2013年11月

2013年11月30日

試みの終わりと始まり

RIMG0703さて今日で11月が終わり、もうひとつ、小さな試みが終わりました。

今年の1月から、小店の一画をショウルームとして、ユニークな文具雑貨を展示販売してこられた、
Quaint DesignさんのBrick Parlorが、本日をもって撤収となったのです。

初めから実験的な試みであることは、双方了解しておりましたので、いつまで、という点だけが未知数でしたが、QDさんに、新しい事業展開の芽が生まれたのを機に、ここらで一旦、畳もうと決められたようです。

小店の集客力の低さは、初めから繰り返し申し上げておりましたし、その点に過度の期待はかけておられなかったはずです。ですから見込み外れということではなく、あくまで戦略的な転換、と申し上げて間違いではないでしょう。

一年に満たない期間ではありましたが、小店にとっては、本以外のものを売るという新しい経験を得ることができましたし、その商売の方法などについても、古本を売っているだけでは知ることのできない、様々なヒントをいただくことができました。

決して多いとは言えませんが、新たなファンを獲得できたことは、ささやかながら小店が、QDさんに貢献できたことでしょうか。

このショウルームを畳まれた後は、これまでのようにアトリエと、展示会を中心に営業活動を続けられますし、その商品は大型書店、百貨店などに販路を広げつつありますので、手に入れることは難しくないでしょう。

ところでこの試み、お客さま方の目には、どのように映っておられたでしょう。機会があればうかがってみたいものです。同時にこのあと、空いたスペースをどのように使っていくかについても、ご意見をいただいてみましょうか。

もちろん、すぐにでも棚は本で埋まってしまいますが、埋まったらそれっきりというのではなく、もう少し動きのあるものにできないだろうか、というのが、今回の経験を踏まえ、現在考えているこれからの展望です。

12月からの新たな試みにも、ご期待ください。

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2013年11月29日

月末、そして年末

RIMG0682月末の金曜日。本来なら朝から明治古典会に出かけるところ、一日店で仕事ができるのは、ありがたいことではあります。

来週の水曜日に「東京資料会」という交換会の大市があり、その前後一週間がお休みになる、その期間に当たるためです。

ありがたいとは申しましたが、それは店主個人にとってであり、会としてはこの時期、一回お休みとなるのは、必ずしも嬉しいことではありません。

一回の開催が減れば、それだけ会の収入が減ります。もちろん費用も掛かりますから、差し引きすれば足が出る場合だってあるのですが。

それでも、ただ会としての損得だけでなく、ご利用になる業者さんにとっては、商売の機会が一回失われるわけですから、お困りになる方もおいでになるでしょう。

組合員であれば、いつどの交換会を利用しても構わないのですが、それぞれのお店の品揃えや、時間的な都合などから、いつのまにやら決まった会に顔を出すようになるものです。

全ての会に出る組合員もいれば、ついぞ市場で見かけたことがない組合員もいる。明治古典会には行ったことがないという人もいれば、明治古典会にしか行かないという人もいる。

そんなわけですから、中には今日の休会を歓迎しない方がおられても、不思議ではありません。しかし、一年間に42〜44回ほど開かれる明治古典会です。たまに一週空くのも、気持ちをフレッシュに切り替える、良い機会でしょう。

ただ、この時期、古典会と資料会、二つの大市が続くおかげで、いつもながら、気ぜわしく12月を迎えることになります。

12月に入れば洋書会は歳末特選市、明古はクリスマス特選市。あっという間に年の瀬です。すでに忘年会が二件決まりました。

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2013年11月28日

水のように本を売る

国立国会図書館のデジタル・ライブラリー化は、着々と進行しているようです。

これによって予想される出版関連産業への影響が、民業圧迫でもあるという非難に配慮してか、同館のHPにおいて、販売されている書籍検索サイトへのリンクが、目立つようになりました。

といっても、まだかなり深い階層に遠慮がちについているだけで、それが目に入るのは、関心をもってその推移を見守っている、関係業界の人間だけかもしれません。

小なりとはいえ圧迫される側には違いない、わが古書業界としても、先の長尾館長の時代から、より積極的に同館との連絡を取り『日本の古本屋』へのリンクが、少しでも条件の良い位置に表示されるよう、交渉を続けてきました。

