2016年02月

2016年02月19日

時間が潰える

懐かしいお名前に、また時間を奪われてしまいました。

『伊東俊太郎博士古稀記念文集』(行人社、平成12年)という本を、あちらこちら拾い読みしているうちに、市場が休みで仕事ができると意気込んでいた一日が、潰えてしまったのです。

文集の年譜によれば、伊東先生は1990年まで駒場に居られました。一度か二度、蔵書をご処分いただいたのですが、いずれも研究室ではなく、荻窪のご自宅に伺ったはずです。

その年に京都の日文研に移られたのでしたが、その後にも、少なくとも一度はご来店になり、例の早口で、「また本を引き取りに来てほしい」と話をいただいたことがあります。

この文集は、「(還暦の記念論集とは異なり)今度はもう少し柔らかい文集で行こうということになった」と「あとがき」にあるように、それぞれの筆者による先生の思い出話ですから、読んでいくうちに、先生の人となりが浮かんできます。

それほど数多くお目にかかったわけではありませんが、確かに何人もの方が書かれているのと同じような、強烈な印象を受けたことが思い出されます。

この本自体すでに16年前の出版なのですが、幸いなことに伊東先生は今もお元気なご様子です。書き手にも店主が存じ上げている方がおられますので、その点でも興味深く読むことが出来ました。

RIMG0761その伊東先生がアメリカ留学の2年間で、ユークリッドのラテン語訳に関する博士論文を書かれた話は、つとに有名ですが、そういう人の時間と言うのは、我々とは異なるもののような気がします。

ちょっと本に目を奪われたくらいで、一日がつぶれるようなことは決してないでしょう。

ある本で、蓮實さんと武満さんが、「昔は一年に300本の映画を見た」と語りあっていました。時間の使い方と言うより、あるいは一日の長さが、人によって違っているのかもしれません。

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2016年02月18日

『京都ぎらい』

今でも時折、新刊広告などで見かけることもあって、ちょっと読んでみたい気もしていた本が、手に入りました。

「やあ河野さん、ひさしぶり」と、大きな声で店に来られた、今年は88歳になられるはずのKさん。紙袋を二つ提げて、「また新しい本を読んでます」とお持ちいただいた中に、その一冊があったのです。

井上章一さんの『京都ぎらい』(朝日新書)。2015年9月30日に第1刷が出て、手元の本は11月20日の第5刷。さらに重刷がかけられた筈で、相変わらず人気の書き手であることが分かります。

古本屋の特権で、店に出す前に、さっそくちょいと、読ませていただくことにしました。

KIMG0329要するに京都洛外の嵯峨で生まれ育った筆者が、ふとした折に受けた洛中人からの軽侮を、生涯のキズとして抱き続け、そのキズ口を見つめることだけで一冊書き上げてしまったというような本です。

その洛中人を代表するのが、二人の著名な学者である辺りが、実に面白く、泉下の両先生も、ただ苦笑するしかないだろうと思いました。

傍から見れば滑稽にも見えるルサンチマンが武器となっている点では、東海林さだお氏の書くものにも通ずるところがあるかもしれません。

そもそも、京都人の「いけず」を聞くのは、落語に限らず面白い。というわけで、あっという間に半ば近く読んでしまったのですが、さすがに一冊丸々「いけず」話を通すのは難しいらしく、途中からまっとう(?)な「京都論」が展開されていきます。

ちょっと急いで読み過ぎたかもしれません。しかし最後まで読んで、意見の合うところを見つけました。ここに書き出したいところですが、それもネタバレの一種でしょうから、自制しておきます。

また時間があれば、ゆっくりと、特に後半部分を読み返してみようと思います。

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2016年02月17日

犬か人か

まだ寒さは厳しいですが、光はすでに春。朝の明るい日差しの中、表を軽く掃き清めて、気持ち良い一日をスタートしようという殊勝な心がけで、箒を手にして外に出ますと、いきなり目に入ったのがこれです。

KIMG0326「これ」といってもお分かりにならないかもしれませんが、歩道の白い縁石の上の水こぼれの跡。まだいくらも時間が経っていません。

さてこれは、次のうちどれでしょうか。|かが水を飲んでいて、誤ってこぼした。誰かが面白がって水を掛けた。どこかの犬がおしっこを掛け、飼い主が水を掛けた。い匹海の犬がおしっこを掛けそうになり、飼い主が慌てて水を掛けた。

