2017年02月03日

マーキング

米大統領の入国禁止令を指示する人が49%と言う新聞記事を見て、いささかショックを受けましたが、しばらく考えこむうち、反対が41%いるということの大切さを感じるようになりました。

同じような状況が我が国にあった場合、はたしてどんな数字になることやら。もっと大勢が反対できるかどうか、極めて怪しいところです。

まるで関係ない話ではありますが、我が家の玄関口や、塀に、犬のおしっこ跡が絶えません。

KIMG0117区役所からプレートをもらってきて、目立つように貼りつけても、減るどころか、却って増えているのではないかと思われるほど。もちろん悪いのは犬ではなく、その飼い主です。

ほとほと困って、何か良い防御法はないかとネットで検索していると、あるサイトで犬のおしっこ擁護論が延々と述べられていました。犬が外でおしっこをするのは本能に基づくマーキング行為であり、これに目くじらを立てるのは馬鹿げていると言うのです。

この方によれば、おしっこ後に水をかけるのさえおためごかしでだそうで、受忍限度というような言葉まで持ち出し、人はお互いに迷惑をかけ合って生きているのだから、などとうそぶきます。

こうした確信犯の存在によって、もし犬の散歩禁止令というようなものが出されるようなことがあれば、いまの店主なら賛成してしまうかもしれません。

しかしもちろん、ほとんどの犬の飼い主は、迷惑を掛けまいと心がけておられるのですから、ここはやはり冷静になって、反対しなければならないと思います。

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2017年02月02日

新品未開封

店先にジャンクおもちゃを置くようになって、もう3年ほどたちます。若い古道具屋さんが、こまめに持ち込んでくださるのを、家人がこれまたせっせと店頭に並べています。

金額が金額ですから、あまり売り上げの足しにはなりません。それでも本だけなら見向きもせずに通り過ぎてしまうような人たちが、足を止め、珍しそうに覗きこんでいくだけでも、多少なりとも認知度の向上には寄与していると思っています。

もっとも表だけ見て、その奥が本屋だということに気付かないまま立ち去る人も、中にはおられるようですが。

そんなジャンクにも、売れ筋の定番というようなものがあります。プラレール、Nゲージ、ミニカーなどの乗り物系。怪獣やウルトラマンなどのソフビフィギュア。これらは、新入荷を待ち構えているお客様が、結構おいでになるようです。

こうしてみると、ほとんどが男子向け商品だということに気づきます。コレクションというのは男性の嗜好なのでしょうか。

時々入ってくる女子向け商品の中で、ほぼ唯一と言っていいくらい売れるのはペコちゃんグッズです。たまにしか入荷しませんが、入ればほとんど完売する勢い。お子様ではなく、大人がまとめて買っていかれることが多いようです。

pecoそんな中、今日、お子さま連れの若いお母さんが、店内に入ってこられて「表のペコちゃんは、新品未開封でしょうか」と、お尋ねになりました。

古本屋が扱う本に「新本」がないように、ジャンクおもちゃに「新品」というのは概念矛盾です。新品同様ということは言えるかもしれませんが、「未開封」となると保証できません。

そういえば、「この絵本は新本ですか」と尋ねられることが時々あります。こういうご質問は、いったいどんな答えを期待しておられるのでしょうか。

いろいろ説明するのも言い訳がましい気がしますから、「それが気になるなら、おやめになった方がいいですよ」と、ついお答えしてしまうのです。

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2017年02月01日

「島倉千代子」

紺色の作業服姿の男性が、店に入って来られるとまっすぐ帳場の前に来て「探している本があるんだけど」とおっしゃいます。

どんな本かと伺うと「島倉千代子の○○○ていう本だけど、どこにもないんだよね」。題名がよく聞き取れなかったのですが、小店に在庫していないことは確かです。

昔一度、この歌手の本が入り、ネットで売ったような記憶もありますので、念のため過去データを検索してみましたが「島倉」で引っかかるものは1件も無し。「残念ですが」とお答えすると「どこ行ってもないんだよね」。

神田の大きな店にまで行ってこられたそうです。「4階まであるのに、おいてないの?と聞いたら、1階は哲学で2階は考古学や歴史で、とか何とか言って」

KIMG0098そんな大きな店にさえないのだから、小店あたりにないのは仕方ないと思われたのか、あっさりあきらめて下さいました。

「60歳になって突然ファンになっちゃったもんだから。一度くらい、観に行ってやればよかったなって思うよ」

そう言われてあらためてお顔を拝見すれば、確かにそれくらいのお年なのですが、なおかつ店主より6歳も若いということに、複雑な感情を覚えました。

お帰りになったあと、ようやく思いついてAmazonを検索してみたところ、1、2冊高い値のついている本があります。それがお探しの本だったか、はっきりしませんが、今度来られたら教えて差し上げようと思います。

またお出でになりそうな気がするのです。

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2017年01月31日

悲痛なメール

RIMG1628毎日お昼前までに「東京古書組合市場情報」というメールが、送られてきます。その日開かれる交換会の、出品物の案内が主な内容で、いわば宣伝チラシのようなものです。

