2017年07月09日

大入札会

午後9時を潮時に、打ち上げの会場からそっと抜け出して家路に着きました。

KIMG0058今朝家を出たのは午前7時前。一度店に寄り、所用を片付けて会館へ。それから夜まで、長い1日でした。それ以上に長い1週間だったと言えます。

それでも店主などは楽をさせてもらったほうで、運営部のほかのメンバーや、経営員の皆さんは本当に大変だったと思います。ですから今夜の打ち上げが普段以上に盛り上がり、弾けていたのも、無理からぬことでした。

しかし店主としては、椅子に座っていても腰がそろそろ限界。同年の仲間と二人して、目立たぬように席を立ったのです。座を白けさせないようにという配慮のつもりでしたが、そんな心配などまるでなさそうではありました。

ともあれこうして今年の七夕大入札会も終わりました。明日一日、会場の片づけなどの残務がありますが店主は兵役免除。溜まった店の雑務を片付けることができます。

それにしても今年の大入札会は、何かと話題の多い市会でした。詳しい話は追々お伝えしようと思いますが、今回の七夕最終発声が漱石の子規宛書簡であったこと。そしてそれよりも高額な落札価が、共催したプレミアム特選市で出現したことを、まずはご報告しておきます。

すでにお知らせした、立原道造の二つの非売特装本詩集です。置き入札ではなく、オークション方式のフリに掛けられましたので、一騎打ちとなって競り上がるさまを、会場の業者一同、固唾をのんで見守ることになりました。

こうして祭りは幕を閉じたのでした。

konoinfo at 22:22|PermalinkComments(0)

2017年07月08日

懐かしの光景

公開下見二日目の今日は、朝まず五反田の南部入札会に寄らせてもらいました。

RIMG1932相変わらずの文庫日照りで、家人が気をもんでおります。そこで暑さの中、上着を腕に掛けて南部地区会館に向かいました。

簡単に結果から申し上げれば、汗かき損。何点か文庫の口に札を入れたのですが、夕方エクストラネットで確かめると全滅。店主としては、十分な札を入れたつもりでしたから、未練はありません。

東京古書会館には11時前に着いたのですが、お昼過ぎまで会場に、昨日の賑わいがありませんでした。今年一番という暑さが原因だったかもしれません。

しかし午後2時半を過ぎたあたりから、次第に混雑。ある組合員が言うには「去年もそうだった」とか。「間際の方が有利」という思い込みが、お客様方にはあるのかも知れない、というのがその同業の推理です。

店主はといえば時折り思い出したように会場を回り、それ以外の時間は7階に設けられた会員休憩室で過ごしました。つまり大半は椅子に掛けていたわけですが、一日を終えたときには、疲れでぐったり。

お客様の応対に忙しい他の会員たちの疲れは、いかばかりかと案じるのですが、実りある商談であれば、疲れは感じないものかもしれません。

会場ではもっぱら『三軒茶屋 渋谷 世田谷附近写真』と題された、写真コレクションに見入っておりました。

昭和44年撮影とありますから、店主はまだ京都にいたころです。その8年後から暮らし始めた東京とは、すでにかなり様相が異なっておりますが、随所に懐かしさを感じ、飽きることはありませんでした。

konoinfo at 21:43|PermalinkComments(0)

2017年07月07日

公開下見初日

今朝のNHKニュースで取り上げてくれたおかげもあったでしょうか。公開下見展観初日の今日、大勢のご来客で会場は賑わいました。

TVニュースを見ることはできませんでしたが、ちょうど店に着いた時、ラジオのニュースで七夕大入札会の紹介が始まったため、そのまま車内にとどまって、しばし耳を傾けることができました。

取り上げられたのは立原道造の手書き詩集と、鯰絵コレクション

RIMG2004後者はひとまずおき、前者は今も人気の高い夭逝の詩人立原が、みずから鵞ペンを手にしてハガキ大の紙片10葉に、色どりもお洒落に書き上げたもの。世の中にたった一部しか存在しない詩集です。

