2012年07月

2012年07月21日

基本中の基本

南部会館に行って、先週の入札会の落札品を引き取ってきました。落ちていたのは二点、入札したのも二点ですから打率10割、パーフェクトです。

喜んで持ち帰り、早速本の状態を確認しました。20冊ほどの日本書の口と、ドイツ語アドルノ全集(不揃)他25冊の口。

その日本書の口の方を見ていくと、一冊に線引きが見つかりました。欲しかった肝心な二冊のうちの一冊です。しかも鉛筆だけでなく、赤鉛筆線もあって、これでは消せません。

こういう場合、値引きを要求する制度があります。この線引きのため減じると思われる価値を換算し、落札額から値引いてもらうわけです。もちろん、返品することも可能です。

こうしたクレームは、その場では確認しにくい瑕疵、欠陥でなければなりません。今回の場合、その点は、何とか認めてもらえたと思います。仮に申し出れば。

RIMG1143しかし、他にも条件があって、一定の期限内でなければなりません。その期限は一週間、つまり今日です。ただ南部の入札の場合、翌土曜日に連絡を取れる先がありませんから、月曜日まで認められるはずです。

ところがさらにもう一つ、申請のためには、その現物を提示する必要があります。口で言っただけではダメ。当然といえば当然ですが。

結局、よほどの損失が生じるのでない限り、かえってその手間が割に合わない勘定となるので、そのまま我慢してしまうことになります。

そういう羽目に陥らないためには、なにより入札の時点でしっかり確認すること。落札後でも、引き取る前に確認すること。そんな当たり前のことが、何十年経っても出来ません。

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2012年07月20日

仕事に追われた金曜日

RIMG1145木曜日の昼過ぎ、神保町駅を上がったところの寒暖計は34℃を超えていました。今日金曜の午前中、同じ寒暖計の数字は24℃に届かず。

昨夜は久しぶりに気持ちよく眠れましたが、この気温の乱高下、決して体には良くなさそう。

お天気の方はそれほど昨日と今日で違うというのに、今、店に帰ってレジを見ると、二日間殆ど違わぬ、極めて低調な数字。確かに午後から雨で、それも時間によってはかなり強い降りでもありましたけれど。

今日の明古は、先週に続き、量はなかなか多かったのですが、いわゆる明古らしい、黒っぽいものについては、やや寂しい感じもしました。とはいえ実のところ、事務仕事に追われ、あまりよく見ておりません。

事務というのは、七夕大市会の会計担当としての仕事。業者の売買に応じて、代金をいただいたり、支払ったりの業務を、大市に限り、交換会が行います。普段の市は、組合事務局にすべてお任せしているのですが。

その清算日が来週のため、今日は専らその下準備。午後5時には定例の総務部ミーティング。6時から明古の七夕反省会に途中参加、7時に終了。終ってからうどん屋「さゝ吟」へ、いつもの5人で。連れは上手そうにお酒を飲んでおりました。

そんな一日でしたが、市場にまるで参加しなかったわけではありません。カーゴ一台の本を出品して、10冊ほどの束を買い、売り買いトントン。高い本を買ったわけではなく、値のつかないものを売ったのです。

夕刻、ある同業の話から、先週の土曜日の南部入札で、二点札を入れたうちの、少なくとも一点は落札できていたことが分かりました。明日にでも取りに行かなければ。

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2012年07月19日

暑い日のTKI

RIMG1148梅雨が明けていたのですね。大気が不安定だと言い続けているうちに。確かに暑さだけはこのところ、安定しておりました。

外に出るのが嫌になるような暑さの中を、お昼から古書会館へ。TKIの定例会議です。

例によって午後2時から6時まで、休憩を挟んで4時間。色々なことが決まったり、決まらなかったり。それでもサイトは動いている――というところでしょうか。

メンバーとされている人数は10人以上おります。しかし今日の出席者は8名。

熱心に出席していたかと思うと、いつの間にか顔を出さなくなり、自然に抜けていくという形が目立ちます。何かをきっかけに、モチベーションが下がると、強制力を持たない集まりですので、引き止めるすべはありません。

担っている役割の大きさに比して、いかに脆弱な組織であるか。プログラムやハードウェアの問題以上に、ボトルネックとなる部分かもしれません。

しかし、にもかかわらず10年以上、無事に運営されてきているのは、関わってきた人たちの使命感、責任感によるものでしょう。各自が、できる時期に、できる範囲で支えてきたというわけです。

