2017年11月18日

記念のスタンプ

RIMG2418せっかくの土曜日だというのに、朝から冷たい雨。たいした降りではありませんが、一番お客様が見込める曜日なので、店には痛手です。

案の定、静かな時間帯が長く続いた一日でした。しかし、うれしいお客様がお一人。

ネットからのご注文品を、今日、引き取りに来られるということになっていた方です。

店に入ってこられたとき、見覚えのある方だと思いましたが、もちろんその時点では、その方がご注文者だとは分かっておりません。

やがて店内で2冊本を選んで帳場に来られて「本を取り置いていただいているものです」と名乗られ、その本をお渡しした時点でも、まだ「見覚え」の域を出ませんでした。

するとカバンから、スタンプラリーの台紙を取り出されました。そこでようやく、2週間ほど前、小店でスタンプ帳を完成された方であることを思い出したのです(申し訳ありません)。

その台紙を手にして「特に欲しいものがあったわけではないので、もし、ご希望のスタンプがあれば、それを貰ってプレゼントいたします」とおっしゃいます。

「滅相もない」とご辞退いたしましたが、重ねてお勧めくださいます。そこでご厚意に甘えることにしたのですが、そうなると他のスタンプを選ぶわけにも参りません。

家人からはウケの良くなかった「真珠夫人」ですが、お客様とのご縁の記念としては、これしかないと考えて、それをいただきたいとお願いしました。

何はともあれ、カレンダーをお渡しできのが幸いでした。

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2017年11月17日

伝える難しさ

RIMG2410「日本の古本屋」のクレジット決済画面が、昨日から変わっているはずです。

はずです、というのは自分でやってみたことがないので、様子が分からないからです。

お客様から頼まれて、代行注文することなどがあっても、そんなときにクレジットを使ったりするのはやはりためらわれます。同業の手元に行く金額が、数パーセント天引きされるわけですから。

試しに途中までやって、最後の決済だけ行わなければいいようなものですが、なかなかその気になれません。事業部員としての熱心さが足りないと言われそうですが。

それはさておき今回の変更は、そもそも経済産業省の指導による「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画2017」に対応するものです。

そこで推奨されているのは「画面遷移方式」と呼ばれるもので、決済しようとすると、決済代行業者のサーバーに遷移する方式です。

これならばクレジットカード情報が「日本の古本屋」のサーバーを一切経由しないので、情報流出などのリスクが抑えられることになるといいます。

しかしお客様にとっては、今までと違う画面が突然現れるので、それこそフィッシング詐欺にでもあっているのではないかという疑いを招きかねません。

そのため、事前のお知らせには充分に手を尽くしたつもりですが、早速何件かの問い合わせが、事務局の方に寄せられたようです。

人に何かを伝えるということは、実に難しい仕事です。

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2017年11月16日

本屋の終わり方・その2

スキャン_20171116半年ほど前に、このブログでもご紹介した龍生書林さん。その廃業のお知らせが今日届きました。「古書目録りゅうせい(最終号)」という形で。

本屋が店を閉めるには、様々な事情があるのでしょうが、行き詰ったというわけでもないのに商売をやめてしまうケースは、決して多くはありません。

まして龍生さんのように、その分野では知られた書店が、すっぱり足を洗うというのは、ほとんど聞いたことがありません。よほどのご覚悟があったのでしょう。

今回送られてきた立派な内容の目録を拝見して、ますます不思議が募る一方、これなればこそという思いにもなりました。

店を閉めるに際して、一番の問題は在庫の処分です。さいわいにして組合には、交換会という仕組みがありますから、いざとなれば、どんなに大量の在庫でも売り捌くことができます。

しかし龍生さんは、市場に頼ることを潔しとしませんでした。最後まで、自分自身の手で、売りつくしたいというお考えがあったのでしょう。

今回の目録品につけられた価格を見ると、市場に出した方が高くなったかもしれないものが何点も見受けられます。

それでも、ご自身のコレクションを、業者だけでなく、お客様にこそご覧いただきたいという気持ちが、強かったのかもしれません。

そんな誇るべき蔵書があればこそ、自らの手で商売の幕を引くこともできたわけです。

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2017年11月15日

今朝の渋滞

いつもはお昼過ぎにやってくるコショタン(組合ルート便)が、朝の10時過ぎに着きました。

今日から東京古典会の大市期間となるため、その影響もあって配達する荷が少なかったのでしょう。なぜ、どんな影響があったかは、説明がむつかしいので省略します。

運転手さんには、この先どこに向かうにせよ、246は避けたほうが賢明だと伝えておきました。

今朝、東急田園都市線の池尻大橋駅〜駒沢大学駅間が、しばらく不通になっていたようです。東急電鉄の公式Twitterによれば、トラブル発生は午前5時36分頃、運転再開は午前9時57分頃。

