2013年05月
2013年05月21日
長嶋さんみたい
久々にアルコールが入って、我が家に辿り着いたのが午後11時半。いささか辛いところがありますが、今日一日の報告が残されております。
さて洋書会大市の結果ですが、それほど甘いものではありませんでした。空前の出来高は愚か、前年の出来高も大きく割り込む始末。しかしそれは結果論、かつてない面白い市会であったというのが、いままで会員と飲みながら語り合った結論です。
止め値という仕組みがあります。売主は、これ以下の金額では売りたくないという数字を、あらかじめ封筒に入れておくことができます。それについて特に制約はありません。あくまで自分の売りたい値段を入れておけます。入札価格がその止め値に達しなければ、止め高といって、売買は不成立となるわけです。
今日の市場で、とりわけもっとも大きな一口物で、止め高が相継ぎました。つまり入札価格が、止め値を超えない。結果として、出来高が前年を大きく割り込んだというわけです。
その止め値が適正であったかどうかというのは、判断が難しいところです。入札した側からすれば、高すぎると思うかもしれません。一方、出品者から見れば、別の感想があることでしょう。
結果はともかく、入札者を本気にさせる出品であったことは確かです。ある業者は、普段より早く眼がさめ、斎戒沐浴して市場に来たといいますし、別の業者は、店に出てからまずネットなどで事前学習を済ませ、それから市場に来たといいます。
ナンサッチ版ディケンズ全集、コナン・ドイル全集署名入りなど、不成立であったとはいえ、かなり本気の札が入っておりました。ほんの僅か、お売りになる側の要求に届かなかったというだけ。
一方で、そのほかの一口物については、なかなか良い値段で落札されておりました。総点数も少なめ、出来高も低めという結果からだけでは分らない、面白い盛り上がりがあったと思うのは、主催者側の手前味噌でしょうか。
記録ではなく、記憶に残る市になったと思っております。
さて洋書会大市の結果ですが、それほど甘いものではありませんでした。空前の出来高は愚か、前年の出来高も大きく割り込む始末。しかしそれは結果論、かつてない面白い市会であったというのが、いままで会員と飲みながら語り合った結論です。
止め値という仕組みがあります。売主は、これ以下の金額では売りたくないという数字を、あらかじめ封筒に入れておくことができます。それについて特に制約はありません。あくまで自分の売りたい値段を入れておけます。入札価格がその止め値に達しなければ、止め高といって、売買は不成立となるわけです。
今日の市場で、とりわけもっとも大きな一口物で、止め高が相継ぎました。つまり入札価格が、止め値を超えない。結果として、出来高が前年を大きく割り込んだというわけです。
その止め値が適正であったかどうかというのは、判断が難しいところです。入札した側からすれば、高すぎると思うかもしれません。一方、出品者から見れば、別の感想があることでしょう。
結果はともかく、入札者を本気にさせる出品であったことは確かです。ある業者は、普段より早く眼がさめ、斎戒沐浴して市場に来たといいますし、別の業者は、店に出てからまずネットなどで事前学習を済ませ、それから市場に来たといいます。
ナンサッチ版ディケンズ全集、コナン・ドイル全集署名入りなど、不成立であったとはいえ、かなり本気の札が入っておりました。ほんの僅か、お売りになる側の要求に届かなかったというだけ。
一方で、そのほかの一口物については、なかなか良い値段で落札されておりました。総点数も少なめ、出来高も低めという結果からだけでは分らない、面白い盛り上がりがあったと思うのは、主催者側の手前味噌でしょうか。
記録ではなく、記憶に残る市になったと思っております。
2013年05月20日
本番直前
洋書会大市の準備が完了。最後の点検をしたり、明日のための支度をしたりして、すべてを終えたのは午後6時。職員さんに会場を閉めてもらい、残っていた二人の役員とともに退出いたしました。
粉糠雨の降る神保町を歩き地下鉄に乗ると、今日もトラブルがあったとかで、渋谷到着までに10分ほどの遅れ。よく考えれば、たいした時間ではありません。しかし「お疲れのところ…」というアナウンスが、改めて我が身の疲れを気づかせてくれました。
さていよいよ、明日の本番を待つばかりとなった大市、皆様にご覧頂きたいくらい、すばらしい本が会場を埋めております。特に、壁一面、革張りの全集を納めた棚が圧巻です。見た目だけではなく、本の内容もしっかりしたもの。後は、どれくらいの札が入るかに掛かっています。
