2010年12月
2010年12月21日
洋書会納会
バス出勤。午前8時頃家を出て、8時40分着。店を開け、店番の到着を待って五反田へ。南部支部役員会です。井の頭線の混雑遅れもあって、少々遅刻。
会議はものの一時間、終わって本部会館へ。まずは洋書会の会場4階を一瞥。大量出品になれた目から見ると随分少ない感じですが、平台は八分通り埋まって、今年最後の市としてまずまずの出品量。
お昼は一人で近くのお蕎麦屋さん。午後1時半に来客があるためそうそうのんびりも出来ません。
来客は中小企業基盤整備機構のお二人。会館を建てた高度化事業は、同機構から無利息の資金を借りて実行されました。竣工後7年になるのですが、今も事業例(成功の?)として時折見学に来られます。
8階から地階まで建物をご案内し、現状をご説明。1時間ほどでお帰りになると、2時から始まっていたIT会議に途中から出席。終わると4時。洋書会は既に開札終了、片付けに入っていました。
そんなわけで最終市には参加できなかった店主ですが、今日は洋書会の忘年会。5時に会館で待ち合わせ、打ち揃って銀座へ。向かったのは「串あげもの 旬s」。
お任せコースの揚げ物は10本以上ありましたでしょうか、ボリューム満点。飲み放題のワインが美味しかったのも拾い物。楽しく飲んで食べて、一年の納めとなりました。
会議はものの一時間、終わって本部会館へ。まずは洋書会の会場4階を一瞥。大量出品になれた目から見ると随分少ない感じですが、平台は八分通り埋まって、今年最後の市としてまずまずの出品量。
お昼は一人で近くのお蕎麦屋さん。午後1時半に来客があるためそうそうのんびりも出来ません。
来客は中小企業基盤整備機構のお二人。会館を建てた高度化事業は、同機構から無利息の資金を借りて実行されました。竣工後7年になるのですが、今も事業例(成功の?)として時折見学に来られます。
8階から地階まで建物をご案内し、現状をご説明。1時間ほどでお帰りになると、2時から始まっていたIT会議に途中から出席。終わると4時。洋書会は既に開札終了、片付けに入っていました。
そんなわけで最終市には参加できなかった店主ですが、今日は洋書会の忘年会。5時に会館で待ち合わせ、打ち揃って銀座へ。向かったのは「串あげもの 旬s」。
お任せコースの揚げ物は10本以上ありましたでしょうか、ボリューム満点。飲み放題のワインが美味しかったのも拾い物。楽しく飲んで食べて、一年の納めとなりました。
2010年12月20日
旅立つ絵本たち
絵本のよく売れた日でした。
それも、子連れで立ち寄って、そのお子さんに一冊買い与えるというパターンではなく、女性がお一人で、何冊かまとめ買い。表の絵本棚が、一日で随分と空いたような感じです。
あくまで小店の日頃のペースに比べての話ですから、高が知れていますし、一冊あたりの平均単価も500円くらいですから、売り上げの方も格別のことはありません。
しかも補充にも、仕入れにも、案外手間がかかります。忙しい割には、と思うのですが、忙しいということも商売には必要だというのが、家人や店番のミセス達の一致した意見。
それもその通りと店主も素直に認め、絵本、料理本は彼女らの裁量に任せています。
まとめ買いで一番多くお買い上げいただいたのは12冊。たまたまお子様連れの女性でしたが、その絵本は小笠原島の友人に送るためのものだとか。
ご本人もご家族で二年間過ごして、最近戻られたところといいます。そこでの友人から依頼を受けたとのこと。「自分が懐かしいと思うような本ばかり選んでしまって」と、ご持参のリュックに詰めてお帰りに。
ご友人の分と合わせてカレンダーを二部差し上げ、遠くへ行く絵本たちを見送りました。
それも、子連れで立ち寄って、そのお子さんに一冊買い与えるというパターンではなく、女性がお一人で、何冊かまとめ買い。表の絵本棚が、一日で随分と空いたような感じです。
あくまで小店の日頃のペースに比べての話ですから、高が知れていますし、一冊あたりの平均単価も500円くらいですから、売り上げの方も格別のことはありません。
しかも補充にも、仕入れにも、案外手間がかかります。忙しい割には、と思うのですが、忙しいということも商売には必要だというのが、家人や店番のミセス達の一致した意見。
それもその通りと店主も素直に認め、絵本、料理本は彼女らの裁量に任せています。
