2017年02月13日

日本語会話教本

こんなことをしている場合ではないのですが…。

japonais昨日の宅買本を整理していると、汚れた古い本が出てきました。タイトルから、フランス人のための日本語教本だと分かります。

よほど古いものなら取っておく価値もありそうだと、パラパラ頁を繰ってみました。すると、青いボールペンの線引き書入れ。これはもうツブシにするしかないなと思いながら、漫然とその書入れを目で追いました。

すると青ペンは、どうやらローマ字表記の日本語があまりに古めかしい場合、それを現代風に直しているのだと気がつきました。

この元の日本語が、いつごろ使われていたものかは不明です。そもそもこの本には刊行年がなく、CiNiiに登録されている本では [19--]と表記。

WorldCatを調べてみると [1932]と表記したデータが見つかりました。しかしその根拠は不明。これが正しければ昭和の初期ということになりますが、挙げられている例文を見る限り、もっとずっと古い気がします。

たとえばKwankoba de wa, shofuda ga tsuite orimasu kara, tsugo ga yoroshu gozaimasu.これを「勧工場では正札がついておりますから、都合がよろしゅうございます」と読み起こせる日本人は、今や少数でしょう。

japonais2theierekibishoという日本語があてられていて、これを青ペンがkyusuと直しているところがありますが、「きびしょ」は店主も初耳でした。

こんな具合で見ていくと、つい時間を忘れてしまいます。

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2017年02月12日

段ボール15箱

RIMG1726午前中に宅買いと、南部の引取りと、2箇所に出かけました。

宅買いは先週の続き。20年ほど前まで駒場でフランス語を教えていらした先生のお宅。前回も今回も、スーパーで貰ってきたとおっしゃる、野菜用の段ボール箱が15個。

大き目な箱なので、それが小店の小型車には一度に載せられる限度です。店にその15箱を下ろしてその足で、五反田の南部会館へ。

昨日の入札会で落札出来ていたのは文庫4本口、9本口の2点400冊弱と、謡曲一番本が100冊ほど。それらを引き取って店に戻ると、もうお昼前。

なんと、五反田に行って戻る間に、家人が全部の段ボール箱から本を出し、店内に積み上げてくれておりました。午後からはその片付けです。文庫本は家人が担当。店主は宅買い品の整理。

これで都合3度目のお引き取りになるのですが、評価の付けやすい日本書の割合が、回を追うごとに減ってきます。今回は15箱の内、2箱分ほどしかありませんでした。

洋書も、前回はまだ旧版とはいえプレイヤード叢書などが入っていて、いくらか評価できましたが、今回は語学教育書、入門書がかなりの量を占めています。

もちろん評価額でご不満をおっしゃるような先生ではありませんが、だからこそ却って気が引けるわけです。

ともかくまず傷んだ本、線引き書入れの有る本などを取り除けました。それがおよそ全体の2割程度の分量。それでも依然として通路が1本、二重駐車状態となっております。

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2017年02月11日

寒さの応える夜

昨日の明治古典会にも美術関係の口がいくつか出ておりました。そのなかの一つに、前回店主が落札した口の続きと思われる出品もありましたが、今回は今一つ食指が動かず入札見送り。

別に洋書――それもイタリア語が多く含まれた美術書の口があり、これもどこかの研究者の蔵書だろうと思われましたが、やがて、もう亡くなられて10年になる、高名な女性美術史家の旧蔵書と分かりました。

分かった時には既に開札が済んだあと。慌ててもう一度、未練がましく見に行きましたところ、落札価格は極めて冷静なものでした。

おそらく競合者がなかったのでしょう、殆んどが下札。しかし仮に店主が買おうと思えば、その上札以上の値を書く必要があります。やる気さえあれば、それでも充分買えますが、そのやる気が問題。

RIMG1723特殊な研究書が多いので、すぐには売れそうになく、長く在庫する覚悟が必要です。覚悟はあっても場所がない。すでにある在庫の何を処分するか、頭を悩ますことになります。

そもそも、そうした手間と、それに要する時間を考えたからこそ、札を入れなかったのです。旧蔵者が分かったあとでもその判断が大きく変わらないことが、見直した結果、確認できました。

市場を終えて、いつものメンバーで夕食。近くのイタリアンへ、ほぼ口開けの時刻に4人で入ったのですが、ゆっくりお喋りをしながら食事を済ませるまで、ついにほかのお客は来ず。3時間近くも貸し切り状態となりました。

確かに寒い夜で、店を出て帰る道も人通りはまばらではありましたが、それにしても決して人気のない店ではありません。たまたまのことだったのでしょうが、商売の難しさを相憐れむ気分で家路についたのでした。

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2017年02月10日

全集宅買い

お客様から、宅買いに来てもらえないかというメールをいただきました。

RIMG172520年以上前の学生さん時代にはよくご来店いただき、その後お勤めになって東京を離れ、戻ってこられたのが数年前。以来、2度ほどお引取りに伺ったことがあるお馴染みさんです。