珍品には違いありませんが、そしておそらくかなりの高額での落札が予想されますが、その来歴ははっきりしていて、その意味での驚きはありません。

それに比べれば、昨日の漱石への命令書のほうが、価格的にはさほどではなくとも、出現の驚きとしては、はるかに大きなものがあります。

同じように、今回、下見展観には並びませんでしたが、併催される業者入札会に、極めて珍しい詩集が出品されます。奇しくもこちらも立原道造。

近代詩集の中でも稀本とされる『萱草に寄す』『暁と夕べの詩』2冊の特装版。これまでその存在が、ほとんど知られていなかったものです。

たまたま今回取材に来られたNHKの記者さんが立原ファンだったそうで、本来公開対象ではないのですが特別にお見せしたところ、打ち震えるようにそれらの詩集を手にしておられたと、立ち会った同業が話しておりました。

konoinfo at 23:14|PermalinkComments(0)

2017年07月06日

明日から公開下見

RIMG2001昨日で設営を終えた特設会場に、今日は商品の陳列。仲間内では「並べ」と呼んでおります。七夕大入札会の準備も今日が最終日、明日からはいよいよ2日間の公開下見展観。

本日の集合時間は9時半。余裕で間に合いました。本当を言うと運営部の集合は9時だったのですが、事前に30分の猶予をもらっていたのです。

さらに本当を言うと、9時だったら今朝も遅刻となっていたところでした。

会員全員がそろった午前10時から、各員持ち場について「並べ」の開始。店主の持ち場は今年もやはり「地図」部門です。他部門に比べて点数も少なめで、お昼前にはほぼ陳列できました。

「地図」より早いのは「浮世絵・刷物・新版画」部門。こちらは台紙に貼りこむなど荷受け時の作業は大変ですが、並べはごく簡単。ものの1時間も掛からなかったのではないでしょうか。

手の空いたお昼からは、あちこちの作業の様子を見て回りました。作業量が多く大変な部門も、午後3時にはおおよそ片付いたようです。

それからプレスプレビュー。NHK、朝日新聞ほか数社が取材に来てくれました。

その間を利用して、店主も会場を一巡り。目録を見た時から気になっていた一枚の令状に目が釘付けになりました。

夏目金之助宛 英国留学命令書』――なぜこんなものが現れるのか不思議な限りですが「偽物だとしたらあまりに巧妙」というのが専門業者の意見でした。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2017年07月05日

スタンプラリー

東京古書組合の広報部が「東京の古本屋スタンプラリー」なるものを企画して、組合員に参加を呼びかけています。

10月4日の「古書の日」からのおよそ一か月を、そのイベント期間としたいそうです。

RIMG2004参加店に特製のスタンプとスタンプ台を置いてもらい、スタンプ台紙を兼ねた東京古書組合PR誌「東京の古本屋」を持ったお客様が、そこに掲載された店名などを頼りに各店を回る。

一定数のスタンプをゲットされたお客様には、ささやかな記念品が贈られることになるのでしょう。詳しくは聞いておりませんが。

その参加申込期間があと数日に迫っていて、再度の呼びかけメールが今日届きました。小店は、最初の呼びかけをもらってすぐに、参加を申し込んでおります。

聞くところでは思うように参加店が集まらないとのことです。そうだろうと思います。大きな強みでもある組合員の多様性が、こうした参加型のイベントにはマイナスに働くからです。

まずお店を持たない組合員が、昔よりさらに増えています。またお店があっても、あまり一般客に覗かれたくない専門店もあるでしょう。ポツンと離れたお店の場合、足を運んでもらえるかという疑念もあります。

仮に店主が広報部員なら、そのあたりを考えて、まず企画しないイベントです。しかし、だからこそ現広報部に、エールを送りたいと思うのです。

かねて情報発信の必要を唱えてきた一人として。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2017年07月04日