協同組合事業としては、理想的な形であるとも言えます。しかし、景気低迷の影響はいずこも深刻で、とりわけ店舗売上げの落ち込みを、ネット販売でカバーしようという人たちにとっては、「日本の古本屋」の歩みは緩慢に過ぎると映るようです。

もっと売れる売り場にして欲しい――。店主も個人の立場に帰れば、まったく同感ですが、それを組合事業として行うことが、どこまで正しいか。その点を、冷静に検討してみることも必要だと思います。

帰ると店は、早くも夏負けしておりました。

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2012年07月18日

まだしも素材に徹するほうが

昨日の洋書会では、市会終了後、定例総会が開かれました。7月からの新年度早々に、前期の報告、新役員の発表などを行うものです。といっても出席総数15名、こじんまりと、かつ和気藹々とした総会でした。

そこで一店、新規会員の加入が承認されました。ディスプレイ用洋書販売の大手、自由が丘のNB書店です。いわばディスプレイ需要が、公認されたようなもの。会の活性化にも、きっと寄与してくれるはずです。

既存の会員でも、何らかの形で「飾るための洋書」を取り扱ったことのない店は、おそらくないでしょう。ただ、中身を問わない、外見だけという注文は、いささか淋しい気がすることは確かです。

最近小店にも、ある大手事務機器メーカーから、ディスプレイ洋書の引き合いがありました。過去に小店が納入したことのある、家具メーカーの紹介とのことです。

勝手が分らないので、一度話が聞きたいといわれ、会社をお訪ねし要件を伺いました。近く完成する金融関係のビルに、休息や談話のためのオープンスペースを設けるので、そこに同社の移動書棚をおき、「飾りに」本を入れたいというのです。

実際に手にとって読む人もいるかもしれないので、金融関係の本もあれば望ましいが、とりあえずどれくらいの予算で揃えられるか、見本写真を添えて提案を出して欲しいということでした。

RIMG1149一応承って、あれこれ考えるうち、こんなことなら純然たる飾り素材として、色や形で注文される方が、まだスッキリしているのではないかと思うようになりました。

読むための本なのか、家具を引き立てるオブジェとしての本なのか、仮に双方を満たすためのものであれば、必要な予算がまるで変わってきます。

その旨を書いて、二通りの提案をお出ししたのですが、催促された割には、その後何の音沙汰もありません。

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2012年07月17日

本を売って金を作る

最後の職を退かれて、何年かになる先生。それなりの蔵書家とお見受けしました。

近く、欧州で学会がある。家内と二人で出かけたいが、この歳で2週間の旅行となると、それなりの資金が必要になる。費用を出してくれる機関もない。ついては、蔵書を処分して、旅費の足しにしたい。

ふた月ほど前にお電話をいただき、たまたま近くに行く用があったので、お宅まで伺うと、そんなご趣旨を話してくださいました。理解できるお話です。問題は、ご処分されたい本と、必要な資金との開き。

後日リストをお送りいただいたので、一通り拝見したのですが、研究書が多く、筋の通った本揃いなのですが、それだけに新版、復刻版、オンデマンド版、デジタル版、いずれか(あるいはいずれも)が出ていて、古書価の崩れたものが殆ど。

そうご説明して、丁重にお断り申し上げた――つもりでしたが、最近また改めて、リスト付きのメールが届きました。約50冊、これで**万円が希望だが、出せる範囲で結構ですと。

一応、今度のリストも拝見いたしました。しかし現在の相場では、売値にしてもそこまでは無理。何といってお断りしようかと、今朝も頭を悩ませながら、洋書会に出かけたのです。

すると、仕分け作業の最中、ある同業と話すうち、その店にも、その同じ先生から、やはり同じようなメールが届いていたことが分かりました。

RIMG1144お客様には、もちろん両天秤をかける自由があります。一方で、業者は自衛のため、さまざまな情報交換をしています。しかしそれ以前に今回は、あまりにもご希望額との開きがありすぎました。