ただ今回、引き取って欲しいと言ってこられたのは、校本宮澤賢治全集など約30冊とか。車なら15分もあれば行ける近いところです。量の多寡はともかく、時間さえ合えば、お伺いするのはやぶさかではありません。

問題は全14巻15冊の旧版賢治全集。刊行当時は評判になった個人全集で、古書価もそれなりについておりました。しかし完結から40年、その後、新版も刊行され、今では市場に出ても札を入れる人がいるかどうかという状態。

念のため「日本の古本屋」で検索してみました。価格順にソートして高い方から見ていきますと、際限なく安い値段が現れます。状態さえ問わなければ、最安値8千円というものまでありました。まともな状態の本でも1万円台で入手できそうです。

価格もともかく、その出品点数がざっと数えて約30組。こうなれば、わざわざそれを仕入れようという本屋はまずいないのが道理。

そんなわけで、それだけを引き取りに伺うのはちょっと辛いと、正直な気持ちをお返事いたしました。お馴染みの気安さも手伝って。

そうお答えしなければならない古本屋としての苦衷を、きっとご理解いただけると信じ。

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2017年02月09日

いいとこどり

先週金曜日の明治古典会に、美術関係の白っぽい研究書が、割合まとまって出品されていました。明古にとっては珍しいことではありません。現にその前の週にも、一口らしい美術書の出品がありました。

しかし、先日の出品は何か店主のアンテナに感じるものがあり、何点か入札したところ、2点だけ落札することが出来ました。あわせて40冊程度になります。

昨日ルート便で届き、早速値付けをいたしました。どちらも上札でしたから、あまり儲けは出ないだろうと思いながら見ていくと、中の何点かが、版元品切れとなっていることが分かりました。

RIMG1728それらが売れてくれれば、利益は出せそうです。といって、あまり高くつければ売るのが難しくなるのは道理。どこやらのサイトのように突飛な値をつけるのは、「矜持」が許しません。

まるで専門外の本なら、それもご愛嬌で済むかもしれませんが、仮にも「和洋学術芸術書」という看板を掲げているのですから。

ともあれこの口、儲かるかどうかはともかく、ほとんどが店に並べておきたい本ばかり。いったいどなたの旧蔵書かと思いながら作業をしていると、献呈署名の書かれた本が出てきました。

それで合点がいきました。今年、定年となったはずの東大の先生。その研究室から出た本のようです。駒場ではなく本郷ですから、小店とはおなじみが薄い。

どこの本屋さんにお声がかかったのでしょう。ちょっと羨ましい気もしましたが、すぐ考え直しました。市場で、自分の欲しい本だけを買わせていただくというのも、充分ありがたいことであると。

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2017年02月08日

ブリタニカ

本を手に取って、目次を開いて見ると「ブリタニカ」と言う文字が目に入りました。興味を惹かれてその章に目を走らせました。

本は金素雲『恩讐三十年』(ダヴィッド社、1954年)。なぜそんな本を手にすることになったかは、また機会がありましたら。店主が関心を持ったのは、次のくだりです。

中野に蘇比亜書院という古本屋があって旧版のブリタニカが一揃い、金二十五円也で出ていた。先ず紙屑の値段である。如何に二十年前の旧版でも少し廉すぎた。

少し後に「背丈ほどもある」という表現も出てきます。一見、高価に見える百科事典が実は「紙屑並」であったということが、この話の眼目となるのですが、下手な要約をするより、詩人の文章でぜひお読みいただきたいと思います。ちょっといい話です。

店主にとっては、これがブリタニカの第何版かが、気になるところでした。昭和14年の話であることが、冒頭に述べられています。

この時点で旧版と言うと1911年に出された第11版。しかしこの版は店主の知る限り薄いIndia Paper本で、「背丈ほど」というのはやや大げさ。その前の第9版+第10版の35巻ではなかったかと、店主は考えます。

RIMG1711100年以上前に出たこの版が、いま良い状態で残っていれば、それなりのお値段になるでしょう。しかし20年、30年前の百科なら、いまも「紙屑並」であることに違いはありません。

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2017年02月07日

TV観戦の記

昨日6日は、店主にとっての年中行事 Superbowl Monday でした。昨日のブログにそれをご報告できなかったのは、まだ結果を知らなかったからです。

キックオフが午前8時半ころ。前半が終わったところで10時を回っておりました。そのまま観ていれば、店に着くのは午後1時を回ることになります。

これが贔屓チームの試合であれば、年に一度のことですから、家人には大目に見てもらい、ゆっくり最後まで観戦したことでしょう。しかしPatriotsとFalcons、そのどちらにも特に思い入れはありません。

とはいえゲームが白熱した展開であれば、やはりそのまま見続けたことでしょう。前半を終わって21対3。この点差が、腰を上げさせた面は否めません。

ただしスコアほどFalconsが圧倒していたようには見ていませんでした。それでも、残りは夜帰ってからでいいと決断して、Half Time Show の前に家を出ました。