三件のめぼしい一口物がありました。一件は事前に出品が予定されていたもので、本大市会の目録にも掲載されております。明治初期に刊行された、経済学を中心とした翻訳書。今回の目玉はこれだと思っておりましたが、さらに二口、直前になって飛び込んで参りました。
そのうち一件は、以前から時々良い口を送っていただく業者さんのご出品で、関西方面の高級住宅地が出所と思われます。届いたダンボールを開けてみると、出てきたのは版画が挟み込まれた、いわゆる挿絵本。函など外装に多少イタミはありますが、版画自体は特に難もなく、良い値が期待されます。
残る一件が、今回の大市の成否の鍵を握る大口。総点数約300点、そのすべてが成立すれば、近来にない好出来高も夢ではありません。個人の蔵書としては、驚くほど多岐にわたっておりますが、それでも歴史、思想、文学といったあたりに集約されるため、入札する書店が限られるのが、若干の不安要素。
けれども、気を揉んでも仕方ありません。少なくともこれから、明日の開札時間までは、自分自身の商売に集中いたしましょう。
市会の終了後、簡単な打ち上げの席が用意されています。久しぶりに、仲間と一杯やるつもりでおります。旨い酒を呑みたいものです。
粉糠雨の降る神保町を歩き地下鉄に乗ると、今日もトラブルがあったとかで、渋谷到着までに10分ほどの遅れ。よく考えれば、たいした時間ではありません。しかし「お疲れのところ…」というアナウンスが、改めて我が身の疲れを気づかせてくれました。
さていよいよ、明日の本番を待つばかりとなった大市、皆様にご覧頂きたいくらい、すばらしい本が会場を埋めております。特に、壁一面、革張りの全集を納めた棚が圧巻です。見た目だけではなく、本の内容もしっかりしたもの。後は、どれくらいの札が入るかに掛かっています。
三件のめぼしい一口物がありました。一件は事前に出品が予定されていたもので、本大市会の目録にも掲載されております。明治初期に刊行された、経済学を中心とした翻訳書。今回の目玉はこれだと思っておりましたが、さらに二口、直前になって飛び込んで参りました。
そのうち一件は、以前から時々良い口を送っていただく業者さんのご出品で、関西方面の高級住宅地が出所と思われます。届いたダンボールを開けてみると、出てきたのは版画が挟み込まれた、いわゆる挿絵本。函など外装に多少イタミはありますが、版画自体は特に難もなく、良い値が期待されます。
残る一件が、今回の大市の成否の鍵を握る大口。総点数約300点、そのすべてが成立すれば、近来にない好出来高も夢ではありません。個人の蔵書としては、驚くほど多岐にわたっておりますが、それでも歴史、思想、文学といったあたりに集約されるため、入札する書店が限られるのが、若干の不安要素。
けれども、気を揉んでも仕方ありません。少なくともこれから、明日の開札時間までは、自分自身の商売に集中いたしましょう。
市会の終了後、簡単な打ち上げの席が用意されています。久しぶりに、仲間と一杯やるつもりでおります。旨い酒を呑みたいものです。
2013年05月19日
ニューウェーヴ古書展
それぞれ、立派な看板を掲げている書店さんばかりですから、今更ニューウェーヴというのも当たらない気がしますが、古書即売展に新しい波を起こそうとしている面々であることは確かです。
「地下の古書市」という今日一日限りの即売展が、古書会館で開かれました。チラシやポスターに「新しい古書市はじめます。」とありますから、次回以降の開催も計画されているのでしょう。
昔とは人の流れが変わって来ているとはいうものの、こと「神田」において日曜日は、お客様の入りを見込める曜日とはいえません。それでも新しい試みを、したたかに、しぶとく続けることで、新たな顧客層を呼び込もうとしているようです。
かつて「アンダーグラウンド・ブックカフェ」という催しに小店も参加したことがありました。主旨としてはその流れを汲むもので、引き続き参加している書店さんもいます。というより、彼らが牽引役というべきでしょうか。
即売展に並行してイベントを行うという点にも拘っています。今回は二つのトークイベントが企画されました。
そのうちの一つが「薔薇十字社外伝」と銘うたれ『薔薇十字社とその軌跡 (出版人に聞く10)』(内藤三津子/インタビュー・構成:小田光雄/論創社)の刊行を記念して、元・薔薇十字社社員の古書りぶる・りべろ店主・川口秀彦氏に当時の話を聞くというもの。
聞き手の石神井書林・内堀弘さんと金曜日に古書会館で会ったとき、ちょうど川口さんと打ち合わせを終えたあとらしく、手元の資料を見せながら、少しネタバラシをしてくれました。