まとめ買いで一番多くお買い上げいただいたのは12冊。たまたまお子様連れの女性でしたが、その絵本は小笠原島の友人に送るためのものだとか。
ご本人もご家族で二年間過ごして、最近戻られたところといいます。そこでの友人から依頼を受けたとのこと。「自分が懐かしいと思うような本ばかり選んでしまって」と、ご持参のリュックに詰めてお帰りに。
ご友人の分と合わせてカレンダーを二部差し上げ、遠くへ行く絵本たちを見送りました。
2010年12月19日
神戸からパン
兵庫古書組合の理事長から、パンが送られてきました。
先月、全古書連の秋季理事会で神戸へ行った際、懇親会の席でパン好きだと話したのを覚えておられ、ついこの間、京都でお目にかかった時に、今度送りますと約束してくださったのでした。
神戸の会議場が新神戸駅に近く、「フロインドリーブ」はこの近くでしたねと尋ねたのがきっかけです。懇親会のあと、二次会に町へ出たとき、ちょっと回り道して旧本店へ案内してくださいました。
翌日、新幹線に乗る前に、東京の理事皆で現店舗に立ち寄り、それぞれが土産に買って帰ったのですが、そのことも理事長はご存知。今度送っていただいたのも、同店の「ハード食パン」と「小ミミパイ」です。
「送料の方が高いくらいのものですから、どうぞ気にしないでください」とは言っておられましたが、本当に送っていただき、恐縮しています。
震災の当時も兵庫組合の役員をされていて、大変ご苦労をされた方です。その後、同組合を協同組合にするのに尽力されるなど、今日まで組合役員でなかった年の方が少ないほど。
そうした点で、小店主を同類のように思っていただいているのかもしれません。しかし先方は三宮の一等地に店を構える二代目。営業基盤は全然違います。
そんな理事長の悩みは、神戸の市場に荷が出ないこと。相当深刻だという、その一番の原因は、やはり15年前の大震災であろうと思われます。災害の爪跡は深いのです。
先月、全古書連の秋季理事会で神戸へ行った際、懇親会の席でパン好きだと話したのを覚えておられ、ついこの間、京都でお目にかかった時に、今度送りますと約束してくださったのでした。
神戸の会議場が新神戸駅に近く、「フロインドリーブ」はこの近くでしたねと尋ねたのがきっかけです。懇親会のあと、二次会に町へ出たとき、ちょっと回り道して旧本店へ案内してくださいました。
翌日、新幹線に乗る前に、東京の理事皆で現店舗に立ち寄り、それぞれが土産に買って帰ったのですが、そのことも理事長はご存知。今度送っていただいたのも、同店の「ハード食パン」と「小ミミパイ」です。
「送料の方が高いくらいのものですから、どうぞ気にしないでください」とは言っておられましたが、本当に送っていただき、恐縮しています。
震災の当時も兵庫組合の役員をされていて、大変ご苦労をされた方です。その後、同組合を協同組合にするのに尽力されるなど、今日まで組合役員でなかった年の方が少ないほど。
そうした点で、小店主を同類のように思っていただいているのかもしれません。しかし先方は三宮の一等地に店を構える二代目。営業基盤は全然違います。
そんな理事長の悩みは、神戸の市場に荷が出ないこと。相当深刻だという、その一番の原因は、やはり15年前の大震災であろうと思われます。災害の爪跡は深いのです。
2010年12月18日
年末年始の予定
朝から一日店仕事。
年の瀬に入って、しばらくご無沙汰のお客様、実に久しぶりのお客様などが、入れ替わりにお出でくださいます。
カレンダーを差し上げると「これが毎年楽しみで」と、おっしゃってくださる方もおられ、ありがたく思うと同時に、少しは売り上げにも貢献しているのだと、嬉しい気もします。
ちなみに、まだ残部あり。どうぞこの機会にご来店ください。
さて「年末年始の予定は?」と、あるお客様からお尋ねを受けました。一昨日から店の出入り口に小さく貼り出したところですが、年末は12月30日まで、年明けの営業は1月3日からとさせていただきます。
なんと12月31日から1月2日まで3連休。何年ぶりのことになるでしょう。こんなに休んで大丈夫でしょうか、忘れ去られたりしないでしょうか。
不安を抱きつつも、英断いたしました。とはいえネット注文の発送は、12月31日もいたします。ただし31日以降のご注文は、1月3日過ぎの発送になります。