いつものように8時10分過ぎくらいに車で家を出て、普段なら遅くとも8時40分には店に着くところ、店に到着したのは9時15分過ぎでした。

最初におかしいと感じたのは、家を出て間もなくのバス停に、長い列ができているのを見た時です。「あんなに待つくらいなら私なら駅まで歩く」と家人が言うと、娘が手持ちのタブレット端末で情報を得ました。

駅まで歩いたところで、電車が動いていないなら、来ないバスをひたすら待つしかないわけです。通勤通学の時間帯で、影響を受けた人は多かったことでしょう。

RIMG2407我が車の方は、環七へ抜けるいつもの裏道が、246へ抜ける道との交差路で詰まって牛の歩み。ようやくのことで抜け出したと思えば、淡島通りに入って再び渋滞。

30年を超えるマイカー通勤歴で、間違いなく5指に入る所要時間を記録したのでした。

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2017年11月14日

シビアな戦い

洋書会も二週間ぶり。先週は八勝堂さんの葬儀でした。

告別式から始まって、初七日の精進落としまで終えたのは午後2時半過ぎ。同僚の車に乗せてもらって神保町に着いた時には、開札時間の午後3時を少しばかり回っておりましたので、市場には寄らずそのまま店に戻ったのでした。

RIMG2353先週の洋書会では、ある業者が「ディスプレイ本が大量に必要になった」と会員仲間に出品を要請しており、それに応えて何店かが出品したはずです。

今日、その結果を尋ねたところ、確かにある程度の量、ディスプレイ向きの本が出品されたのですが、買い占められて品薄になるのを警戒したライバル店が、逆にほどんど買い占めてしまったという話でした。

今週もまた、引き続いてハードカバーの本口が何点か出品されていましたが、やはりライバル店の札が強く、出品を要請した業者は、思うように品集めができていなかったように見受けました。

なかなかシビアな入札の世界です。

店主はといえば、明日のルート便で運んでもらいたいものが少しだけあったので、せっかくならもう少し足して一緒に運んでもらおうと、出品物を何度も見て回った挙句、ようやく20冊ほどの音楽関係書に入札、首尾よく手に入れることができました。

ディスプレイにはあまり向かない色目や形態だったのが、落札できた一番の理由だったかもしれません。

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2017年11月13日

味わいたい

初めての方だと思います。モスグリーンのハーフコート、白い布製の小型の蓋つきショルダーバッグ。20代そこそこの男性ですが、服装のセンスから見て駒場の学生さん風ではありません。

いえなにも、駒場生がオシャレでないという意味ではありません。雰囲気の違い。

kuboその若者が一冊手に取ってしばらく眺めたあと「こんな感じの古い本、ほかにまだありますか?」、そう言ってその本を店主に掲げて見せました。

どうもそれがどんな本かは、ご承知でない様子です。「演劇がお好きなのですか?」と伺うと「別に好きじゃありません」。

つまり「こんな感じ」というのは、中身に関わることではないようです。要するに「古い本」がお目当て。思わず尋ねてしまいました。「それをどうされたいのですか?」

すると返ってきた答えは「味わいたいんです」。てっきり新手のディスプレイか何かだろうと思ったので、ちょっと意表を突かれたお返事でした。

ただそうなると、ますます「こんな感じ」のつかみどころがありません。思いついたのは昔の総合誌か文芸誌。しかしそう都合よく在庫はしておらず、結局手ぶらでお帰り願うことになりました。

