2010年04月

2010年04月30日

聞き逃しても大丈夫

月末。家賃の支払いもふくめ、何かと多い事務処理を済ませてから、古書会館へ。

今日は特選市。にしては量も多く、二つのフロアーの陳列台が、隙間なく埋まりました。

しかも量だけでなく、飛び切りの一口物が入って質も上々。運営側としては、出来高への期待が高まります。

結果を先に申し上げれば、実際、ここ数年の明古の特選市では最高の取引額を記録しました。

ただしその6割が、一件の一口物による出来高。錦絵、絵本(江戸期の和本です)を中心とする一口です。

入札する書店は限られますが、高額なものには商売人誰もが興味津々。ですから最後まで、多くの人が残って成り行きを見守っています。

店主も「札改め」(開札結果を確認する仕事)を手伝いながら最終台の発声(落札結果の読み上げ)を楽しみにしておりましたところ、五十嵐書店さんがやってきて、少し時間を貸して欲しいと声を掛けられました。

店主にとっては親も同然、否やはありません。しばらく席をはずすことになり、結局、発声を聞き逃してしまいました。

その代わり、いつもの顔ぶれでの食事の席で、ゆっくり結果を聞くことができました。何しろその場には、当の一口物の主だったところを獲得した張本人も居たのですから。

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2010年04月29日

大市出品勧誘

朝から晴れ、ただし時折り強い風。雑誌棚に重しを置きました。

お昼頃、南部支部の支部長をはじめとする、同業四名がご来訪。もうそんな時期ですか。6月に行われる支部大市会のための、出品勧誘です。

支部の役員、事業部員で手分けをして支部員の店を一軒一軒回り、少しでも多くの荷が集まるよう、協力を要請するわけです。

店主も支部の役員をしていた頃には、一緒に回りました。思えばもう二十年ほども前のことなんですね。そうして回ったうちの、何軒かのお店の様子、ご主人の応対ぶりなどを思い出しました。

あの頃から比べると人が替わり、中には店も変り、何より本が変っています。いわゆる「大市向き」の商品を集めることは、ますます難しくなっているでしょう。

それを承知で一軒ずつ店を回ることは、実際にそれによって荷が増える効果よりも、実行者側の、一体感が強まることを目的とする部分が大きいと思います。

伝統的ともいえるこうした手法を、南部支部はかたくなに守ってきました。しかし、おかげで支部市のなかでは一番元気を持続しているのですから、伝統は侮れません。

小店も何とか参加できるよう、在庫を掘り返して見なければ。

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2010年04月28日

種はつきまじ

午後1時からIT(いまや古めかしい語感ですが)委員会の会議があって古書会館へ。4時まで。

昼からはあがるという予報の雨は、結局夕方までぐずついて、気温の方もそれほど上がらず、店に戻って帳場に座ると足元にはヒーター。

店番をしながらコンピュータで受注管理。入金状況のチェックを始めました。

一定期間を経過して代金未入の方には、お問い合わせのメールを出すようにしています。余り長いこと放っておくと、そのまま失念される場合もありますから。

その前に、本当に未入かどうかを、何度も確認します。過去に数回、誤って、既にお支払いいただいていた方に、お問い合わせのメールを出してしまったことがありました。そんな時は、ひたすらお詫びするしかありません。

単純にチェックを洩らした、伝票が重なっていた、別の方と間違ったなど、そのたびに理由は違い、誤りの種は限りないものです。だからお問い合わせも、出した後しばらくは不安が残ります。

つい先日、振込み人が表記される欄に、店主の名がありました。これは外国人のご注文分だろうと見当がつき、解決。今日は、該当する受注者名の見当たらない入金がありました。金額的には複数の該当者がおられます。

未入金ばかりでなく、入金されてもややこしいことがあるのです。

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2010年04月27日

国際化の課題

曇り、午後から雨、予報通り。

先日、大量に買い入れた退官教授の蔵書は、埃こそかぶっていたものの、大半はイタミの少ない良い状態。しかし頁を繰ってみると、僅かずつながら線が引かれている本が多いことに気がつきました。

殆どは鉛筆で、しかも定規を当て、行頭に横に引いてあります。一見すると読んだ形跡のないような状態の本にも引かれていて、多読ぶりと丁寧な扱いには改めて敬服したものの、売る時には気を付けなければと思ったものでした。

