2016年06月

2016年06月20日

子に与える

「ほらほら、あんまり長いこと遊んでると、他の子が遊べなくなるでしょ」

「ちゃんと戻して。次の子が遊べるように」

4歳くらいの男児に、おばあちゃんがしきりと声をかけています。悪気はないのでしょうが、ちょっと違うんじゃないかなと、帳場で入力作業をしながら、店主は複雑な思いです。

それでもこの方は、お孫さんが遊んでいたのとは別のもの、プラレールのレールを、「これ買ってあげるから」と説得に成功し、無事帳場まで連れてきて、お買い上げくださいました。

「ここは遊び場ではなく、売り場です」と、言わずもがなのことを言ってしまったことも、これまで何度かあります。お子たちを遊ばせておいて、かたわらでお喋りが続く若いママたちにとか。

引き離しが上手な親御さんもおられますが、愁嘆場になることも多く、それは初めから親御さんに、買い与える気がない場合か、お子さんが欲しいわけではなく遊びたいだけのときです。

だからそういう時は、出来る限りお立ち寄りにならないことをお勧めしたく思います。愁嘆場変じて修羅場となることを未然に防ぐためにも。

そんなことを考えながら店主が入力していた本は、先日、宅買いで仕入れてきた外国の古い児童書でした。Fifty-two stories for children.刊記はありませんが、序文には1893年という日付が入っています。

72293同じタイトルのものはAbeBooks でも見つかりません。ただ似たような題名の本が数冊出ていて、いずれも Fifty-two が冒頭に来ます。それが一年の週の数だと気づくのに、少し時間がかかりました。

毎週一話を読み聞かせる。テレビもラジオもない時代の、親子の姿を想像しました。

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2016年06月19日

痛い思い

静岡のJ舎さんとは、今もほぼ月に一度、明治古典会にご出品くださった折にお目にかかることができ、言葉を交わします。

何回かお目にかかれず、数か月、間が空いたことがありました。その後、市場でお会いすると、「宅買いに行った先で怪我をした」ため、しばらく来られなかったとのことでした。

その時のお話では、老朽化した家で二階の床を踏み抜いて、足を骨折したというような、凄まじい話であったと記憶しています。

小店あたりと違い、宅買いというと、家まるごとといったケースが多いと聞きました。中には主がいなくなって長年放置された家屋もあり、業者にとっては期待も大きい反面、思わぬ危険も潜んでいるわけです。

そんな話を思い出したのは、今日、店主自身が危うく怪我をするところだったからです。いや下手をすれば、命にも係わっていたかもしれない。

というと大げさですが、先日来伺っているお宅に出向き、造り付けの本棚の上の方にある本を取ろうとして、踏み台があるのに、つい手近の椅子に乗ったことが原因でした。

座面に乗っただけでは届かず、肘掛に片足をかけて伸びあがった瞬間、重そうに見えたアームチェアが横倒しになり、バランスを失って尻もちをつく形になってしまいました。

尻もちに至るまでの間に、背中をサイドボードの角にぶつけましたが、スローモーションのようにゆっくりでしたから、それほどダメージはありません。今のところは。

しかしもう少し上の方、後頭部でもぶつけていたら、今ごろこんなことを書いていられなかったかもしれません。
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そんな痛い思いまでして、高いところから降ろしたものの、良く見ると評価の対象になるような本ではなく、結局今回のお引き取り分には入れませんでした。

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2016年06月18日

周波数の引っ越し

今朝も、ピーター・バラカンのウィークエンド・サンシャインを聴きながら店にやってきました。

時間の関係で番組の一部分しか聴けませんし、走行中はバラカンさんの話がほとんど聞き取れないのですが、土曜日はこれと決めております。家人と誕生日が同じだと分かってからは、一層、親しみも湧きまして。

このバラカンさん、インターFMでも番組を持っておられるのですね。というより、むしろそちらが本家でしょうか。局の立ち上げから、色々関わっておられたようですし。こんなことは、周知の事実でしょうが。

RIMG1140ともあれ、ある日、カーラジオをいじっていると、バラカンさんの声が聞こえてきました。土曜朝のことではありません。日曜日の夜。

BARAKAN BEATという番組だと、後で知りました。驚いたのは、こちらのバラカンさんは走行中でも話がはっきり聞き取れること。さらに話ぶりも、ずっとくだけた調子。NHKを楷書とすれば、行書くらいには崩しています。

