2011年12月

2011年12月11日

南部の収穫

朝、車で川崎へ。二子玉川の橋から、真っ白な富士山の頭頂部が、正面の山並みの上にくっきりと見えました。用を済ませて五反田へ。中原街道を一本道です。日曜日の午前とあって、車の混雑も殆どなく到着。

この会館は、市場の日以外はシャッターが下り、ドアには鍵が掛けられていて、各自がカードキーでロックを解除して入る仕組みになっています。しばらくぶりの時など、今でも操作の手順にまごつきますが、今日は幸いなことに先客がありました。

先客の一人は、市場の主のような現支部長。「落ちたかどうか見に来たんだけど」と言うと「落ちてたよ、沢山」。

二階に上がると他に同業が二人。挨拶代わりの与太話を交わしてから落ち荷を調べました。謡本を含む芸能関係5本口、それに数学書4本口が二点。点数は僅かですが、確かに結構な量。

早速、車に積み込んで会館を出ました。施錠する必要もないので、誰かいてくれるととても楽。間が良かったわけです。

帰ってから本を改めると、80冊ほどあった謡本は、8割程度に鉛筆による書き入れがありました。値引きしてもらおうかと思いましたが、この量をまた運ぶのも面倒。話がつくまで保留しておくのも場所塞ぎ。RIMG0685

まったく利が出ないことも無かろうと、気持ちを切り替え、値付け作業に取り掛かることにいたしました。

数学書は多くが学習書レベルですが、年末、年度末と学生さんが試験の参考書を探しに来ることを、期待しての仕入れです。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月10日

札だけ入れて帰る

RIMG0691本当の寒さはこれからだということに、今朝の寒さで気がつきました。かなり冷え込んだのですが、庭に出てみると、霜柱一つ見つかりません。まだ冬のとば口に立ったところです。

今日は、駒場キャンパスが終日停電、断水だと聞きました。そのせいでもあるのでしょうか、店内の本が殆ど売れません。それとも、そんな事は無関係に、ただお客様が少ないのでしょうか。

そういえばお昼前の時間、前を通りがかると、珍しくつけ麺店に列がありませんでした。

通りがかったのは、五反田へ出かけた帰り。南部古書会館では今年最後の入札市があり、迷いながらも行ってみたのです。売れないからといって仕入れを控えると、売上の伸びはますます見込めません。

もちろん、市場に行ったからといって、仕入れられるとは限らないのが、入札の厳しいところではありますが。

さらに、仕入れられたかどうか、つまり落札できたかどうかについて、本部の市場なら店に戻って自分のPCから結果を確認できますが、南部の市場はそうは行きません。

電話で問い合わせれば教えてくれますが、忙しいところにかけるのも気が引けます。とりわけ支部員として、普通ならお手伝いの一つもしてくるべきところを、さっさと帰って来たのですから。

以前は、午後三時ころまで、開札のお手伝いをしました。近頃は若手を中心に、人手は充分足りているように見受けられ、それをいいことに、遠慮させていただいているわけです。

明日、車で出かけるところがあるので、その帰りにでも会館に寄ってみようと思います。落ちていても、落ちていなくても、安堵と不安が交錯することに変りはありませんが。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月09日

就職氷河期

組合の職員さんが一名、年内一杯で退職されることになり、急遽新規採用の募集をかけました。

飯田橋のハローワークへ申し込んだのが12月1日。応募締め切りが昨日、12月8日。届いた書類は、何と111通に上りました。

今日は午前11時から、組合の役員会議室を使って書類選考。全員とお目にかかるわけには行かないので、まず面接対象者を選び出さなければなりません。

その人数も、こちらの準備態勢を考慮して、6〜8名に絞りたいと思いました。

ほぼ一日がかりで、選び出したのが合計9名。これほど神経の疲れる仕事もありません。組合のためにベストな人材を選びたいのはもちろんですが、お一人お一人の思いも、それぞれに伝わってきます。

立派な経歴や、資格を見ていると、これほどの方々が、このささやかな組合に応募していただいただけでも有り難いことに思え、ますますふるいにかけ辛くなってきます。

しかし、心を鬼にして、諸条件を当てはめ、選び出しました。その中には、我が組合の寸法に合っているかということもあります。つまり、あまりに学歴、職歴が優れ過ぎていても、外す対象となってしまうということ。

そのようにして残ったのは男性が三名、女性が六名。次週の金曜日、面接を行って、その中からお一人、新たな仲間としてお迎えすることになるはずです。

それにしても、募集に際して性別はもちろん、最近では年齢に制限をつけることも許されません。これは機会をRIMG0692公平にということなのでしょうが、募集側にも応募者にも、余計な苦しみを与えているように思えてなりません。

来週もまた、辛い一日になりそうです。

konoinfo at 22:52|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2011年12月08日

ちょっと贅沢な忘年会

RIMG0687危うく午前様。だったらどうだということはありませんが。

12月の理事会は、恒例で忘年会を兼ねることにしていて、そのためいつもなら午前10時からのところを、今日は午後3時から会議を始めました。

会食は午後7時からの予定。会議終了は午後6時半。いつもの議題のほかに、来年4月の、全古書連総会に合わせて開催する市場の運営について議論が白熱し、慌しい移動となりました。

