2012年05月

2012年05月21日

やっぱり大洪水

朝から古書会館へ。明古七夕大入札会の目録編集日です。

集まった原稿約2000点は、土曜日、担当の人たちの手でジャンル別に分けられていました。その原稿を、文字遣いや表記などを統一して、ある程度決められた形に手直しします。

そうしながら、七夕に余り相応しくないものが混じっていないかもチェック。それが済んだら、割付けをして作業は完了。

大方のジャンルは、今日は割付け以前の段階で時間切れとなったようです。しかし店主の担当する「地図」部門だけは、すべて終えることが出来ました。

点数が少ないことに加え、土曜日に、同じ分野を担当する先輩会員が、校正まで殆ど済ませてくださっていたからです。

午後5時過ぎ、他分野の羨望の眼差しを尻目に、お先に失礼。これで、水曜日にまた出かける必要もなくなりました。

帰りがけ、作業をした7階の会議室から1階まで、ゆっくり階段を降りたのですが、中央市会はいつもの3階、4階だけでは置ききれず、2階にまで出品がぎっしり。大変なことになっていました。

普段から多い出品量の上に、カーゴ13台、カーゴ8台という大量の一口物が入ったことが原因です。

CA3K0222それにしても、大口の出品が増えています。しかしその内容を見ると、一般書の占める割合が多い。かつてのように収集家、大蔵書家という趣きではありません。

要するに出版洪水が、堰を切るように古書業界へ押し寄せて来つつあるのだという、以前からの思いがますます強くなりました。

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2012年05月20日

考えさせる電話

CA3K0218朝のうちこそ、学生らしいお客様がご来店でしたが、午後からはお散歩、お出かけのついで、という趣きの方々。珍しそうに眺め、通り過ぎていかれます。

昼頃、おずおずとした若い女性の声で、電話がありました。「ちょっとお伺いしたいことがあって、お電話させていただきました」「何でしょうか」「そちらにホチキスの針は売ってないでしょうか」

扱っていないとお答えすると「そうでしょうね、済みません」と言って切れました。

その時は格別何も感じませんでした。見当違いなお問い合わせは良くあることです。しかし後になって、なぜ小店に掛けてこられたのだろうかと考えると、不思議が募ってきました。

電話番号をご存知なのは、何故でしょう。その目的を元にネットで調べたとしたら、小店に辿りつくとは考えにくい。

携帯のようでしたから、すぐ近くから掛けてこられたかもしれません。隣のコンビニで手に入れられず、入って聞くのも恥ずかしいから電話した――ありそうな話です。

しかし目に付くところに、電話番号は表示してありません。スマホで検索でもしたのでしょうか。

いずれにせよ、それほど遠くから掛けてこられたとは思われません。そして、ホチキスの針が入り用だとして、丸々一箱必要であったとも。

だとすれば、小店にあるものをお分けすることだって出来たのです。そう考えると、ひと言、尋ねて差し上げればよかったかと、俄かに反省の思いが湧きました。

それにしてもあの電話の主には、借りようという発想はなかったのでしょうか。どこかで無事手に入れることが出来たでしょうか。

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2012年05月19日

久々ドライブ

家を午前8時前に出て、大船の宅買い先のマンションまで、ちょうど一時間。第三京浜を快適なドライブでした。

先日荷造りしておいた段ボール箱が13箱、手提げの紙バッグが5袋、その他少々を積み込み、とんぼ返りするつもり。

二度目の運び出しをしようと台車を押して表に出ると、お手伝いしてくださっていた奥様が、お隣の奥様となにやら立ち話をされています。

近づくと、「こちら世田谷のご実家に処分したい本があるんですって」と紹介されました。世田谷なら、ご連絡いただければ、いつでも伺いますと名刺をお渡ししましたところ、「今ここにも少しあるのですが」とお隣の奥様。

「せっかくだから見ていただいたら」とのお取り成しで、お隣のお宅にお邪魔して、本を拝見することになりました。

文庫本が手提げ3袋。「ここからB***O**が近いので、自分で持っていくつもりで、実家から少しずつ運んだんですけど、いざとなると重くて」。せっかくのご縁です、精一杯、高価買い入れさせていただきました。