そうして夜、食事を済ませ、続きを観ました。結果的には奇跡の大逆転となったわけですが、この終盤でもPatriotsが圧倒していた感じは受けませんでした。

スコアを重ねているチームが相手を圧倒しているように見えないという、不思議な展開のゲームだったというのが店主の印象です。やはり贔屓チームでないと熱くなれないとういことでしょうか。

試合の分岐点は、Falconsディフェンスがホールディングを重ね、KIMG0097Patriotsに最初のタッチダウンを許したドライブにあったと店主は見ていますが、こういうのをMonday Morning Quarterbackと呼ぶのだと、解説者から教わりました。

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2017年02月06日

いろいろなお尋ね

「妙なこと伺ってよろしいでしょうか」と若いお客様。「ん?」と顔を上げると、「読んでおいた方が良いオススメの本はありますでしょうか」

根がへそ曲がりな店主ではありますが、こういう素朴な質問に対しては、案外まともに対応しております。

「ジャンルとしては…史実なんかが好きです」と一応のヒントをいただき、席を立って文庫の棚に向かいました。「世界?日本?」「まずは日本ですかね」

店主の目に飛び込んできたのは岩波文庫の『忘れられた日本人』。読み易さから言ってもまず妥当なところだと考え「これなんかいかがですか」とオススメ。

さらに探しているうち、好きな作家は吉村昭だとおっしゃいます。なるほど史実に興味があるというのは、そういうことかと分かりました。

結局、他には手頃な本が見つからず、オススメした本をお買い上げくださいましたが、それほど的外RIMG1687れなチョイスではなかったと思います。

これで思い出したのは、以前、同じように若い方から、人生の悩みを解決するためのオススメ本を尋ねられたこと。あの方はその後、どうされたでしょうか。

別のお客様から「2ヶ月ほどインターンシップで日本に来るフランス人が、井の頭線沿線にシェアハウスを探しているのですが」と言うご相談を受け、ご近所の不動産屋さんを紹介いたしました。

振り先の明らかなご質問のほうが、気が楽です。

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2017年02月05日

「海辺の小屋」書店

Beach Hut ――何と訳せばよいでしょうか。「海の家」と言うとそのニュアンスが変わってしまいます。まさに海辺の小屋。

そんな名の英国の本屋さんから、注文した本が届きました。包みを開くと、簡単な送り状が一緒に入っておりました。

特別なメッセージは何も添えられていません。商品名と金額、注文番号など必要事項だけ。ただレターヘッドに、鮮明とは言えないカラー写真が、あたかもロゴマークのように印刷されていました。

写っているのは前面素通しの小さな小屋。空は青く、陽射しが降り注ぐ地面は白い砂。小屋の中にはデッキチェアに座る男性。Tシャツ短パン姿で一人スニーカーをはいた足を高く組み、膝の上に本をおいてくつろいでいます。

とても訴えるところのある写真でした。気になって検索してみると、特にホームページはなさそうで、AbeBooks の書店ページに行きつきました。するとそこに、まさに思った通りの文章。

There is nothing I like better than sitting outside my beach hut on the south coast of England, surrounded by good books, looking out to sea and soaking up the sun.

こういうのんびり感は、多くの古本屋の憧れではないでしょうか。ちなみに送り状にあった写真はこの画面のものとは少し違っていました。

ところで「日本の古本屋」も、早くこの程度の書店ページを作れないものかと思います。

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2017年02月04日

住宅団地

KIMG0108宅買いに行ってまいりました。火曜日にメールをいただいたのですが、いろいろ考えるとやはり今日が一番都合がよい。

と申しますのも、まず土曜日で道路が空いている。そして段ボール15箱というお話しでしたので、お引き取りした後、それを整理するのに月曜日まで3日間を費やせる――ということで、今朝、烏山まで出かけたのです。

お天気も良く、道もさほど混まず、気持ち良いドライブでした。行先は前にも一度お伺いしている、もと駒場で教えていらした先生宅。400戸以上あるという巨大マンションの一室に、奥様とお二人でお暮らしです。

同じ棟の別の階にもう一部屋持っておられ、そちらが書庫になっていて、その部屋の本を順に整理しておられるのでした。

その巨大マンションは築40年以上建っているとかで、色々な修理工事が入っているようです。たまたま書庫に利用されている部屋も、下水設備関係の工事が入ることになり、それも本の整理に踏み切られた理由の一つ。

しかしさらに大きな理由は、80歳を超えられ「後片付けを家内にさせるのは気の毒だから」。

そうおっしゃる先生ご自身は、まだ矍鑠としていらっしゃいますが、気づいたのは住人の高齢化が進んでいるらしいことです。

大き目の段ボールでしたからエレベーターで3往復して搬出したのですが、その間、お見かけしたのはいずれも店主より年上と思われる方ばかりでした。

公営団地住民の高齢化が進んでいることが、社会問題化しています。それをテーマにした『桜の樹の下』というドキュメンタリー映画があるそうで、ちょっと見てみたい気もしますが、ことは公営だけに限らないと思います。

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