昨年は、急な取り込みでなんとも慌しい年末年始となりました。今年は平穏無事に年が越せることを願っております。
しかしもう一年たってしまうのだなあと、過ぎたことなどあらかた忘れ去っているくせに、月並みにも、改めてそんな感想を抱く店主でした。
年の瀬に入って、しばらくご無沙汰のお客様、実に久しぶりのお客様などが、入れ替わりにお出でくださいます。
カレンダーを差し上げると「これが毎年楽しみで」と、おっしゃってくださる方もおられ、ありがたく思うと同時に、少しは売り上げにも貢献しているのだと、嬉しい気もします。
ちなみに、まだ残部あり。どうぞこの機会にご来店ください。
さて「年末年始の予定は?」と、あるお客様からお尋ねを受けました。一昨日から店の出入り口に小さく貼り出したところですが、年末は12月30日まで、年明けの営業は1月3日からとさせていただきます。
なんと12月31日から1月2日まで3連休。何年ぶりのことになるでしょう。こんなに休んで大丈夫でしょうか、忘れ去られたりしないでしょうか。
不安を抱きつつも、英断いたしました。とはいえネット注文の発送は、12月31日もいたします。ただし31日以降のご注文は、1月3日過ぎの発送になります。
昨年は、急な取り込みでなんとも慌しい年末年始となりました。今年は平穏無事に年が越せることを願っております。
しかしもう一年たってしまうのだなあと、過ぎたことなどあらかた忘れ去っているくせに、月並みにも、改めてそんな感想を抱く店主でした。
2010年12月17日
エスプレッソ・ブックマシン
明古の金曜日。午前中は店で荷造り発送作業。タイからの注文があり、EMS便で送るため郵便局へも。
古書会館へは昼から。着いて職員さんからいくつか報告を受けているうち開札時間。急いで見て回り、二、三点入札してから仕事仲間と二人、昼食に出ました。
ちょっといつもと違うものにしようと、カレー屋さんへ。洋書会のお昼にテイクアウトを食べたことがある店。時間が午後二時前だったこともあり、空いていました。
料理人はインド人(かどうかは確かではありませんが)、ホールにも同じくインド人風と日本人女性。ランチメニューから「本日のカリー(野菜チキン)」とナンのセットを。
テイクアウトのランチボックスにはライスとナンと両方入っているのに、お店で頼むときはどちらか一方。その代わり大きなナンが付いてきました。
食べ終えてから三省堂へ寄り、エスップレッソ・ブックマシンを見学。日本で最初という触れ込みの、オンデマンド本製作機。見ている前で、本が出来上がって行きます。
出版業界を電子ブックと共に挟み撃ちしようというほどのマシンですが、10分ほどかけて大掛かりな機械で1500円前後の本を一冊仕上げる姿は何だかのどかに見えて、つい珍発明の一種のような感を抱いてしまいました。
しかし量産され価格が下がれば、脅威であることに疑いはありません。我らが業界にも対応策を探ろうという動きがあります。
戻ってからは組合関係の仕事。結局、市場では成果なしでした。
古書会館へは昼から。着いて職員さんからいくつか報告を受けているうち開札時間。急いで見て回り、二、三点入札してから仕事仲間と二人、昼食に出ました。
ちょっといつもと違うものにしようと、カレー屋さんへ。洋書会のお昼にテイクアウトを食べたことがある店。時間が午後二時前だったこともあり、空いていました。
料理人はインド人(かどうかは確かではありませんが)、ホールにも同じくインド人風と日本人女性。ランチメニューから「本日のカリー(野菜チキン)」とナンのセットを。
テイクアウトのランチボックスにはライスとナンと両方入っているのに、お店で頼むときはどちらか一方。その代わり大きなナンが付いてきました。
食べ終えてから三省堂へ寄り、エスップレッソ・ブックマシンを見学。日本で最初という触れ込みの、オンデマンド本製作機。見ている前で、本が出来上がって行きます。
出版業界を電子ブックと共に挟み撃ちしようというほどのマシンですが、10分ほどかけて大掛かりな機械で1500円前後の本を一冊仕上げる姿は何だかのどかに見えて、つい珍発明の一種のような感を抱いてしまいました。
しかし量産され価格が下がれば、脅威であることに疑いはありません。我らが業界にも対応策を探ろうという動きがあります。
戻ってからは組合関係の仕事。結局、市場では成果なしでした。
2010年12月16日
激突!