しかご実家にあるお父様のご蔵書のうち、「ブリタニカ」については、まず評価がつかないと思いますと、これはしっかりお伝えいたしました。

思わぬ時間をとられ、おいとましたのは午前9時半。これでは五反田に向かったとして、着くのはどんなに早くても午前10時半。

南部会館で開かれている支部役員会に、少しだけでも顔を出したかったのですが、どうやら無理そうです。その場から、支部役員さんにお詫びの電話を入れました。

CA3K0209案の定、帰り道はところどころで渋滞。さらに第三京浜に入る道を間違ったりして、店に帰りついたのが午前11時半。行きの倍、時間がかかった勘定です。

荷運びを急いで、長く運転して、また腰を苛めてしまいました。

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2012年05月18日

一日札改め

CA3K0212久しぶりに午後ずっと、明治古典会の市会場で、札改めを手伝いました。

札改めというのは、開札作業に誤りがなかったかどうかを確認する作業です。開札は、(明古の場合)経営員が大量の入札品を次々に処理していきますから、いくら注意していても時折はミスが出ます。

それを見逃さずチェックする大切な仕事です。ただ確かめるだけの楽な作業に見えますが、殆ど誤りはないだけに、かえって注意力を持続させるのが大変ですし、ここを通過したあとで間違いが判明すると、追跡がとても困難になります。

ともかく今日は、午後1時半の開札開始から、最終開札の午後5時頃まで、その札改めをいたしました。それというのも、今日は七夕大入札会の目録原稿締切日で、いつも札改めをしている会員の何名かが、そちらに回って、ここが手薄となったからです。

おかげで「黄金バット」など1950年前後の少年読み物・マンガの口が、今日一番の高値で発声されるのを聞くことが出来ました。また、最終台の向田邦子自筆草稿が、近来稀に見る人気で落札されたのを見ることも出来ました。

ただ、そうして一日市場にいたにもかかわらず、店主が入札しようという本は見つかりませんでした。結局、一枚の札も入れず終い。買わないから売れないのか、売れないから買わないのか、またしても反省です。

七夕大市に集まる書物、印刷物、資料の類は例年約2000点。今年もほぼ同数だと聞きました。小店が出した目録原稿はたった2点。今年もまた、七夕に向くような品物を仕入れておくことは出来ませんでした。会員になって20年以上になりますが、相変わらずの落第会員ではあります。

明日は朝から、大船へ先日の荷物の引き取り。

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2012年05月17日

白熱会議

TKI月例会議、午後2時から6時まで。

CA3K02074時間も何を話すのかと思われるでしょうが、これでもいつも時間が足りず、積み残してしまう課題が多い。というより、解決しない問題が多いというべきでしょうか。

そんな時、常に浮上するのが、月一回の会合では足りないという話。重々承知はしていますが、では二回、あるいは週一回にできるかとなると、たとえば小店主などは、ますます店にいられる時間がなくなります。

他のメンバーも似たり寄ったり。この会議だけ、月に一回出れば済むという人は、殆どいません。

大方は理事会やら、交換会やらにも関わる組合員ばかりですから、今以上に負担を増やすことは、それぞれの商売を危うくすることにもなりかねません。

しかし、ここは発想を変えて、週一回は出られる人を中心にメンバーを組む、という風にしたほうが良いかもしれません。店主あたりは、遠慮なく外してもらいたい。そうして、実行力のある組織になって欲しい。

まあ、それほど力まなくとも、とうに賞味期限が切れています。遠からずお役ご免となることでしょうが。

今日も、若い人たちからいくつか提案が出されました。実現すれば、面白いアイデアばかりです。

これまでも、徐々に進化してきているはずですが、世の中の変化の方が早い分野です。普通に歩いているだけでは、走っているものから取り残されていくばかり。求められるのはスピードです。

「日本の古本屋」は育ちすぎてしまったかもしれません。今更枯らすわけには行かないという意味で。もっともっと、大きく育てるしかないのでしょうか。

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2012年05月16日

湘南行き

昨日とは打って変わって良いお天気。かねて約束の宅買い下見に、お昼過ぎから、大船まで出かけました。湘南新宿ラインで。

CA3K0204知人の親類の家という、この話のそもそもは半年くらい前に聞いていたのですが、間が空いてすっかり忘れておりましたところ、最近になって連絡が入り、何はともあれ拝見に伺ったのでした。