四谷のフレンチ、北島亭。店主はトンと疎かったのですが、家人に話すと羨ましがられました。この時期に、17人で貸切というのは、運が良かったといえるようです。

理事仲間に料理本を専門にする書店がおり、こうした店に顔が利くという強みが活きたかもしれません。

その書店によれば、あっさり目のコースをお願いしてあったはずですが、ボリュームたっぷり。最後のデザートは多くが手付かずで残り、お土産にしてもらっていました。

魚料理を除いて、肉料理やオードブルなどのプレートは数種類ずつ用意され、適宜振り分け。イタリアンと違って気楽にシェアできないところを、我慢できず、お行儀無視。少しずつ分けあって、頂きました。

少しは羨ましがられるようなことがないと、この先、組合役員の引き受け手もありません。これもお役目だと思って、しっかり飲み、かつ食べ、師走の一夜を過ごしました。

ただし、話題はやはり、会議の続きに傾きがち。なんとも熱心な仲間たちです。食事が終わると10時半、二次会などもなく、かえって安上がりだったかもしれません。

konoinfo at 23:55|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2011年12月07日

喜べない正解

RIMG0693先日一度伺って、お引取りしてきた某大学のA先生から、再びお電話があって、今日の午前中にその研究室まで出かけました。

資料会大市にも行きたかったのですが、どうしても今日しか都合がつかないということでしたので。

前回は現代思想系の売れ筋本を、ご処分いただきました。とはいえ、いかんせん校費購入で、殆どの本の標題紙に大きな校印が押してありました。

それでも本がきれいでしたから、うんと安くして表の棚に並べておいたら、学生さんに結構喜ばれ、掃けていきました。そこで今回も、お伺いすることにしたのです。

何冊か、印のない本もご用意いただいていました。近年のものには押されていないそうで、それだけ新しい本ですから、有り難く買わせていただきました。

そのうち、「これはどうだろう」と手にされた洋書に、印がないことが分かり、「これなら高く買ってもらえるんじゃないの」と期待を込めてお渡しになります。

4冊組の立派な装丁の本を受け取って調べ、「直感では2000円から3000円というところです」と申し上げると、あまりの安さに驚かれた様子。

何しろご専門の分野の本です。ご納得がいかないようで、出来るならこの場で調べて見て欲しいと仰います。

先生のコンピュータをお借りして、米国のサイトを検索してみました。すると結果は予想通り、いやむしろ、さらに安い値も並んでいます。

先生は肩を落として納得されました。「確かに20年前の専門事典ですからね」と。店主は一応面目を施したわけですが、少しも嬉しくなかったことは言うまでもありません。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月06日

在庫の手入れ

東京資料会大市のため、本日の洋書会は休会。一日店にいて、午後からは、裏に篭って在庫の点検をしました。

楽しい仕事とは言えません。なぜなら調べていくと大抵は、値下げをするか、思い切って処分するかという二つに一つ。

中には値下げの必要を感じないものもありますが、それはそれで、なぜ現在まで売れないでいるのかと、頭をひねることになります。

今日手をつけたのは、洋書、それも文学関係の棚。調べながら感じたのは、仏語や独語の本は英語に比べ、オンデマンド化や電子ブック化が進んでいないようだということ。あくまで比較の問題ですが。

その代わり、仏語などは、以前からリプリント出版が猛威を振るっています。こんな本まで、と思うくらい多くのタイトルが復刻出版されていました。

独語の本の場合は、特定の時期のものを除くと、手に入りやすいのか、昔から古書価格が平均して安いという印象を受けます。

洋書の世界でもネット上に在庫が溢れ、日本同様、価格が低落傾向にあるのですが、もう一つ応えるのは円高。

例えば38ドルという定価の本は、今や約2800円。何年か前なら4000円という感じでした。その当時の値付けのものが残っていると、やはり値下げに踏み切らざるを得ません。

RIMG0694しかし一番の悩みは、下げたからといって売れる保証はないということです。

曇って寒く、午後から雨。店の方からは、お客様の気配がまったく伝わってきません。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月05日

目に触れたものを読む

entaxi少しまとまった量の本を引き取ってきた中に、一冊の雑誌がありました。

en-taxi 第10号(扶桑社、2005年)。超世代文芸クォリティマガジン[エンタクシー]と表紙にあります。

その表紙の下部に見出しが並び、真ん中に「追悼特集」「高田渡の響きと伝承」とあるのに、目が行きました。出版年を確かめたのは、その後のことです。そうか、もう6年にもなるのかと。

もちろん面識があったわけではありませんが、友人を亡くしたような気分を感じたのは、まだついこの間のことのように思えます。

「家元・立川談志の秘蔵コレクション」という文字にも惹かれ、拾い読みを始めてしまいました。いかにも古本屋的な読書である、というべきでしょうか。

大掃除の畳替えで、下に敷かれていた新聞に読み耽ってしまうという場面は、四コマ漫画の題材。考えてみれば、そんなことは始終です。

ところで、この雑誌を、今日まで手に取ったことはありませんでした。責任編集として柳美里(当時)、福田和也、坪内祐三、リリー・フランキーの四氏の名が掲げられています。