そこへ今朝、お客様からメールです。早速届いて有り難かったが、中に数か所線がある。うち一箇所は赤鉛筆。さらに細かい書き入れが、と写真までつけていただきました。見ると数か所、誤植、脱字を補訂してあります。

先生の本に間違いありません。初めから注記してあれば、格別気になさらない方も多いとは思いますが、綺麗な本が届いたと思ったお客様からすれば、がっかりされるのも当然です。

もちろん返品なり、値引きなりに応じる用意はあるのですが、一つ困ったのは、これがアメリカからのクレジット注文。便利になったおかげで販路は拡がったのですが、トラブルの対応も複雑になりました。

お客様のご要望をお尋ねし、お返事を待っているところです。

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2010年04月26日

花盛り

今日も気持ち良い晴れ。

「ハナミズキ、赤と白とだったんですね」昔から顔見知りのご近所の方が、わざわざ店の中まで驚きを伝えにきてくれました。

気づかれなかったのも無理はありません。店が越してきて6年、建物はその2年ほど前に建っていましたから、植えられてから恐らく8年か9年。まともに花がついたのを見るのは、店主も初めてです。

晴れ姿を写真に収めて、このブログでご覧いただこうかと表に出てみました。しかし花と店とを収めるアングルはありません。花だけなら、世間にいくらでも、もっと良く咲いている木はあります。

結局、ご想像に委ねることといたしました。たまにはビジュアルを入れて、目先を変えたいとは思うのですが。

さて、二三日、報告いたしませんでした、集英社版『日本文学全集』のその後。

「堀辰雄」「上林/木山」二冊お買い上げは、常連男性。「幸田/樋口」「川端康成1・2」三冊は確か学生さん風。「獅子文六」を一冊お持ちになったのは、よくお子様連れで休日にお出でになるお父さん。

こんな調子でどうにか半分ほどが売れました。何時まで並べて置きましょうか。こうなったら、最後まで売れ残るのは誰の巻か、見届けたい気もしますね。

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2010年04月25日

古書店めぐりのゼミ

朝、近くに交番はありますかと、ジャージ姿の女子高生。落し物でもしたの?と聞くと、道を尋ねたいのだと。駒場高校への道順を教えました。

昼過ぎ、好天につられたお散歩の人出で、店先が妙に賑わいます。そのうち異様な人数に。そっと眼で数えると店内だけでも10人以上。表の方にもそれ近く。

いぶかしむうち、店主と同年輩の男性が帳場へ来て「学生を連れて古書店を回るというゼミをやっています、ご迷惑をおかけしますが」と某大学講師の肩書きがある名刺を差し出しました。

なるほどそう思って見回せば、お客様の殆どが学生さんらしい。いくら新学期とはいえ、休日にしては妙でした。

「いまどきの学生はすぐにインターネットで検索して、となるので、とにかく現場に足を向ける、現物を手にとるということを教えたいと思いまして」

先生のご専門は名刺によれば文学史・文芸批評。今日は番外編として近代文学館へ行き、その足で小店へ立ち寄っていただいたとのこと。次は中央線沿線、いずれは神田へも、と話しておられました。

小一時間ほどの間に、それぞれ少しずつお買い上げ。この10数名のゼミ生が、揃って修了できることを祈ります。

その後は、ぽつりぽつりの、いつものペースに戻りました。

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2010年04月24日

キャンセル

近所の古書店から紹介されたと言って、ご高齢の男性から電話がありました。昨日のことです。

用件は、蔵書を処分したいのだが、ざっと見積もってもらえないだろうかというもの。「例えば」と言って幾つか書名を挙げはじめました。

『大言海』全6冊、Eislerの哲学辞典3冊、Heyneのドイツ語辞典3冊…

挙げられた書名は、かつての名著。余りに普及しすぎて残念ながら骨董的価値も付かないものばかり。しかしそうした本をお持ちなら、他にもっとあるのではと水を向けると、ある個人全集をお持ちだとのこと。

こちらは割合良い値段がつきます。お話しするうち、かつてその著者の翻訳書を出したこともある、研究者だと分かりました。

いずれにせよ評価は、実物を拝見した上でなければできないと申し上げると、尤もだと同意され、お伺いすることになりました。

「明日の今頃、お電話をした上で伺います」「ちょっと待ってください、明日ですね。書いておきますから。えーと、明日は何日でした」「24日です」「何曜日でしょう」「明日ですから、土曜日です」

