2016年07月

2016年07月21日

クレジット被害

TKIの定例会議で、おそろしい話を聞きました。

何か月も前にクレジット決済で送った本について、クレジット会社から、チャージバックの請求が来て、それが結構な金額に上っているというのです。

送った先は米国。一時に数件の注文が複数の店に対してあって、そのうち2件について請求が来たと言いますが、決済時期の違いもありますから、残りもやがて請求されるかもしれません。

販売店は、EMSなどを利用して送っているはずで、送った事実を証明することはできるでしょうが、それを受け取ったのがカード名義人本人であるという確証は取れません。

チャージバックという言葉をネットで検索してみると、いろいろな情報が見つかりますが、結局のところ理由の如何を問わず、販売者側が返済するしかなさそうです。

もっとも理不尽な例は、今回も疑われるようなカードの不正利用によるものでしょうが、それですら、クレジット会社からは容赦なく請求が来ます。

RIMG1220カードなら身元も確認されているし、EMSで送れば配達記録も残るから安心だと思っていると、大きな落とし穴があるというわけです。

こうした被害を防ぐための保険もあるようですが、個々で加入するには、よほど大きな売り上げがなければ引き合わないだろうと思われるような金額です。

Amazonでは、販売者側に落ち度がないと証明できた場合は、販売者に代わって返済してくれる仕組みがあるようです。

「日本の古本屋」には、今のところ残念ながらそうした仕組みはありません。早急に、全体として加入できる保険がないか、研究してみる必要がありそうです。

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2016年07月20日

小さな発見

今日はルート便(コショタン)で、市場から荷物が届く日。

週に一度の配達ですから、先週金曜日の明古と、昨日の洋書会の分ということになります。今回はどちらも大した量ではなく、合計で100冊くらいといったところです。

それを整理するのが今日一日の仕事になりました。お昼に届きましたから、正確には、半日の仕事というべきでしょうか。

小店は単品に入札することは少なく、大抵何冊、何十冊とまとまった口を仕入れますから、整理に手間がかかります。

1冊が欲しいために4本口に札を入れる、ということもしばしばで、それならその1冊だけ抜いて、残りは処分してしまえばよさそうなものですが、原価の関係でそうもいきません。その1冊の踏み値で、全てを買えるわけではありませんから。

というわけで、残りの本をいかに捌くかが、利益に大きくかかわってきます。品定めに時間が費やされる所以です。

分かりきった本や、知っている本ばかりなら、値を付けるのに必要なのは決断だけですが、ちょっと不思議な本に出会うとつい手が止まってしまいます。

今日の場合は、洋書会で買った日本関係の口に含まれていた、何冊かの古い小冊子類が、店主の手を止めさせました。jarlibroそのうちの2点だけご紹介いたします。

一つは『日本エスペラント学界年鑑』(1926年、126p、15cm)。この年「学界」は財団法人となり、その役員名簿が掲載されています。東京朝日新聞社顧問・柳田國男の名がありました。

shimidzuもう一つは「清水市案内」。B6判で20頁。パンフレットの背を開いてスキャン。刊年はありませんが1930年頃と思われます。Try our Spitchcocked Eels と書かれた、うなぎ屋の広告がありました。

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2016年07月19日

余計な心配

古本屋の商売は仕入れて売って、その双方がなければ成り立たないのですが、そのどちらに比重を置くかで、自ずから営業形態が異なってきます。

そんななかで、宅買い仕入れが増え過ぎて、どんどん市場に出さなければ間に合わなくなり、なかば買い取り専門業者化しているお店が、数軒あります。

仕入れが多くて悲鳴を上げるというのは、羨ましいような話に聞こえますが、それなりに苦労もあるようです。

なにしろ、そうした業者さんに聞くと一様に、「選んでいてはダメ。何でも引き受けなければお客様が離れる」と言い、実際、店主ならお断りするのだがと思えるような本でも、引き取って市場に持ってこられます。