資料は、1970年という時点で、薔薇十字社に関わる人々が何歳であったかという一覧表。確かにそれを眺めただけで、色々な思いがめぐってきます。来週火曜日まで、今日を除いて出ずっぱりとなる、こんな時期でなければ、是非話を聞きに行きたいと思ったものでした。
開催が終ってから紹介するなんぞ、まるで新聞の文化欄のようですね。
「地下の古書市」という今日一日限りの即売展が、古書会館で開かれました。チラシやポスターに「新しい古書市はじめます。」とありますから、次回以降の開催も計画されているのでしょう。
昔とは人の流れが変わって来ているとはいうものの、こと「神田」において日曜日は、お客様の入りを見込める曜日とはいえません。それでも新しい試みを、したたかに、しぶとく続けることで、新たな顧客層を呼び込もうとしているようです。
かつて「アンダーグラウンド・ブックカフェ」という催しに小店も参加したことがありました。主旨としてはその流れを汲むもので、引き続き参加している書店さんもいます。というより、彼らが牽引役というべきでしょうか。
即売展に並行してイベントを行うという点にも拘っています。今回は二つのトークイベントが企画されました。
そのうちの一つが「薔薇十字社外伝」と銘うたれ『薔薇十字社とその軌跡 (出版人に聞く10)』(内藤三津子/インタビュー・構成:小田光雄/論創社)の刊行を記念して、元・薔薇十字社社員の古書りぶる・りべろ店主・川口秀彦氏に当時の話を聞くというもの。
聞き手の石神井書林・内堀弘さんと金曜日に古書会館で会ったとき、ちょうど川口さんと打ち合わせを終えたあとらしく、手元の資料を見せながら、少しネタバラシをしてくれました。
資料は、1970年という時点で、薔薇十字社に関わる人々が何歳であったかという一覧表。確かにそれを眺めただけで、色々な思いがめぐってきます。来週火曜日まで、今日を除いて出ずっぱりとなる、こんな時期でなければ、是非話を聞きに行きたいと思ったものでした。
開催が終ってから紹介するなんぞ、まるで新聞の文化欄のようですね。
2013年05月18日
疲れが溜まる
今朝はどうも肩が張っていると思って、よく考えてみたら、昨日の明治古典会で、出品するのに本を縛ったり運んだりと、忙しく働いたのでした。
例のご老人宅から引き取ったPR小冊子の口ではなく、レンタカーで運んだ2000冊弱の口。そちらも同時に出品いたしました。札を入れてもらうためには、少しでも買いやすい形に仕分けをして、封筒をつけなければなりません。
経営員がニ三名、手伝ってくれたのですが、開場の正午までに仕分けをして縛り直し、陳列するという作業を2時間以内で済ませるというのは、ゆっくりした作業ではありません。時間に追われるようにして、どうにか出品いたしました。
それでも時間と手間をかけたおかげで、この口も悲観していたよりは値段になって、少しはお客様にお支払いも出来そうです。レンタカー代とアルバイト代で消えてしまうのではないかと怖れておりましたから。
いま仮に昨日出品した二口が、同じような価格で市場で売れたとしたら、同じだけの手数料というわけには参りません。かけた手間、体への負担、そのほか数字に表せないコストが、まるで違っておりますので。
さて、なんとなく疲れの残る体で、今日は洋書会大市の準備のために、古書会館へと向かいました。午前10時に集合。かねて予告のカーゴ20台という一口が、会場に運び込まれております。積まれているのは大型のダンボール箱。
会員が揃ったところで、さっそく箱を開け、本を並べ、仕分けを始めました。仕分けと言っても揃いものが多く、それを集め、目を揃える(順序良く並べる)作業が中心。一冊で出品できる本も結構あって、目が通った揃いものとともに、片端から封筒をつけていく作業で、今日一日は暮れてしまいました。
どんなに遅くとも5時には終わると思っていた作業が、結局午後6時過ぎまでかかってしまい、店を占める時間に間に合いませんでしたが、仮にも会長の立場で、先に帰ることもできません。会員の熱意に感謝しつつ、最後まで付き合い、急いで店に戻ったという次第です。
疲れが溜まって来ました。明日は一日、店でゆっくりして、月曜の陳列、火曜の本番に備えようと思います。
例のご老人宅から引き取ったPR小冊子の口ではなく、レンタカーで運んだ2000冊弱の口。そちらも同時に出品いたしました。札を入れてもらうためには、少しでも買いやすい形に仕分けをして、封筒をつけなければなりません。
経営員がニ三名、手伝ってくれたのですが、開場の正午までに仕分けをして縛り直し、陳列するという作業を2時間以内で済ませるというのは、ゆっくりした作業ではありません。時間に追われるようにして、どうにか出品いたしました。