お心を傷つけないよう、しかしはっきりご理解いただくよう、どうお返事したものか、まだ文案がまとまりません。

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2012年07月16日

細かい話で恐縮ですが

店を開けて早々、まだ開店時間の10時にもならないうちに、お一人の男性客が、表から文庫を1冊持って店内に入って来られ、本をかざすと100円玉を一個、つり銭トレイにしている木皿の上におかれました。

「そのままでよろしいですか?」――つまりカバーをおつけしなくて良いかという意味ですが、そうお尋ねすると「結構です」。そこで「有り難うございます」と、お金を受け取りレジに入れました。

司馬遼太郎の『峠』中巻。妙な買い方をされるものだという印象だけで、特に気に留めるでもなく、やるべき仕事を始めたのです。

しばらく経って、何かのきっかけで、あの『峠』が、昨日、上中下3冊セットで出したものだと思い出しました。表の100円均一の文庫棚です。

外に出て確かめると、上巻と下巻の間に隙間が残っていて、手に取ると「3冊」と手で書き加えられた300円のラベルが、それぞれに貼られていました。

「1冊100円」と大書した棚から、お客様は何の疑いもなく中巻1冊をお持ちになったのでしょう。お預かりして、カバーをかければ気がついたかもしれません。それでなくとも昨日の今日です。店主のボンヤリに、すべての原因はあります。

仕方なく残った2冊に、それぞれ100円のラベルを貼りなおしました。せめて今日のお客様が、中巻を読み終えて、下巻をお求めいただけることを期待いたしましょう。

それよりも、上下2冊で揃いだと思って、帳場にお持ちになるお客様がいらっしゃるかもしれません。中巻が抜けていることをご説明しなくては。

RIMG1146B***O**などでは、揃い物でも当たり前のように一冊ずつ分売していますが、古本屋かたぎとでも申しますか、揃い物は揃いで売らないと、どうも落ち着かないのです。

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2012年07月15日

手入れが欠かせない

RIMG1147三連休中日。ということに今朝まで気がつきませんでした。このところ日中は雨がなく、古語本来の「五月晴れ」が続きます。大気の不安定さを示すように、時折強い風が吹くのも、ここ数日同じ。

さすがに今日は、店に入ってこられる方の数が少ない。表は時折、通り過ぎる人影があり、正月や旧盆のゴーストタウンとは、多少雰囲気は異なりますが。

そんな中で、ご常連さんがお一方、少しまとめてお買上げくださいました。いつも幅広く、様々な言語の本をお求めになる方で、今日はついにエチオピア語、アッカド語、エジプト・アラビア語の文法書などなど。

自分で仕入れておいて、こんなことを言うのも何ですが、実に不思議な本を買われる方がいるものです。もっとも今日の方の場合は、歴としたご自身の専門分野。「同じセム語系ですから勉強しておこうかと」と、こともなげに仰っていました。

本屋の一番の醍醐味は、自ら仕入れた本が、狙いたがわず売れてくれる時にあります。それが決して特別に高価な本でなくとも。だから嬉しいお買い上げでした。そこで少しばかりお値引きも。

本屋の宿命とも言うべきことですが、現に売れている、いわゆる売れ筋本を仕入れるのは非常に難しい。そこで、古本屋は別の難しさに挑戦することになります。つまり他では売れそうもないような本を売る。だから古本屋は個性的にならざるを得ません。

店を構えていますと、棚には、お客様がお持込になった本の割合が増えていきがちです。しかも売れる本だけはすぐに売れてしまうのですから、少し気を抜いていると、いつの間にかどこにでもある本ばかりが並ぶことになります。

そう思って我が店の棚を改めて眺め回してみると、八重葎生い茂る荒れ庭に見えてきました。

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2012年07月14日

何べん聞いても

「領収書は出せますか?」表から洋書を数冊お持ちになった若い女性が、そうお尋ねになりました。

「もちろんです」とお答えして本を受け取り、計算してお代を頂きました。領収書に金額と日付を入れて、「お名前は何とお書きしましょう」とお伺いすると、しばらくためらったような間があって、「劇団×××」。

よく聞き取れず、何度も聞き返しました。ついには気を悪くされたようで、メモを要求され、差し出した紙に書き付けられたのは「ガプリヨツ」という文字。

それを見てもよく分かりませんでした。カに濁点、フに半濁点。

「ああ」と気がついた瞬間、お連れのやはり若い女性が、少しはなれたところから「ガップリ四つです」。「いやあなかなかのお名前ですね」と申し上げても、ご機嫌を損ねたらしい女性の方はニコリともしません。

