ると言うことはありませんが。

東大を退官される際、お住まいを移られる時
その後のお勤め先をお辞めになる時、再び住居を
移られる際と、折々にご蔵書を処分していただき
近くまた、という先生です。

今日は、ご本人の著書が手元になく欲しいのだが
版元品切れなので、見つけてもらえないかという
お電話でした。幸い「日本の古本屋」で見つかり
懇意の書店でもあったので、事情を話し、直接
先生宛、送ってもらうことにしました。

古書となった自著をお探しのケースは案外しばしば
あるようで、いつやらも店でお買い上げの方から
頼まれて書いた領収書の宛名が、著者と同じなので
思わずお顔を見つめると「お恥ずかしい」と照れて
おいでのことがありました。

こんな時、その価格について、どんな感想を抱く
ものか、今度、先生に伺ってみようと思います。

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2009年03月08日

駒場懐古:マート駒場

普段はただ「マート」と言っていて、顔を見れば
屋号ではなく「青木さん」と名を呼んでいたので
確信がなかったのですが、例の地図看板に店の名が
出ていて、正式な名称を確認。

小さなお店に青物からお惣菜、駄菓子まで食料品なら
何でも扱っていました。今ではローソンになっている
建物に、肉屋さんと二軒で入っていて、その肉屋さん
はすぐ近くで今でも営業中ですが、立ち退くことに
なった時、それまでに一度、店で倒れて入院したこと
もあり、年齢を考えて引退となったようです。

その後もしばらくは軽のワンボックスに商品を載せ
小柄な奥様と二人、仲睦まじく、昔のお得意様に
頼まれ物を届けたりしておられました。
その奥様は看護婦の経験があり、青木さんが倒れた時
適切な処置と救急車の手配で、大事に至らなかったと
ご本人から伺いました。

お見かけしなくなって久しいのですが、開店当初
何かと世話を焼いていただいた、懐かしい方です。


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2009年03月07日

土曜好天

朝から晴、このところ寒かったので暖かく感じます。
その分、花粉が盛大に舞っているらしい。
幸い店主に今のところ花粉症の気配はなく
マスク族の苦難は他人事。

とはいえドライアイ、老眼の進行で、眼がかすみ
しじゅう鬱陶しいのが、この時期は常にまして
ものが見づらい。いくらかは花粉の影響でしょうか。
その眼をさらに酷使して、溜まった本のデータ入力。

しかしこんなことをしているうちに、もう来週は
確定申告の締め切り。いくら資料が揃っていても
提出書類の作成には、やはり一日二日はつぶれます。
明日にはやろう、と今は思っていますが。

資本論はありますか、と若い学生さん。
文庫で一冊目だけ読んだので、続きを探していると。
最近、岩波の四巻本が入ったところなので薦めると
手持ちが足りない。千円で第一巻だけ持ち帰り
残りの千円は月曜日に、三巻と引き換え。
これを売りに来たのも学生さん。全部読んだか
全部読めるか、それは分かりませんが、読み継がれ
今また新しい読者の手に渡り、マルクスはなお命脈を
保っているようです。

確定申告が終わればすぐにお彼岸。
春はそこまで。

konoinfo at 17:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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