今朝、こちらから掛けるより早く、息子だと名乗る方からお電話がありました。大変申し訳ないが、父と良く話し合いたいので、改めてということにしてもらえないかと。

否も応もないことです。店の仕事をする時間ができました。

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2010年04月23日

明古で売って買って

真冬の装いで明古に。ちょっと大げさすぎるかとも思ったのですが、風邪気味でもあることですし。

夜、食事をして(今日はうなぎ屋さん)帰るとき、着込んできて良かったと思いました。

今日の明古は出品の点数も、量も多かったのですが、いつもに比べると全体に単価は低め。出来高としては今ひとつ伸びませんでした。しかし参加する側にとっては、欲しいものが見つかるかどうかがすべてです。

小店も今日は、金額こそ大したことはありませんが、先日持ち込んだ車一台分の出品、洋書10本口の落札と、売り買いに参加した実感が持てました。

その落札した洋書ですが、どうやら先ごろ駒場の研究室から、小店が何度かに分けて引き取ってきたのと同じ先生の蔵書らしい。

先生自身、ご自宅に置いてある本は地元の本屋に頼むとおっしゃってました。ですから別段そのことに不満はありません。ただ、それらの本が思ったほど良い値になっていなかったのは、いささか複雑な心境でした。

小店の買い取り価格が、決して先生に損をかけるものでなかったという自信を持った一方、儲けを出すのは大変かもしれないと言う不安感も持たされたのです。

まあ、せっせと値付けして売っていくしかありません。

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2010年04月22日

fineとgood

昨日の夜、テレビでアメリカ映画を見ていたら、女性があるものをfineだと言って、それに対して男性がgoodでなけりゃ、と言うようなやり取りがありました。

まじめに見ていたわけではなく、しかも一瞬のやり取りで、字幕があったから記憶しているようなものの、聞いていただけなら、わけも分からず聞き過ごしたでしょう。

それが気になったは、fineよりgoodが望ましいと言うニュアンスが、少なくとも字幕からは伝わってきたからです。fineとgood、古書の状態なら明らかにfineの勝ち、と了解していたので、不思議な感じがして印象に残ったのでした。

古書店のカタログでgoodとあるのは、殆どnot badと同義語。それに対してfineとあれば、ある程度良い状態の本を期待してもいいよ、と言っていることになります。

本に限らず世間一般でも、大方このような用法だろうと思いますので、昨夜の映画のあのやり取りは、どんな意味だったのだろうかと気になるのです。

一つ考えられるのは、わざと価値を逆転させた使い方をしているということ。言葉遊びをしているような場面が他にもありましたから。だとするとあの字幕はストレート過ぎたということになります。それともbetter than fineという意味でgoodを使うことがあるのでしょうか。

凍えそうな雨。今夜は鍋だと家人は申しております。


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2010年04月21日

値を付ける

「日本の古本屋」に本を登録するとき、その本が既にどの程度登録されているのか、一応調べます。

もちろん、初めからいくらもありそうな本は、登録しません。しかしこれならと思って検索すると、案外多くの件数が表示され、がっかりすることもしばしばです。

登録点数が600万件を超えたとはいっても、こうした重複を考えると、まだまだ登録の余地はありそうです。せいぜい珍しい本を探したいと思います。

ところで、一点も登録されていない本を登録するとき、どんな値段を付けるか。これが今日のテーマです。昔ながらの古本屋であれば、まず自分の仕入値と世間相場をもとに付けるはずです。あるいは、価格体系と言い換えてもいいかもしれません。

ところが近頃、一点だけ登録されているような本に、乱暴な値付けを眼にすることが多くなった気がします。Amazonなどの影響があるのでしょうか。あちらには突拍子もない値を付ける出品者がいて、たまたま他に競合者がいなければ、それが「最安値」などと表示されるわけです。

もちろん全体としては、わが「日本の古本屋」は、信頼できる業者のサイトです。それだけに、そんな中に「とっぽい」値付けが散見されるのを懸念するのです。

しかし価格体系などというのはすでに幻想かもしれません。ネット上での希少性だけが、価格を決める時代になるのでしょうか。

終日おだやかに晴れ。しかし店主、風邪かもしれません。

konoinfo at 18:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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