この時は残念ながら目撃しておりませんから、正解は想像の域を出ませんが、過去の事例から判断するとであることは、ほぼ確実です。

そもそも何故このような鋳物の犬が設置されたかと言えば、余りにもここで、大小の用を足していく犬が多かったからです。もちろん飼い主とともに散歩の途中でのことです。

そしてもちろん、それを犬に止めててもらおうとしてではなく、飼い主に止めさせてもらうためです。

犬の排泄行為は自然な生理現象で、それを人が制御することは、犬に過大なストレスを掛けることになる、と思っておられる飼い主が多いのでしょうか。

そもそも、ペットボトルの水さえかければ、お清めが済んだと考えるのも、不思議な感覚です。せめて、その水に「粗相してスミマセン」の気持ちさえあればと思うのですが、そう思うくらいなら、おそらくペットボトルなど不要でしょう。

犬は本来、もっと利口なはずだと思うのです。飼い主以上に利口になるのは難しいでしょうけれど。

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2016年02月16日

お詫び続き

洋書会、2月の当番は今日でおしまい。来週23日は中央市会の大市期間で、休会となるためです。

月に5回も当番が回ってくる場合もあることを考えると、なかなかラッキーな巡り合わせだと言えます。

回数もそうですが、仕事量も、この月は総じて多くありませんでした。このことは、しかしラッキーと言って片付けるわけには参りません。会としては当番が悲鳴を上げるほど、大量の、しかも質の良い出品があることが望ましいのですから。

しかも今日に関しては、店主の興味を惹く出品が、ごく限られておりました。入札したのは全部で3点。結果は全滅。気合の入った札ではありませんでしたから、当然のなりゆきです。

こうなったら一刻も早く店に戻って、用事を片付けようと、そそくさと会館を出ました。店では、何やらややこしい問合わせの電話とか、見つからない注文とかが入って、てんてこ舞いをしているようなのです。

そのために、午後3時半を過ぎて、まだ食事もとれないのだという、家人からのショートメールもありました。

帰心矢の如し。駒場東大前の駅を降りるとき、電話の着信が1本あったことを知りました。そしてメールが2件。

開いて見て、アッと気がついたのは、一つ約束をすっぽかしてしまったということです。3時半に古書会館で、来客と会う予定になっていました。

時すでに遅し。一緒に会うことになっていた同僚と組合職員さんに、平謝りのメールを返して、対応をお願いしました。

RIMG0767急いで戻った店のほうでは、結局、5点の探し物の内、2点は見つからずじまい。何らかの理由で、在庫データの消し忘れが起きていたようです。

各方面に、お詫びを繰り返してばかりの日となりました。

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2016年02月15日

予約システム

RIMG0756あまり自分の体調に関する話ばかりしたくないのですが、今日はそれがメインではありません。ただ、話の順として申し上げますと、今日午前中、近くの耳鼻科で診療を受けました。

今朝、また鼻血が出てしまったのです。痛い思いをして止血処置をしてもらったのにと、いささか暗然として、予約を入れました。この予約の話。

店主の知る限りで、このような予約システムをとっているお医者さんは、他にありません。

パソコンでホームページを開くと、予約サイトへのリンクが見つかります。そこから入ると、今何人の予約が入っていて、何人目を診療中であるということが、表示されます。

ちなみに今朝、店主がサイトを開いたのは9時にまだ10分ほど間がある頃。すでに予約数は22名と出ておりました。迷わず登録して、23番という数字をもらいました。

診察カードの番号と、生年月日がログインキーになっています。それほどセキュリティーを必要としないので、本人確認ができれば良いというわけでしょう。

あとは、時おりサイトを見て、診療の進み具合を確かめます。小店からこの医院までは、東大の構内を通り抜けて徒歩約10分ほど。よく通う家人は、そんなにかからないと言い張りますが。

余裕を見て16番まで進んだあたりで店を出ました。到着したときはまだ18番が診療中。後から分かったのですが、ちょっと手間取る患者さんが続いたようです。

持参した文庫本を読んでいるうち、店主の番になりました。この間の経緯をメモにまとめていき説明したところ、あっさりと「乾燥してますからね」と片づけられて、薬を処方され、数分で終了。いささか張り合いが抜けましたが、安心を得ることはできました。