さすがに開けっ放しでは寒くなり、昨日今日と自動ドアを閉めてエアコンを入れました。
毎年、開け放していたドアを閉めるような季節になると、決まってお一人やお二人、このドアにぶつかる方がおいでです。
いつもそれから慌ててドアにポスターを貼ったり、目の高さに何か貼り紙をしたり。そんなことを繰り返していながら、また今年も後手に回ってしまいました。
しかも今回は余人ではない、被害者は店主自身です。郵便局へ梱包材の代金を振り込みに行こうと、通帳を眺めながら表へ。その途端、激しい音と衝撃に見舞われました。
自分で閉めておいて、すっかり失念していたのですね。そこが当然開け放たれているものと思って、まったく疑いもせず通り抜けようとしたのです。
うつむき加減だったため、おでこを強く打ちました。同時にひざ小僧も。よくドアが壊れなかったものです。
時々、開いたままのドアのタッチパネルを、何度も押しておられるお客様をお見受けします。「どうぞお入りください」とお声をかけると、照れたようにしてお入りになります。
でもこうした方々は、少なくとも店主のような目には逢わずに済みます。いや、もしかしたら過去に、同じような経験をお持ちなのかもしれませんね。
このところ一人で「粗忽長屋」を演じているようです。
本日は午後からTKI、閉店前に戻りました。
毎年、開け放していたドアを閉めるような季節になると、決まってお一人やお二人、このドアにぶつかる方がおいでです。
いつもそれから慌ててドアにポスターを貼ったり、目の高さに何か貼り紙をしたり。そんなことを繰り返していながら、また今年も後手に回ってしまいました。
しかも今回は余人ではない、被害者は店主自身です。郵便局へ梱包材の代金を振り込みに行こうと、通帳を眺めながら表へ。その途端、激しい音と衝撃に見舞われました。
自分で閉めておいて、すっかり失念していたのですね。そこが当然開け放たれているものと思って、まったく疑いもせず通り抜けようとしたのです。
うつむき加減だったため、おでこを強く打ちました。同時にひざ小僧も。よくドアが壊れなかったものです。
時々、開いたままのドアのタッチパネルを、何度も押しておられるお客様をお見受けします。「どうぞお入りください」とお声をかけると、照れたようにしてお入りになります。
でもこうした方々は、少なくとも店主のような目には逢わずに済みます。いや、もしかしたら過去に、同じような経験をお持ちなのかもしれませんね。
このところ一人で「粗忽長屋」を演じているようです。
本日は午後からTKI、閉店前に戻りました。
2010年12月15日
業界公認
京都の会館祝賀会でのお話し。
懇親会に入り、乾杯も済み、ビュッフェ形式の食事が始まりました。各地からのお祝いの一言を求められ、既に祝辞を述べた理事長に代わり、東京代表として店主が短くご挨拶。
さらに幾人ものご挨拶が一渡りすると、あとは各自でご歓談となり、グラス片手に旧知の同業と旧交を温めておりました。
やがて余興タイム。企画されたのは新旧対抗ゲーム大会。二人羽織やら、紙飛行機飛ばしやら、剣玉やら、ロートルと若手で賑やかに競っておられます。
そんな様子を時々は横目で眺めながら、もっぱら同業との昔話に花を咲かせていると、いきなり店主の名が呼ばれました。次のゲームの出場指名です。
出て行ってみれば、なんと「記憶ゲーム」。パネルの絵を30秒間見て覚え、絵が消えてから交互に言う。詰まったり間違えたりしたら負け。始まる前から負けが約束されたようなゲームでした。
相手は大阪組合の専務理事さん。一回り以上、もしかすると20歳近く年下。案の定、二巡りもすると、早くも記憶のストックが尽きます。進行役の助け舟に乗り、三つ目は答えました。
次の四つ目になると、京都の若い二世さんがカニの横歩きを見せてくれます。さすがに気が引けて、白旗を上げました。ノッて答えていくほうが盛り上がったのかもしれませんが。
ともあれ店主の記憶力の悪さが、晴れて天下公認のものとなったというわけです。
懇親会に入り、乾杯も済み、ビュッフェ形式の食事が始まりました。各地からのお祝いの一言を求められ、既に祝辞を述べた理事長に代わり、東京代表として店主が短くご挨拶。
さらに幾人ものご挨拶が一渡りすると、あとは各自でご歓談となり、グラス片手に旧知の同業と旧交を温めておりました。