お帰りになったあと、そっとネットで検索して見ました。演劇団体紹介サイトに、その名が見つかりましたが、劇団員3名で8月に旗揚げ公演をされるらしい。

上演されるのは、女性2人で構成されている翻訳劇とのことですから、先ほどのお二人がその役者さんでしょうか。お買上げいただいた洋書は、小道具かもしれません。

劇団名、なかなかいいじゃないですか。しかし、意味が取れない語を、音だけで聞き取るのは、とても難しい。

RIMG1150いつか小沢昭一さんがあるラジオ番組で、「自分の自慢は人から聞き返されないことだ」と仰っていました。人に伝えたい時は、はっきりゆっくり喋るから。それを役者の矜持だとも。

お芝居成功のカギは、まず劇団名を、一度で聞き取ってもらえるかどうかにあるのじゃないでしょうか。老爺心ながら。

暑い日でした。九州では豪雨被害とか。

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2012年07月13日

不思議な足し算

市場が終ってから、新旧幹事会。明治古典会では会の役員を幹事と呼んでいて、その幹事の任期は一年。七夕を終えて交替します。

旧幹事は11名、新幹事は8名。数に決まりがあるわけではなく、その期の考え方や、都合で定まります。

幹事会と言っても、申し送りや、引継ぎ事項を話し合うわけではなく、旧幹事を慰労する食事会、というのがその実態。今夜はごく近間の割烹「いるさ」がその会場。

さてここで問題。会食の席には総勢何人が集まったでしょうか。ちなみに欠席者は一名もなし、全員が出席いたしました。

勘の良い方ならお分かりの通り、11+8=19ということにはなりません。なぜなら新旧どちらにも関わる、つまり連チャンの人間が含まれているからです。答えは12名。

RIMG0236要するに、新幹事8人のうち、7人は居残り組。新たに加わったのはただ1人。一方、無事退任したのは11人のうち4人。改めて引継ぎの会議を開く必要もないわけです。

店主も居残り組の一人。と言っても、店主の場合は前期も今期もレギュラーというよりは、控え選手のような立場。時々役に立ってくれれば良い、というわけでフル出場を期待されているわけではありません。

今期のメンバーの中では最年長となってしまったこともあり、まずはお言葉に甘えて、できる範囲でお手伝いさせていただくことにいたしました。

今夜の食事は「文月の特別コース」。次々と出てくる料理に、お酒が飲めれば、もっと美味しくいただけただろうと、残念でなりませんでした。

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2012年07月12日

時代は変る

朝の天気予報を聞いて、今日も一日、店売りが期待できないことを覚悟しました。風は強いのに、湿度が高く蒸暑い。ところにより激しい雨が降るかもしれない――。

ということで、すぐにも表の本をしまえるように、ときどき「東京アメッシュ」で様子を伺っておりましたが、幸いなことに、殆ど雨は降らずじまいで、一日が終りそう。しかし店売りの方は予想どおり。

royal-oak1数少ないご来客のうち、お二人は本のお持ちこみ。そのお一人がお持ち下さったのが、ROYAL OAK と題された、高級時計メーカー、オーデマピゲの本です。

シュリンク包装されたまま、まだ開けられてもいません。しかし外から見ただけでどんな本だかは見当が付きます。どれくらいで売られているかも。長年の勘ですか。

「貰い物だから、いくらでもいい」そう仰っていただいたので、売られているだろう価格からすれば、ぐっと安い値段で引き取らせていただきました。

しかし今話題にしたいのは、値段の話ではありません。せっかく未開封の本、開けてしまえば値打ちが下がりますが、といって開けなければ、どんな本だか分からない。ひとまずネットで検索してみると、画像と本の説明が出てきました。

Recommended priceも表示されていて、大体予想したとおり。それはまあ、お得意先や、高級時計をお買い上げのお客様に、おまけとして差し上げるために付けられている価格ですから。

肝心な話が最後になりました。137年にわたる企業とその製品の歴史が述べられた本書は、7ヶ国語で書かれているそうです。その中に、しかし日本語はなく、中国語(簡体文字)が入っている。少し前までなら、考えられなかったことではないでしょうか。

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