それでも時間と手間をかけたおかげで、この口も悲観していたよりは値段になって、少しはお客様にお支払いも出来そうです。レンタカー代とアルバイト代で消えてしまうのではないかと怖れておりましたから。
いま仮に昨日出品した二口が、同じような価格で市場で売れたとしたら、同じだけの手数料というわけには参りません。かけた手間、体への負担、そのほか数字に表せないコストが、まるで違っておりますので。
さて、なんとなく疲れの残る体で、今日は洋書会大市の準備のために、古書会館へと向かいました。午前10時に集合。かねて予告のカーゴ20台という一口が、会場に運び込まれております。積まれているのは大型のダンボール箱。
会員が揃ったところで、さっそく箱を開け、本を並べ、仕分けを始めました。仕分けと言っても揃いものが多く、それを集め、目を揃える(順序良く並べる)作業が中心。一冊で出品できる本も結構あって、目が通った揃いものとともに、片端から封筒をつけていく作業で、今日一日は暮れてしまいました。
どんなに遅くとも5時には終わると思っていた作業が、結局午後6時過ぎまでかかってしまい、店を占める時間に間に合いませんでしたが、仮にも会長の立場で、先に帰ることもできません。会員の熱意に感謝しつつ、最後まで付き合い、急いで店に戻ったという次第です。
疲れが溜まって来ました。明日は一日、店でゆっくりして、月曜の陳列、火曜の本番に備えようと思います。
2013年05月17日
bad news good news
午後9時10分頃、神保町駅から地下鉄に乗り込み、渋谷駅で降りたのが午後9時47分。いつもの約3倍の所要時間。おかげで店につくと、午後10時を回っておりました。立ちっぱなしで、一日の疲れを増幅させられた気分です。
そもそも仕事の上がりも遅かった。古書会館を出たのは午後7時半を優に回っておりましたから。
今日の明古では、第三回目となる振り市を実施。振り手も買い手も、次第に声の出がスムーズになってきたようです。まずまずの盛り上がりで市場は終了。その後、本日締め切りの目録原稿の整理を手伝うなどして、そんな時間になったのでした。
久しぶりに、うなぎの「かねいち」で食事。といっても中高年5人の会食はささやかなものです。なにしろ締めに取ったうな重は二人前、これを皆で分けます。うなぎの価格が落ち着いてきたこともあり、お会計は普段の食事とほとんど変わりません。
飲まない分を割引き免除され、店主の割り勘分は2000円。総額も押して知るべしで、これでは同行の仲間にも、いつも愛想の言い若主人にも申し訳ないよう。
しかし、そんな思いも、店に戻ってレジを見た途端、消え去りました。呑気に外食などしていられる売上ではありません。商売の形態が違うとはいえ、今日の振り市で、何十万円という声を出して競り合っていた同業たちの姿を思い出し、彼我の差に、暗澹とするばかりです。
何百万円の本でも、何百円の本でも、めぐり合う喜びに違いはないはずだと思いはします。だから売れる喜びも同じであってよいはずですが、なかなかそこまでは悟りきれない店主なのでした。
さて、小冊子数種、合計300冊近くの出品結果はどうであったかと申しますと、予想よりずっと良い値段。ただし、一括で出品いたしましたので、どの冊子がいくらくらいに評価されたのか、といったあたりは分かりません。ともかくも、少しは喜んでいただけそうな額を、お渡しできそうです。
そもそも仕事の上がりも遅かった。古書会館を出たのは午後7時半を優に回っておりましたから。
今日の明古では、第三回目となる振り市を実施。振り手も買い手も、次第に声の出がスムーズになってきたようです。まずまずの盛り上がりで市場は終了。その後、本日締め切りの目録原稿の整理を手伝うなどして、そんな時間になったのでした。
久しぶりに、うなぎの「かねいち」で食事。といっても中高年5人の会食はささやかなものです。なにしろ締めに取ったうな重は二人前、これを皆で分けます。うなぎの価格が落ち着いてきたこともあり、お会計は普段の食事とほとんど変わりません。
飲まない分を割引き免除され、店主の割り勘分は2000円。総額も押して知るべしで、これでは同行の仲間にも、いつも愛想の言い若主人にも申し訳ないよう。
しかし、そんな思いも、店に戻ってレジを見た途端、消え去りました。呑気に外食などしていられる売上ではありません。商売の形態が違うとはいえ、今日の振り市で、何十万円という声を出して競り合っていた同業たちの姿を思い出し、彼我の差に、暗澹とするばかりです。
何百万円の本でも、何百円の本でも、めぐり合う喜びに違いはないはずだと思いはします。だから売れる喜びも同じであってよいはずですが、なかなかそこまでは悟りきれない店主なのでした。