今日の『日本の古本屋』事業部会議では、議題の一つとして、その最新の経過報告が伝えられたのです。

まだ、ここでお伝えできるような具体的な話はありません。ただ事業部長が、その報告で使った喩えが面白かったので、つい、ここに書く気になりました。

曰く「水道が引かれたらペットボトルの水は売れなくなる。せめてペットボトルの広告くらい出させてくれても」。

RIMG0683いずれ将来、個人のPCからでも、自由に国会図書館のデジタル書籍へアクセスできるようになるに違いない、ということを踏まえての発言です。

もちろん単なる喩えですから、つじつまの合わないところはあります。実際、水道とペットボトルの関係は、現実の社会では逆の立場で進んできたわけですから。

しかし、その現実を範に取れば、ペットボトルのように、書籍を売ることだって可能かもしれないと、店主などは淡い希望を持ったのでした。



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2013年11月27日

歳末市が楽しみ

RIMG0673昨日の洋書会は、歳末特選市(12月17日)の目録締切日でした。

大量の出品で通常作業さえいつもより多い中にあって、目録担当は、寄せられた原稿の整理に追われておりました。

今回は特に、原稿ではなく本そのものを送ってこられ、こちらで目録原稿も作ってほしい、というケースが二口重なり、さらに忙しい思いをしていたようです。

どちらもそれなりに魅力のある口でしたので、担当者も嫌な顔ひとつせず、むしろ喜んで作業をしていました。

ひとつは九州鍋島家の旧蔵だという、かなり古い洋書が段ボールに3箱。開けてみるとディケンズの作品集やら、アフリカ旅行記など、19世紀末から20世紀初頭にかけての立派な装丁の本。

ただし量からみても、時期を考えても、すでにあらかたは整理されて、その残り物という感じは否めません。

それでも革装の表紙に、nabeshimaと箔押しされているものも見つかり、なるほど大家の所蔵しておられた本だと分かります。

もう一口は、30年以上前に亡くなった著名な評論家の蔵書で、ある書店が今日まで塩漬けにしてきたものだそうです。日本関係の洋書を中心に約300冊ばかり。

こちらの方が筋は通っておりますが、そのほとんどは、古書として国内で手に入れたもののようです。資料として集められたものですから、状態にはあまり拘っておられなかったらしい。