日曜夜の車中に楽しみが出来ました。と思ったのも束の間、しばらく時間帯が合わずに聞けなかったあと、ある夜チャンネルを合わせてみると、放送が聞こえてきません。周波数を変えてみても、探り当てられないのです。

以来、今日にいたるまで、カーラジオに欠陥が生じたのだろうと思い込んでおりました。他局は聞こえるのに、1局だけ聞こえないという点が、不思議ではありましたが。

さきほど、思いついて「インターFM」を検索してみたところ、2015年10月31日、東京局の旧周波数76.1MHzでの運用が終了したとありました。6月末から新周波数89.7MHzで放送が始まっていたと言います。

そんなことも一応は想像して、全周波数帯を追いかけたつもりでした。ですから、まだ機器不調の疑いは残ります。

いずれにせよ、明日、新周波数に合わせてみれば答えが出るわけです。

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2016年06月17日

将来の古本屋

RIMG1138顔さえ合わせれば、「僕はもう駄目だ」が口癖のF書房さん。今日も明古の会場で、しばらく立ち話になりました。

まず、ご自身の体調が思わしくないという話から始まります。店主より7歳ほど年上ですから、まあそれもやむを得ないこと。

やがて話題は最近の業界の様子から、将来の見通しに移るのですが、極めて悲観的。これもいつものことではあります。

その最大の論拠は「買う気のない本屋が多い」。つまり食が細い。店主など、その最たるものの一人でしょうが、そういうFさんご自身はといえば、人並み外れた大食漢なのです。

「食が落ちた。もう食えない」と言いながら、目の前にご馳走を見ると、決して人に渡さず自分のものにする。

食性が似通っているS書林さんは、その様をいつも見せつけられていますから、Fさんのそんな話を、決して額面通りに受け取ることがありません。

今日はそのSさんも加わって、さらに立ち話が続きました。店主より少しばかり年下のSさんの方は、若い世代の古本屋の動向に、関心を持っておられるようです。

今度の日曜日(19日)に、高円寺の西部会館で催されるトークイベント『古本屋のはたらき方 「今日も本を売る」』に一緒に行ってみないかと、お誘いを受けました。

2部構成で、第1部が店を出して3年未満の本屋さんたちによる『開業3年目以内の古本屋のリアル』 。第2部は『古本の仕入れと古本の値付け』という実用篇。

その内容はともかく、こうしたイベントを企画すること自体に、可能性を感じます。組合にとって交換会(市場)が大切なことは言うまでもありませんが、市場だけが組合ではありません。これもまた立派な組合事業だと思うのです。

残念ながら店主はこの日、所用があって行かれませんが。

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2016年06月16日

「日本の古本屋」懇親会

御茶ノ水でも聖橋あたりは、いつの間に建ったのかと思うような、新しいビルが多く立ち並んでいますが、その中にあって、いささかレトロ感すら漂う低層のビル。

その地階にスペイン料理のLa cocina de Gastonはありました。

今日は「日本の古本屋」事業部会の定例会議があり、それを終えてから、期末恒例の懇親会が、その店で持たれたのです。

事業部員と、サイト運営をお手伝いいただいている外部関係者の方々、それに担当職員を交えての会で、年末の忘年会と、期末の懇親会が、年に二回の息抜きとなっております。

今回の場合は、業者さんの交代があったところですので、まさに今後のための懇親の場となりました。

さてGastonです。貸切会場を探していて、ちょうど折よく空いていたのですが、なかなか評判の良い店らしく、ゲストの中にはそれを知っていて、楽しみにして来られた方もおいででした。

キャリア20年を超えるというスペイン人のオーナーシェフが、元気よく、時おり大きな音も立てながら調理をしていたのが印象に残りました。

流暢とまでは言えませんが日本語も達者で、誰かの問いかけに「スペイン人が鮨を握っていたら変な感じでしょ」と答えていて、つまりスペイン料理はスペイン人でなければ本当の味は出せない、とでもいう話をされていたようでした。