さて、小冊子数種、合計300冊近くの出品結果はどうであったかと申しますと、予想よりずっと良い値段。ただし、一括で出品いたしましたので、どの冊子がいくらくらいに評価されたのか、といったあたりは分かりません。ともかくも、少しは喜んでいただけそうな額を、お渡しできそうです。
2013年05月16日
七夕目録原稿
夕方から雨、天気予報どおり。カミナリにも注意と今朝のニュース、こちらは遠雷で済んだようです。
朝、店で七夕大入札会に出品する本の写真撮り。と言っても僅かに3点。しかも本といえるのは1点だけ、あとは紙モノ。
それだけに撮り方も難しく、何枚も撮ってみましたが、いまひとつという感じ。しかし明日が締め切りですから、撮った中からましなものを選ぶしかありません。それでもデジカメになって、随分作業が楽になりました。
思えば去年は、たった2点の出品が、いざ本番という時に見つからず、大騒ぎを演じたものでした。自業自得ではありますが、会に迷惑を掛けたばかりか、実損も生じ、苦い思い出です。今年は同じ失敗を繰り返さないよう、しっかりと管理しておかなければなりません。
これから7月初旬の下見展観まで、まだ一月半。あっという間に過ぎてしまう時間であると言うこともできますが、商品を抱えている身としては、長々しく感じる時間でもあります。
実際その点が、七夕の大きな課題となってきました。ネットオークションを初め、商品を売るための仕組みや場が、昔に比べて格段に増えてきており、七夕の優位性は揺らぎつつあります。
オンデマンドで簡単に本が作れる時代に、活字を組んで出版するような、手間ひまのかかることをやっている、と言うと分かり易いでしょうか。
その手間ひまに見合う効果を期待することが、年々難しくなってきているのです。七夕の強みはどこにあるか。ここでも一度、SWOT分析をやってみると良いかもしれません。
優品、珍品さえ出れば、市場は盛り上がる。それは当然ですが、何ヶ月も商品を抱えて、そこで売りたいと思うような市会であるためには、一番高値になるという期待が持てることが必要です。
その高値は、良い品が出て、有力な顧客、業者が集まることで生まれます。ニワトリと卵ですね。
朝、店で七夕大入札会に出品する本の写真撮り。と言っても僅かに3点。しかも本といえるのは1点だけ、あとは紙モノ。
それだけに撮り方も難しく、何枚も撮ってみましたが、いまひとつという感じ。しかし明日が締め切りですから、撮った中からましなものを選ぶしかありません。それでもデジカメになって、随分作業が楽になりました。
思えば去年は、たった2点の出品が、いざ本番という時に見つからず、大騒ぎを演じたものでした。自業自得ではありますが、会に迷惑を掛けたばかりか、実損も生じ、苦い思い出です。今年は同じ失敗を繰り返さないよう、しっかりと管理しておかなければなりません。
これから7月初旬の下見展観まで、まだ一月半。あっという間に過ぎてしまう時間であると言うこともできますが、商品を抱えている身としては、長々しく感じる時間でもあります。
実際その点が、七夕の大きな課題となってきました。ネットオークションを初め、商品を売るための仕組みや場が、昔に比べて格段に増えてきており、七夕の優位性は揺らぎつつあります。
オンデマンドで簡単に本が作れる時代に、活字を組んで出版するような、手間ひまのかかることをやっている、と言うと分かり易いでしょうか。
その手間ひまに見合う効果を期待することが、年々難しくなってきているのです。七夕の強みはどこにあるか。ここでも一度、SWOT分析をやってみると良いかもしれません。
優品、珍品さえ出れば、市場は盛り上がる。それは当然ですが、何ヶ月も商品を抱えて、そこで売りたいと思うような市会であるためには、一番高値になるという期待が持てることが必要です。
その高値は、良い品が出て、有力な顧客、業者が集まることで生まれます。ニワトリと卵ですね。
2013年05月15日
捨てなかった冊子
日曜日の夜、疲れた体にもう一仕事と出かけた宅買いが、7割方ツブシであったことは申し上げたとおりです。
それでは残りの3割は何であったかと申しますと、リトルマガジン、業界PR誌といった類。
いや、この説明は正確ではありません。その手の雑誌類も半ば以上はツブシました。その中から、モノになるかもしれないと思って残したのが、全体量の3割程度だったという次第です。
例えば「図書」とか「みすず」とか「ちくま」といった、出版社系のPR誌は内容も充実していて、つい取っておきたい気にさせられますが、だからこそというべきか、古書価は殆ど付きません。保存状態も良くなかったので、これらは迷わず処分いたしました。
