2011年02月

2011年02月18日

学問は長し

少しずつ、ご蔵書を整理されてはお送りくださる水谷先生から、郵便物が届きました。

早速開けてみると薄い冊子。日本ギリシア語ギリシア文学会の発行する「プロピレア」第19号(2010.12刊)です。先生のメッセージが添えられていて「3年前にお送りした雑文の続編がやっと活字になりました…」とあります。

「古典に見えるマルメロあれこれ」というのが、そのタイトル。8頁ほどの、決して長いとは言えないエッセイです。いかに古典学の世界とはいえ、あまりにも浮世離れした間隔ではないでしょうか。

そう感じながら読ませていただき、ついで編集後記を読んでみて事情が明らかになりました。本来なら3年前に出されるべき号が様々な事情で昨年ようやく上梓されたということのようです。

その事情の大きな部分は学会創設時からの中心人物を喪ったためで、本号は、その先生への追悼号としても編まれています。そのご逝去は2006年。

しかしこの4年という歳月の隔たりは、初めに感じたようなのんびりしたものではなく、むしろ各会員さんが、忙しい本業の合間をやりくりして会を維持してこられたことを意味しているのでした。

そう思って改めて冊子を見てみると、1989年から確実に年一回発行を続けて18号までを出された、その篤実な歩みに、学問への限りない愛着が感じられるようです。

更に感心したのは、3年を経て完結した文章が、何の不都合もなく繋がっていることです。2000年前の話をするのに、3年の時間はどれほどのものでもない。さすがは古典。今度こそ超俗の世界に感嘆しました。

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2011年02月17日

一つくらい忘れても

朝の空模様から、てっきりこのまま雨になると思って、表の棚もコンパクトに出して、降りかかりそうなところにはビニールシートまで掛けましたが、やがて晴れてきて、一日穏やかにお天気が持ちました。

その朝のうちは、中央市会大市の出品準備。「集荷に伺いますが」という電話が数日前にあり、それならば何がしかお付き合いせねばと、いつもながらの貧者の一灯を用意しました。

もう一つ出かける前に準備することがあって、それはバレエ関係の洋書を二冊ご注文のお客様が、他にも何かあればと期待して今日の夕方ご来店になるとのこと。おススメを何とか二冊探し出し、ご予約の本と一緒にしておきました。

お昼を食べてから、古書会館に。TKIの月例会議です。2時から6時まで。ただし、その前に一件飛び入り会議があって、午後1時過ぎ会館に着き、そして今、7時を回って店に戻ったところです。

店番のミセスCからも「今日はなんだかバタバタと忙しかった」との報告を受けました。ただし「売上に反映しないことで」との注釈つき。確かに表の透明シートも、朝かけたままの状態で、いろいろとやることが多かったのでしょう。

店主も例によって一つ忘れ物。先日南部で仕入れた本の一部に切抜きがあり、値引きを申請したのですが、その現物を今日ついでに、市場へ持って行くつもりにしておりました。今朝まで何度も確認していたのに、いざ出かける段になると、すっかり失念していたようです。

まあ、忘れたことより、忘れなかったことの方が多かったのですから、良しとしなければ。おかげさまでバレエ本は、四冊全てお買い上げいただけたことですし。

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2011年02月16日

運命の糸

洋書会で落札した本が届き、早速荷を解いて、一冊ずつ確かめました。

CNRS(Centre national de la recherche scientifique)で出している、演劇文化史関連の本がまとまっていて、まずそれが興味を惹いた第一の点。

もう一つ、東方教会の儀礼や音楽に関する本が何冊かあり、それにも注目させられました。

特にWellesz,Egon. A History of Byzantine Music and Hymnography.(Clarendon, 1961)という一冊には、タイトルページに見覚えのあるサインがあります。忘れもしない、野村良雄さんの旧蔵書です。

