2018年03月23日

不合理ゆえに古本屋

今日も明古は大量出品。閉店整理その第3弾――のカーゴ15台に加えて、他にも大口の出品が数件あったため、普段は使わない壁面にも本が積み上げられました。

なるべく札を入れないようにしようと自制しながら会場を回ったのですが、大きな山に2冊3冊でも欲しい本が見つかると、つい立ち止まって悩んでしまいます。

そして残りの本をざっと見て、最低限評価対象になる本だけを値踏みして、祈るような気持ちで札を入れます。落ちてきませんようにと。

この心理は、ちょっと複雑で、説明しがたいところです。

RIMG2678もちろん目を止めた数冊の本については、欲しいことは欲しい。しかし、そのほかの本は出来れば背負い込みたくない。なぜならすでに持っているか、売るのに苦労しそうな本だから。

そこで、荷主さんに成り代わったような気分で止め札(これ以下では売りたくないという金額)代わりの札を入れるのですが、そういう口に限って落ちてきてしまうのです。

その意味するところは、店主が欲しいと思った本以外は、ほとんど評価がつかなかったということ。そして、その手の本こそ店にたくさん在庫していますから、つまりは小店の在庫の価値がさらに下落したということ。

かてて加えて現在は、かつてないほど店内に未整理本が溢れ、もうこれ以上、収納する余裕がありません。一番合理的なのは、落札したその場で、評価しなかった本についてはさっさと処分してしまうことですが、それが出来てしまう人を、古本屋とは呼びたくない気がします。

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2018年03月22日

クレーマー

TKI 会議は本日も5時間を超え、午後7時を回ってようやく解散。会館から出ようとするとすでに玄関は締まり、荷捌き場のシャッターも降ろされていて、脇の通用口から出ざるを得ませんでした。

ややこしい話しが一つ二つあって、そのために時間が伸びたのではありますが、それだって毎度のこと。しかし今日は、その話ではありません。

お昼過ぎ、これから会議のために出かけようという時、M先生がご来店になりました。もと駒場におられ、退職後は別の学校で教えておられます。研究室を引き払われる際も、今の職に就かれてからも、度々蔵書をご整理いただいている、ありがたいお得意様。

KIMG0461何かのついでがあってお立ち寄りいただいたのだとは思いますが、挨拶もそこそこに切り出されたのは、先生からお譲りいただいた中にあった、大学の科研費印が押された1冊の本について。学校に抗議の電話が入った、というのです。

「なるべくそういう本は出さないように気を付けているつもりですが」と先生は恐縮されます。お話を伺って、店主はすぐに思い当たりました。しかし別段、気にもせずに「日本の古本屋」に出品しております。もちろん「科研費印有」と明記して。

現今、科研費購入図書については、その処分は購入者に任されている、というのが一般的な了解事項です。ですから小店が出品する際にも、なまじ塗りつぶしなどの小細工をせず、そのまま売らせていただいています。

つまり購入者も、印有をご承知の上で購入されていたはず。それを、購入されてから、なにを思って学校に連絡されたのでしょうか。学校側はクレームに怯え、それがM先生のものであることを調べたうえで、何らかの注意をされたというわけでしょうか。

きちんと説明できない学校当局も情けない気がしますが、先生にご迷惑をおかけするのは本意ではありませんから、今後は、同校の科研費印のあるものは、売り物にしないように気を付けようと思います。

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2018年03月21日

電車で読めない

半ばは備忘録のつもりで、つまらない短文を毎日書きつけておりますうちに、ある程度長さのある、まとまった文章を書くことが出来なくなってしまったのではないかと気になります。

この先、そんな機会もなさそうですし、そもそも昔からそんな能力はなかったのですから、気に病むこともありませんが。

一方で、世の中には大部の著作を、次々に生み出す人もおられます。かの高山宏さんなども、驚くほど厚い本を何冊も出しておられますが、ある時ご自身で、嘘かまことかその理由を「生活費を稼ぐため」と、どこかに書いておられるのを読みました。

いくら稼ぐためとはいえ、膨大なインプットがあってこそのアウトプットであり、でなければ書いたものを読んでくれる人もいないでしょう。

RIMG2690厚い本ということでは、以前から気になっていたのが小西甚一さんの『日本文藝史』全5巻です。特にその第5巻は、それまでの巻の倍ほどもある1140頁という厚さ。

分冊にするという考えは、なかったのでしょうか。旅行のお供にするには、不向きな造本ではあります。やはり机上に広げて読むべき本なのでしょう。

こんなことを書いておりますのも、実際に読んでみたい本だからです。第1巻から読むべきでしょうが、せめてこの第5巻だけでも読みたい。

他の著作をつまみ読みした程度ですが、その独特の文学理論ならびに文学史観には、非常に興味を惹かれているのです。伊藤整を読み終えたら、つぎはこれ。そう思っても、この大冊では。