購入されたあとでも、保存に気を使ったとは思えません。有体に言って、イタミのみられる本が多い。今見ると、何とももったいない気がします。

しかし、こうした本が我が国の古本屋の店頭に並んでいたということは、文化移入史の上で、興味深い事実です。

一体誰が招来したのか、と考えたとき、先の鍋島さんのような方々が思い浮かぶわけで、この二口、並べてみると、面白い目録になりそうな気がします。

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2013年11月26日

うなぎに遠慮

今日の洋書会は、荷の量が多いことは分かっておりましたが、仕分けの手伝いに馳せ参ずることもせず、ゆっくりお昼から出かけました。

行けば多少とも手助けにはなるでしょうが、行かなくても特に困るほどではなかろう、と考えたからです。

実際、店主が着いたころには、殆どの出品物に入札用の封筒も付けられ、準備はほぼ整っておりました。

その量の多さを見て、改めて当番会員は大変だっただろうと、心の中で頭を下げましたが。

大量となった理由は、不定期に入る、いつもの某大学図書館払い下げ図書が、大型段ボール80箱ほど入荷したからです。

いわゆる一口ものとは違い、いわば寄せ集めですから、量ほどには売り上げが伸びないのが通例です。

RIMG0675今日は月末で、洋書会当番のお昼は恒例のうなぎ。計算上は、相当な出来高がないと、この食事代を稼ぎ出すことができません。

こんな日に手伝いに行って、一食分余計に出前を取ってもらうとすると、会の会計に負担をかけることになる。そう考えたのが、ゆっくり出かけた理由です。

というのはまあ冗談ですが、まるでその考えがなかったわけでもありません。

洋書会は、他の交換会に比べて出来高が少なく、それに応じて一定の割合で支給される活動費も少額です。万事切り詰めて運営するしかないのです。

しかし、出来高がすべてではありません。そこでの取引が、それぞれの店の商売の助けになるところに、市場の存在理由があります。

小店も、僅かながら、収穫ありでした。

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2013年11月25日

倒木更新

ある地方で勇名を馳せた古書店が、あと一年ほどで店を閉じられるという話を聞きました。

「日本の古本屋」にも、数万点の在庫を登録されている本屋さんです。

RIMG0666そう知ったあと、たまたま書籍を検索していて同店の出品がヒットすると、かなり安値で出ていることに気が付きました。

どうやら在庫整理に入っておられる様子です。いずれ「閉店セール」とでも、解説欄に書き込まれるかもしれません。

先日の終活とはいくらかニュアンスが異なりますが、大所が姿を消していくという点では、同じ寂しさを感じます。

しかし、激減した新刊書店と違って、もともとの数が少ないこともありますが、全国の古書組合員数は、減ったと言ってもこの30年で3割程度。

それでとどまっているのは、廃業する店がある一方、新規に組合に加入する店も、相変わらず後を絶たないからです。

そして、そのなかから新しい、勢いのある書店も、数多く育っています。彼らは老舗の専門店に伍して、思い切った入札で、自分が珍しいと思う本を買い集めています。

そうした面々にとっては、大手や老舗の店じまいは、ある意味で大きなチャンスでもあるでしょう。

かつては大蔵書家の売り立てが、市会の最上のものでした。しかしそのような市は、もう望んでも得られないかもしれません。

それに対して、優れた古書店の在庫は、並の蔵書家をはるかに凌駕しています。伝説の「鶉屋書店」とまでは行かなくとも。

そして、今やそうした古書店の在庫が、市場に出てくる時代となりました。倒木更新は、今後の業界にとって、重要なメカニズムとなることでしょう。

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2013年11月24日

久々TVネタ

昨夜は録りためてあるスポーツ番組もなかったので、チャンネルをあちこち移動させておりましたところ、Eテレで内田樹と観世清和両氏の対談番組に遭遇いたしました。

興味を惹かれて、そのまま終わりまで見てしまいましたが、おそらく内田さんは、ご自身ではこの番組をご覧にならないだろうなと感じつつ、見ておりました。

「宗家からのお声がかりでは、断るわけにいかない」というのが、節を曲げてテレビ出演を受けた理由だそうです。確かに、うまく表現できませんが、あまりテレビ向きではないような気がしました。お話は、とても面白いのですが。

番組が終ってそのままスイッチを切らずにいたら、続いて寺山修司について、穂村弘と園子温が語り合うという番組になりました。面白そうなので、引き続き見ることにいたしました。

園という映画監督については、初めてその名を知ったのですが、いきなり嘘かまことか、俄かには信じられないようなご自身の「書を捨てよ」体験を語られ、印象に残りました。

一方の穂村さんですが、ご自分で認められるとおり、能弁というわけではありません。考えたことを口にするまでに、幾度も反芻する作業をしておられるかのようです。しかし訥々とした話し方には、好感を覚えました。

その点からすると、内田さんは、頭の回転と、それを言語化するスピードが速すぎるのかもしれません。文字にするときは、そこで時間がかかることで、もう一度反芻する暇が生まれ、表現としてうまく定着させられるのでしょう。

だからこそ内田さんの場合、文字になったものを読ませていただくほうが、ずっと面白いのだろうと思います。

まるで関係のない話ですが、まだ青年の面影すら残す穂村さんが、あるシーンで、いつものことのように指に唾をつけて書類をめくっておられるのが、意外な感じでした。

ところで情けないことに、この番組をおしまいまで見ることなく、途中で眠ってしまいました。年です。

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2013年11月23日

理想の終活

現役最長老として活躍されていた同業のNさんが、米寿を迎え、さすがに体力の衰えを感じられたこともあり、いまどきの言葉でいえば「終活」を始められました。ついに後継は、得られなかったのです。

ご自身が二代目のはずですから、その在庫は、質量ともに、膨大なものになります。

もちろん、長くやっていれば残るというものではありません。Nさんは、自らの才覚により、おもに目録販売、即売展などを通じ、業界でも有数の書店として名を成されました。その商売の過程で蓄積された在庫なのです。

目下、それが収納されている倉庫を整理しながら、漸次、交換会に出品していくという作業に入っておられ、Nさんと縁の深い複数の後輩同業が、その差配を任されています。

その一人の言葉によれば、全部でカーゴにして500台になるだろう、ということです。今のところ月にカーゴ15台ほどのペースですから、このままだと、3年近くかかる勘定になります。