それにしても、なぜもっと多くのお医者さんが、こういうシステムを導入しないのでしょうか。

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2016年02月14日

採算を考えると

昨日は、月に一度の文庫仕入れ日――五反田の南部地区入札市でしたので、朝、店を開けてから、気合を入れて市場に向かいました。

南部の入札市としては、まあ普段並みといった出品量だったでしょうか。例によって、ひたすら目的とするところの、文庫ばかり見て回りました。

他には目もくれず、と見えたのでしょう、ベテラン事業部員の一人から、「文庫しか入れないの?」と鋭い指摘を受けましたが、まさにその通りで、申し開きもできません。

特に昨日の場合は、その後に、午前中という約束の宅買いが一件入っておりました。いつも以上に、他の本をじっくり見て回る余裕がなかったのです。

しかしその集中のおかげで、今回も全部で約40本ほど、冊数にすれば1千冊前後の文庫を落札することが出来ました。

RIMG0771今朝、まだ荒れ模様の雨風が残る中を、五反田まで引取りに行き、店まで持ち帰ると家人が手ぐすね引いて待ち構えていて、すぐに整理を始めました。これでまたしばらくは、店頭の文庫棚に補充が続けられそうです。

こんな風に書くと、あたかも1ヶ月で1千冊の文庫が売れているように聞こえるかもしれませんが、実際のところ、せいぜいその5割程度ではないかと、店主は見ております。

まず仕入れた1千冊の中には、初めから売り物にならないものや、売れそうにないものが2割程度は混じっています。さらに重複していたりして、ストックに回すものがあります。そのストックの増え具合などから概算しての数字です。

それにしても、他のお店では、文庫の仕入れはお客様からの買入れだけで間に合っているのでしょうか。あるいは、無理せず入っただけを売る、という姿勢をとっておられるのでしょうか。

確かに仕入原価と、売上概算を引き比べてみると、利益はささやかなもので、手間を考えると合わない。しかし採算のことを言えば、もっと合わないことばかりしているのですから、楽しみにされているお客様がおいでの内は、続けるしかありません。

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2016年02月13日

我が身を振り返ると

RIMG0764親しい同業の中に、最近Am*z*n売上が好調だという人がいます。

1日に30件を超える注文が入り、月曜日などには土日の分と合わせて、100点以上を郵便局に持ち込むこともあるそうです。

安価な本も多いので、平均単価は千円前後だということですが、ご多分に漏れず店売りが不振を極めているので、とても助かっているとのことです。

この同業はAm*z*n一本。「日本の古本屋」にも参加していません。その理由は、出品が楽で、勝負が早いからだとか。

それもこれも、彼が出版流通関係に独自のコネクションを持っていて、某社から定期的に、まとまった量の書籍の、払い下げを受けているから出来ることです。

そのなかで、刊行年の新しいものを、軒並みAm*z*nに最安値で登録していくのですから、回転も良いことでしょう。

同じことを、市場で仕入れてやろうとしても、ほとんど利益が出ないはずで、彼の強みはまさに仕入れルートを持っていること。

しかし機械的な作業の繰返しでしょうから、「アルバイトにでも任せて別のことをしたら」とアドヴァイスしたことがあります。「他にやることはない」と答えますので、「店を片付けたらいいじゃない」とさらに。

彼の店は、数年前に開店した当初は、とてもおしゃれな店でした。今では店内狭しと本が積み上がり、表から中が見えないほど。好調な時期に次の手を売っておくべきだと、店主は説いたのでした。

人を使うほどの利益は出ないというのが、彼の言い分です。そもそも我が身に同じことが起きたとして、それが出来るかと考えると、それ以上の説得は、ためらわれるのでした。

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2016年02月12日

赤羽の賑わい

明治古典会の報告を楽しみにされている方が、万一にもいらっしゃるとしたら、あらかじめお詫びしておかなければなりません。今日も、市場のお話はできません。

RIMG0770正午に会議の招集がかかり、お昼をいただきながら小一時間。これは今年の七夕大入札会のための、組織立ち上げの会合でした。

そのあと全古書連歓迎市に向けて開発中の、出品アプリに関して、担当理事と短い打ち合わせ。

午後2時には、古書会館の地下照明などを改善するために、専門家をお招きしておりました。同僚理事3人と共に概要を説明し、その後、実地検分。

それが済むと、次期役員推薦会議委員の方から、現在までの進行状況について、ご報告をいただきました。

その頃には、すでに市場は終了しており、明古の臨時総会が始まるばかりになっていましたので、急いで7階に駆け付け、その会議で改めて、今度の七夕大入札会に向けての陣容が発表、承認されたのです。