文庫本になる日を、待つしかないのでしょうか。

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2018年03月20日

読書家の蔵書

今日の洋書会は、会場の半分が一口物の和書。

どうやらドイツ現代史がご専門だった方の蔵書らしいのですが、洋書の方は、確かにそれがうなずける内容でした。

KIMG0470しかし量にしてはるかに多い和書については、かなり幅広い分野のものが混然としていて、それだけ見たら、何を研究されていたか、まるで見当はつかなかったでしょう。

歴史、哲学思想、中国古典、そして文学書。しかも驚くことに、その大量の蔵書のほとんどに、読まれた痕跡がありました。

ふつう、これくらいの蔵書量の場合、手つかずの本というのが少なからずあるものですが、和書に限って言えば、それはごく僅か。

付箋が貼られ、鉛筆で線を引かれた本の方が、手つかず本よりずっと多かった気がします。

その勉強家ぶりには、ただただ感心するしかありません。まさに敬服の至りですが、古本屋としてみると、必ずしもありがたいとは申せません。

小口の汚れや、それ以上に気になったのが天のシミ斑。この2〜30年に出版された、いわゆる白っぽい本が多かっただけに、余計にそれらが目立つのでした。

そんなわけで、普通ならもっと細かく仕分けできる良い本ばかりでしたが、大きめな山に仕分け。

その甲斐あってカーゴ5台、ほぼボーなし(完売)。その結果に、荷主さんも納得の様子でした。

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2018年03月19日

宅買いの段取り

宅買いの下見に行ってまいりました。

何の気なしに「宅買い」などと言っておりますが、今回の件は初めから「買い」は無理だろうと思っています。買取りはむつかしいので、お預かりになるだろうと。

何よりその量です。ご夫婦そろって大学の先生をされていて、ご退職後も「本を買うのが趣味」というようなお二人だったとか。そのご蔵書。

何はともあれ、全貌を把握させていただこうと、今日、お宅に伺ったのですが、和風二階建ての一階に大きな書斎があり、二階にも書斎。それぞれ壁面には、高い作り付けの棚があります。

一階には、ほかの部屋にも書棚があって本がある。それらが必ずしも、整理されて並んでいるわけではありません。

あとひと月ほどで建物を解体されるとのことで、それまでに引き取れる本は引き取ってほしいというご希望です。

KIMG0448選択肢は二つ。/夕蠅鮟犬瓠△箸發く全部を運び出して市場に持っていく。△△訥度選別したうえで、それを市場に出品する。今回は、あまり悩まずに後者に決めました。

初めに申しましたように、すべてとなると大変な量。しかも見渡したところ古い全集の、それも揃っていないなど、はじめからツブシになる運命の本も多い。

そこで、本の選別のための日を一日取らせていただくことにしました。そして日を改めて、運送屋さんに来てもらう。それでも結構な量になりそうです。

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2018年03月18日

謎のマスク

外国人の若いお父さんが絵本を10冊ばかり手に持って、店の中に入ってこられました。

「この本、興味ありますか?」日本語です。見ると絵本も、ほとんどが日本のもの。ただし残念ながらあまり欲しいものがなく、その上、イタミや汚れがあります。

「残念ながら、うちでいただけるものはありません」そうお答えすると、「そう?大丈夫です。こちらで要らないなら(隣の)セブンのごみ箱に捨てていくだけだから」

これには慌てました。「いやいや大丈夫じゃありません、隣に捨てたりしないで。うちで処分しますから」

やむを得ずお引き取りして、そのまま資源回収に出すことにいたしました。

絵本から見て、少なくとも何年かは日本で暮らしておられるはずですが、ゴミ出しのルールについては理解されていないようです。あるいは知っていて、知らぬふりをしただけでしょうか。

ゴミと言えば、毎朝、家の周りを掃くときに、このところ決まって落ちているものがあります。タバコの吸いがらのことではありません。これはこれで困ったものですが、もっと理解に苦しむもの。マスクです。

KIMG0452家人によれば、もうこの何年か続いているらしく、毎年冬から春にかけて、ほとんど毎朝のように捨ててあるといいます。確かに、昨日も今朝も落ちていました。

タバコのポイ捨て犯人以上に、その顔を拝んでみたい、謎の人物です。

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2018年03月17日

幸せな買取

花粉症なのかもしれません。この何年か、一年のうちに一度や二度は、そう疑うことがありました。

今年もこのところ、目がかゆかったり、くしゃみが出たり、鼻水が出たりという日々。症状からは、立派に花粉症だとも言えますが、店主の場合は時期も短く、いつの間にか忘れています。

それくらいのことで、おこがましくも花粉症を名乗るのもはばかられますから、自分は花粉症ではないと人にも言い、自らも信じることにしています。

そんな具合で時々目をこすりながら、昨日届いた12箱の整理を始めました。

こちらは本格的に花粉症の家人――花粉のみならず、あらゆる空中飛散物によるアレルギー症状をもつ家人も、一緒に手伝ってくれました。

RIMG2683箱を開け始めると、驚いたような声を上げます。「すごい!いい本ばかり!高く買って!」

店主は事前にリストをいただいていたので、それほど驚きはなかったのですが、本の状態が想像していた以上に良いのに嬉しくなりました。

「これを高く買わなきゃ男じゃない!」すっかりテンションの上がった家人は、まるで売り手の代理人のよう。確かに小店向きの良い本揃いですので、言われずともしっかり値踏みをいたしました。