今日の洋書会に持ち込まれたのが、まさにそのような口でした。

カーゴ2台に、大判の重そうな本が満載。見ただけで分かるデザイン、イラスト関係の年鑑類で、昔ならともかく、今ではまず値になりません。

頼みはディスプレイ需要ですが、今日の場合は、そのためにはいささか本の状態に問題がありました。

RIMG1215仕分けを担当した仲間も、札が入るようにかなり苦労して山を切っておりましたが、結局全体の2/3ほどの量が売れ残ってしまいました。

売れた何点かも、金額にすれば幾らでもありません。人件費はおろか、運送費すら出ない額だったろうと思います。

業者さんは、当たりもあれば外れもあるということで、納得ずくかも知れません。しかしお客様とは、どのような話だったのか、余計な心配をしてしまいました。

タダで引き取ってきたとしても足が出る勘定です。もしお預かりしてきたのだとしたら、何と説明するのでしょう。まさか費用を請求するわけにもいかないでしょうから。

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2016年07月18日

手間がかかる

昨日お引き取りしてきた『別冊太陽』を、せっせと値付けいたしました。全部で約100冊ほどあったでしょうか。

このシリーズは1972年から刊行が始まって、現在も続いているムック本の一大叢書です。試みにCiNiiで検索してみたところ、526件という件数が表示されました。月一回以上のペースで発行されてきたことになります。

今回、積み切れずに置いてきた分を入れても、200冊には届かないでしょう。どこかで購入を止められたのか、選んで買っておられたのか。いずれにせよ、全てを購入されていたわけでないことは確かです。

それでも店に置くとなると結構な量で、何よりこの手のビジュアル本は、普通に棚に挿しておいたのでは、なかなか目につきません。一方で、手に取られる方は多く、イタミが心配でもあります。

そこで、販売価格を千円以下に出来るもの、千円以上で売りたいものと大別し、前者を棚に、後者をネットに上げることにいたしました。

しかしいくら店主が千円以上で売りたいと思っても、世間相場というものを無視はできません。念のため他の店の価格を調べることになります。

その結果、明らかになったのは、店主の感覚がかなり時代遅れになっているということでした。

初期のものが、軒並み安値になっていることくらいは了解していましたが、そうした中でも、幾つか過去に良い価格で売られていたものもあり、それらは多少とも値がつくのではないかと期待したのですが、その当ては外れました。

64341a結局、どうにか半数くらいが千円以上の値を付けられて、残りはそれ以下。となると、出来るだけ店で見やすく工夫して売ることを考えなければなりません。

結局は、こうした手間こそが、この手の本の一番の原価なのだということを、今さらながら思い知ったのでした。

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2016年07月17日

懐かしい本屋

表からペーパーバック数冊を手にして入って来られた、背の高い外人さん。勘定を済ませて、今度は店内を周り初めると「ちょっといいですか」と流暢な日本語。

何ごとかと向き直ると――「懐かしいです。とても懐かしい」

一瞬、昔来られたことのあるお客様かと、お顔を見つめ直しました。すると

「ニューヨークに住んでいた頃、良く行った古本屋さんを思い出します。こんな感じでした」

どうやら初めてのお客様のようです。さらに

「読み終わったら持ってきていいですか。お金は要りません。捨てたくないのです。また置いてもらえますか」

RIMG1219もちろんお断りなどできません。どうぞお持ちくださいとお答えすると、安心したように片手を挙げて、お帰りになりました。

さて連休中は店の片づけ――のつもりでしたが、急遽ご近所宅買いが入りました。先日来、何度も伺っているお宅、前回、椅子から落ちて背を打ったお宅です。

これまでに文庫や比較的新しい単行本類を引き取って、まだ雑誌や美術書などの大判系が大量に残っています。

そこで今回は、別冊太陽などムック本を中心に引き取ってまいりました。それだけでも、小店の台車では一度に乗りきらず、後日改めて残りを取りに行くことにしています。

ところでその作業中、地震がありました。震度3だったとか。ちょうど高い場所の本を取っているところでしたが、今日は脚立を使っておりましたので、連続して転落という羽目は免れました。