というように、市場にいた時間はごく僅か。お話するに足る材料を見つける間もありませんでした。

総会も終わり、いつもの食事仲間と、今日は赤羽まで足を伸ばしました。仲間の一人が、最近店舗を新築したので、そのお祝いという名目です。

同じ仲間と、10年ほど前に訪ねて以来のことですが、街はさらに活気に溢れていました。

仲間の店は、TVなどで取り上げられてすっかり有名店となったおでん屋さんの、ハス向かい。この繁華な場所で、よく建て替えが出来たというのが、一同の感じた驚きでした。

そして、おでん屋さんの行列。閉店まで途切れることなく続いていました。TVで取り上げられてから、ずっとのことだそうです。

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2016年02月11日

詳細報告

そもそも店主は風邪を引いているのでした。

昨日の午前中、出かけるまでに床屋さんに行こうか、お医者さんに行こうかしばらく迷った末、近くの医者で診てもらうことにし、風邪だと言われて薬を出してもらったのです。

陽射しとは裏腹に風が身を切るように冷たい中、正午から「山の上ホテル」で会議ランチ。年に一度開かれる「関東ブロック会議」で、関東6県の組合長さん達と約2時間、懇談いたしました。

その後は、午後6時から定例の役員合同会議です。元気があれば、一度店に帰って、また古書会館に来るという選択肢もあったでしょう。しかし結局、古書会館の6階にいると何やかや仕事が見つかり、時間を持て余すこともありませんでした。

合同会議は、店主以外にも風邪気味の人がチラホラ見受けられ、そのせいでもなかったでしょうが、1時間もかけずに終了となりました。

だから夕食に近くのイタリアン「Del Sole」へ入ったのは、まだ午後7時頃だったのではないでしょうか。男3人で入っても飲むのは1人だけ。店主はもちろん、車の運転があるから飲まない。

隣の席の女性グループよりささやかな注文で、8時過ぎには、そろそろ上がろうかという雰囲気になっておりましたところ、ふと鼻水が流れるような感覚に、手近のテーブルナプキンを当てると、赤い色が滲んできました。それが大騒動の始まりだったのです。

少し静かにしていれば止まるだろうと、たかをくくっていたのですが、2度ほど化粧室に立ってハンドタオルを使い果たしても、一向に止まる気配がありません。30分以上も経って、このままでは埒が明かないと、病院へ行くことにしたのです。

大病院が櫛比している地域ですから、一つくらい受け入れてくれるところもあるだろうと、とりあえず表に出ました。すると目と鼻の先に、日大病院。仲間も付き合ってくれて、夜間受付の窓口に声をかけました。

RIMG0769そこから先は昨日お話したとおり。「どうして出来たか分かりませんが、ややこしいところにキズがあります」と、若いやる気に満ちた当直医が、電気ゴテのようなもので鼻の奥にあるキズを、塞いでくださったのです。

おかげで鼻血は止まりましたが、風邪が治ったわけではありません、当然ですが。

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2016年02月10日

短縮バージョン

いろいろあった一日でしたが、日付が変わりそうです。急いでホットなところだけ短縮バージョンでお知らせ。

会議を終えて、親しい仲間と3人で食事をしていたら、鼻血が出て止まらなくなりました。

このところ朝方に、何度か出血があったのですが、もともと冬場、鼻に傷が出来るのか、過去にも経験のあることですので、さして慌てませんでした。

しかし今回は、30分ほども止まらないのでさすがに焦って、また同僚にも気兼ねで、病院を探すことにしました。

幸い近くの日大病院の夜間外来が受付てくれまして、耳鼻科の先生に処置をしていただき、小一時間も休んだらかえってよろしいと言われました。「ややこしいところにキズ」があったそうです。

その小一時間でスマホを利用してブログを書こうと思ったところ、そんな時に限って電池切れ。無事病院を出て駅まで歩く間に、コンビニでもあればと思えば、それも見つからず。

なかなか来ない電車に、じりじりしながら店に着き、さてパソコンの電源を入れると、今度は立ち上がりまで5分、サイトを開くまで5分、開いたら開いたで、非常に反応が鈍い。

というわけで今夜はこれまで。明日詳しいご報告をいたします。

konoinfo at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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