2009年11月

2009年11月30日

細かい話

週に一二度は来店され、二三回に一回は表の本をお買い上げいただくご老人がいます。

今日も一冊お持ちになり、「本はじっさい年寄りの味方ですね、百円で一日二日は楽しめる」そういってお買い上げいただきました。

喜ばれるのはうれしいのですが、そういうニーズしかないとしたら、とても商売は成り立ちません。今日のようにひと気のない日は、そんな言葉にかえって焦りを覚えます。

しばらくすると本を二冊持ってご婦人が、「これはこの間いただいたの、200円で。これを売って、こっちを買います」。同じ200円の小説です。150円いただくことに。すると「細かいのでいいかしら」そういって10円玉を15個置いていかれました。

もちろんお金に変わりはありません。有難くいただくのですが、いつも不思議に思うのは、小店では百円以下の端数は殆どつけていないはずなのに、10円玉が必ずレジに溜まることです。

いまどきは、神社などに詣でることもないから、小銭をはたいてしまってもお賽銭に困ることもないからでしょうか。時々、5円玉や1円玉まで総動員して、お支払いいただくこともあります。

塵も積もればの例えどおり、溜まれば小銭もそれなりの金額に。ある程度の量になると郵便局で入金するのですが、そうするとつい、改めてお金が手に入ったように錯覚してしまうところが困りものです。

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2009年11月29日

まるでSF

昨日の話。用あって吉祥寺まで出向いたのですが、その駅から出たところで突然呼び止められました。

「おー、久しぶり」といって握手を求めてきます。驚いて顔を見ると、見たこともないオジサン。でも、もしかしたら同年輩かもしれません。こっちだってかなりのオジサンなのですから。

あまり不意だったので、顔も見ないうちに「やあどーも」などといってしまったものの、その後が続きませんでした。あわてて記憶を手繰るのですが、何の手がかりもありません。

求められた手は握るまでに至らず差し伸べあったまま。連れが待っていて、先を急ぐ(それは事実でしたが)というようなことをあいまいに告げて、罰の悪い思いをしながら、前を辞しました。

本当に知っている人だったらどうしよう、あとで突然思い出したらどうしようと、しばらく思い悩みました。しかし幸か不幸か、今日になっても思い当たる人はいません。

それにしても不思議です。先方はかなり確信を持って呼びかけてきたのです。相手が自分を分からないかも知れないとは、少しも思っていない様子でした。

星新一なら、どこかにもう一人の自分がいたというオチをつけるところでしょう。

今日は一日、新しいPCと戯れあっておりました。

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2009年11月28日

PC来たる

新しいPCが届きました。予定より早く。

お昼に出かける用事があったので、戻ったのは午後3時すぎ。すでに娘が開梱し設置し、接続までは済ませてくれていました。

いろいろな設定がまだ残っています。しかし店番をし、WEB受注の返信、発送作業もしながらの仕事ですので、なんだかてんやわんやです。

おまけに今日は土曜日、まもなく6時には店を閉めなければなりません。昨日買った本が、朝には届いたのですが、まだ店の表に積んだまま。今さっき、お持込のダンボール2箱から出した本もそこいらに積んだまま。

もっか急ぎの仕事は、書籍データベースの新PCへの格納。小店が使っているのは、もう何年も前に販売が停止された市販ソフトです。発売初期からの付き合いで、いろいろと作りこんでいるため、簡単にほかのソフトに乗り換える気になれません。

OSのバージョンが変わるたびに、不安に駆られながらインストールするのですが、今回も無事、作動することが分かりました。

発売元の会社もすでになく、バージョンアップは望めませんから、今ある不便は、不便のまま解消されません。それでも、慣れというのは最高の能率です。よほどやむをえない事態に直面しない限りは、このまま付き合っていこうと思います。

さて、そろそろ片付けて閉めますか。

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2009年11月27日

明古11月特選市

ただいま帰りました。

今日の明治古典会は、国文学関係350箱という一口がメイン。ただしそういう触れ込みだったのですが、実際に箱を開けてみると内容はもっと広範囲。現代思想関係も多く含まれていて、むしろそちらの方が人気が高かったかもしれません。