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2016年07月16日

子は育つ

小学校低学年といった男の子が、店の表で所在なさそうにジャンクおもちゃをいじっています。特に興味があるようでもなく、こちらを触ったり、あちらの箱を覗いたり。

やがてそれに飽きたか、今度は棚の本を触り始めました。それもおもちゃと同様、ただ手にしてみるだけで、すぐ元に戻します。

そのうち、洋書のペーパーバックにも手が掛かり、1冊抜き出して、今度は元通り差し込むのに少し苦労している様子です。

ここまで見てから、近くまで行ってひとこと、「触らないようにね」と声を掛けました。かなり言葉を省略しましたが、きつくならないよう注意したつもりです。

RIMG1221男の子は一瞬きょとんとしたような表情を見せ、それでも意味が通じたらしく、バツが悪そうに近くにいた少女のそばに駆け寄りました。

先程からずっと、岩波少年文庫を読み耽っていたその少女は、どうやら男の子のお姉さんのようです。そこでさらに「誰かと待ち合わせてるの?」と尋ねると、「お母さんが隣でコーヒーを飲んでいる」という返事。

間もなくそのお母さんと、それにお父さんも現れて、少女と三人で本を選び始めたようでした。

男の子は、ふたたび所在なさ気で、しかし今度はやたらと本に手を触れるたりすることもなく、おとなしくついて回っておりました。

やがてお父さんが帳場に本を数冊お持ちになり、勘定も済んで顔を上げたとき、その方が良く絵本を買っていただいた、お馴染みさんであることに気がつきました。

しかしそれと分かってお子たちを見ると、一体、何年ぶりでしょう。すっかり大きくなったお姉さんの幼顔は思い出しました。けれども男の子の方は、ついに面影が浮かびませんでした。

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2016年07月15日

中国書誌学

RIMG1213宋版というのが、貴重で高価なものだと知ったのは、もう20年以上前のある年の、明治古典会クリスマス特選市でのことでした。

当時まだ店主は、市場のお手伝いをする経営員だったと思います。経営員の重要な仕事の一つが開札で、その時もその商品の開札をした記憶があるからです。

1千万円を超える札を自分で開けたのは、その時が初めてのこと。飛びぬけた2人の入札者の戦いで、それが一番の上札に競り上がった様を、今も思い浮かべることができます。

本自体の記憶はすっかり薄れているのに、その2枚の札の印象だけが残っているあたりに、今に至るまで、うだつの上がらない本屋である要因があるかもしれません。

いずれにせよ、宋版に関する店主の知識は、その後、まったく増えておりません。ただ近年では、その価格が億の単位になるものも珍しくないことを、聞き知っているだけです。

バブルの時代には、古本屋の市場でも、1千万円を超える商品を年に何度となく目にしました。今では、落札価格が1千万円を超えるものは、ごく稀です。

比較すると、お隣中国のバブル(と呼ぶのは正確ではないかもしれませんが)は、日本とは一桁違うようです。ちょうど人口が一桁違うように。

今日の明古でも、地方から送られてきた中国物が、最高落札価格だったと聞きました。一桁違うと考えれば、納得できます。

しかし改めて、中国古書の最高峰である宋版について、知りたくなりました。

ちょうど昨日買入れた中に『書誌学のすすめ』(高橋智、東方書店、2010年)があります。読めば少しは、その貴重さが理解できるでしょうか。

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2016年07月14日

珍客来訪

ご近所に宅買。

昨日のお昼前、ご主人がお越しになって、「台車を貸してもらえますか」とおっしゃいます。しかし、不安定な空模様でしたから、「明日、こちらから伺います」と申し上げ、その引き取りでした。

近くですが車だと行くのにも帰るのにも、一方通行の関係で遠回りになります。ちょうど台車1台くらいの量だとのことでしたから、暑い中、台車を押して出かけました。

積み終えて帰ろうとするとき、このお宅の3階を借りて住んでいる友人に声をかけられました。出かけるところだったようです。

RIMG1207こんな近くでも、引っ越してきて当初は、何年も顔を見ない時期が続きました。近ごろ、何かと会う機会が増えて、喜ばしいことではあります。つい先日も、店に訪ねてくれたばかり。

というわけで、挨拶だけ交わして店に戻りました。一杯に本を積んだ台車を押して。

汗を掻きながら店まで来ると、珍しいお客様が待っていました。トルコにイタリア人の夫と暮らすAさんです。お子さんが12歳になるそうですから、長い外国生活となりました。

