2016年01月

2016年01月31日

コプト語辞典

今日は昨日に比べると大分暖かであったらしく、そのせいか近ごろになく店がにぎわいました。

お客様のおられる時間の方が、おられない時間より長いというのは、小店あたりでは稀有なことと言わねばなりません。

お一人ずつの滞在時間が長いのも特徴的でした。遠方から、わざわざお越しいただいている方が多かったのかもしれません。

今朝は、まだ開店時間になる前に、語学書の持ち込みがありました。ご常連のMさんです。

71665アフリカ、中近東をはじめアジア、ヨーロッパ各国、一体何か国の言語を学習されたのか数えきれない、という方で、今日ご持参になった目玉はコプト語辞典。ほかにエチオピア語の研究書、スウェーデン語とポーランド語の小説など。

実は、前回Mさんからお売りいただいたアルメニア語の辞典に注文が入り、たまたま今日、お客様が引取りに来られることになっておりました。

これほど足が速いことも珍しいのですが、しっかりした辞典類は概ね間違いなく売れていきます。というわけで、今回のコプト語辞典も高く評価いたしました。

この辞書は、過去にOxfordから出ていたものを復刻したもので、例によって製本はそちらの方が良いのですが、今回は新たな序文が加えられていて、価格もリーズナブルになっています。

小説の方は、ほとんど売れる気はいたしませんが、しばらくは安い値段で店頭に出しておくつもりです。

このMさん、今朝早くご来店になったのは、お昼から近くの学校でTOEICのテストを受けるため。どこまでも、語学学習がお好きな方なのでした。

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2016年01月30日

久々の通夜

RIMG0699同業の葬儀に出かけるのは、いつ以来のことだろうかと考えてしまいました。すぐには思い出せません。

組合には訃報を回す仕組みがあり、今はFAXの一斉送信で報されるようになっていますが、かつては、各支部の役員(文化厚生部)が、電話連絡網などを使って報せたものでした。

昔はまずその報せを受けて、当該支部役員が葬儀の手配などに当たるのが通例で、支部では文化厚生部というのが、一番大変な役職だとされていたのはそのためです。

訃報自体が少なくなった、ということではないはずです。ただ報せるタイミングが変わってきました。葬儀などを済ませてから、事後報告を行うケースが増えてきたのです。

忙しい同業に迷惑を掛けたくないという配慮が、まず一番にあるでしょう。しかしそれ以上に、遺族が業界とあまり接点がない、という場合が多くなったことが、大きな要因だと思われます。

今日、久々に通夜に出かけることになった目黒駅近くの弘南堂書店は、今では珍しくなった家族ぐるみの本屋さんです。それも四代目に継承されつつあるという老舗。

亡くなられたのは三代目の御母堂で、享年102歳。この方とご面識はありませんが、三代目には駆け出しの頃、いろいろとお世話になりました。四代目も、もちろん良く存じ上げております。

また同じ南部支部であることはもとより、古物商としては、目黒区の防犯協会に所属している、いわばご近所さん。お報せを聞いて、顔を出さないでは義理を欠くことになります。

今日が、ひと際寒い日であったことにも、ある感慨を覚えました。葬儀と言えば、恐ろしく暑いか、耐え難く寒いか、そんな日ばかりが思い出されるからです。

少し遅れて通夜に駆けつけると、何人もの同業と顔を合わせました。しかし中心となって仕切っておられたのは、商店会の方々。確かに、こちらの方が、より深いつながりがあるのでしょう。それで、こうした葬儀になったことも、頷けました。

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2016年01月29日

草稿と画稿

RIMG0718夜遅くには雨が雪になり、都心でも積もるかも知れないという予報が、昨夜から繰り返されておりました。

今日は明治古典会。終わった後の会食のことなどを考えて、用心のために車は家に置き、バスで店に出たのでした。

さして待たされず、座席も空いていて、専用レーンで渋滞もなし。いつもこんな具合なら、バス通勤も悪くないのですが、今朝のようなことは、むしろ奇跡に近かったと言うべきでしょう。

お昼から明古へ。月末の特選市で、面白そうなものがいくつか目に入りました。例によって、野次馬的な関心に過ぎませんが。

なかで一つ、二つあげるなら、大江健三郎の草稿。現存作家の草稿は、取り扱いに慎重を期しますが、大江さんの場合は比較的問題が起きません。ご本人が、それらが古書市場に出回ることについて、寛容な立場をとっておられるようだからです。

