2015年05月

2015年05月31日

体力づくり

RIMG0229今日も紙袋二つを両手に提げて、Kさん(83歳)が、耳折のある本をお持ちくださいました。このところ頻度が増して、二日に一度位のペースになってきましたが、今日は昨日に続いて二日連続です。

刊行されて一年も経っていないような本もあって、総じて新しい本ですから、耳折があってもその分だけ安くすれば、割合すぐに売れていきます。

ですから毎回有り難く買わせていただくのですが、何しろこの暑さです。あまり無理をされないようにと申し上げても、「散歩代わりですよ」とおっしゃって、飄々と去って行かれました。

例えば今日お持ちいただいたのは、『朝鮮戦争論』(明石書店、2014年)、朝長振一郎『プロメテウスの火』(みすず書房、2012年)、『戦後責任 アジアのまなざしに応えて』(岩波書店、2014年)、『定本想像の共同体』(書籍工房早山、2012年初版第9刷)などなど。

先日は『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史1-3』(早川書房、2013年)をお持ちくださったのですが、見たところ新本同然。しかしよく見ると第3巻にだけ、何ヶ所か大きな耳折が残されていました。

気さくに大きな声で話されるKさんですが、読書の傾向からすると、現代史にご関心が強く、現政権に対しても批判的な立場のように思われます。しかし、そのような会話になったことは、これまでのところ一度もありません。

話せば長くなると自重されておられるのか、政治向きの話は古本屋の店先でかわす話題として相応しくないと考えておられるのか。あるいはご自身の大声を憚って、話題を選んでおられるのでしょうか。

「これから大学の同級会に行くんだが、今年は参加者がついに5人になって、『何人になるまでやるんだ』という話になってね。まあ1人になれば出来ないので、『2人になるまでかな』と。ちょっとその会費には足りないけど、これを足しにさせてもらいますよ」

そんな話をされたこともありました。もしかしたら、他愛もない話をして笑い声をあげて、というところまで含めて、体力づくりの一環として考えておられるのかもしれません。せいぜい長く、ご利用いただきたいと願っております。

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2015年05月30日

清張ばり

ちょっと小耳にはさんだ話です。

北海道のH市で、一人の男性の自殺と思われる遺体が見つかりましたが、身元を確認できるものがありません。僅かな遺留品の中に、一冊の本があり、その見返しに、ある古書店のラベルが貼られていました。

そこでH市の警察署から、その古書店に照会が入りました。古書店では、どうやら即売展で購入したものらしいということまでは分かりましたが、その本というのが、特別珍しいものでもなく、目録などに載せたわけでもなかったため、個人につながる情報は提供できなかったとのことです。

記憶の良い本屋なら、どの即売展で売れたかくらいまでは覚えているものです。おそらくそのあたりを伝えたのでしょう。警察から次に、その即売展名簿の提出を求められたそうです。

その先の話は聞いておりません。警察の依頼であれば断るのも難しいでしょうから、会から名簿が提出されたかもしれません。

しかし、店主が昔かかわっていた即売展の場合でも、名簿の数は約3千名ほどでした。販売目録の送付先としては、決して多い数ではありませんが、その中から一人を探し出すのは、なかなか大変そうな気がします。警察にとっては、特別驚くほどの数ではないのでしょうか。

もっとも、犯罪捜査というわけではないため、実際にどこまで調べるのかは、店主のあずかり知らぬところです。

ところで、自殺(と見られる)が発端となる小説(多くは推理小説でしょうが)というのは、いろいろとありそうですから、古本屋がこんな形で点景として登場した例が、過去になかったかどうか、詳しい方に伺ってみたいものです。