昨日が洋書会大市、明日はTKI、明後日は明古。今週なら今日しかないと決めたのは、週末にB**O**を呼んでいると先方が仰ったから。取り止めにしていただくとなると、すべてお引き受けしなければなりません。といって、後塵を拝するなど真っ平です。

いくつかのケースを予め想定して参りました。運送業者を頼んで全て引き取る。欲しいものだけ箱詰めして宅配便で送る。近隣の業者を紹介する、等等。結局、自店の車で引き取れる量だけ選り分けさせていただき、日を改めて伺うという形になりました。

そのため予定していたより時間がかかり、戻るのが遅くなってしまったのですが、午後6時、駅へ急ぐ道で携帯が鳴りました。

表示された同僚理事の名を見ても用件に気づかず、何?と尋ねると「事業部会だよ」。完全に失念。オブザーバーのような立場とは言え、なんとも申し訳ないことでした。

しかし、となると仮に、早く切り上げて帰途についていたとしても、そのまま古書会館へ向かわざるを得なかったかもしれません。要するに、いずれにしても今日は、閉店時刻まで店に戻れない定めだったわけです。

ところで、Bさんのために、きれいなだけの本は心して残すようにしてまいりました。せめてもの心づくしです。

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2012年05月15日

大市会無事終了

午後6時、片付けも一通り済んで帰り支度にかかる頃、「さあ、それじゃあ軽く打ち上げ」という声がかかりました。出かける先は、洋書会定番の「焼き鳥・八羽」。

嫌いな店ではありませんが、店主、これに参加せず、お先に失礼して店に帰ってまいりました。

今日も車で店に来ていて、一杯飲るわけにいかないこと。もう一つ、ここのお座敷は、小ぢんまりとしていて、大勢で押しかけるといささか窮屈であり、ことさら膝、腰に負担がかかること。

それでなくともこのところ腰の具合が不安な店主としては、あえて仲間との談笑を諦めたという次第。帰りの電車で、一日の疲れが足腰に来ているのを感じ、正しい選択であったと確信しました。

さて肝心の大市会ですが、日本書ばかりとなった4階は、日ごろ当会には顔を見せない同業も多数来場されて賑わいました。一口モノの「ウブ口」揃い。札も良く入りました。

大量の日本書に押されて洋書は3階だけに。しかし出品量は十分。もともと買い手の数が限られていますから、あまり多すぎても持て余してしまいます。その点では、良いバランスだったかもしれません。

会員が、宅買いなどで仕入れた日本書を出品して人を呼び、会員外の人が洋書を出品して会員がそれを買う。それはある意味、理想的な洋書会大市の形といえるのではないでしょうか。

ただし、大口出品の仕分け陳列、さらに片づけまでとなると、会員だけでは無理。今回も、他会の若い現役経営員二名におCA3K0205手伝いを頼み、ずいぶんと助かりました。

少店の成果については、追々お伝えいたします。明日のルート便でカーゴ1台半!が届くことになっておりますので。

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2012年05月14日

明日は洋書会大市

CA3K0200朝から古書会館へ。洋書会大市会の準備です。

すでに一昨日の土曜日、役員さんたちの手によって、ある程度準備は進められていて、4階には大量の日本書が積み上げられていました。

今回は、本の量だけで言えば、明らかに洋書より、日本書の方が沢山出品されています。大きな口物が二件入ったのがその原因です。一件は経済関係、もう一件は専門書というより、ひたすら読みまくったという蔵書。

この後者が、半端な口ではありません。文庫、新書だけでカーゴに数台、冊数にすれば3000冊は下らないでしょう。その一冊ずつに旧蔵者ご自身でカバーを掛け、背に書名、著者名を書き、さらに全体の半分以上の本にびっしり線引きがされています。

もちろん、単行本も負けず劣らずの分量で、同じようにカバー掛け、書名、著者名書き、そして線引き。

線が引かれてない本だけ選び出せば、外見はきれいなだけに、良い値になりそうですが、その手間がありません。なにしろ会員何名もが、ひたすらカバー剥きだけで、一日暮れたような按配です。終盤は、作業している誰もが、おしゃべりをする気力もなくしているようでした。