この正反対が村上春樹氏であることは良く知られています。自身の自筆類については、厳しく管理されていて、以前、市場に流出したときは、事件のように扱われました。

村上さんは、めったに著書に署名をされることもなく、それで署名本が高値を呼んだりもして、きょうも「長いお別れ」の文庫版署名入りが、良い値段で落札されていました。

大江さんの草稿は、近現代の文学者としては高価な部類に属しますが、そんな事情で、まったく手に入れがたいものではありませんから、驚くほどの値段ではありません。

今日も30枚ほどの草稿が、藤子不二夫の彩色原画1枚の、半額にも及ばない価格で落札されました。ちなみに今回の大江さんの草稿は、推敲の跡がグラフィカルに処理されていて、見るだけでも楽しいものでした。

会が終わって月一度の会食。車を家に置いてきましたから、お酒も少しお付き合い。結局取り越し苦労となった雨の中を、電車に乗って家に戻りました。雪はむしろ今夜これからでしょうか。

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2016年01月28日

かなしいオンデマンド本

RIMG0719つくづく悲しくなるのは本の造りのお粗末さです。と、いきなり申し上げてもお分かりいただけないでしょうが、昨日も話題にしたフランス書の話。

その一冊のタイトルに見覚えがあって本を開くと、60年近く前に出版されて以来、何度か版を重ねたファクシミリ版と見えて、版面がいかにもコピー然としています。しかし表紙にはnouvelle editionと麗々しく印刷されていますし、発行年も新しい。

よくよく調べていくと、巻末の書誌が差し替わっていて、ここだけは版面も鮮やか。つまりこれで、れっきとした新版なのでした。

厚手の紙でくるんだだけのペーパーバックですから、多くを望むのは無理だとは分かっております。しかし、同じ並製本でも昔のものは、もう少し趣きがありました。

この本の場合は、新版ですので事情が異なりますが、不条理を感じるのは単純なリプリントのオンデマンド版が、実につまらない造本で多数出版されていることです。

その殆どは、少し探せば元版が、時にはずっと安い価格で、幾らでも見つかるのです。多少ヤケたり、傷んだりしていても、元版の方がずっと読みやすいと思いますよ。

いずれにせよ、この手のリプリントは、たとえ新本同然でも古本屋の商品にはならない気がします。単なる消耗品にしか思えないのですね。

一方で、今や洋書需要のメインストリームになりつつあるディスプレイ本の世界では、本らしい本が大量に求められています。オンデマンド本は、ここでも喜ばれません。

この調子で行くと、いまに古い本は全てディスプレイ用に買い占められて、やがて枯渇してしまうのではないか――、そう心配しているのは、当のディスプレイ業者たちです。

古い本は飾り用。読む人はオンデマンドで、あるいは電子本で、と言う時代がもう来ているのでしょうか。

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2016年01月27日

励まされました

RIMG0714今日は表の道路工事もひと段落して、通行止めもありません。お天気も、寒波が抜けたか、昨日までに比べて暖かい。条件は良くなったのですが――、まるで町から人が消えたようです。工事中の方が、よほど人通りが多かった。

いよいよ年貢の納め時だろうかと、先行き不安に駆られながら、先日の宅買品の整理の続きにとりかかりました。

この宅買では、不思議な因縁話があります。

ご処分いただいた1/4ほどが洋書で、そのほとんどがフランス書でした。どうも近ごろフランス書づいている、昨年春にもR大学の研究室から本を引き取った、などとお話申し上げたところ、何とそれが先生のお隣の研究室だったのでした。

まことに世間は狭いもの。

夕方になって、ポツリポツリとご来客。そのうち、お二方からお声を掛けられました。

お一方は、OEDの補遺だけ手に入らないかというお尋ね。昔は確かにお探しの方も多かった本ですが、最近では滅多に聞かないお話です。

OEDの初版は本巻10冊と補遺1冊が出た後、間をおいて補遺3冊が出ています。かつてならその補遺1冊を購入するのに要した金額で、いまなら全14巻を買うこともできるでしょう。

今どき、店に並べておくことは考えられません。神保町でも尋ねたと仰いますので、どこかの本屋に頼んでおけば、手に入れてくれるのではないかとお答えいたしました。

もうお一方は、ご友人の学者さんが、ある本を出されるきっかけとなったのが、小店で偶然手に入れた数冊の本だったと、その著書のあとがきに書いていると、お知らせくださいました。

「だから、これからも良いお店を続けてください」と、励ましの言葉を続けて。

お客様も、不安になられたのかもしれません。

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2016年01月26日

改善工事

RIMG0717今日も一日、店の前の道路は通行止めで、工事車両に占領されておりました。

今日の作業は昨日までの道路改善工事とは違い、水道施設、つまりマンホールのふたの取り替え工事。昨日の夕方、作業を終えた後で現場監督さんがわざわざ説明に来てくれました。