坪内さんが小店に立ち寄らないなどと、批難がましく言えた義理ではありません。たまたま通りがかることでもあれば、ちょっと覗いてもらえるだけで充分。そう思い直しました。

昼ころ少し人気がありましたが、夜になって静かに。明日はまた冷え込むという予報です。

konoinfo at 19:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月04日

問題はその割合

RIMG0647「古本屋じゃねー?」

声に顔を上げると、表の100円均一の箱に5〜6人、運動着姿の学生が群がっています。

一冊、二冊と題名を読み上げては、何やら冗談を言って笑い合っています。中に、アイスのようなものを食べている御仁がいたので、表に出て、注意をしました。

言われた当人は一人素直にその場を離れ、残った連中は相変わらず、交代で本を取り上げて、その本とは関係のない何事かを語っては笑い声を上げ、本を戻し。

やがて誰かが「じゃ、メシ行くかー」と声を上げると、なんの未練も見せず、あっという間に引き上げていきました。

日中穏やかに晴れたので、絶好のスポーツ日和だったでしょう。部活かサークルか、いずれにせよ、本など読んでいる暇はなさそうです。誰一人、店内を覗こうともしませんでした。

やがて彼らも、本を読むようになるのでしょうか。あるいは本を読む学生は、初めから別の種族なのでしょうか。

長年の経験から言えることは、そのどちらも正しい。

つまり、幼少から本好きの者、どこかで本に目覚める者、そしてもう一つ、ついに最後まで本を必要としない者がいる。そしてこれは、どこの大学であっても同じだということです。

今日の彼らの中には、どうやら幼少からの本好きはいなかったらしい、というだけのことに過ぎません。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月03日

他生の縁

バチン!という音がして、気がつくと左のサイドミラーがありません。

バックミラーを見ながら、車を寄せて止めました。後方で、半開きのドアから降りた男性が、こちらを窺っています。先方の開いたドアに、こちらのサイドミラーの先端が掠ったようです。

冷たい小雨の朝、娘を地下鉄の駅まで送ったあとの出来事。

片側一車線ながら、やや道幅のあるそのあたりには、いくつかコインパークが設けられていて、その一つから少しはみ出すように止まっている車があることは、もちろん認識しておりました。

しかしセンターラインとの間には、まだ充分の幅があり、通行にはなんら支障ない、と判断したからこそ普通の速度で走りぬけようとしたのです。だからその瞬間は、何が起きたのか、まったく理解できませんでした。

少し傷がついたくらいなら、不問に付すこともできますが、割れたミラーは修理せざるを得ません。事故を届けることに。やがて近くの交番から2人のお巡りさんが到着、その指示で交番へ出向き、そこで事情説明。

RIMG0642結局、何やかやで40分以上の時間をとられました。そのあとディーラーへ修理依頼の電話、保険会社への電話。しばらくして先方の保険会社から電話、当方の担当者から電話。

その日、見に来てくれた整備士さんによると、部品の取替えで高くとも3万円程度とのこと。先方の車には、何のキズもなかったことは確認済み。何割の過失を認めてくるかは分かりませんが、お金より面倒の方がずっと大きい。

だから、よほど理不尽でない限り、争う気はありません。明日にも、取り替えてもらいに行く予定です。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月02日

蔵書一代

明治古典会は3階のみ使用。東京資料会の大市準備が始まっているところを、このフロアだけ空けていただいての開催です。

出品量はいつもより少なめですが、スペースがいつもの半分なので、隙間なくぎっしり並びました。

今日、店主の興味を引いたのは「真鍋博蔵書シール付」と封筒に注記された一口。言うまでもなく、SF作品への挿絵などで著名なイラストレーターの旧蔵書です。

美術系洋書が中心でしたが、今回出品された限りでは、本自体に、格別値打ちのあるもの、貴重なものは、あまり含まれていなかったようです。

価値はむしろ、誰が旧蔵していたかにある。となると、その証となる「蔵書シール」が、どんなものか気になります。仕分けられた一つの山で、一冊、また一冊と本を開いて調べてみました。

数冊見ても、なかなか見当たりません。そのうちようやく裏表紙裏中央に、3センチ四方ほどの、小さなラベルが貼られていることに気づきました。

メタリックな地に小文字のmが図案化され、細かなアルファベット文字でHIROSHI MANABE とあります。彼らしさの現れた無機質なデザイン。

通常は表紙裏に貼ることが多いので、前見返し中心に調べていたのが、見落としていた原因です。改めて見ると、殆どの本に貼られていました。

年齢よりずっとお若く見えましたから、亡くなられたとき、そんなお年だったのかと驚いた記憶があります。しかRIMG0649し、今調べると11年前のことで、享年68。早いご逝去というべきでしょう。

ひとしきり本を見て回った後は、夕方まで会議。夜はそのメンバーで食事会でした。

konoinfo at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives