2012年03月

2012年03月31日

ピーターラビット

1374463542ある日、一本の電話が入りました。

「ピーターラビットの初版があるのですけど」

思わず絶句したのですが、先を伺うと、形見として譲り受けたもので、元の持ち主は、他の何にもまして、これが貴重なものだと仰っていたとか。

それで気になって調べているうちに、初版であれば大層高価なものだという情報を得られたらしく、たまたま小店が、以前ブログで触れたことがお眼にとまり、ご相談いただいたというわけです。

確かに、その私家版は、児童書の中でも飛び抜けて高額で取引されています。もとより、それであるとは思いませんでしたが、市販本でも初版であれば、充分に高価です。

ふと耳をそばだてたのは、お話の中で「扉に○○という印があるのですが、それでも値打ちが有るでしょうか」というくだり。有名な蔵書家のお名前でした。

一見の価値はあると思い、拝見したいと申し出ますと、その日のうちに宅配便でお送りくださいました。

翌日届いた包みを開けて、まず私家版でないことが分かり(当たり前ですが)、表紙を開けて市販本の初版から三刷以内でないことも分かりました。

見返しには確かに著名蔵書家の印。しかし総ページ数から、1904年以降の版と確かめられました。1910年頃までに求められただろうとは推測されますが、古書としては、むしろその印の方に価値がありそう。

CA3K0124すぐさま詳しい説明文を添えて、ご返送いたしましたところ、後日、なにやら安心されたようなお返事が、メールで届きました。

それで店主も、本と一緒にお送りいただいた焼き菓子を、心置きなくいただいたという次第です。

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2012年03月30日

月末金曜日

CA3K0125今日中に信用金庫に寄って、済ませなければならない手続きがあったので、朝、明治古典会に行く前に、歩いて池尻大橋の店舗へ行きました。

着いて窓口で担当者と向かい合い、いざ手続きをと、バッグから書類を取り出すと、必要な通帳がありません。出掛けに二通まとまっていたうちの、古い方を持ってきてしまったようです。

何とかそれ無しで済ませられないかと訊いても、やはり無理。仕方なく店までまた歩いて戻り、すぐ取って返しました。片道15分弱。このために45分を費やした勘定になります。

月末の、何だかだと忙しい、こんな時に限ってこんなポカをやらかしてしまうもの。この上焦って、さらにミスを増やさないようにと自分に言い聞かせながら、コートを抱え、少し汗ばみながら歩きました。

市場に着いたのは12時半頃。すでに幹事仲間の昼食は終わり、経営員たちに交替したところ。若い彼らに混じって、「じんぼう」の特製弁当をいただきました。特選市とあって、ちょっと奮発したものと思われます。

経営員たちは20代後半から30代半ばに掛けての男女。その会話を聞いていて、まるで違う言語を話しているのではないかと感じる瞬間がありました。

もちろん、言葉の意味が分からないというわけではありません。しかし彼らにとっては、話の意味内容よりも、ノリとかテンポとかのほうが、重要なコミュニケーション要素となっているように思えます。

食事時の軽い会話だからということもあるのでしょう。会話をセッションのように楽しむというのは、昔からあったことも確か。要するにそのノリやテンポが、昔とは随分違ってきたため、店主などは入り込めない雰囲気を感じたということでしょうか。

午後から、新規加入者面接、デジタル市準備で夜まで追われ、入札しようと思っていた一点、入れ忘れていたことを今になって気づきました。

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2012年03月29日

週末お休みします

朝からたっぷりの陽射しに、日除けシェードを降ろしました。今年になって初めてのような気がします。

新学期を控えて、新入生らしい姿がちらほら。時に親子連れをお見かけしたりすると、近年は次第に、その親御さんの若さが、驚きの対象になってきました。

そろそろ新年度に向けて、動き出しているのでしょうか。長く動かなかった教科書が、今日は何冊か売れたようです。

しかし、もともと極めて在庫僅少。以前に較べて、持込みは随分少なくなりました。たまに有ったと思えば、卒業後何年も経った方で、既に使われなくなった教科書ばかりだったりします。