KIMG0422メインは「絶品」とされるパエリア。30人分に近い量を大きな鉄なべに作って、席の方まで二人がかりで運んでくると、シェフ自らが取り分けてくれました。

当方は例によってアルコール抜きでしたが、料理だけでも十分楽しめました。ただ、スペインワインを飲みながらいただけば、さらに美味しかったことでしょう。

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2016年06月15日

店内撮影会

隣のマンションが民泊施設と化したらしいというお話を、以前にいたしました。そのせいばかりではないのでしょうが、旅行客風の外国人がとても目立つこの頃です。

RIMG1141今日もお昼時、大きなキャリーケースを転がしてきた一団が、店の前に立ち止まりました。どうやら韓国の方らしい、5〜6名の若い男女で、半数ほどがデジタル一眼レフを首から提げています。

ちょうどルート便のトラック(コショタン)が店に着いたところ。カーゴに満載した本を積み込もうとすると、何人かが、カメラを向けてきました。

積み終えてトラックが出て行くと、今度は店の前や、店の中に、ファインダーを覗いたまま入り込んできました。

何の断りもなくそこいらを撮りまくっています。気がつくと、店内で一人の女性が、棚の本を手にしてモデルのように、あれこれポーズを取っていました。大きなレンズが付いたカメラで、その姿を追っている人がいます。

女性が棚を覗き込み、素通しになったその棚の裏側から、カメラマンがレンズを向けて撮り始めるに及んで、ついに我慢も限界となり、止めてほしいと、シンプルな英語で伝えました。

店主の語学力の問題もありますが、先方もあまり英語を解さないような様子でしたから。

それでともかく当方の意志は伝わって、店内撮影会は終了となりましたが、なおしばらくは店の前の路上で、ワイワイガヤガヤと時間を費やしていたようです。

こちらにも仕事がありますから、ずっと様子をうかがっているわけには参りません。気がつくと、キャリーケースとともに、彼らの姿は消えていました。

一団の中の一人で、Cartoon Books はないかと尋ねた男性が、絵本の棚から2冊お買い上げ。本に目を向けておられたのは、結局そのお一方だけでした。

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2016年06月14日

洋書会事情

今日の洋書会は、しっかり出品がありました。多すぎて溢れる、というほどではなく、適度に埋まっているという分量。

小店の受け入れ事情が許さないので、大山ではなく、数冊から数十冊程度に仕分けられた口を狙って入札いたしました。

思いはいずこも同じらしく、落札できたのは1点のみ。一方で大山の方は、無競争で落札している口も目立ちました。

気になるのは、最近ディスプレイ業者の札が、減少気味に感じられることです。石油と同じく、需要に対し供給が上回っているのでしょうか。

競り合う札が1枚増えるだけでも、落札価に大きく影響します。今日あたり、相場が下がり気味。季節的な要因ということも、考えられます。現在が受注の少ない時期であるとか。

どの同業も、大きな倉庫を持っているわけではなく、普段から大したストックを抱えているわけではありません。

RIMG1137今のところ、倉庫を借りて保管しておくより、多少高くとも必要な時に仕入れる方が、間尺に合うからでしょう。所詮は、その程度の需要だというわけです。

もっか小店も、市場に出したい洋書が溜まっております。来週にも出品しようと考えているのですが、今日の様子では、あまり期待できません。

しかし仕入れるときと同じ理屈で、相場が上がるのを待っている余裕はありません。来週までに、どこかの業者が、大口の注文でも受けてくれることを祈るばかりです。

いや、内容だって、決して悪い本ではないのですが。

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2016年06月13日

七夕目録再校

RIMG1131午後には上がりそうな期待を持たせる今朝の天気予報でしたが、結局夜までずっと雨。雨足は次第に弱まりはしましたが。

そのまだ強い降りの朝方、古書会館に向かいました。明治古典会、七夕大入札会目録の校正、今日が再校です。

店主の担当する地図部門は点数も少なく、仕事を初めて30分も経たないうちに終わってしまいました。しかしそのまま先に帰るのでは、あまりにも気が引けます。他分野の校正を、少しばかりお手伝いすることにしました。

七夕には洋書も出品されます。時折、頓珍漢な表記が残ってしまい、恥ずかしい思いをすることがあるのですが、担当外で目が届きません。

そこで、分野を問わず洋書に目を通しました。気になる点が見つかりましたが、再校で直せることは限られています。次からは、入稿時に見せてもらうことにしようと、今さらながら思いました。