彼女と知り合ったのは、その昔、明治古典会のアルバイトに来てくれたことがきっかけです。やめた後も、時折店を訪ねてくれたりしました。大学院に進み建築を専攻したことで、駒場にも時々来る機会があったためです。

今も、駒場との縁が続いているようで、日本に来ると駒場ファカルティハウスに泊まるのが常となりました。何年か前、やはりそんな折に、店に寄ってくれています。

今回は、お連れ合いとご一緒の帰国となり、初めてそのイタリア人男性を紹介していただいたのですが、落ち着いた控えめな雰囲気の方で、好印象を持ちました。

ちなみに夫婦の会話はトルコ語、母子は日本語、父子はイタリア語だそうです。幸せなご家庭の様子が目に浮かぶようでした。

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2016年07月13日

50年一日

ビートルズ来日50年ということで、6月にはTVなどで特別番組がいくつかあったようです。たまたまその一つを途中から見て、50年という年月の長さを改めて感じました。

先日ある同業に指摘されたのですが、その約50年前にはロシア革命が起きています。当時、それは歴史上の出来事だと、少なくとも店主は思っていたはずです。それをつい昨日のことのように、振り返える人もいたわけでしょう。

もうひとつ、今年はウルトラマン誕生50年でもあるそうです。同じようにTVで様々に取り上げられたことを、番組宣伝などを目にして知っております。

そのうちのある特番を、偶然お終いの部分だけ目にしました。思い入れたっぷりに、エンディングが盛り上げられていました。しかし、同じ50年でも、店主はこちらにはまったく接点がなく、何の感興も湧きませんでした。

どうやら5年から10年、年を食い過ぎていたようです。ただ、そのように50年の昔を懐かしむ人が、自分より10歳も年下だと考えると、いよいよ我が身の老い先の短さを思わざるを得ません。

RIMG1191とはいえ、わが業界にはまだ同年代以上が多数おられて、日々顔を合わせておりますので、幸か不幸か自分の年を忘れがちです。

つい最近、ある同業の訃報が入りました。お名前と顔が結びつくという程度の方で、親しくお話したことはありませんでしたが、組合加入が店主とほぼ同時期でもあり、遭えばご挨拶くらいはしておりました。

しばらくお見かけしないとは思っておりましたが、享年を聞いて驚きました。89歳だったそうです。それほどの年の差を意識したことはありませんでした。

会社勤めを終えて、第二の人生に本屋を選ばれたようです。それが会社勤めと同じくらい続いたことになりますが、充分楽しまれたのではないかと、傍目には思われます。果たしてどうだったでしょうか。

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2016年07月12日

洋書会の成果

洋書会の新年度が始まりました。と言っても、何ら改まった行事があるわけでもありません、普段通りの市です。

店主にとって、7月は当番月。ですから朝、10時までに古書会館に着くよう店を出ました。途中、遅滞なく、予定通り到着。

RIMG1214今日の出品は、会員の一人が宅買いしてきたカーゴ6台の英文学書と、関西方面から送られてきた段ボール16箱のドイツ書。その他は細かな口が少々。

分量とすれば英文学書が圧倒的に多く、それだけで会場の8割を占めておりました。

本の内容は、一時代、あるいはもっと前に大学で英文学を教えられた先生の、典型的な蔵書といった感じで、Oxfordの各種テキストや、さまざまな辞書類が中心。万遍なく揃っていて、特に偏りが見られません。

普通は個別の作家や特定の時代など、研究された分野の本がまとまっているものですが、それが見つからないというのが、逆に特徴的でした。

あるいは、それらはコレクションとして、どこかに寄贈されたのかもしれません。

というわけで、大きな山に分けられ、店主が手を出す余地はありませんでしたが、プレイヤード叢書が数冊、場違いな感じで混じっていたため、それらを一点として封筒をつけ、札を入れておいたところ、落札できました。

ドイツ書の口は、文学、哲学、演劇関係で、こちらは店主が仕分けを任されました。10点ほどに分け、責任上、自分でも札を入れておきました。

東独版の全集類が多いのと、保存状態があまり良くないのとで、札が入らないかと心配しましたが、ベンヤミン、ヘーゲルなど、欲しかったものも落札できませんでしたから、まあ仕分けとしては成功だったのではないでしょうか。

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