RIMG0222話変わって、今日は駒場小学校の運動会。いつもより気張って表に並べたジャンクおもちゃは、期待に反してほとんど売れませんでした。

親子ともども暑さでグッタリ、とても立ち寄る気になれなかったのかもしれません。

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2015年05月29日

来日文化人

明治古典会の恒例となった月末会食、今夜は淡路町の「みます屋」。古くからの居酒屋として、今でも人気のあるお店。

店主の記憶では、小上がりの和室が幾部屋か連なっていて、団体客の場合は仕切り障子を取り払って、そこに上がりこむ形になる筈でした。

足腰が辛いので、顔だけ出して、すぐにお暇しようと言うつもりで参加したのですが、新たに広げられた一角が、椅子席の土間になっていて、そこに全員の席が設けられていたのです。

おかげで体は楽でしたが、お終いまで付きあうことになり、店に戻ったのが10時半。結局疲れたことに変わりはありません。

RIMG0223とまあ、会食の話はさておいて、今日の市場は月末特選のフリが、なかなかバラエティーに富んでいて、店主のような観戦者にも、充分楽しめました。

戦前の映画雑誌『日活』や、同じく戦前の大阪三越の宣伝誌などのきれいな口。萩原朔太郎『月に吠える』初版の、なんとも不思議な改装本。怪獣映画スチールを数十枚ずつまとめた二口、その他その他。

そんな中で店主が興味を持ったのは、「フランス古写真 女優作家他 サイン入 一箱」と題された、数十枚の写真でした。

そのサインを見ると、多くに maison franco-japonais という宛書と、短い識語、1920~30年代の日付が入っています。つまり「日仏会館」を訪れた、名士、文化人たちが、記念に遺して行ったもののようです。

店主としては珍しく時間をかけて、その一枚一枚を見させてもらいましたが、顔で識別できたのは、Colette と Louis Jouvet の二人だけ。あとはサインから判別できたのが Andre Maurois 他数名に過ぎませんでした。

それでも貴重な資料だとは感じましたので、幾らになるかと固唾をのんでおりましたところ、想像をはるかに超える価格で落札となりました。

しかしどうやら資料というよりは、古い肖像写真として商品化されそうな雰囲気です。

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2015年05月28日

TKIの役得

午後からTKIの会議。リニューアルの第一段階が終了して、しばらくは会議のペースも落ちたのでしたが、次のステップが待ち構えていて、先週に続いての会議となりました。

ちょっとした話題となったのが、高原書店さんの楽天出店。聞くところによればAmazonをやめて、こちらに移ったのだそうです。その理由というのも又聞きにすぎませんが、値下げ競争に嫌気がさしたとか。

『日本の古本屋』の方へは、従来通り、出品をつづけていただいています。

そのショップページを、会議後の雑談の場で、ざっと見せてもらいました。確かに、店売りにこだわる高原さんには、より相応しいサイトかも知れません。

実のところ、『日本の古本屋』も、本を値段の違いで売るのではなく、店の違いで売れるようにしたい、というのが当初からの目標のひとつです。そこにこそ、組合事業として行う意味もあるというものでしょう。

ところが、今日も話し合った次のステップというのは、まだその目標の、はるか手前の段階に過ぎません。依然として、さまざまな不具合は見つかりますが、これは新システムに付き物の部分もあります。しかし当初から指摘されている使い勝手の悪さを、なんとしても早急に改善しなくてはなりません。

人間というのは、特に日常的な作業については、身に付いた行動パターンを、容易に変えようとしません。先々便利になるからといって、今の段階で多少とも面倒があると、新しい方式を習得しようという気には、なかなかならないものです。

それが強いられたものである場合は、余計、その面倒に対する許容度が低くなるもので、店主などは、いわば強いている側であるからこそ、多少の面倒を押しても、新しい仕組みに馴染もうという気にもなるわけです。

RIMG0233もし外野にいれば、人一倍、面倒くさがりの店主など、誰よりも新システムに怨嗟の声を上げていたかもしれません。この立場にいたおかげで、積極的に試さざるを得ず、おかげでその便利さにも気づくことが出来ています。