早起きしたのに

今日は七夕大入札会の荷受け日。出品物を受け取り、検品し荷姿を整え、陳列できるように準備しておく日。運営部は午前8時半集合。今回の大市では、店主はその運営部に属します。

年に一度くらいのことですから何とか間に合いたかった。

KIMG0043そのために午前6時前に起きて朝食と家の前の掃除などを済ませ、7時に店に着きました。7時45分に店を出れば十分間に合うはずですから、ネット注文の処理作業を始めました。

今朝に限って、いつになく多い受注件数です。まずあちこちの棚から注文書籍を探し出し、状態を再確認して返信。ここまでは順調でした。

ついでに先回りして伝票類も印刷しておこうと、昨日までの受注分で、入金があったものと併せて領収書作成。校費注文分の納品書、請求書なども作成。

そんなことをしている間に、いつの間にか残り時間5分ほどとなりました。しかしあとは印刷するだけです。余裕を持ってコマンドを実行いたしました。

すると、あろうことか紙詰まり。この詰まった紙の取り出しに悪戦苦闘。すべて解決して作業を終えた時には、出発予定時刻を10分過ぎておりました。

それでもいつもの時間帯なら間に合ったかもしれません。しかしラッシュ時の半蔵門線は、昼間に比べて時間がかかる。それを思い出したのは乗っている間でした。

神保町駅に着いたのは集合時間の2分前。結局5分ほどの遅刻です。咎められはしませんでしたが、ちょっと悔しい一日の始まりでした。

konoinfo at 21:32|PermalinkComments(0)

2017年07月03日

酒樽のビー玉

二人といない竹馬の友から、先日と今日、二回に分けてダンボール計15箱の本が送られてきました。

RIMG2009過去にも何度か送ってもらったことはありますが、今回は何か身辺整理という気配が濃厚で、嬉しさよりも哀しさを強く感じさせられております。

この「哀しさ」については、いずれお話しする機会もあるかもしれませんが、今日は別の話題。

送られてきた本の中に『林達夫著作集』付録の冊子「研究ノート2」が単独で混じっておりました。本体のほうはすでに以前、送られてきたような記憶があります。

なつかしさも手伝って拾い読みしていると、不思議な文に行き当たりました。渋谷実(映画監督)の「断片」と題した一文です。

二篇に分けられた前篇は「樽のビイ玉」と見出しが付けられています。

……少年のころ、私の家は酒も売っていたので、うす暗い土間に酒樽が並んでいるのです。陽気の加減や、風向きのせいで、家中に酒の香りがしました。そのどれか一つの樽に、小さな硝子の玉が入っているのです。このビイ玉を割ると、中の紙片に、松、竹、梅などと書いてある。大発見でした。集金に来た問屋の番頭に渡すと、五円だの、十円だのに替えてくれます。ついでに頭を撫でていきました。

どの樽にも入っているわけでなく「残りすくなになって、樽に手をかけると、中で泳いでいる音が」して、その嬉しかった記憶から「ある日突然、本の中からビイ玉がとび出した」と比喩につなげているのですが、ビー玉についてのこんな話、初めて聞きました。

今もそのようなことがあるのでしょうか。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2017年07月02日

思わぬいただきもの

お昼にプレミアムモルツを1缶飲みました。

店の裏で昼食時にビールなど飲むのは、まったく初めてのことです。BLTサンドが買ってあったのですが、これにビールが良く合いました。

RIMG2005初めからそのつもりで用意したのではありません。実はこのビール、いただきものです。それも見ず知らずの方からの。

お昼前、30代男性が店に入って来られ「これをもらってくれませんか」と、350ml缶の6本ケースをバッグから取り出しました。

隣のコンビニでくじを引いて当たったそうですが、これから「田舎」に帰るところで「こんな重いものを持ち歩きたくないですから」とおっしゃいます。

「何かと取り替えてもらったらどうですか」と申し上げますと「いそがしそうで話しかけられる雰囲気じゃありません」と、あっという間に出て行かれてしまいました。

有り難く頂戴することにして、小店の小さな冷蔵庫に押し込み、やがてお昼。

いつもパン食の時はカフェオレを作ることにしています。牛乳を買いに家人が隣のコンビニに行くと、見たこともない長蛇の列だとかで、あきらめて戻ってきました。「紅茶にしよう」と申します。

