2009年09月25日

今日の明古

明治古典会は月末で特選市。点数は普段の市より少な目でしたが、なかなか面白い本や肉筆類が見られました。

例えばチャップリンのサインが入った画幅。昭和七年とありますから、初めて来日した時のものでしょうか。来歴を調べると面白そうですが、ちょっと面白そう、くらいで買える値段(小店主にとってはですが)では有りませんでした。

小川国夫の限定本数種。一時は限定本といえば何でも高かった時代がありましたが、その反動で、特にこの著者などは売れない限定本の代名詞ともなりました。

しかし今日の出品はいずれも10部から20部という、限定の中でも特別な限定。本もさすがに美しく凝った造り。こういうものばかりが出されていれば、簡単にブームになり、すぐ下火になるということもなかったでしょう。

限定本では他に吉岡実の私家版8部本というものもありました。ただ、こういう極少部数の限定版が市場に出てくるということは、それを手放す人がいるということでもあります。

何故か、ということを考え始めると、なかなか複雑な問題がありそうです。

小店の戦果は洋書二点。それについてはまた後日機会がありましたら。

konoinfo at 21:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月24日

親類に古本屋

先日宅買いに伺ったあるお宅。じつは、その場では何もお引取りしないで、日を改めてもう一度伺うことにしました。

始めから下見のつもりではあったのですが、拝見してみて、やはり全部をお引取りすることは出来ないし、かといってすぐに引き取れるほど僅かな量でもない。それで他日改めてとなったのです。

全体の8割くらいは古い経済書、全集、講座類。運送賃をかけて運んでも、残念ながら市場でも値がつかない類のものです。亡くなられた蔵書主の奥様とお嬢様らしい先様も、その辺りは良くご承知で、こちらの申し出を了解してくださいました。

そんな中で色々お話しするうち「親類に、昔、本郷で古書店をしていたものがいる。もう今はないだろうけど」と言われます。中国の本ばかり扱っていたというので、屋号を尋ねますと、屋号は忘れたが名は斎藤と。

「もしかして琳琅閣さんでは」と申し上げると、驚いたように「そうそう。まあ何十年ぶりにその名前を聞きましたよ」とおっしゃいますので、その店が現在いかに盛名を得ているかなど、一頻りお話してお暇しましたが、とても喜んでおられました。

知り合いの知り合いの…と五件も辿れば日本中の人は皆知り合いだと、何かで読んだことがあります。そうは言っても、不思議を覚えますね。

今日は木曜日。やっぱり木曜は、とミセスCのボヤキが聞こえてきます。

konoinfo at 16:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月23日

連休に片付ける

連休ということにばかり気を取られていましたが、今日はお彼岸。

今年は、昨日までにお墓参りなどは済ませてしまったところが多い様子です。やるべきことは早めに済ませて、ゆっくり休みたいというのが人情なのでしょう。それを裏付けるような情報を家人が聞き込んできました。

東急東横店にある愛用の和菓子店へ出向いたところ、混雑を予想していたのに空いていて、店員さんから「この連休で今日が一番ヒマ」と嘆かれたというのです。

原材料は国産無農薬、生菓子の賞味期限はその日限り、一番のウリは牡丹餅という店で、昨日などは三重に列が出来ていて、買うのを諦めて帰ってきたほどでした。

生ものを扱う店は、仕入れの読みが生命線。見込み外れに同情を禁じえません。翻って古本屋の仕入れに、それだけの真剣さはあるでしょうか。

もちろん、いつもご紹介している明治古典会などの市場では、良い仕入れをしようと毎回のように互いがしのぎを削り合っているわけですし、およそ楽な仕入れなどというものはありません。

それでもここは、ひとつ謙虚に、生もの商売に較べれば、まだまだ甘いものだと反省しておきましょう。

連休中、宅買いが三件。お持込みも普段より多く、片付けようと思ったのは店主ばかりでなく、お客様方もそうだったのでした。

konoinfo at 15:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月22日

休日格差

休み疲れで本当にお休みになっているらしく、いつにまして人通りがありません。一方通行の先が工事のため通行止めになっていて、車も通りません。静かなものです。

でもいったいなぜ今日はお休みなのでしょう。

「国民の祝日に関する法律」というのがあって、平成17年に改正され平成19年から施行された第3条の3に「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする」とあります。