残したのはあまり眼にしない雑誌で、しかもある程度の冊数が揃っているもの。根強い人気のある「食」に関するものなどです。
前者では「うえの」という月刊の冊子が、昭和40〜50年代にかけて120冊ばかりありました。後者には「甘辛春秋」とか「新そば」とかいった冊子がそれぞれ僅かずつ。
「あじくりげ」という冊子も約120冊あり、その名の通り「食」をテーマとするものですが、名古屋で刊行されたという意味では地域誌でもあります。
これらを今週の明古に出してみることにしました。果たしてどんな結果になるやら。それによっては、ご老人に、幾許かでもお支払いできるかもしれません。
そのほかにも面白そうな冊子が見つかったのですが、いずれも一冊、二冊といった端本。たとえば「月刊古地図研究」など、興味深いものですが、20頁の一冊きりでは、ネットで売るのも難しい。
せめてブログのネタに使わせていただこうと、何種類か手元に残しました。いずれ追々にご紹介いたします。
それでは残りの3割は何であったかと申しますと、リトルマガジン、業界PR誌といった類。
いや、この説明は正確ではありません。その手の雑誌類も半ば以上はツブシました。その中から、モノになるかもしれないと思って残したのが、全体量の3割程度だったという次第です。
例えば「図書」とか「みすず」とか「ちくま」といった、出版社系のPR誌は内容も充実していて、つい取っておきたい気にさせられますが、だからこそというべきか、古書価は殆ど付きません。保存状態も良くなかったので、これらは迷わず処分いたしました。
残したのはあまり眼にしない雑誌で、しかもある程度の冊数が揃っているもの。根強い人気のある「食」に関するものなどです。
前者では「うえの」という月刊の冊子が、昭和40〜50年代にかけて120冊ばかりありました。後者には「甘辛春秋」とか「新そば」とかいった冊子がそれぞれ僅かずつ。
「あじくりげ」という冊子も約120冊あり、その名の通り「食」をテーマとするものですが、名古屋で刊行されたという意味では地域誌でもあります。
これらを今週の明古に出してみることにしました。果たしてどんな結果になるやら。それによっては、ご老人に、幾許かでもお支払いできるかもしれません。
そのほかにも面白そうな冊子が見つかったのですが、いずれも一冊、二冊といった端本。たとえば「月刊古地図研究」など、興味深いものですが、20頁の一冊きりでは、ネットで売るのも難しい。
せめてブログのネタに使わせていただこうと、何種類か手元に残しました。いずれ追々にご紹介いたします。
2013年05月14日
非番の洋書会
ちょっと荷が多そうなので、早目に来てもらえないかとの連絡があり、午前10時半には市場に着きました。
5月は当番ではありませんが、ただいま会長職を引き受けておりまして、つまりはこういう時の手伝いが、主たる仕事です。
もっとも、そんな風に軽く考えているのは店主くらいのもので、歴代の会長さんたちは、責任感と義務感とに溢れた立派な方々ばかりです。念のため。
ともあれ仕分けのお手伝いをいたしました。量そのものは、格別多いというほどではありませんでしたが、何口もあって、人手が必要だったことは確かです。
店主が担当したのは、4〜500冊程度の比較的小さな、しかしながら面白い口でした。ベデカーなどガイドブックが80冊ばかり。革装を含む料理関係の古い本が10冊ほど。ヨット、タバコ、ワインといった趣味嗜好関係の本が20冊前後。
さらにはホテルや街、建物といった風俗に関わる本が約100冊など、どちらかと言うと学術書が多い最近の洋書会出品のなかでは、ちょっと異色のものでした。
仕分けた手前、また多少の色気もあって、一通り札を入れておいたのですが、思ったより良い値が付き、見事に空振り。悔しくもありますが、また嬉しくもありました。
その他は、比較的筋のよい学術書が数口。なかでも哲学思想関係の口は、全体としてはまずまずの値になりました。
しかし誰の札も入らず売れ残った山があり、荷主さんに問い合わせたところ、処分を任されまして、それならばと店主が取引最低値で引き取ったのですが、片付けながら、なぜ札が入らなかったか不思議なほど良い本が混じっておりました。
これをお客様から持ち込まれたら、とてもこの値段を申し上げられないなと思う一方、これらの本を売るために掛ける手間ひまを考えると、積極的に札を入れなかった同業の気持ちもまた、理解できるのでした。
現代思想関係の英書、もしくは英訳本が、近々少しばかり店に並ぶはずです。
5月は当番ではありませんが、ただいま会長職を引き受けておりまして、つまりはこういう時の手伝いが、主たる仕事です。