4月に入りガイダンスが始まると、新入生はグループになって探しに来られるのが例年のこと。その時分には「教科書類は売り切れました」の貼り紙でも出しておくようにしたほうが良さそうです。

CA3K0128貼り紙といえば、ただ今、店の内外に四箇所、今週末臨時休業のお知らせを貼り出しています。今日からホームページにも表示しました。

土曜日まる一日と、日曜日の午前中、お休みを頂きます。何とぞご注意下さいますよう。

もちろんネット販売にお休みはありません。「日本の古本屋」からでも、小店のホームページからでも、ご注文いただければ、できる限り迅速に対応いたします。

また来週、再来週は、全古書連デジタル入札会の準備と本番とで、店主が店を空ける事が多くなりそうです。お客様にご迷惑やご不便をお掛けしないよう、充分、対策をしておくつもりでおりますが、予めご承知置きを願う次第です。

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2012年03月28日

朝から晩まで

CA3K0113色々と事情が重なって、今日は開店から閉店まで一人きりで店番。随分と久しぶりのことのような気がします。その方が普通だった時期もありました。はるか昔ではありますが。

例えば開業してしばらく。通うに車もなく、店番も雇わず(雇えず?)、生後数ヶ月の第二子をおぶったツレアイに、必要な時だけでも留守番を頼めるようになるまでの間、日々どうやって店を開けていたのだったか。

あの頃は売れた、というのが本屋の昔話の定番ですが、小店に限っては、あの頃も今も、手応えを感じるほど売れたことは、ついぞありません。

それでも子らは育ち、車が足となり、店番のミセスたちやχ君がいます。楽になった実感はないのですが、長い年月を本屋として過ごしてこられたことだけは確か。

さて、たった一人で店番の今日、朝のうちは昨日に増して暖かな陽射しでしが、天気予報では、午後に一雨。空模様を気にしながら、早めに表の本棚を濡れない場所に移動しました。いざという時に限って、お客様がお会計に来られるものですから。

四時頃でしょうか、なにやら風花が舞ったように見えた時、お客様が帳場へ。「この他に富士川英郎さんの本はありませんか?」とのお尋ね。確か裏に一冊あったはず。在庫場所をパソコンで確かめて、奥へ引っ込んで戻ってくると、地面が濡れています。

備えあれば憂いなし、と会心の思いで表に目をやると、引っ込め忘れた台車が一台。慌てて雑巾を持って飛び出しました。

裏から出してきた本、お客様は既にお持ちとかで、他の数冊をお買上げいただき「大学へ来ると、ここへ寄るのが楽しみで」。

結局、こんなお言葉に、今日まで支えられてきたのでした。

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2012年03月27日

分かっていて出来ない

散髪。なかなか時間が取れなくて、今回も随分と伸びてしまいました。懸案を一つ片付けて、身も心もすっきり。

店に着いたのは午前10時半。日差しとともに、急に春めいた陽気。まるで桜の開花予想が週末頃と出て、お天気の方も慌てて準備を始めたかのよう。

CA3K0115しかしそんな好天でも、お昼頃までレジは鳴らず。ネットも低調。三月がこんなものだったろうかと、過去の記憶を手繰りました。もちろん振り返ってみたところで、現状が変わるわけでもありませんが。

昼前に店を出て古書会館へ。今日の洋書会は会場満杯の出品量。着いた時、当番会員たちは月末の「うなぎ」の最中。まだ仕分けを続けている人もいて、少しばかりお手伝い。

何口か、まとまった出品があったのですが、いつもながら不思議なことに、ある傾向に偏るものです。英語が少ない、文学系が少ない、一方で言語学系が多い。

今日も日本書の口があったおかげで、来場者が多く、市場に活気がありました。大きな山も買い手がつき、無事に捌けたのはたいしたものです。

それにしても、皆どうやって、大量に買い込んだ本を処理しているのでしょうか。もっとも小店も、美術、歴史の大判ビジュアル書を落札。明日届いてから、どこに置こうか、また頭を悩ませることになります。