後からこの話を家人にしたところ、「味わいたい」に、すっかり共鳴。これこそが、古本屋が生き残るためのキーワードだとまで断言します。

本は味わうものとして残る、のでしょうか。

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2017年11月12日

理不尽な悪罵

毎朝、家の前の歩道を掃いている竹箒が、大分ちびて短くなり、掃きづらくもなってきたので、新しいのに買い替えました。

店の近くの荒物屋さんで、千円もしませんでした。一週間ほど前のことです。

買ったばかりの箒は穂先が長く、その結果、掃くときに柄の先が肩より高い位置になります。新調するたびに、馴染むまで、しばらくその差に戸惑わされます。

KIMG0268そんなある朝のこと、長さを持て余しながら落ち葉を掃いておりますと、後ろからすり抜けていった自転車の人に、柄の先がぶつかりました。

思わず大丈夫だったかと目で追うと、10メートル近く先にスポーツ車が止まり、若者が険悪な顔をしてこちらを睨みつけています。

20代後半くらいでしょうか、やがてその口から悪罵が吐き出されました。「よく前を見ろ、このバカ」

若者は、呆気に取られて見つめる店主に向かい、同じ言葉を二度三度繰り返してから、なお収まらない様子で走り去っていったのです。

怒りのあまり分別を失ったのでしょうか。この状況で、このセリフは、本来、店主が言うべきもののはずです。もちろん店主は「バカ」などとは申しませんが。

しかしそもそも、怒ること自体が間違っています。歩道を自転車が走る場合の、マナーを弁えていないとしか言いようがありません。自転車にも免許証が必要でしょうか。

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2017年11月11日

不審物

一昨夜のことです。そろそろ店を閉めようかと表に出ると、大きな旅行カバンが、ジャンクおもちゃの棚の横に立ててありました。

店番のχ君に「これどうしたの?」と尋ねると、自分も今まで気づかなかったと言います。

「そういえば、少し前、2度ほど車が止まって、中国人らしい人たちが乗り降りしてました。その時でしょうか」

確かに中国語で書かれたタグもついています。しかし、ちょっと置いてあるのか、置き忘れていったのか、見当がつきません。

ひとまず店を閉め終えてから、おそるおそるカバンに手を触れてみると軽い。どうやら中身は空のようです。そこでようやく、放置の可能性に思い至りました。

しかし万一にも忘れ物であれば、取りに戻ってくるかもしれません。そこで一晩、店の表にそのまま置いておくことにしました。雨の予報もありませんでしたので。

KIMG0272そして翌朝、店に来てみると案の定、カバンはそのまま残っています。ともかく店を開け、昨日置かれていたのと同じような状態にいたしました。それがこの写真。

さてどうするか。家人と相談した挙句の結論は、ひとまず警察に電話してみようということ。店主が市場に出かけた後、家人が連絡してくれました。

するとすぐに駐在さんが自転車で来られたそうです。一目見て、これは無理だと判断したのかパトカーを呼び、それに積んで行ったという顛末を、後から聞きました。

隣のマンションの民泊利用者が、新しいカバンを買ってそれに詰め替え、古いカバンを置いて行った。というのが一番ありそうな線ですが、一応不審物ですから慎重に取り扱うということなのでしょう。

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2017年11月10日

一番売れた話

先週が文化の日で明治古典会は休会でしたから、2週間ぶりの市会。1週空くだけで、久々の感があります。来週がまた、東京古典会大市会のために休会となり、11月は今日と再来週の2回だけしか開かれません。

RIMG2390そのためもあって今日、早くも12月22日のクリスマス特選市にむけて、同業にお送りする宣伝ハガキが出来上がってきました。

すでに年末モードです。担当幹事は、その特選市の打ち上げ会場と、来年の新年会会場の予約まで、手回し良く手配しておりました。

幹事会を兼ねた昼食時、先日N書店であった韓国客の爆買いが話題になりました。大判画集類中心に約300冊、金額にしてン百万円。送料だけで60万円余りになったそうです。聞くところでは、新設の美術館の資料集めだとか。

一同羨ましがっておりますと、同席した先輩会員が「過去、一番売れた話」というのをしてくれました。

売れたお店は一誠堂書店。その昔、京城帝国大学が図書館を開設するにあたり、店に有る本を丸ごと全部、買い上げることになったのだそうです。

売れるのは良いとして、後の補充がつかなければ、その間はまともに店の営業ができません。一誠堂さんの凄いところは、納めたあと一週間ほど店を閉めただけで、棚を埋めて営業を再開したことだといいます。

ところで、もし小店の本が全部売れたら、また棚を埋めて続けようと思うでしょうか。

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2017年11月09日

気になる癖

開いた本の奥に鼻を突っ込んで、匂いを嗅いでおられるお客様に気が付きました。それもひとところだけでなく、あちらこちら開いて。

やがて静かに本を閉じて、棚に戻されました。

気になったので、それとなく様子を伺っておりますと、別の本を取り出して、しばらくお読みになってから、先ほどと同じように鼻を突っ込み、また棚に戻されます。

何度か繰り返されたあと、たまりかねて「なにか臭いますか?」とお尋ねしたところ、返ってきたお答えは「古い本は時々臭うものがありますでしょう」。

RIMG2344否定はいたしません。たとえば煙草臭、あるいはカビ臭、さらには化粧品臭。そういったはっきりした臭い以外にも、各ご家庭には独特の臭いがあり、本は多かれ少なかれ、その臭いを吸い込んでいるものです。

犬の嗅覚があれば、飼い主の蔵書を嗅ぎ分けるのは造作もないことでしょう。

お客様の行為は、決してそこまで厳密に、異臭を嗅ぎ分けようとしてのものではなさそうです。現に後から、何冊かをお買い上げいただいたのですから。

いわば一種の、癖のようなものかもしれません。本屋にとっては、見ていて気持ちのいい癖ではありませんが。

そういえば昔、手にされた本の頁を何度も何度もパラパラと、前後に送り続けるお客様がおられました。線引きを確かめておられるのだと思っていましたが、あるいは臭いを嗅いでおられたのかも知れません。

その癖のおかげで、今でもその方の面立ちを思い浮かべることができます。即売展でも、小店でもよくお見受けしたのですが、お姿を見なくなって、もう随分と経ちます。

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