それがまあ、役得といえるでしょうか。

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2015年05月27日

熱さ対策

「アッチー!」と、大きな声がして、「ミニカーが熱いよー」。小学校中学年くらいでしょうか、初めて自転車で通りかかったらしい二人連れが、珍しそうに箱の中を掻き回し始めた時のことでした。

RIMG0225午後3時前の、一番気温が上がっている時分。店の前面に置かれているジャンクたちは、まともに日差しを浴びて、驚くほど熱を持っていたとみえます。

それでもひるむことなく、あれこれと手に取っている様子です。途中で一人が「おかーさんに電話して、100円でミニカー売ってるから買ってもいいか聞いてみる」と言うのが聞こえ、どうやらお許しか出たらしく、それからいよいよ本腰を入れて選び始めました。

心配になるほど長い間、二人して品定めを続けた後、一人が怪獣一体とミニカーを2台、もう一人がミニカー3台持って、「ここでいいのかな?」と不安そうに、店の中に入ってきました。

300円の怪獣は、二人で半分ずつ出し合って友達にプレゼントしようと、話し合っているのも聞こえていました。「お前も150円出すんだよ」と一方が言い、他方が従って、勘定をしようと小銭を取り出すとき、コロンコロコロとコインが落ちて転がる音がしました。

どうやら帳場の下に転がり込んだらしいのですが、覗いたりしても見つからないようです。そのまま払おうとするので、「いくら落っことしたの?」と聞くと、「100円」と言います。「じゃあ残りを出してくれればいいよ」と、100円玉1枚を引き取らせました。

二人では、さかんにお喋りを交わしていたのに、店主との会話となると口数少なで、「ありがとうね」と言っても、言葉を返すでもなく、帰って行きました。

ちょうど下校時刻で、駒場小学校から帰る児童たちが表を通りかかっていましたから、どこか別の地区の小学生だったのかもしれません。

あとで床を見て回りましたが、100円玉は、どこかへ雲隠れしたようです。それよりも、暑さ対策、というより熱さ対策を、講じなければならない季節となりました。

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2015年05月26日

即時返金

気のせいか、『日本の古本屋』へのご注文で、クレジット決済以外の場合、つまり銀行や、郵便局の振替口座への送金を希望される場合、こちらから送料を含めた金額をお知らせしてから、ご入金までの間隔が、以前より長くなったように感じます。

それに対し、新しいサイトになってから、ぐっと増えたクレジットによるご注文は、決済までの時間が、かなり速くなったような気がいたします。時には、返信してほとんど間髪をおかず、という場合もあります。

管理画面で操作をしていると、メールより早く、お手続きの完了が分かりますので、余計にそう感じるのかもしれません。

また、そうしたクレジット決済の速度に慣れてきたために、例えば土、日などが入ると確認ができない銀行振り込みなどが、遅く感じられるようになったのかもしれません。

郵便局への電信振込なら、即時に通知メールが入るようになっていますが、こちらのご利用は、小店に限ってでしょうか、最近少なくなってきました。クレジットが増えた分、振替のご利用が減ったのでしょうか。

RIMG0208昨日、そんな振替入金があった一冊を送ろうとして、念のためページをパラパラと開いて見たところ、赤い色が目に飛び込んできました。慌ててめくり直すと、赤ボールペンによる線が、定規を当てて几帳面に、しっかりと数行引かれているではありませんか。

小口などはきれいなため、つい見落としていたようですが、更に確かめていくと、飛び飛びながら、結構あちらこちらに引かれていました。

お値引きを申し出るという程度ではありません、ご返金が一番と考え、すぐにお詫びとお願いのメールを送りました。ご返金先の口座をご連絡いただきたい旨の文言を添えて。

すぐに、ご了解の返信が戻ってきました。こころよくご諒解いただき、口座番号も記されておりましたので、即時に送金し、まずは一件落着となりました。

うっかりと言えばうっかりです。「評価」システムがあれば、点を下げたかもしれません。なくて幸いでした。

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2015年05月25日

ご迷惑

RIMG0191先日、留守の間に、洋書のソフトカバー4冊と展覧会図録1冊の、お持ち込みがありました。洋書はいずれも英語で、歴史読み物と、古代戦史の本。読み物も、舞台となっているのはローマ時代で、どれも400頁ほどありそうな厚冊です。

