2010年08月

2010年08月01日

雑然vs.整然

黒いズボンが真っ白に。というのはもちろん言葉のあやですが、買い入れ先の物置で埃になっていた箱を、ヨイショと抱えて車に運び、降ろしたあとで気がつきました。

午後二時、日盛りに宅買い。Tシャツは汗でぐっしょり。ズボンにも汗が滲みこんで、たとえ汚れがつかなくとも即刻クリーニング行きです。

それよりも悲しいのは、そんな思いをして引き取った本が、前回同様(今回が二度目)、あまり生かせそうにないことです。多くの本にヤケ、汚れ、線引き、耳折。これだけ揃うと、貴重な古典籍ででもない限り、商品にはなりません。

しかし、ものは考えよう。これなら迷わずツブスことが出来ます。もしかしたら生かせるかも、と取っておく本が、本屋にとっては店を雑然とさせる一番の原因なのですから。

先年亡くなった豊田書房の古賀さんは、常日頃「仕入れは即売展で欲しい本だけ買うのが一番」とおっしゃっていました。それゆえでしょうか、お店はいつも整然としていて、そこいらに本が積み上げてあるというようなことは、滅多にありませんでした。

捨てられないのが、本屋のサガ。だからこそ、余計なものを買い込まないようにという自衛策だったのかもしれません。

RIMG0373ところが一方で、雑然とした本屋が好きだというお客様も、案外おいでになるのですね。そこが面白くも難しいところです。

konoinfo at 18:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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