店主は3階で洋書の荷受けと陳列を担当。4階の作業の単調さに較べれば、まだしも恵まれておりました。

午後6時過ぎにようやく解散。会員16名、その三分の一は店主より年上という、このメンバーで一日よく頑張ったと思います。

しかし本番は明日。ここでこそ、ひと頑張りしなければ、自分たちの商売にはなりません。

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2012年05月13日

本屋めぐり日和

店を開けてまだ間もないうちから、珍しくお客様の入りが良い。しかも、散歩のついでとかいうのではなく、本屋めぐりという感じの方ばかり。

陽射しも一杯。今日は期待できそうだろうかと、これから棚に差す本を軽く拭きながら、店内に気を配っておりました。

中で若い男女の二人連れ。芸能関係の棚に来ると、軽い驚きの声をあげます。女性の方が店内を見回して脚立を見つけると、持ち運んで棚の前に据え、昇って、最上段の本を次々に抜き出し始めました。

「気をつけてくださいね」と声をかけると、「大丈夫です」。かなり長いことその上に立って、ご覧になっていたと思います。時折お連れの男性と、低声で何か言い交わす声も聞こえてきました。

そのうち、四〜五名もおいでになったお客様が、文庫本や均一本を一冊、二冊とお買上げくださって、一人二人とお帰りになり、いつの間にか店内は、そのお二人だけ。

相変わらず女性は本をごらんになっていますが、すでに脚立も畳まれていて、一度は足元に積まれた何冊かの本は、いつの間にか棚に戻されている様子。しかしまだ小脇に一冊抱えて、別の本を開いておられます。

CA3K0202次の仕事へ移るため、一瞬帳場を離れて戻ると、お連れの男性が文庫本二冊をお持ちになり、お会計を済ませられました。そして男性が外に向かわれると、女性も、そのままあとから付いて出て行ってしまわれました。

最後まで手に持たれていた二冊も、どうやら棚に戻ったらしい。最初に喜びの声(そう聞こえたのですが)を上げられてから、手ぶらでお帰りになるまでに、どのような事情、あるいは心境の変化があったのでしょう。

それはともかく、会釈すらなくお帰りになったので、つい心配になって、一応棚を点検に行きました。もちろん、ただ乱れていただけのことでした。

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2012年05月12日

『古本屋の棚』の謎

CA3K0199昨日、古書会館の6階にある、組合員用PCコーナーで作業をしていると、「ちょっと調べてもらえないだろうか」と旧知のS書房さんから頼まれました。

Sさん、地下の即売展に出店中で、そこであるお客様から、難しい質問を受けたと言います。そのお客様は一人の人物についてお調べになっていて、その手がかりとなりそうな、ある資料お探しなのだそうです。

「コンピュータで検索して、何か出てこないだろうか」ということで、たまたま居合わせた当方に頼んだという次第。他に空いているPCもありましたが、まあ、一緒に調べて欲しいということでしょう。

人物の名は「深沢要」、まずその名を検索してみると、すぐに該当しそうな記事が、いくつか見つかりました。

そのうちの一つは、日本こけし館のHP。それによれば、「(前略)日本こけし館が誕生したのは 昭和28年に詩人で童話作家の深沢要さんのコレクションが鳴子町 (大崎市)に寄贈されたこと(中略)が、大きなきっか けとなりました」とか。

しかしお客様は、そのあたりは先刻ご承知。お尋ねになっていたのは、その深沢なる人物が一時期、古本屋をやっていて、昭和5年には本も出しているらしいから、そのあたりの事情が分からないかということでした。

国会図書館などのDBには、当人の著作と思われるものが数冊見られます。しかしいずれも戦後、しかも、こけしについて書かれたものばかり。また、古本屋をやっていたといっても、いつ、どこでが分からなければ、古い名簿を、有る限りひっくり返すしかありません。ひとまず、調べがつかないとご報告したはずです。

その後、Sさん自身が再び6階に上がってきて、組合の資料を掻き回し、数年前に作った「古本屋の出した本」という薄いパンフレットを見つけました。彼の理事時代に作成されたものです。

そこを開いてみると、なんと『古本屋の棚』というタイトルと、昭和5年という刊年、そして「深沢要」という名がちゃんとありました。

「灯台下暗しだね」と笑いあったのですが、あのお客様のスタートは、この資料だったかもしれません。となると、また謎は振り出しに戻っただけ。その現物と、根拠が、確かめられない限り。

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