たとえて言えば、吉川英治か司馬遼太郎の普及版単行本を、数冊お持ちいただいたようなものでしょうか。戦史の方は、さしずめ塩野七生。はて、どんな評価を付けたものか、悩んだ末、ご来店をお待ちすることにしました。

数日後、ちょうど店主が店番をしているときに、その方がご来店になりました。ご年配の、品の良いご夫人でしたので、「せっかくお持ちいただいたのですが…」と切りだしますと、「ご迷惑でしたら、持ち帰りましょうか」とおっしゃいます。

店主としては、はかばかしい値が付けられなくて申し訳ない、というつもりの前置きでしたから、お値段を申し上げて、それで良ければ置いて行って下さいと、重ねて説明いたしました。

お客様が当方の値付けに対し、お気に召さなければ、お持ち帰りいただくのは一向に構いませんが、邪魔になるから持って帰ってほしい、というように取られるのは本意ではありません。

しかし「初めてのことで勝手が分からなかったのですけど、どうやらご迷惑のようですので持って帰ります」と、ご持参の袋を取り出します。

どこで齟齬をきたしているのか、どうもこちらの意向を正しく受け取っていただいているように思えません。繰返し、「お値段にご納得いただけるなら、お引き取りさせていただく」旨を申し上げ、ようやく「そうですか、それなら、これで決まりといたしましょう」と、お代を受け取っていただきました。

「お金は結構ですから、引き取っていただけますか」という言葉には、日ごろ慣れっこになっておりますが、こういう逆パターンは珍しい。そう思い返していて、ふと不安になりました。

もしかして、評価額にご不満があって持ち帰りたかった、ということではなかっただろうかと。

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2015年05月24日

リプリント版

Constant Mic だとか、P.-L. Duchartre といった名を久しぶりに見て、懐かしい気分になりました。どちらも Commedia dell'arte の本です。

RIMG0218先週の木曜日に、TKIの会議が午後1時半からあって、ギリギリに古書会館に駆け込んだのですが、7階まで上がる途中、ふと魔が差したように3階で降りると、一新会は開札が始まるところでした。

その最初の開札にとりかかる窓際には、フランス書が大山になって何口か出品されています。近づくと、開札係の良く見知った同業たちが、「待ちますよ」と入札を促します。急いで目を走らせて、2点だけ入札いたしました。

それが2点とも落札したことは、会議中にスマホで確かめて知っておりました。それをいつものルート便ではなく、通常の運送便で土曜日に運んでもらうように手配したのは、金曜日、明古の落札品を片付けた折のことです。

そうしてカーゴ半台ほどの荷物が昨日届き、その整理を昨日、今日と続けていたわけです。

まだ仕事としては、半分ほどしか済んでおらず、店の開け閉めの際に、その本をあちらへこちらへと移動させるという、余分な作業が生じているのは、これまでの本が店内狭しと積みあがっているからにほかなりません。ますます「いい古本屋」からは、遠ざかるばかりです。

その大山の中に、冒頭の二冊が混じっておりました。演劇関係とだけ封筒に表示されていた、150冊ほどの口の、多くはあまり使い物にならない本でした。フランス書特有のイタミやヤケもある上に、全体に保存状態も良くありませんでした。

それでも、信じられないほどの安値で落ちてきましたので、何点かの目ぼしい本だけで、十分元は取れます。ただしこの、元が取れるというのが曲者で、そこから先、利益を出そうとおもうと、労力、保管場所などを考えた時、なかなか簡単ではないのが実情なのです。

そんな話をしようと思ったのではありませんでした。2冊の懐かしい本、タイトルこそ昔扱ったものと、同じなのですが、ソフトカバーの廉価版だったということが言いたかったのです。