「私たちの方は一旦これで終了です。あとは2月上旬に、本舗装が入るまで作業はありません。ただ明日は水道工事が入ります」

そして今朝もう一度、「今日は我々の作業ではなく、水道工事ですが、一応立ち合いに来ました」。

連日の工事で、近隣や通行人からの苦情も多いことでしょう。必要な工事であることは分かっていても、ほぼ3ヶ月にわたって不便を強いられているのですから。

かくいう店主も、クレームこそつけておりませんが、工事情報はきちんとくれるよう、申し入れております。それで監督さんの方も、店主の顔を見ると、いろいろと説明をしてくれるわけです。

自分たちの工事ではない、と強調するあたり、まるで小店の売り上げに責任を感じているようで、どこかご愛嬌でした。

今日はもうひとつ工事がありました。建物にあるNTT設備の交換作業です。これによりフレッツ光サービスが、一時的に利用できなくなるという案内が、事前に届いておりました。

それによると工事は、午前9時30分〜12時00分の内の60分程度で終了。20分〜30分間程度、回線が利用できない。

そこで9時半までに仕事を一区切りさせておこうと、パソコンを操作していると、突然ネット接続が出来なくなりました。まだ9時を少し回ったばかり。問い合わせ番号に電話しても繋がりません。結局前倒しで作業を始めたことが、後になって分かりました。

これによって、通信速度が上がるとか、安定するとか、そうした説明はありませんでしたし、そのような変化も見られませんでしたので、これは単なる機器の取り替えだったのでしょう。

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2016年01月25日

「ペーチカ」

RIMG0712今朝、新聞を開くと、天声人語欄で北原白秋の「ペチカ」が枕にふられていました。

すぐ思い出したのは、暮に車の中で聞いたFM放送のこと。昨年は山田耕筰の没後50年だったとかで、さまざまなイベントや特集番組もあったようですが、その一つだったのでしょうか。

途中から聞いた上に、運転しながら聞き流していましたから、番組の詳しい構成は分かりません。その時ゲストとしてアナウンサーと話しておられたのが、どういう方なのかということも、先程検索して知ったばかりです。

栗本尊子さんという、大正9年生まれのメゾソプラノ歌手でした。92歳でCDを出されるなど、この方のエピソードを追ってみるだけでも面白そうですが、それは皆さまにお任せいたします。

張りのある快活な話ぶりと、語っておられる内容から推測されるご年齢が、なかなか重なり合わず、もしかして古い番組の再放送かと思ったほどでした。

それはさておき、この時一番印象に残ったのが、山田耕筰から直々に指導を受けたという「ペチカ」の話です。

まず「誰もが『ペチカ』と歌うが、それは間違いだ」と言われたそうです。このロシア語の発音は「ペーチカ」だから、そのように歌わなくてはならないと。そして実際、その歌が流れました。

なるほど言葉の抑揚にこだわる、「赤とんぼ」の山田耕筰らしい話だと感心しながら、改めて「ペーチカ」の響きに耳を澄ませたのでした。

その歌曲の醸し出す温もりが恋しくなるほど、寒い一日でした。店の前の道路は、朝から掘り返され、丸一日かかって夕方5時過ぎ、ようやく仮舗装まで終わったようです。

そのせいだけとは申しませんが、おかげで店内に入って来られたお客様の数はトータルしても7〜8名。店の中の本は、ついに一冊も売れずじまい。

寒かったのは、気温ばかりではありませんでした。

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2016年01月24日

嬉しい仕入れ

天気予報では、また先日のような雪になる恐れが伝えられていましたので、今朝起きるまで心配でした。しかし起きてみると絶好のドライブ日和。

夜のうちに雨か雪が降った気配も、残っていません。安心して予定通り、宅買いに出かけました。

行先は府中市。高速利用なら35分、一般道なら50分と、ナビが教えてくれていましたが、道が空いていれば45分とも表示されていて、迷わず一般道で向かうことに。

家人は、スキーバスの例を持ち出して、高速料金をケチるより安全第一と勧めましたが、高速道路なら安全というわけでないことは、言うまでもありません。10分の差に1200円を払う気には、なれませんでした。

実際、道路は空いていて、快適なドライブ。景色も高速で空ばかり見ているより、よほど変化があって楽めました。武蔵野の面影を残す公園地帯を過ぎると、じきに目的地です。

RIMG0716今日のお客様も、以前ご利用いただいたことのある方。前回は留学前に、ご処分していただいたとのことです。帰国されて今は某大学の先生。玄関から出てこられたのは、確かに見覚えのあるお顔でした。