他の分野は、地図の数倍の点数を抱えています。担当者も複数いるのですが、作業はなかなか大変なようです。

何が一番大変かというと、出品名をつけること。書物や、作品のように、それ自体に題名のあるものは、それを用いれば何の問題もないのですが、コレクション類など出品者が自分で考えてタイトルを付けるものについては、その正確さや、他との整合性を見なければなりません。

もっとも、それは校正の仕事ではなく、入稿時の作業ですが、活字となって印刷されてみないと、気がつかないことも多々あるのです。初校で赤が入り、直ってきてみるとやはり座りが悪い。そこでまた赤が入る。そんな作業が、通常の文字校正以上に時間を取られるようです。

ともあれお昼までお手伝いし、お弁当をいただいてから、市場も覗かずに店に戻りました。

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2016年06月12日

分割宅買

RIMG1115昨日お昼前一件、今日も午後に一件と、宅買いが続きました。それぞれ3回目の訪問です。

と言っても昨日の場合は、店から歩いて5分のところで、量も手押し台車に1台分。縛って積んで、店まで押して戻りました。

今日は車で20分。田町駅近くのマンションの、8階と駐車場を手押し台車で2往復。もっと積もうと思えばつめますが、無理に積んでも、店に置いておく余地がありません。

この2件とも、今回で終わりではなく、まだ続きます。このほかにもう1件、先日引き取ってきた、たまプラーザのお宅にも、改めて伺う約束になっています。

なぜこんな「分割宅買」が増えてしまったのでしょう。ひとことで言えば、運送賃が出ない恐れがあるからです。ご近所の場合は、量はかなり多いのですが、一般書や雑誌が中心ですので、市場に出しても一山いくら。

さいわい、すぐに片付ける必要はないとのことですから、こちらの許容量に合わせて少しずつ引き取り、店で売らせていただくことにいたしました。

たまプラーザの場合は、正直なところ、一度で終わりにしたかったのですが、何とか全部引き取ってほしいというご要望が強く、もう一度伺うことを受け合いました。

田町の方はまた別の事情です。一度はトラックで大量にお引き取りして、まだ同量以上が残っているのですが、あまり一時になくなるのは淋しいということで、ペースダウンしたのです。

こちらは亡くなられた英文学者のご蔵書で、ほとんどが洋書。スタンダードな本が多く、多くは現在でも手に入るものですから、市場ではあまり値が付きません。

本来なら店で安く売りたいところですが、スペースを考えると、目をつぶって市場に出すしかなさそうです。

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2016年06月11日

『鞄談義 2』

うっかりしたことは書けないと、つくづく思いました。

先日ご紹介した『鞄談義』の発行人の方から、メールをいただいたのです。

それによると『鞄談義 2』は、まだ在庫を抱えておられ、売り方を模索しておられるところなのだそうです。そこで小店にもひとつ、その手助けをしてくれないかという内容でした。

てっきり在庫を売り切ったと思い、さすがに趣味の世界は強いと勝手に感心しておりましたので、ちょっと虚を突かれた気分です。

とはいえ、小店の販売力などは微々たるものですから、もっと他にいろいろと方法があると思うのですが。

『鞄談義』、そして今回の『鞄談義2』は執筆者が費用を出し合っている自費出版であるが、製作を依頼している出版社はない。今回、フェルマー出版という名で出版したが、これは所謂出版社名ではなく、私たち遊び仲間のグループ名である。(中略)全て自分たちでやっている。いわば、自力出版。(あとがきより)

どこまでも遊び心に溢れた出版のようですから、すぐにも在庫を処分したいという話ではなさそうです。縁を辿りながら、少しずつ捌けていけばという考えだとお察しいたしました。

64218そこで、ともかくも小店の出来る範囲で、販売のお手伝いをさせていただこうと考え、少しばかりの部数をお預かりすることにいたしました。

早速「日本の古本屋」にアップし、次は小店のホームページの方にも載せるつもりです。せめて、かつての「折り紙本」ほども売れてくれれば、いくらか面目も施せるのですが。

同業の皆さんで、預かってみても良いという方がおられましたら、声をお掛けください。ご紹介いたします。

あるいは、こんなところに置いたらどうかというご提案でもいただければ、お伝えしようと思います。

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