店主も珍しく多くの札を入れました。結果的に落札できたのはわずか二点。それでもゼロでないというところが、まじめに入れた証拠です。

この手の現在でも刊行されているような本は、売値に限度があり、したがって仕入れ値にも限度があり、だからそれほど各店の入札価格に開きが出来るわけではありません。何冊か組み合わされている本に対する微妙な思い入れの差で、落札できたり、逃したりするのです。

午後に二つほど市会とは別に用事があり、中座しました。終わって戻るとすでに最終発声も済み、経営員が会場の後片付け。幹事は7Fで12月の特選市の、目録掲載品の原稿作成です。

毎月最終週に行う特選市ですが、12月はクリスマス特選市と銘打って、その拡大版を開催します。過去にもいくつか珍しい出品が話題になりました。今年もちょっとした目玉がありそうです。

その作業が終わったのが7時半。連れ立っての遅い夕食となりました。メンバーはいつもより多い8名。折よく席が取れた行きつけのうなぎ屋さんで、いつもながらの四方山話。一日の疲れをほぐして戻ってきました。


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2009年11月26日

主人か奴隷か

いつもの仕事が、いつもの手順で出来ないというのは、何かとストレスが溜まるものです。

PCダウン2日目。データの救出にはどうやら成功。ハードディスクは無傷で残っておりましたので、娘がこれを取り出し、ケースを買ってきて今やメインとなった裏のPCに接続。無事を確認することが出来ました。

被害は最小限に留まったとはいえ、仕事の能率が上がらないことに変わりありません。

ルーティン作業の新しい段取りを抵抗なく進められるように、また一工夫。この工夫のために、何かと思案の時間を取られます。つまり能率よく仕事をするために、ひたすら能率の悪い時間を費やしているというわけです。

PCに使われている、というのはこういう状態を言うのでしょう。

昨日に続いて今日も曇りがちながら気温も高め。いつもよりはお客様の出入りも多く、お持込みもあったりして、昨日あたりから店内、ことに帳場回りがまた雑然としてきました。

明日は明古で、明後日も昼に出かける用事があり、ちょっと片付きませんが、ご来店の皆様には、なにとぞご容赦を。といって、その先なら片付くというわけでもありませんが。



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2009年11月25日

艱難汝を玉にす

朝、帳場で使っているPCから嫌な臭いがして、やがて煙が立ち、慌ててスイッチを切りました。

二三日前に兆候はあり、データだけは一度バックアップを取ったのですが、何しろ二台つないでいるメインの方なので、いざダウンするとやはり影響は甚大です。

店の裏で使っているもう一台の方に機能を集中させる作業で、結局、今日一日はつぶれてしまいました。

バックアップも実は十分ではなかったので、リカバリーにひどく手間がかかり、それでもメールや書籍データベースは何とか復元できたのですが、文書類のコピーに失敗していて、この先いろいろと影響が出そうです。

あたらしいPCが届くのは1週間ほど先のことになりそうです。それが来たら来たで、今度はまたいろいろと設定作業に時間を取られることになる訳です。

本当のところ、それが面倒で、そろそろ買い替え時期だと思いつつ先延ばしにしてきたのでした。

こんな時、金言がいかに真理を衝いているかを思い知らされます。いわく「転ばぬ先の杖」、いわく「後悔先に立たず」、そして「覆水盆に返らず」。

でもやっぱり一番応えるのは「時は金なり」ですか。


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2009年11月24日

狭いようで広い

先日お話したばかりですが、市場の大きな不思議。ひと口ものは良くかぶる。今日の洋書会がまたそれでした。

ルソー、ディドロといった18世紀フランス思想を中心とした出品が二口。リトレのフランス語辞典などそれぞれに入っていて、特徴ある細長い版型が、離れた場所に一組ずつ積まれていました。

分けても一方の口は、初版本や同時期の限定本を含んだかなり質の高いもので、その一部は荷主の了承を得た上で、12月に行われる「歳末特選市」へ回すことに。

そんな中でとりわけ話題となったのは、これだけの蔵書の持ち主が、居合わせたメンバーの誰にも未知の人物であったことです。

蔵書の中には渡辺一夫氏の旧蔵本が散見され、氏の直弟子筋に当たることを示唆しています。しかし他の本に挟まれていた納品書などの名を見ても、分かる仲間はいませんでした。