事前に画像を送ってくださっていたので、およその量は掴めておりました。「それからまた増えました」とのことですが、早速縛っていくと、ざっと20本。文庫新書も数多くありましたので、冊数で言えば500冊近くになったでしょうか。

小店の小型車にとっては、これ以上だとちょっと積み過ぎになるかという、ちょうど良い分量。何より有り難いのは、比較的新しい、しかも状態の良い研究書が多かったことです。

帰りの道もほとんど渋滞がなく、ナビの当初到着予定時刻より7分も早い、正午ジャストに店に着きました。

仕入れの内容と言い、行き帰りの運転と言い、満足のいくことばかりでしたが、たった一つ失策がありました。道路を塞いで積み込み中、やってきた車に道を開けようとしてバックさせた時、後部を少し擦ってしまったのです。

全て良しとは、なかなかいかないものです。

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2016年01月23日

昔に買いたかった

午前中に一件宅買。前に何度かお伺いしているお宅ですから、どんな本をお出しいただけるかも、あらかじめ見当がついておりました。

前回もそうおっしゃっていただいたような気がしますが、「こちらから、お支払しなければいけないんじゃないですか」と、今日も奥様がおっしゃいました。

さすがにそんなことはありませんが、では幾らで買い取らせていただくかとなると、なかなか申し上げにくい金額にしかならない気がします。

「店を出した30年ほど前に、こういった本をご処分いただいていたら、大喜びだったのですがね」と、店主の方からも、前に申し上げたかもしれないことを、もう一度申し上げました。

社会人類学者として、単著も何冊か出されている先生の旧蔵書です。今日はご本人もご在宅でした。「いやもう片付けば良いよ」と、先生もさっぱりしておられます。

200冊ほど今回ご処分いただいたうち、1/4はそのままマンションの資源ごみ集積所に運び、残りを店に持ち帰ってから良く調べさせていただくことにしました。

かつては名著とされた本も多いのですが、さすがに時代を経て古び、痛み、今となっては均一本として売るしかないものが殆どです。100冊以上あった洋書については、まず全てそんなところでした。

日本書のなかに数冊、「日本の古本屋」で売れそうな本がありましたので、この分くらいは、お支払しようと思っております。

negro売りものにするにはイタミ過ぎていますが、興味深い本も見つかりました。昭和37年発行の本書には、執筆陣として今日の先生のお名前と、さらに山口昌男さんの名があったのです。

調べてみると、先生の方が山口さんより3歳ほど年長ですが、この時どちらも30代前半。どんな交流があったのか、伺ってみたい気がしました。

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2016年01月22日

連夜の新年会

昨日に続いて今夜は、20世紀最後の年を挟んで2年間、一緒に東京組合理事を務めた仲間の新年会。

店主はこれまでに6つの理事会に参加していますが、今でも同期で集まる理事会は2つだけ。店主が加わっていない理事会を含めても、現在まで同期会が存続しているのは、知る限りあと2つしかないようです。

そういう会が続くか続かないかは、その理事会の結束力というよりは、結局のところ世話役というか、呼びかけ人が、いるかいないかによります。

もしすべての会にそういう世話役がいたら、店主の年末年始は極めて忙しいことになるはずで、ちょうどこの程度で助かっているともいえます。

2つの理事会は、かなりメンバーが重複していますから、合同開催にすればよいのではないかという意見が、毎回、冗談ともつかず出たりいたします。

幸いにして、どちらの会も、まだほとんどのメンバーが健在ですから、今のところ一方は忘年会、一方は新年会として、それぞれ毎年開催が続いているわけです。

どちらも、会場固定型。忘年会は「くろぶたきよし」、新年会は「七條」。ちなみに他の2つの会は、毎年、世話役が持ち回りで会場探したり、世話役は同じでも違う会場を見つけたりして開いているそうです。というわけで、今夜は一年ぶりの「七條」での会食となったのでした。

各自がコースメニューの中からお好みを選んで事前に報せておきます。出されてくる料理を見比べながら、時には人の料理に手を出したりと、例年のように賑やかに食事が進みました。

その光景を、一枚納めておくつもりだったのですが、今朝、店を出るときにスマホを忘れてきてしまいました。これが今日一番の痛恨事。せめて店主のチョイスを以下にご紹介して、あとはご想像にお任せすることにいたします。takiguchi

前菜:
タスマニア産サーモンの自家製スモーク そば粉のクレープ添え 揚げもの:帆立フライ 主菜:ハンバーグステーキ デミグラスソース ベーコンエッグ添え デザート:3種のベリーの冷たいグラタンとチョコレートソルベ

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