それで手に入れたいという気持ちが強くなり、しっかりした札を入れ、無事、我が物となった次第です。今日改めて調べると、野村蔵書は他にも何冊かありました。

あの音楽書を中心とした大量の口が市場に出て、その一部を買うことができたのは何時頃のことだったか、と記憶を手繰ろうとして、ふと本に挟まっている小さな紙片に目が行きました。何と、小店の伝票片ではありませんか。

やがて調べがつきました。10年前、まだ城南展に参加していた頃、市場で仕入れた一口をその目録に載せ、お一人の方から10点ほどまとめてご注文をいただいています。その大半が含まれていました。

昨日買った本は全部で60冊ほど。小店がお売りしたものはごく一部に過ぎません。しかしその他の本も、小店の品揃えと重なるところが多い。だからこそ、強い札になったのでしょう。

それにしても、自分で売った本を忘れていたとは。まあ、手に入れて、スグに売れてしまったからだと言い訳しておきましょうか。

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2011年02月15日

商売と職務と

昨夜、あっという間に積もり始めた雪は、今朝、ザラメ状態になっていて、幸いなことに車で出るのに支障はありませんでした。

しかし自転車には不向き。前方で停止中の車の脇を抜けようとして、路肩に寄せられた雪に車輪を取られ、中年男性が転倒するのを目撃。大事に至らなくて幸いでしたが。

昨夜は昨夜で、降りしきる雪の中、歩道上とはいえ傘をさして片手で自転車を漕ぐ女性を見ました。こちらも決して若いとは言えない方。無事にお帰りになれたでしょうか。

今朝はまず五反田へ。支部の役員会です。通常土曜日ですが今月は変則。そのせいか、いつもよりお休みが多かったよう。もちろん大多数の班長さんは出席。支部員さんの、日頃のご様子を伺うことができました。

終わってから本部会館へ。お昼前に着くと、洋書会は荷物が少なめ。しかし、小店主にとっては興味のある本が出ていましたので、じっくり見定めて数点に入札。結果として3点落札することができ、まずまずの収穫でした。

明日には店に届くはずですから、もう一度よく改めた上で、新入荷がご紹介できればと思います。

3時からもう一つ会議。これは、組合員のための新しい配送システムを構築しようというもの。会議というよりは、担当して頂ける業者さんとの打ち合わせですね。

大分固まってきて、実現に向けて、大きく一歩踏み出したところ。利便性の高いものになるはず、イヤしなくてはなりません。

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2011年02月14日

ドイツの現代文学

56 Autoren Photos Karikaturen Faksimiles : biographie,
bibliographie 1945-1970.(Aufbau-Verlag,[1970])

今、手元で眺めているのがこの一冊。ちなみにこのタイトルはNACSIS Webcatに拠りました。書誌を取るのが難しそうな本。この表記もかなり恣意が混じっています。それは仕方ないとして、biographie, bibliographieの頭文字は、やはり大文字でないとまずいでしょうね。

そのタイトル通りの内容の本で、出版社の25周年に出されたものらしい。20周年に一度出ていて、増補版のようです。

第一部が自伝を含む小伝。第二部が作家の顔写真、似顔絵、草稿影印。第三部の書誌というのは同社の出版記録になっています。最終ページ数は401(ここでもWebcatは間違い)高さ20cmB6版を少し細くしたような版型。

これくらいの手頃な本が日本にもあると、本屋には便利かな、というのが最初の印象。しかし、今ではもうあまり意味がないかな、というのが次に来た思い。一番役に立ちそうなのが本人の筆跡と自筆署名ですが、そういうものを扱う機会は、今後ますます少なくなりそうだからです。

そんな実利的な関心はともかく、絵や写真を見ているだけで面白い本です。しかしいかんせん、56人の作家の中で、知った名が極めて少ない。ビッグネームはヘッセ、ブレヒト、T・マンくらい。