てきぱき片付け、どんどん入れ替え。解決策はそれに尽きる。頭の中では、とっくに答えは出ているのですけれど。

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2012年03月26日

オリンピック前夜

イメージ (27)昨日に続いて小冊子をご紹介。今は懐かしい、BOACの日本案内パンフレット。B6版中綴じ48頁、表紙付。

昨日の冊子から10年程経った、60年代初頭の印刷物。その手がかりは第10頁にある横浜マリンタワー(1961年開業)の写真と、第37頁にある「こだま」の写真。

boacつまり新幹線が開業(1964年)する前、というわけ。文中でも、東京がオリンピックに向けて急ピッチで変わりつつあることを紹介しています。ホテルを初め、様々な広告が楽しいのですが、カメラ店と真珠店が多いのも時代を感じます。

一番可笑しかったのは関西の紹介で「大阪の町自体は観光客にとって美しいところではない」というくだり。当時クレームなど出せなかったのでしょうか。現市長なら間違いなく噛み付くところ。それに続く京都、奈良は見所一杯というオススメぶりなのに。

さらにパラパラめくって見ていると、「日本の劇場、映画館はどこも禁煙」という一文が目に付きました。

店主らの年代だと、昔の映画館は煙が立ち込めていたという記憶があります。不思議に思ってWEBを検索してみると、やはりその手の話がいくつも出ていました。

ただ、中に「一流館では昔から禁煙だった」という文を見つけ、成程と腑に落ちました。庶民の記憶に過ぎなかったわけです。

ついでに面白いサイトを見つけました。go-smoking友の会。「映画館や劇場での喫煙という至福」という、筒井康隆氏の短文が検索にかかったのがきっかけです。

毎朝、隣のコンビニ前に作られた喫煙場所から流れてくるタバコの煙に悩まされている店主ですが、愛煙家たちの繰言を聞くのは、嫌いではありません。

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2012年03月25日

面白い冊子に遭遇

イメージ (29)縦15cm、横11cm、中綴じですからその倍の大きさの紙11枚を折って、頁付けは
43頁まで。それに色刷りの表紙がつけてあります。挿絵入りの小冊子。

標題紙も刊記もなし。開くといきなり序章。頁番号のない44頁目には、下方に罫で囲まれた簡単な発行情報。

This booklet was prepared by
Troop Information and Education Section
General Headquarters, Far East Command

webcatによると二館が所蔵、国会図書館にはマイクロフィッシュで収蔵。そのいずれも、出版年を1952年と特定しています。確かにタイトルからも分かるとおり、内容は、講和条約により主権を回復する日本とその国民に対し、友好的に民間交流を進めようという、啓蒙の書。

自ずと時期は明らかですが、国会図書館の資料には1952-01と月まで明示されています。おそらく発行時の情報なのでしょう。

サンフランシスコ講和条約調印が1951年9月、発効が1952年4月。その只中での発行物と分かって見直すと、俄然興味深く思えてきました。

以下に章題だけ載せておきましょう。

introduction/ past performances/ the new life/ meet the
japanese people/ dress/ your children's behavior/
japanese courtesy/ on the more serious side/ how to get
along with japenese servants/ japanese manners/
remember you are the guest/ off with your shoes!/ be a
good scout- be prepared/ baths/ toilets/ you are on your
millionaire's holiday!/ don't sell your own neighborhood
short/ down town areas/ come out, come out, where ever
you are/ "tune in" on Japan/ "nobody has as much fun as
people"/ religion/ shinto/ buddhism/ mythology/ about the
people/ women's world/ housing, facilities and services/
have fun but be careful/ the rest is up to you/ conclusion

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2012年03月24日

近くて遠きは

「覚えてる?」そう言って店主の顔を見つめるご婦人。

見つめ返すと「あ、忘れちゃったか」。それで思い出しました、先日、研究室の本の処分についてご相談いただいた、退官間近の東大教授。

前回は帽子をかぶり、大きなマスクをされ、おまけに眼鏡。思い出せたことが不思議なくらいです。

紙袋をひとつ、目の前に置きました。「あとひとつ」と表に出て行かれ、自転車から重そうに別の紙袋を運んでこられました。

「これは古いけど、同じシリーズが研究室に沢山有るの。要ります?」と化学関係の学習書。「ご専門の立場から、まだ役に立つと思われますか?」そう質問すると「でも、同じような本を学生に見せたら、ほとんど持って行きましたよ」