そこで思いついたのがビールでした。試してみるとベッカライのトーストパンにこれがぴったり。とても得した気分になりました。

またお越しになることがあれば、ぜひ何かお返しをしたいところですが、お顔もよく覚えておりません。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)

2017年07月01日

古本屋めぐり

RIMG19803時の休憩を終えて帳場に出てくると、一人の男性Aさんがライティングビューロー(飾り半分に置いてある、あまり実用的でない家具です)に向かって椅子に腰かけ、文庫本を読んでおられました。

怪訝な顔をした店主を見て、家人が筆談で書いて寄こしたところによりますと、今店内を見ておられる二人の男女とご一緒に来られ、先に文庫を二冊買われてそれを読みながら待っておられるのだとか。

状況を理解し、そのあと家人と交替して、帳場に座りました。棚を見ておられる筈のお二人からは、物音ひとつ聞こえてきません。時おり、座っているAさんの、椅子をきしませる音がするばかり。

年頃からすると院生さんたちでしょうか。男女は声を交わし合うこともなく、じっくり本をご覧になっています。

そのまま30分以上も経ったころ、まず女性が、さらにしばらくして男性Bさんが静かに出口に向かわれました。座っているAさんに合図するでもなく。

それに気づいたAさんは「ありがとうございました」と店主に声をかけ、表に出ると「何も買わなかったの?」などと尋ねています。

Bさんの答える声は小さく、帳場では聞き取れません。やがて「神保町」などという単語が聞こえてきました。想像するに、男女二人の古本屋めぐりを、Aさんが案内しているという構図。

すでに行ってこられたのか、これからお回りになろうというのか。いずれにせよご案内のAさんにとっては、小店がしばしの休息となったと思われます。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)

2017年06月30日

地方荷開梱

今日は明古通常市終了後、七夕大入札会の作業第一弾として地方荷開梱をいたしました。

そう申し上げたところで、同業でさえ、この言葉の意味を理解できる人は必ずしも多くはありません。市場=交換会の仕事に携わった経験がある組合員に限られるでしょう。

RIMG2003相互扶助をたてまえとする協同組合で、その根幹事業に関わる人員が実は少数。そんな現状が、これによっても明らかになるわけですが、今はそのお話しではありません。

要するに東京以外から送られてきた出品物の梱包を解き、すぐ出品(陳列)できるように準備しておく作業――それを本日行ったのでした。

東京以外を地方と呼ぶのに、どうも抵抗を感じてしまうのは、店主自身が「地方」出身者だからでしょうか。日本人以外を外人と呼ぶようなものですが、しかし他に適当な呼び名がないのも事実です。

その地方荷開梱は、午後4時過ぎから初め、8時近くになって終わりました。正確には地方荷だけではなく、大口出品者の荷受けもしたのですが。

いつもの仲間との会食は、店主ともう一人がこの作業を終えてからの参加となったため、揃っての歓談は小1時間ほどのものでした。

七夕は、来週からいよいよ、いそがしい一週間に突入します。朝早くに出かける日、夜遅くに戻る日、朝から夜まで出ずっぱりとなる日。

ネット受注などの対応に、遅れが生じるかもしれません。しかし焦って誤発送などの間違いを起こすよりは、多少遅れる方がよほどまし。そう自戒しております。

konoinfo at 22:37|PermalinkComments(0)
Profile