何でこんな分かりにくい言い方をするのかと思うのですが、ようするに祝日に挟まれた日は休日であると、国が定めたのでした。

祝日と休日は違いますよね。皆で祝おう、というのは賛否あるにせよ何らかの意味があります。しかし皆で休もうといわれても、余計なお世話だと言いたくなるではありませんか。

そもそもどうして休みを連続させたがるのか。「はかが行かないから間の日は思い切って休もう」というのは、それぞれが判断することではないか。押し付けられるいわれはない。お役人が自分たちの休みを増やすために弄した策としか思えない。

連休があるたびに自営業者である古本屋のおやじ達は、茶飲み話でこんな気焔を上げています。もちろん休日が掻き入れという店もありますが、そうでない店の方が遥かに多数派だからです。

それ以上に、休みたくとも休めないほど、売り上げが低下しているという現実があります。休日格差も拡大しているようです。

konoinfo at 16:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月21日

違いが分かる父子

ボールを抱えた体格の良い小学生の坊やと、お父さんの二人連れ。公園でサッカーでもしてきたのでしょう。店内に入るなり「だめだ、ここはお前には無理だよ。難しい本ばかりだ」

その坊やは、しかしすぐには承服しかねるように、あちらの棚、こちらの棚と覗き込んだあと、吐き捨てるように「古い、古すぎ」。表へ出てからも「古そうな臭いがした」とダメを押しています。

この二人に、店主としては最近の父子連れ部門、好感度ナンバーワンを与えたい。まるで本に興味がなければ、はじめから入っては来ないでしょう。むしろ本好きな坊やなのだと思います。

もちろんお父さんだってそうでしょう。子供向きかそうでないか、すぐ分かるのですから。もう一つこのお父さんのエライところは、もしかしたらご自分には興味のある本もあったかもしれないけれど、連れを従えて棚を見て回ろうとしなかったこと。

「臭い」と「匂い」。この時の坊やは顔をしかめながら、明らかに前者の意味を込めて言い、それは自分の立ち入れない世界があることへの悔しさを、正直にあらわしていました。

しかし店主はそれを、以前あるお母さんが「お爺ちゃまのお部屋と同じ匂いね」と、十分好意をこめて我が子に話しかけていた時より、ずっと嬉しく聞いたのです。

konoinfo at 16:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月20日

お祭りの季節

夏の終わりから秋口にかけては、あちこちでお祭りが続くようです。この界隈に限っても殆ど毎週末、どこかで祭りの笛の音や、法被姿の人を目にします。

今日は渋谷の金王八幡宮、世田谷の代田八幡宮の例大祭。お天気は良く、少し風はありますが絶好のお祭り日和となりました。

祭りといえば、高校の文化祭も今がシーズン。昨日、店の前をお神輿が通りましたが、これは日本工業大学駒場高校(以前は東京工業高校)が何年か前から始めた文化祭の一行事。近所のお祭り好きが手伝い、威勢よく練っていきます。

駆り出されたのか、恥ずかしそうに後からぞろぞろ付いていく連中も大勢いて、それが一番の見物です。

駒場東邦と、そのお向かいにある都立芸術高校でも昨日、今日と文化祭。若い女性がお一人、開店早々から店先で本を眺め、やがて店内に入ってゆっくりと棚を見て歩いていましたが、そのうち「あ、いた!待った?」と、もうお一人。芸高の文化祭へ行くために、待ち合わせておられたのでした。

駒場近辺には学校が沢山有ります。大学と小・中学校はともかくとして、上記の三校のほかにも筑波大付属駒場、都立駒場、都立国際、少し離れて駒場学園。

駒場に商店街が栄えないのは、周りが学校と公務員住宅ばかりだからだと、ずっと以前、ある商店主が言っておられたことを思い出しました。

konoinfo at 16:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月19日

宅買いで連休スタート

「本を引き取りに来て欲しい」というご依頼があって、小金井市まで出向きました。大した量はなく、しかも色々雑多なものという事前のご説明。値段にならなくともいいから、とにかく全部持っていって欲しいと。

それは困ると申し上げました。出来る限り生かせる本を探しますが、場合によっては何も引き取らず帰らせていただくこともあります。そう申し上げ、了解をいただき、今朝10時過ぎ、車で出発。

本の持ち主が、かなりのご高齢とのことで、万に一つも古い本があるかも知れないと、職業意識に導かれてです。

連休初日だからというわけではなく、あちこちの道路工事の影響で渋滞の連続。片道1時間20分かけて先方に到着。引き払うらしいお宅の中は、すでに殆どきれいに片付いていて、二階の部屋に少しずつ本が残されいるばかり。古い文学全集、経済関係書などで、残念ながら評価できるものは殆ど有りませんでした。