オンデマンド版などが出るはるか以前から、こうしたリプリント版によって、価格破壊は進んでいたのでした。

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2015年05月23日

スターのボヤキ

昨日の明治古典会は、いわゆるサブカル系の商品が特に注目を集めました。

最終台に載せられた昭和20年代から30年代にかけての『少女クラブ』数十冊は、最終発声、つまり昨日一日で、最も高値の商品となりましたし、他にも怪獣映画のシナリオや、画稿などが、軒並み高値を呼んでいました。

一方で昨日は、明治大正の近代文学作品も、多数出品されていたのですが、それがすっかり霞んでしまうほどの勢いを感じたのは、店主だけではなかったはずです。

その文学作品を、例によって買い占めていたように見えたF書房さん(誰でもご存じなので、あえて名は伏せますが)は、市場が終わったあと、店主に向かって「どうやら痴呆症なのかもしれない」と、落ち荷をカーゴに山積みしながらボヤかれました。

実はその直前、S書林さん(同前)から「Fさんは認知症じゃないだろうか。いま食事をしたことも忘れて、また欲しがる」と、いつものボヤキを聞かされたあとだったので、早速ご当人に告げ口をいたしました。

するとFさんは、「痴呆症?認知症?どうちがうんだろう」と、しばらく考え込み、「どっちにしても、もう俺は長くないよ」と、これまたいつものセリフで締めくくられました。

言うまでもないことですが、お二方とも、ことさら悪意や偏見を持って、この言葉を使っているわけではありません。また、Sさんのボヤキは、Fさんへの敬意の裏返しであることも、蛇足ながら。

「Fさんはポール・マッカートニーと同い年なんだから」というのも、Sさんの良く口にする言葉で、つまりFさんは古書業界のポールだというわけです。Sさんだって、充分、この業界のスターなのだと店主には思えるのですが。
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店主はといえば、地味に三点ほど入札して落札。そのうちの一点は建築関係書約30冊という口で、出来る限り早く、店に並べるつもりにしております。

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2015年05月22日

放送大学

RIMG0164我ながら、妙な趣味だと思います。TVやラジオで、放送大学の番組を、良く見たり聴いたりするのですが、数学だの物理だのといった科目を、わけも分からないまま見続けていることがあるのです。

初めから見ようと思ってつけるのではなく、たまたまスイッチを入れた時に放送しているものを見るので、関心が無い科目であれば、さっさと消すなり、チャンネルを変えたりします。

しかし時おり、ほとんどチンプンカンプンで、内容など理解できないのに、ついその話しぶりに引き込まれて、おしまいまで見てしまったりするのです。

考えてみれば、仮にも「大学」の講義なのですから、中学高校レベルの数学さえまともにできなかった店主が、聴いているだけで理解できようはずもありません。それでも、下手なドラマやバラエティーなどよりは、よほど面白く思えるのです。

訳が分からない、ということを楽しんでいるわけですから、やはり変な趣味だと認めざるを得ません。しかし思い返してみると、そこには法則があって、店主には理解不能だが、何やら面白い世界のようだと、そう思わせてくれる番組に引き込まれるのです。

講師自身が、伝えることを楽しんでいるように見える講義。今時の言葉で言えば、「白熱教室」ということになるでしょうか。

世の中に数学が苦手という人が多いのは、そこに原因があるような気がします。文系の、例えば文学とか歴史とかいった科目は、素材自体に魅力的なものがあるのに対し、数学の素材は無味乾燥な数字や記号ですから、教える側の熱意、経験からしか魅力を生み出せません。

などというのは、数学落ちこぼれ店主の、単なる僻目かもしれませんが。

放送大学には大学院もあって、先日たまたまラジオで聞いたのはフランス中世文学の講義。こちらの方は、充分わかったなどとは申しませんが、ちょうど仕入れたばかりの本に関連する部分もあり、とても得した気分になりました。

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12月31日から1月3日まで
休業いたします
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