「うちではお金を出して買っていただかなくてはいけませんので」

「じゃ、これは?同じものが何冊もあって。こんなに送ってこられても困るんだけどね」と出されたのは、ご自身も参加されたらしいシンポジウムの報告書、または論文集。他には、これも送られてきたらしい校史、社史。

CA3K0116「残念ですが、当店では評価は付きません」
「時間の無駄だったか。電話してから来れば良かった。学校に寄付するしかないかな」
「あまり喜ばれないと思いますよ」
「そうかもね」

「三万円もした分子化学関係の洋書なんかはどう?専門店に持っていったほうがいいかな」
「それはその方が」

結局、中公新書二冊と、「なぜ私のところに有るのか分からない」というひと昔前の少年漫画五冊を残して、あとは再び自転車に積んで、お帰りになりました。

二十年以上駒場におられた先生にとって、小店はついに近くて遠い場所のまま終りそうです。

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2012年03月23日

今夜も一杯

CA3K0114明治古典会、ですが今日、市場に顔を出したのは午前11時に市場についてから、お昼をはさんで午後1時半まで。

その内30分は、幹事一同で昼食をとっていましたので、正味2時間。お手伝いをするわけでもなく会場を見て回っただけでした。

刷り物や地図、戦時資料の一口が目を惹いたほか、ポスターや版画などの額物が妙に多い市でした。まるで美術品の市場のよう。もっとも古本屋の市場で扱うのは、それほど高額なものではありませんが。

1時半からは、デジタル入札会の準備会議。品物の流れ、人の手配。何しろ初めての試みですから、シナリオ作りを一からやらなければなりません。普段の市会が、いかに過去の積み重ねの上に出来上がっているかを、改めて知らされました。

今日の会議は実行部隊の打ち合わせですから、店主はもっぱら聞き役。殆ど口を挟むこともなく5時間ほど付き合いました。

まだ続いているところを、一足お先に失礼。再び明古の仲間と、今度は夜の席です。こちらは昨年末から延び延びになっていた七夕大市会計担当の打ち上げ。

既に次の七夕のスタッフも決定していて、動き始めている部署もあるのですから、なんとも時期外れの感はありますが、一応のけじめ。ゲストも交え6人、「神田いるさ」で、ゆっくりと酒食をともにしました。

冷たい雨の中を電車帰り。二日続けてのこと。昨夜といい、今夜といい、どちらも一応ホスト的な立場でしたので、やむをえない仕儀ではありました。

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2012年03月22日

役員合同会議

RIMG1016店開けを済ませ、午前十時過ぎに店を出て古書会館へ。

11時からTKIの月例会議。ちょっと変則の時間ですが、この後に別の会議が控えているため。

お昼にうな重の出前。近頃、うなぎが高騰していて、どの店も苦労しているらしいと聞きました。先月、洋書会で頼んだときも、それが原因だったかもしれません。きょうの寿々喜も、以前に比べて随分縮んだよう。予算を削ったわけではなかったのですが。

その会議は3時まで。幾つか進展があって、近く新しい仕組みを提供できそうです。

午後4時から、組合の中間決算報告を兼ねて、役員合同会議。支部長会と事業部会のメンバーを一堂に。盛りだくさんの報告事項を、一時間半で。

会場として使ったのは竹橋のレストラン・アラスカ・パレスサイド店。皇居を望むビルの9階。会議を終えると、そのまま懇親会。そのための会場設定ではありました。

始まりと終わりに簡単な挨拶があっただけ、後はひたすらビュッフェ形式で飲み、かつ食べ、そしてお喋り。もっとも皆さんの食欲が旺盛だったのか、料理の方は、瞬く間に片付きました。

人数の方は余裕を見て頼んでいたはずですから、もともと少食の人向きのコースだったのかもしれません。

お開きになってから、仕事のために遅れて参加した同僚理事や職員さんを誘って、同じビルの地下食堂街で飲み直しかつ、食べ直し。

このところタイトなスケジュールで溜まった疲れを、少しは癒してもらえたでしょうか。

konoinfo at 23:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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