RIMG0665もちろん、こうした作業の常として、まず雑多な、整理や仕分けに一番手間がかかる、いわゆる不良在庫から片づけを始めています。この先、質が上がるとともに、作業のペースも上がることでしょう。

しかし驚くべきは、そんないわば売れ残り品でさえ、丁寧に仕分けて市場に出品されると、結構良い値になっていることです。

本自体、最近では見かけなくなった、珍しいものが多く含まれているということが、一番の要因ですが、大雑把にまとめて出品されれば、ここまでの値にはならないはずです。

市場の意味を知り抜いているNさんならではの、賢明な在庫処分法と言うべきでしょう。

実際、交換会を運営する側にとっても、出来高が上がることによって恩恵を受けますし、入札する身にしても、欲しい本だけ買えるほうが有難いのは言うまでもありません。

誰にとっても良いことずくめに思える終活ですが、ただ差配を任されているご当人たちは、ややお疲れの様子です。

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2013年11月22日

遅くまで残業

明治古典会の仲間と食事をして店に戻ると、午後11時半を回っていました。なぜそんなに遅くなったのか。

まず、出品の点数、量ともに、最近では稀な多さでした。開場の準備を済ませるのに、すでにいつもより30分以上余計にかかりました。

開札が始まってからは、また別の理由。本日は、来月の20日に開催するクリスマス特選市の目録締切日で、その編集作業のために、何人かの人手を取られました。

いつもより多い品物を、いつもより少ない人員で捌くのですから、ここでも時間が押していきます。

開札と発声が終了した時には、すでに午後5時半を回っておりました。これで平時の約1時間遅れ。

そのあと、今日が月一度の特選市にあたるため、恒例となっている「フリ」を行いました。

幸いというべきか、こちらの点数は、いつもより少なめ。それでもすべてが終わった時には午後6時を過ぎ、それから片づけなど、会場の整理です。

片づけは経営員が中心となって当たりますが、幹事には目録編集の手伝いという仕事が残されておりました。

6階に上がって、与えられる仕事をこなしているうちに、ついに午後8時半。ようやく目途がついて、店主などロートルから一足先に退館。

携わった人員約10名が一緒に食事できる場所を探して、いつもの「三幸園」へ。席に着いたのが午後9時。

RIMG0659ンバーが揃ったのはさらに30分経ってからですから、解散の午後11時までは、まさにあっという間のことだったのです。

良く働いた一日でした。

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2013年11月21日

駒場祭にバザー

RIMG0655「すいません、要らない段ボールがあったら分けてもらえませんか」

年に何度か、もっぱら秋に偏りますが、こんなお願いが相次ぐ日があります。シーズンの最後は東大駒場祭の学生さんたち。

先ほどから三組続けて同じ懇請を受け、おしまいの人には「もうないので、また明日にでも来てみて」と答えたあと、明日からはもう、駒場祭が始まるのだと気が付きました。

そういえば毎年、前日の、それも夕刻になってから、やってくるのが彼らの特徴です。これが高校の文化祭などの場合だと、少し早目からグループで訪ねてきたりして、いかにも準備という感じがあります。

駒場祭の学生さんたちは、それに比べると泥縄的。というより、そういうグループだけが、今頃になって小店あたりに飛び込んでくるのかもしれません。

誰から聞いてか、おそらくは使いっ走りの一年生でしょうが、そんなことででも、小店の存在を知るきっかけになってくれれば、良しとすべきでしょう。

そんな風に考えて、間に合う限りは供出するようにしておりますが、応えられるのは、せいぜい初めの一組二組。小店に断られて、あとはどこで調達するのか、気がかりなところではあります。

さて、明日から駒場祭ということは、またこの週末、学校内の賑わいとは裏腹な、静かな日々を迎えることになるはずです。

その常識を覆そうと、23日の土曜日に、QuaintDesignさんは、久々の店頭バザーを計画いたしました。駅に行ってビラ配りでもなんでもする、という意気込み。

お天気の方は、どうやら大丈夫そうですが、人の流れのほんの僅かでも、こちらに向けさせることができるでしょうか。

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