そして恐る恐るお客様に電話をすると、今度はお客様がおどろかれる番。実に控えめな方で、「それじゃ悪いですよ」とまでおっしゃいます。

こう書くと、まるで嘘のようですが、本当のはなし。ただし、売るためには、まだたくさんの作業が必要です。

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2018年03月16日

明日の仕事

今日の明治古典会も、先週、先々週に続いて在庫整理の2口。その2店の出品で全出来高の半分。

一方はあとせいぜい2、3回。もう一方の口も、いつまでも続くわけではありません。となると、それらが終わった後の明治古典会は、いったいどんな具合になるのだろうかと、若手の会員たちは不安を感じているようです。

それはまた、組合全体として感じなければならない不安でもあります。

さて店主のことを申し上げれば、壁のように積みあがった全集、叢書、研究書、文学書などの山は、ざっと眺めただけで通り過ぎ、ただ一度足をとめたのは学術文庫や岩波文庫を含む、文庫10本口の前。

先週の南部入札会では、この手の学術系文庫の口にも札を入れたのですが、そちらは落札できませんでした。

そこで、その時入れた札を思い起こしながら、リベンジのつもりで入札したところ、あっさり下札で落ちてしまいました。

単行本類の入札を控えたのは、昼過ぎに店から連絡を貰い、お客様から段ボール12箱が送られてきたと知ったからでもあります。

KIMG0466それなのに、うかうかと10本口の文庫を落としてしまったのでは、少しも控えたことになりません。夜、店に帰ってみると、どっかりと通路を塞いで、箱が積まれておりました。

明日はまず、この本の整理をすることになります。

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2018年03月15日

ご機嫌を損じる

しばらく前から棚をご覧になっている店主世代の男性。リュックを背負っていらっしゃるのですが、タイミングを逸して、そのまま声をかけずにおりました。

すると表に、膨らんだリュックを背負った若者の姿が見えて、今にもお店に入ってきそう。

そこで男性に改めて声をおかけしました。「すみません、リュックをこちらの台に…」

RIMG2653男性は振り向くと「従いますが、理由は何ですか」と問われます。二つある理由のうち、当たり障りのなさそうな方を選んで「背中がぶつからないようにです」とお答えしました。

これがお気に召さなかったようです。「私はどこへ行っても、よほど気を付けているつもりです」と、ご機嫌が悪くなりました。店主は「もちろんそうでしょう」と繰り返すばかり。

理屈を申し上げるのも今さらに思われて、「貴方のお行儀を問題にしているのではない」などと、あえて説明することは控えました。

それでも一旦は台の上に置こうとされたのですが、「いやお金も入っているし止めておきましょう」とおっしゃって、そのままお帰りに。

店主の物言いに、どこか気に障る点でもあったのでしょうか。この男性が普段から気難しい方だとは思いませんが、機嫌よく対応する気になれなかったらしいことは確か。

こんな話を家族にすれば、鬼の首でも獲ったように「やっぱり中高年男性はねえ」と、ますます店主世代の株を下げるのは必至。世代も性別も関係ないと、店主が抗弁することになるのでしょう。

ところで、大きなリュックの若者は、結局、店に入ってくることはありませんでした。

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2018年03月14日

源泉徴収票

RIMG2676今年は何かとバタバタして、確定申告書の提出が今日になってしまいました。

午後3時過ぎ、ようやくプリントアウトして捺印。必要書類を揃えてレターパックに入れ、近くのポストに投函。ホッと一息ついたところです。

取り掛かるのが遅くなったのには、さまざまな理由がありますが、収支報告書はいつものごとく国税庁のホームページを利用して、昨日のうちに出来ました。

続いて申告書を作る段になって、泡を食うことになったのは、年金が原因です。

昨年度から、ささやかながら年金収入が発生するようになっていて、この申告を漏らすわけにはまいりません。ところが、送られてきているはずの年金の源泉徴収票が、どう探しても見つからないのです。

数字自体は他の資料でも何とか分かるのですが、提出書類として「源泉徴収票(原本)が必要」とあります。

焦ってネットから検索したところ、年金事務所に行けば即日再発行してもらえることが分かりました。そこで昼食もそこそこに、渋谷にある事務所に、向かいました。

さらにその足で、マイナンバーの記載された住民票を、下北沢にある北沢総合支所まで行って取得。これでようやく書類が揃い、無事提出にこぎつけたという次第です。

それにしても今日一日、朝からパソコンに取り付いて作業している間、まるで気を利かせたかのように、お客様のご来店がなく、作業に専念できました。助かった、と言うべきでしょうか。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)
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