もっとも、そんな風に軽く考えているのは店主くらいのもので、歴代の会長さんたちは、責任感と義務感とに溢れた立派な方々ばかりです。念のため。
ともあれ仕分けのお手伝いをいたしました。量そのものは、格別多いというほどではありませんでしたが、何口もあって、人手が必要だったことは確かです。
店主が担当したのは、4〜500冊程度の比較的小さな、しかしながら面白い口でした。ベデカーなどガイドブックが80冊ばかり。革装を含む料理関係の古い本が10冊ほど。ヨット、タバコ、ワインといった趣味嗜好関係の本が20冊前後。
さらにはホテルや街、建物といった風俗に関わる本が約100冊など、どちらかと言うと学術書が多い最近の洋書会出品のなかでは、ちょっと異色のものでした。
仕分けた手前、また多少の色気もあって、一通り札を入れておいたのですが、思ったより良い値が付き、見事に空振り。悔しくもありますが、また嬉しくもありました。
その他は、比較的筋のよい学術書が数口。なかでも哲学思想関係の口は、全体としてはまずまずの値になりました。
しかし誰の札も入らず売れ残った山があり、荷主さんに問い合わせたところ、処分を任されまして、それならばと店主が取引最低値で引き取ったのですが、片付けながら、なぜ札が入らなかったか不思議なほど良い本が混じっておりました。
これをお客様から持ち込まれたら、とてもこの値段を申し上げられないなと思う一方、これらの本を売るために掛ける手間ひまを考えると、積極的に札を入れなかった同業の気持ちもまた、理解できるのでした。
現代思想関係の英書、もしくは英訳本が、近々少しばかり店に並ぶはずです。
2013年05月13日
延長の一幕
今朝起きて感じたのは、両肩の痛み。若い頃なら「凝り」で済んでいたのでしょうが。それでも、まだこれは序の口のような気が。今日より明日、明日より明後日と、影響が出てきそう。
昨日は閉店後、レンタカーを返却して家に戻ると、そのまますぐもう一件、自家用車で宅買いに伺いました。
引き取ってくれさえすれば良いからと頼まれたことと、住まいからごく近いところだということで、夜分にもかかわらずお受けしたのでした。
着いてみると、道路に面した軒下に、本らしきものが積んでありますが、明かりが遠くて良く見えません。白髪痩身の老人が出て来られ、「とにかく全部持っていって」と仰います。その言葉にしたがって、積み込みを始めました。
運んでいるうち、その多くが月刊誌や出版社のPR誌であることが分かると、一日の疲れが出てきて、次第に本が重くなり、つい少しずつ運んでいると、「日本男児ならこれくらい持たなきゃ」と、ご老人自ら大きな箱を持ち上げました。
「無理なさらないで」と申し上げると「なに、85歳になるんだがこれくらい」と一箱、二箱運んでくださいました。
薄暗い中、よく確かめることも出来ないまま、言われるだけの本を車に積み込み、家に戻ってようやく一日の仕事はおしまい。その一連の結果が、今朝の肩の痛みであったわけです。不思議と腰は大丈夫でした、今までのところは。
今朝は我が家のあたりは資源ゴミの回収日。いつもより少しばかり早目に起き出して、昨日車に積んだ本の整理をいたしました。
明るいところで見ると、迷わず処分できるものが大部分です。おかげで分量は当初の3割程度に。といってもまだ、これから選り分ける必要があり、はたしてモノになるものが残るかどうか。
しかしこういう風に溜め込んで来られた方は、何か面白い本を持っておられそうな気もするのです。あまりあてにならない本屋の勘ではありますが。
昨日は閉店後、レンタカーを返却して家に戻ると、そのまますぐもう一件、自家用車で宅買いに伺いました。
引き取ってくれさえすれば良いからと頼まれたことと、住まいからごく近いところだということで、夜分にもかかわらずお受けしたのでした。
着いてみると、道路に面した軒下に、本らしきものが積んでありますが、明かりが遠くて良く見えません。白髪痩身の老人が出て来られ、「とにかく全部持っていって」と仰います。その言葉にしたがって、積み込みを始めました。
運んでいるうち、その多くが月刊誌や出版社のPR誌であることが分かると、一日の疲れが出てきて、次第に本が重くなり、つい少しずつ運んでいると、「日本男児ならこれくらい持たなきゃ」と、ご老人自ら大きな箱を持ち上げました。
「無理なさらないで」と申し上げると「なに、85歳になるんだがこれくらい」と一箱、二箱運んでくださいました。
薄暗い中、よく確かめることも出来ないまま、言われるだけの本を車に積み込み、家に戻ってようやく一日の仕事はおしまい。その一連の結果が、今朝の肩の痛みであったわけです。不思議と腰は大丈夫でした、今までのところは。