日本の現代作家を国際的な知名度という点から見れば、似たようなことなのかも知れません。

書影でも入れようと思ったら、カメラが電池切れ。後日、挿し込んでおきます。(2月16日アップしました)
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2011年02月13日

打率で稼ぎたい

三連休で今日が一番少ないお客数。ようやく晴れたというのに。いや、だからでしょうか。

ただ、一点、割合に高額の本が売れたので、売り上げ高は三日間で一番。しかし偶然頼み、ほとんど『待ちぼうけ』の世界です。

確定申告の時期が近づき、間際になって焦らないよう、少しずつ去年の帳簿整理を始めました。それで明らかになった昨年の成績は次のような具合。

まず昨年一年間の店売りは、一昨年に比べて20%減。ネット売りの方は、ほぼ横ばい。一方、市場での売りが倍増。その結果、総売上としては前年に比べ微増というところ。

このご時世に、結構なことのように思われるかもしれません。しかし、そもそも一昨年は、その前年に比べ20%のダウンです。ここで安定していては困ったことなのです。

しかも、一昨年のダウンは、その前年に比べ、市場への売りが半減したため。つまり良質な買い物に恵まれなかったという側面が大きく、店売りそのものは横ばいでした。

それに対して昨年の場合は、店売りの減を、お客様からの買い入れでカバーした形。つまり基礎体力の低下を、カンフル剤で補ったようなものです。

いつ有るかわからない買い物頼みではなく、日々の売り上げを維持していくのが、営業を安定させるために重要なことは言うまでもありませんが、今年に入っても、店売りは、依然として厳しい状態です。

出会い頭のホームランでなく、コツコツと打率を稼ぐための方策を、どうすれば見つけられるでしょうか。

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2011年02月12日

荒んだ運転

一日中降ったり止んだりのぐずついたお天気で、夜にはまた雪模様。しかしこれは一時のこと。明日は回復の予報です。

三連休の中日とあって、朝、店に向かう道路も空いていました。殆どストレスもなく246を大橋まで来て、東邦病院の方へ左折。病院前は、センターラインのない対面通行。左右に車が止まり、前方からタクシー、左の路側帯を数人の歩行者がこちらに向かってきます。

ブレーキを踏んで徐行し始めたとき、後ろからクラクション。それも一度ならず。病院前を抜け、片側一車線となったところで、制限速度30kmの表示を見ながら、少しばかり踏み込みました。

突き当たりの信号までは直線でおよそ300m。このスピードでも、今の赤信号で停車することになるのはわかっています。

しかし後ろの車は焦れたようにセンターラインへはみ出し、遂には追い越しに掛かりました。アクセルから足を離し、先に行かせます。何をそんなに急いでいるのでしょうか。

先日は、世田谷線の踏み切りで一旦停止したとき、そのまま追い越して前に出た車がありました。やはり片側一車線。その先しばらくは後をついていく形になり、やがて信号で止まろうとする車をもう一台、追い抜いていきました。

近頃気になっているのは、黄信号で止まる車が殆どいない事です。タクシーなどは、赤になったのに今気がついた、という顔で突っ込んでいきます。

大きな交差点などでは全部赤になる時間が設けて有りますが、これがいつまで事故抑止になるのか、運転歴40年のへっぽこドライバーとしては、この状態を憂慮しております。

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2011年02月11日

雪の連休初日

朝から雪。

祝日で、普通なら本部会館の市場はお休みですが、21日が中央市会の大市のため17日の明古が休会になるので、二週連続の休会はまずかろうと、今日、開催することになり、神田へ出かけました。

店はもちろん営業です。ただ午後6時まで。となると、営業時間中に店に戻ることはハナから無理ですから、まっすぐ家に戻ることにしたほうが楽。それで車ではなく、バスで出勤いたしました。

バスには同じような年恰好の母娘連れが何組も。駒澤大学駅の停留所を過ぎて、車内が空くと余計に目立ちます。やがて三軒茶屋を過ぎ、昭和女子大のバス停で、一斉に降りて行かれます。