そんな市場情報メールが、ある日、いつもより早い時間に届き、そこには次のような文言が書き込まれていました。

おはようございます。
本日の××会ですが、荷物が大変少なくなっております。
一点でも二点でもお持込いただければ幸いです。


出品の呼びかけは、普通、これから先の開催に対して行われるもので、今日の今日、出品してくださいという宣伝は、あまり聞いたことがありません。

そもそも宣伝になるのでしょうか。そんなに出品が少ないなら今日は出かけるのをやめておこう、ということにならないでしょうか。

よその会ながら心配いたしましたが、お昼前になって「本日は急な依頼にもにもかかわらず、ご出品いただきありがとうございました。おかげさまで何とか形になりました」という言葉と共に、いつものチラシメールが届きました。

交換会は出品者と入札者がいて成立するもので、そのどちらも組合員です。そして会を運営するのも同じ組合員。そのことを改めて考えさせられるメールでした。

今日の洋書会も、そんなメールを出してみたかった。

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2017年01月30日

気の遣いどころ

このところ続けて何点か、外国のサイトに本の注文をいたしました。AbeBooksが大半ですが、なかにAmazon Franceもあります。

AbeBooksは「日本の古本屋」でも見習いたい点の多いサイトです。店のランク付けはありますが、Amazonのようにお客様からの一方的な評価によるものではなさそうで、それだけでも本屋側としては嬉しい。

ただ、最近はどうなっているか知りませんが、以前BookFinderからクリックして見ただけで、買い物かごに残ってしまい、別の本を買おうとして危うく要らない本まで注文しそうになったことがありました。

Amazonは国ごとに別のサイトになっていて、外国に送りたくない店でも参加できる点は「日本の古本屋」に似ているかもしれません。

今回、Amazon Franceで注文した2軒の書店の内、1軒はそんな店でした。一方で、注文を受けてくれたもう1軒の書店は、メッセージを寄こし、住所の日本語表記を知らせろと言ってきました。

KIMG0104言われるままメッセージボックスに漢字を打ち込んで送ると、やがて送られてきたのはこんな荷姿のもの。自店のPCでプリントアウトされたのでしょうか。

住所表記に関する気遣いがそこまで行き届いている割に、郵便物に対する配慮はあまり感じられません。届いた時点でこの状態。「すみません、こんな状態で」と、郵便配達員さんが詫びながらお届けくださいました。

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2017年01月29日

南部支部報

nanbuずっと気に掛かっていた記事をようやく読むことが出来ました。

正月早々に我が班長、由縁堂の相川さんが持ってきてくれた『南部支部報・第51号』、その半分の頁を費やして載せられた「南部支部座談会」です。

参加者3名(日月堂さん、風船舎さん、ほん吉さん)はいずれも女性店主。正確に言うと風船舎さんは、お連れ合いとの共同店主。司会者は支部機関誌部のお2人(月の輪書林さん、九蓬書店さん)。

その5人が、これはどれくらいの時間、語り合われたのでしょうか。いつもながら、こうした分量を文字に起こすという作業に、まずねぎらいの言葉を掛けたくなります。

ただ、こうした楽しい座談会なら、同行者として名が記されている組合職員さんも、あとで起こしていてそれほど辛くはなかったかもしれません。昔の速記者と違い、料理のお相伴もできたことでしょうし。

機関誌ですから話している内容はもっぱら業界のこと、商売のことであるのは当然です。真面目な話題も多く、決して明るく語れることばかりではありませんが、おそらく誰が読んでも、談笑の愉快さが伝わってくると思います。

この手柄は、第一に司会者である月の輪さんのものと認めましょう。いささか目立ち過ぎの感はありますが。それに対して控えめな九蓬さんの合いの手が絶妙。狂言回しの役目を十分果たされました。

月の輪さんからの年賀状に「支部報いかがでしたか?」と言うコメントがあったのですが、これでようやく答えることができます。


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2017年01月28日

すっかり筒抜け

RIMG1620昨日の明治古典会は、際立った一口ものが複数出品され、1月も最終の特選市となって、ようやく賑やかさを取り戻した感じでした。

一つは明治文学初版本の、かなりまとまった口。店主が今読んでいる『日本文壇史』は、ようやく第4巻に入ったところですが、そこに登場する作家たちの著作も多数。

もう一つは「海軍少尉旧蔵写真帖・絵葉書・日誌類」とうたわれた資料物の一口です。大正から昭和初期にかけて、軍艦で世界を巡り、撮った写真、集めた絵葉書などが几帳面に整理された、これまた興味深い口でした。

他には、最近亡くなった某男優の旧蔵品とされる雑貨、雑器類が、同業たちの関心を集めておりました。本と一緒に引き取って来られたものでしょう。

さてこれらの一口ものは、それぞれ仕分けられて沢山の札が入ったのですが、なかでも「徳田秋声著作一括」は、その冊数の多さもあって昨日一番の落札価となりました。

会を終えると月末恒例の会食。それから店に戻って雑務を済ませ、家に着いたのが10時半過ぎだったでしょうか、家人から「こんなTweetが」といって画面を見せられました。