やがて余興タイム。企画されたのは新旧対抗ゲーム大会。二人羽織やら、紙飛行機飛ばしやら、剣玉やら、ロートルと若手で賑やかに競っておられます。
そんな様子を時々は横目で眺めながら、もっぱら同業との昔話に花を咲かせていると、いきなり店主の名が呼ばれました。次のゲームの出場指名です。
出て行ってみれば、なんと「記憶ゲーム」。パネルの絵を30秒間見て覚え、絵が消えてから交互に言う。詰まったり間違えたりしたら負け。始まる前から負けが約束されたようなゲームでした。
相手は大阪組合の専務理事さん。一回り以上、もしかすると20歳近く年下。案の定、二巡りもすると、早くも記憶のストックが尽きます。進行役の助け舟に乗り、三つ目は答えました。
次の四つ目になると、京都の若い二世さんがカニの横歩きを見せてくれます。さすがに気が引けて、白旗を上げました。ノッて答えていくほうが盛り上がったのかもしれませんが。
ともあれ店主の記憶力の悪さが、晴れて天下公認のものとなったというわけです。
2010年12月14日
洪水への備え
洋書会の歳末市。朝から会員全員集合。
あの大量出品で埋まった前回以上の物量です。仕分けの口も何点かあったので、開場準備を終えるのに午後1時までかかり、それから昼食。
大市や歳末市の半ば恒例と化している「弁松」のお弁当を食べている間も、いつになく多いご来場者を眺めながら、四方山話。しかし頭の中ではそれぞれに、作戦を練っていたはずです。
目録発行の市ですから量だけでなく、質の高い本も並びました。しかし何しろ量が多い。積み上げられた本で、会場の見通しが利きません。
店主の確信はますます強くなりました。それは古書業界が当面恐れるべきは、日照りや旱魃ではなく、洪水だということです。
いかにその氾濫を制御し、貴重な本の流失を防ぐか。その技術を高めることこそが、洪水後の業界がなお存続するための鍵だと思います。
今日もカーゴ4台という大量の口の中から、一冊の本が掬い上げられました。August Sander: Antlitz der Zeit (1929) ナチスドイツに憎まれ原版を破壊され、多くを廃棄されたといういわくつきの写真集です。
その一冊と、残りのカーゴ4台が、ほぼ同じ落札価格になったという結果はともかく、こうした本が日本にあったことの驚きを、参加者が共有できた意味が大きい。
膨大な古書が眠っていて、それが動き出そうとしている。そんな予感がします。
あの大量出品で埋まった前回以上の物量です。仕分けの口も何点かあったので、開場準備を終えるのに午後1時までかかり、それから昼食。
大市や歳末市の半ば恒例と化している「弁松」のお弁当を食べている間も、いつになく多いご来場者を眺めながら、四方山話。しかし頭の中ではそれぞれに、作戦を練っていたはずです。
目録発行の市ですから量だけでなく、質の高い本も並びました。しかし何しろ量が多い。積み上げられた本で、会場の見通しが利きません。
店主の確信はますます強くなりました。それは古書業界が当面恐れるべきは、日照りや旱魃ではなく、洪水だということです。
いかにその氾濫を制御し、貴重な本の流失を防ぐか。その技術を高めることこそが、洪水後の業界がなお存続するための鍵だと思います。
今日もカーゴ4台という大量の口の中から、一冊の本が掬い上げられました。August Sander: Antlitz der Zeit (1929) ナチスドイツに憎まれ原版を破壊され、多くを廃棄されたといういわくつきの写真集です。
その一冊と、残りのカーゴ4台が、ほぼ同じ落札価格になったという結果はともかく、こうした本が日本にあったことの驚きを、参加者が共有できた意味が大きい。
膨大な古書が眠っていて、それが動き出そうとしている。そんな予感がします。
2010年12月13日
京都古書会館移転祝賀会
日帰りというより、半日帰り。今日もまだ疲れが残っています。
帰りの新幹線は事故の影響で一本前の列車が運休。おかげでほぼ満席。じっと座っていてお尻が痛くなりました。
肝心の祝賀会ですが、午後4時から式典。祝辞は前原外務大臣(夫人が代理出席)、平智之衆議院議員という京都選出の民主党議員二名。もちろん我らが全古書連の小沼理事長も。
午後5時からの懇親会には門川京都市長も駆けつけて、京都の町における古書業界の存在感が示されました。もっとも幼馴染、同級生、縁故を辿れば、誰もが知り合いといえるほどの町です。