全部置いていくか、生かせるものだけ引き取らせていただくか、改めてお尋ねすると、少しでもというお答え。一抱えほど、文庫新書などを中心にお引取り致しました。

空振りとか、当て外れとかは慣れっこですから苦になりません。しかし先様にがっかりされるのは、辛いものです。せめて一階に降ろしてあって、車に積むばかりになっていれば、とりあえず持ち帰っても良かったのですけれど。

帰りの道も、結構混んで、店に戻ったのは1時過ぎ。この連休、店内の片づけを優先課題にしているのですが。

konoinfo at 16:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月18日

メンタリティー

本屋の、とりわけ神田の二代目、三代目には、運動部系が多いと以前から感じていました。

先日亡くなった東陽堂の高林さんのように、プロ野球選手にまでなったケースは別格としても、同世代にラグビー部、水球部、ホッケー部、剣道部、ウエイトリフティング部、などなど。

彼の世代ばかりでなく、その次の世代でも、大学時代は運動部で鳴らしたという人が多いようです。

一方で、自分で本屋を始める人は、イメージとしても本好きの文化系。実際がどうであるかは、調べてみないと確かなことは言えませんが、いかにもそんな感じがしませんか。

創業派と跡継ぎ派、この二つには色々とメンタリティーで異なる部分があるように思うのですが、その大きな要素に、体育会系と文化系というのもあるのではないでしょうか。

先日の明古の旅行で、宴会後の二次会、三次会は若手会員、経営員を中心に大いに盛り上がったのですが、典型的な体育会系のノリ。改めてその感を強くしました。

konoinfo at 22:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月17日

成りすまし

午後はTKI会議。

月に一度となると、いろいろ検討事項が溜まります。最近はシステム面ではかなり安定していて、専ら人的トラブル。

頼みもしない本が送られてきて困る、という苦情が有りました。調べてみると、どうやら他人の名を騙って勝手に「日本の古本屋」へ注文するという、嫌がらせのようです。送られた方が、頼んだ覚えがないから返したいと書店に電話すると、返品は受け付けないと言われたとかで、困って連絡してこられました。

その時は事情がうまく伝わらなかったのでしょう、結局は「受け取り拒否」で返品し、落着したようです。ネット上の「成りすまし」自体、根絶の難しい問題です。今回の場合、その被害は最小限に抑えることが出来ました。

また今度のケースは、お客様のトラブルに本屋が巻き込まれた形ですが、本屋とお客様の間のトラブルのほうが、もっとしばしば生じます。

何の場合でも同じですが、トラブルの殆どは、起きたその事自体よりも、それへの対処の過程でこじれるものです。お互いが相手の立場に立って考え、謙虚かつ寛容に解決を図ることが、結局は双方の損失を少なくすることになります。それが難しいのですけどね。

この件については再発を防ぐための措置として、成りすましと思われる当該会員の登録を無効にし、再登録が出来ないようにしました。万全とはいえませんが。

konoinfo at 20:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月16日

ワークライフバランス

先日、古い友人から突然電話をもらい、格別の用件でもなかったので、その序でに近況などを聞きました。

マンション広告などに完成予想図が描かれていたりしますが、ああいった絵(建築パース)を描く仕事をしています。

そう聞いただけで察しがつくとおり、バブルの時期は仕事の依頼も多く、山荘風の家を郊外に建て、優雅に暮らしていました。依頼が多いということは、より条件の良い(ギャラの高い)仕事を選べるということです。

その後は段々と仕事が減り、何より仕事を選べなくなり、今では仕事があるだけましという状態だそうです。同じ時間働いても、実入りはぐっと減ったというわけです。

それでも無闇に仕事時間を増やさず、ワークライフバランスを堅持しているところは友ながら尊敬に値します。翻ってわが身を省みると、少し情けない。

こんな話を持ち出したのは、古本屋の仕事にも、似た部分があると思うからです。質の良い本を集めるためには、知識、経験に加え、それなりのスキルも必要、いわば職人仕事です。

しかし似ていないのは、よほどの専門店でも、時間にゆとりがあるようには見えないこと。要するに生産性が低いのでしょうか。それとも趣味も実益も一つになっているのでしょうか。

konoinfo at 19:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
年内は31日(日)まで
新年は4日(木)から
営業いたします
Profile

河野書店

Archives