そこには「今日の明古に徳田秋声の一括が出て誰それが落札した」というようなことが書かれていました。その口ぶりから、同業者ではなくお客様らしい。

もちろん落札価格もご存じの筈。それを書かないのは節度を弁えていらっしゃるからでしょう。業者より、市場の内情に詳しい方がおられます。

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2017年01月27日

英訳『墓碑銘』

これもまたロッカー整理で出てきた本。とまでいえない小さな冊子。

niimi本紙16葉に表紙をくるんだだけ、頁付けはありませんが、印刷面はブランクを含めて20頁。新書を少し縦に伸ばしたサイズ。こんな片々たる冊子をなぜとっておいたのか不明ですが、あらためて見て、やはり捨てられない気がいたしました。

タイトルに示す通り、新美南吉詩集『墓碑銘』から6編の詩を選び、それを美智子皇太子妃(刊記は1977年)が訳されたものです。

何かの折に配られたものと思われますが、いつ、どんな場所で、どんな人に、と言うことはまったく分かりません。

出版者が Musashino Art College とあるのですが、これがまた謎。武蔵野美術大学(Musashino Art University)と関係があるのかないのか。

Set and bound by The Neptune Press とある、この印刷製本所もネット検索では情報が見つかりません。

そんな謎だらけの冊子ながら、6編の詩とその英訳はゆったり見開きに組まれていて、読んでいくとおだやかな気分になります。

シミ斑が残念ですが、これは早くからあったもののようです。場所を取るわけでもないし、取っておこうか。そんな気持ちで、市場で買った山の中から抜き出して、そのままロッカーにしまいこんであったのでしょう。

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2017年01月26日

猫に小判

昨日に続いて鶉屋さんのはなし。

鶉屋書店の、今に語り継がれる店仕舞いの大売り立てがあったのは、店主が独立する前だとばかり記憶していましたが、『仕事と人』を読み直してみて、それが昭和60年であったと知りました。開業して2年後のことです。

RIMG1622その当時、店主がもっぱら利用していた本部交換会は月曜日の中央市会。洋書会には、ようやく顔を出すようになったくらいでしょうか。

水曜日の資料会や、木曜日の一新会も、たまにこわごわ覗く程度でした。そんな中、金曜日の明治古典会は東京古典会と並んで、とりわけ敷居が高く感じられたものです。

店主が5年間修業した五十嵐さんは国文学系の学術書が専門。コレクターを相手にするような商品とは縁が薄い商売な上、店主自身も元来そうしたものに興味がなかったため、その方面の知識を得る機会はありませんでした。今だにそうですが。

そんなわけで飯田さんの売立市について、当時その噂さえ、耳にした覚えがありません。縁のない世界の出来事でした。

この『仕事と人』には、「飯田コレクション売立目録」と題して、昭和60年秋の売立市に出品された本のリストと、その落札価格、落札者が記されており、とても貴重な記録になっています。

当然限られた人にしか配られていません。しかしこの追悼本が発行された平成2年、すでに明治古典会の経営員となっていた店主は、この時にも間違いなく1冊いただいているはず。どこにしまい込んだか、まさに猫に小判でした。

目録にリストされているのは522点。1千万円を超えるものが1点、5百万円以上が2点、百万円以上は6点ほど数えられ、売立総額は1億円を超えただろうといわれます。

近代文学関係を扱う書店の売り立てとしては、質量ともに空前にして絶後。仮にその市会をこの目で見ていたら、その後の本屋人生が少しは違うものになっていたでしょうか。

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2017年01月25日

良き時代

昨日はお伝えしたような出品量でしたので、洋書会では一点も落札できませんでした。もっとも、入札したのも一点だけで、さして気のない札。当然の結果ではあります。

さて困ったのは、本を送る梱包用の段ボール資材を補充しなければならないことです。いつも組合で購入しているのですが、持ち帰るのには嵩張りすぎますので、ルート便に一緒に載せて運んでもらうようにしています。

そのルート便に積み込む本がないとなると、梱包資材だけになってしまいます。頼めば運んでくれるかもしれませんが、運送賃を考えると、かなり高いものにつくわけです。

そこでロッカーを整理して、店に持ち帰るものを150冊ばかり選り出し、それと一緒に積んでもらうことにしました。いつの間にか雑多なものが溜まっており、いずれは片付けなければならないのですから、よい機会でもありました。

そうして梱包資材と共に積み込んだ本が、今日の午後に到着。早速、整理を始めたところ、一冊の本に手を留めさせられました。

uzurayaそれがこの『鶉屋書店飯田淳次氏の仕事と人』です。なぜこれがロッカーに入っていたのか、思い出すまでにしばらく時間がかかりました。

10年ほど前、明古で勉強会のようなものを何回か開いたことがあり、その中のある回で配られた一冊です。

「古き良き時代」といってしまえばそれまでですが、飯田さんのような方も、もとより反町さんのような方も、この先、現れることはなさそうだと、その勉強会の時にも思ったものでした。

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