京都組合員は総勢約160名。殆どが市中に店を構え、何代も続く老舗があり、お互い同志の付き合いでも二代、三代に及ぶ場合さえあります。いわば大きな親戚の集まりのようなもの。ここから声が掛かれば、断れない場合が多いでしょう。
懇親会も、そんな身内感覚で、和やかな雰囲気で終始しました。しかし盛り上がっている最中に、司会進行のキクオ書店三代目が「近隣からクレームが入っているようです」と報告したのは、あながち冗談ではないかもしれません。
マイクを使ったスピーチ、余興は、御所南という閑静な住宅街では確かに近所迷惑なものだったと思います。しかしそれもこの日限り。この先は上手にそつなく、ご近所づきあいをしていくはず。京都人ですから。
帰りの新幹線は事故の影響で一本前の列車が運休。おかげでほぼ満席。じっと座っていてお尻が痛くなりました。
肝心の祝賀会ですが、午後4時から式典。祝辞は前原外務大臣(夫人が代理出席)、平智之衆議院議員という京都選出の民主党議員二名。もちろん我らが全古書連の小沼理事長も。
午後5時からの懇親会には門川京都市長も駆けつけて、京都の町における古書業界の存在感が示されました。もっとも幼馴染、同級生、縁故を辿れば、誰もが知り合いといえるほどの町です。
京都組合員は総勢約160名。殆どが市中に店を構え、何代も続く老舗があり、お互い同志の付き合いでも二代、三代に及ぶ場合さえあります。いわば大きな親戚の集まりのようなもの。ここから声が掛かれば、断れない場合が多いでしょう。
懇親会も、そんな身内感覚で、和やかな雰囲気で終始しました。しかし盛り上がっている最中に、司会進行のキクオ書店三代目が「近隣からクレームが入っているようです」と報告したのは、あながち冗談ではないかもしれません。
マイクを使ったスピーチ、余興は、御所南という閑静な住宅街では確かに近所迷惑なものだったと思います。しかしそれもこの日限り。この先は上手にそつなく、ご近所づきあいをしていくはず。京都人ですから。
2010年12月12日
公務出張
今朝はバス通勤。日曜日で本数が少ないので、ネットで渋谷行きを調べると、ちょうど7時45分が出たところ。次は8時5分。
朝の20分というのは、家で支度などしていると、あっという間に過ぎてしまいますが、バス停でバスを待つ20分は、永遠とも思えるほどの時間です。
ともあれ8時に家を出て、実際には10分に来た5分発のバスに乗ることができました。
店の前には朝日が一杯に差し込んでいて、いつもとは違う光景のよう。つい二日ほど前に、壁面を覆っていた足場が取り払われたからです。以前の姿に戻っただけなのに、さっぱりとして、何やら頼りないような印象。
さて、今日は京都へ出かけます。京都の古書会館が、新しい場所に移転して、そのお披露目の式に招かれました。日帰りですから、戻るのは夜の12時前になりそう。
折角の機会なのに、ゆっくりして来られないのが少し残念。しかし40年前の京都は既に記憶の中にしかありません。いたずらに懐かしがって故地を経巡っても、影を追うようなものであることは何度も経験済み。
京都で同業に会い、お祝いを述べ、お互いの情報を交わしあう。足代もいただいているわけですから、仕事と割り切って行ってまいります。
ご報告は明日にでも。
朝の20分というのは、家で支度などしていると、あっという間に過ぎてしまいますが、バス停でバスを待つ20分は、永遠とも思えるほどの時間です。
ともあれ8時に家を出て、実際には10分に来た5分発のバスに乗ることができました。
店の前には朝日が一杯に差し込んでいて、いつもとは違う光景のよう。つい二日ほど前に、壁面を覆っていた足場が取り払われたからです。以前の姿に戻っただけなのに、さっぱりとして、何やら頼りないような印象。
さて、今日は京都へ出かけます。京都の古書会館が、新しい場所に移転して、そのお披露目の式に招かれました。日帰りですから、戻るのは夜の12時前になりそう。
折角の機会なのに、ゆっくりして来られないのが少し残念。しかし40年前の京都は既に記憶の中にしかありません。いたずらに懐かしがって故地を経巡っても、影を追うようなものであることは何度も経験済み。
京都で同業に会い、お祝いを述べ、お互いの情報を交わしあう。足代もいただいているわけですから、仕事と割り切って行ってまいります。
ご報告は明日にでも。