もちろん学者にはインプット型と、アウトプット型とでもいうべきタイプがあり、前者の場合、世間的な知名度が低いことは、ままあります。

しかしそうした人ほど、業界の中には誰かしらお得意先としている者がいるはずで、それが今回は、我がメンバーの中ではなく、別の(どうやら関西の)業者さんだったようです。

知らず知らず井の中の蛙になっているのではないか、と反省させられました。

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2009年11月23日

閑中忙あり

連休最後の日、お天気は良いのに朝のうちはほとんど人気がなし。夕方の短い時間に、一瞬だけ立て込みました。

駒場祭の帰りに寄られた方もいたでしょう。しかしどうも、留学生会館のオープンハウス帰りという方々のほうが多かったようです。明らかにそれと分かる外国人グループを始めとして。

折りしもそのグループが表の書棚に群がっている間、本のお持込みが二件続き、お探しの本をお尋ねになるお客様がお二方相前後し、お買い上げのお客様が数名、立て続けにレジにお越しになるという繁盛振り。

この時期、あまりに早く暮れ、暗くなる店の前を少しでも明るくするために置いているスノーマンに、明かりを点ける暇もありませんでした。

ほんの一時の賑わいが収まると、また元通りいつもの静かさが戻ってきます。早速スノーマンに点灯。周りの暗闇にボーっと浮き上がる姿が、人気なさを一層際立てます。

秋も早や終わりです。

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2009年11月22日

『全国古本屋地図』の衝撃

宅買いで引き取った本の中に『全国古本屋地図』(日本古書通信社)があったのを思い出し、積み上げておいた本の山から探しだしました。

出てきたのは昭和53年8月刊の改訂新版第二刷。まえがきと奥付によれば、昭和52年の初版発行からここまでに、都合五回、刷を重ねています。

これ以降、2001年の21世紀版まで、改訂や増補をしながら繰り返し出版されたようですが、詳しくは分かりません。今度、樽見さんに会った時にでも聞いてみようと思います。

ただ、この昭和53年は、店主にとっては何とか五十嵐書店に拾い上げてもらい、この業界とのつながりが出来たばかりの頃で、とても思い出深いものがあります。

当時の早稲田、神田はもとより、暇を見つけては回ったあちこちの本屋さんの佇まいを、巻末の名簿を見ながら思い浮かべ、なくなった店の多さに改めて驚きました。

しかしそれより大きな衝撃を受けたのは、表紙に使われている写真です。どこか一流書店(想像はつきますが)の棚らしい。あの頃こうした棚を見れば、立派な(そして高価な)本が並んでいると感心したはずです。

試みに背が写っている本の何点かを、「日本の古本屋」で検索してみました。思ったとおり、悲しくなるような価格崩壊ぶりを、この目で確かめることになってしまったのでした。
kotsu

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2009年11月21日

静かな土曜日

今朝は10時から南部支部役員会。2回ほど続けてお休みさせてもらっていて、久々に顔を出しました。

先日(10日)定例役員会の帰り道に支部長、副支部長と電車が同じになり、今度は出られますかと問われ、大丈夫ですと答えたのです。

その後、店番のミセスBがこの日お休みすることになり、家族に助けを求めたところ、それぞれ用事がある中で、幸い一人が予定をやりくりして店番を引き受けてくれ、おかげで無事出席を果たせました。

格別難しい議題があったわけではありません。年末を控え、大掃除などの行事日程を確認しました。店主に求められているのは、担当する「日本の古本屋」についての報告。現在の動きなどをお知らせしました。

30名ほどの出席者が、毎回どんな思いで出ておられるかは分かりませんが、店主などはここに来るたびに、支部組織が健全に機能していることを感じ、心強く思います。

会議は短時間。すぐに引き返し、家族を店番から解放。この数日と比べて気温も高め、穏やかな土曜日です。しかも今日から「駒場祭」。小店の裏、井の頭線をはさんだ向こう側にある大学構内は、今日から三日間、大賑わいのはず。

静けさをお求めの方は、どうぞ小店まで。

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