向かい側の歩道を見ると、三茶の駅から同じようなペアが、傘を差して長く連なっていました。

店について、一休みして、開店準備。

車で来なかったなかったのには、もう一つ訳があります。このお天気、棚を出した時に、本が濡れてしまわないよう、そのスペースを確保するためです。

思惑通り、全部の棚を軒の下に並べることが出来ました。これで今日一日、店番を任せておいて安心です。しかし店を開けて、外の様子を伺っても、お客様の気配はまったくありません。

さて夜、戻ってから聞くと、こんなお天気の割には健闘した様子。というよりは、お天気が良かろうが悪かろうが、そこそこの売り上げしかないということでしょうか。

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2011年02月10日

会議を減らすための会議

午後から古書会館へ。2時から5時までがTKIの会議。6時から7時までが合同会議。

終わって店に戻ったのが午後8時。店を閉め、家に戻って夕食を取り、食後ちょっとゆっくりしていたらもうこんな時間。慌ててこれを書いています。

TKIの方は、来週開く定例会議の予備会議。月に一度では4時間話していても積み残しばかりだということで、今の部長になって恒例化したもの。それでも充分とはいえませんが。

合同会議も月に一度。こちらは理事会での討議事項を組合員に伝え、組合員からの意見をくみ上げることが目的ですが、限られた時間と出席人数の多さのため、突っ込んだ話は出来ません。

こんな具合で一つ一つは食い足りないような会議が、合わせると月に何回になるのでしょう。参加する側としては、商売の時間を大きく割かざるを得なくなり、負担感が増して行きます。

決して店主の個人的な問題を申し上げているわけではありません。常に誰かがこうした役回りを求められるとしたら、その構造を変えていかなくては、役員のなり手がなくなってしまいます。

そこで何とか改善しようと、改革に手をつけるとなると、また新たな作業が必要となります。役員の仕事を軽減し、定数を削減し、そんな新たな定款を次の総会には提出しようとしています。

今度はそのための会議も、立ち上げなければなりません。理事の一番の仕事が、理事の負担を減らすための算段で、そのことで忙しくなる。笑うに笑えない喜劇です。

明日から世間は三連休。

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2011年02月09日

名のみの春

昨夜からみぞれ。今朝までぐずついて、家を出ようという時分、大きな牡丹雪になりました。店に着いたころにはあがって、昼前には日も差して。それでも気温の低い一日でした。

外でお選びになった本を差し出すお客様の手が、どなたも赤みを帯びて、いかにも寒そうでした。

店の裏で昼をいただいているとき、手近にあった新聞の書籍広告(いわゆるサンヤツ)が目に入りました。そのタイトルを目で追いながら、果たしてこのうち、どれだけが電子書籍化されうるかと考えました。

『遺言に関する法律相談』『人生の言葉』『良い保険、ダメ保険の見分け方』『徹底検証・トヨタ』『星野式温熱リンパ球治療』『ロト6は「億万長者ボード」を重ねるだけで劇的に当たる!!』『図解でわかる!ニーチェの考え方』『随筆出発(たびだち)の光』

ちなみに本日の東京新聞朝刊です。こうしてみると、まず古本屋が値を付けそうな本は見当たりません。しかも電子化されそうなものも少なそう。そう気がつくと、今まで大きな考え違いをしていたかもしれないと思い始めました。

すぐに消費されるような本は、むしろ電子書籍化されたほうが良い、というくらいに思っておりましたが、実際はそのような本は電子書籍化されることは少ないのじゃないか。読み返しのきく、つまり取っておきたいような本が電子化されるのじゃないか。

良い淘汰が進むかも、という、かすかに抱いていた期待は俄かに暗転し、良貨の駆逐された「紙本」の世界を想像して、いささか暗澹たる気分にさせられました。

konoinfo at 19:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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