今朝は我が家のあたりは資源ゴミの回収日。いつもより少しばかり早目に起き出して、昨日車に積んだ本の整理をいたしました。
明るいところで見ると、迷わず処分できるものが大部分です。おかげで分量は当初の3割程度に。といってもまだ、これから選り分ける必要があり、はたしてモノになるものが残るかどうか。
しかしこういう風に溜め込んで来られた方は、何か面白い本を持っておられそうな気もするのです。あまりあてにならない本屋の勘ではありますが。
2013年05月12日
昔ならなんでもない
久しぶりにレンタカーを借りて、宅買いに出かけました。
数ヶ月前のこと、およそ20年ばかりもお目にかかっていない旧知の先生から、そろそろ本を処分したいのだがという突然のメールをいただき、ご自宅へうかがって手始めに100冊ほどの洋書をお譲りいただいたことがあります。
数週間前、そのご子息という方からお電話をいただきました。先生が急に倒れられ、幸い一命は取り留めたものの、自宅療養に努めなければならない。ついては、そのためのスペースを空けたいので、整理を手伝ってもらえないかと。
いささか逡巡しました。第一に、先にお譲りいただいた際、こちらのご提示額に先生がご不満を示されたこと。第二に、今回片付けたいと仰るのは、退職後ご自身で楽しみに読まれた一般書がほとんどであること。第三に、二階の居間から玄関へ降ろし、庭の細道を通って車に積むまでの動線が、結構長いこと。
それより何より、幸いにして先生が快復された後、今回の処分について、お怒りになるようなことはないか。こうした点を、ご子息とじっくり話し合った末、「叱られるのは私ですから」というお言葉にお手伝いすることを決めたのです。
しかしそれからも大変でした。一番当てにしていた組合御用達の運送屋さんは、日程の都合がつきません。他の運送屋さんを頼むとか、同業の手を借りるとかという方法をとるには、やや中途半端な量と質(つまり評価額)です。
悩んだ末、レンタカーを借りて運ぶということに決めました。幸いにして、店番のミセスCのお嬢さんが、お手伝いに来てもらえることになり、今朝、多摩市にあるお宅まで、ワンボックスを走らせたのです。
午前10時に着いて、作業終了が午後12時半。店に戻って午後2時。何はともあれ昼食。そのあと今度は積んできた荷を降ろさなくてはなりません。これが日曜日でなければ、直接市場に持って行かれたのですが。
とはいえ当初予定していた昨日だったら、お天気に泣かされていたことでしょう。ともかく無事に荷降しまでは完了。あとは明日、店主の腰がどうなっているかです。
数ヶ月前のこと、およそ20年ばかりもお目にかかっていない旧知の先生から、そろそろ本を処分したいのだがという突然のメールをいただき、ご自宅へうかがって手始めに100冊ほどの洋書をお譲りいただいたことがあります。
数週間前、そのご子息という方からお電話をいただきました。先生が急に倒れられ、幸い一命は取り留めたものの、自宅療養に努めなければならない。ついては、そのためのスペースを空けたいので、整理を手伝ってもらえないかと。
いささか逡巡しました。第一に、先にお譲りいただいた際、こちらのご提示額に先生がご不満を示されたこと。第二に、今回片付けたいと仰るのは、退職後ご自身で楽しみに読まれた一般書がほとんどであること。第三に、二階の居間から玄関へ降ろし、庭の細道を通って車に積むまでの動線が、結構長いこと。
それより何より、幸いにして先生が快復された後、今回の処分について、お怒りになるようなことはないか。こうした点を、ご子息とじっくり話し合った末、「叱られるのは私ですから」というお言葉にお手伝いすることを決めたのです。
しかしそれからも大変でした。一番当てにしていた組合御用達の運送屋さんは、日程の都合がつきません。他の運送屋さんを頼むとか、同業の手を借りるとかという方法をとるには、やや中途半端な量と質(つまり評価額)です。
悩んだ末、レンタカーを借りて運ぶということに決めました。幸いにして、店番のミセスCのお嬢さんが、お手伝いに来てもらえることになり、今朝、多摩市にあるお宅まで、ワンボックスを走らせたのです。
午前10時に着いて、作業終了が午後12時半。店に戻って午後2時。何はともあれ昼食。そのあと今度は積んできた荷を降ろさなくてはなりません。これが日曜日でなければ、直接市場に持って行かれたのですが。
とはいえ当初予定していた昨日だったら、お天気に泣かされていたことでしょう。ともかく無事に荷降しまでは完了。あとは明日、店主の腰がどうなっているかです。