2016年10月

2016年10月31日

2つの番組

昨日の日曜日は、寒い一日でした。

店番をしていて余りの寒さに、とうとうドアを閉め、エアコン暖房を入れてしまうほどでした。今朝の天気予報で話していたところによると、最高気温は12月中旬並だったとか。

午後6時に店を閉め、片づけを終えて帰るのは6時半前後。

車に乗り込みスタートさせてから、日曜日であったことに気づき、何週ぶりかで「Barakan Beat」を聴こうと、ラジオのチャンネルを選びました。

すると聞こえてきたのはYou Really Got a Hold on Me。しばらく聴いていないビートルズは新鮮でした。

耳を傾けているとやがて曲が終わり、DJが入ります。しかしバラカンさんの声ではありません。最近どうも声の調子が変わってきたようで気になっていましたが、それにしても違い過ぎます。

じきにそれが聞き慣れた別のDJ、小林克也さんの声だと分かりました。とすると特別番組なのでしょうか、ビートルズが続けざまにかかります。

KIMG0542帰り道の半ばに至って、ようやく謎が氷解しました。InterFMを選局したつもりが、bayfmを選んでいたのです。

こうして初めて「ビートルズから始まる。」という番組の存在を知りました。あとからネットで調べると、1999年から続いている番組だそうです。放送時間は毎週日曜日の18:00から19:00まで。

昨日は結局、家に帰りつくまでビートルズを聴き続けることになりました。聴きなれた曲も何か耳新しい――と思えば、別バージョンの録音だったりして、充分楽しめたのです。

しかし、時に他の曲もかかるとはいえ、ほぼ全篇ビートルズ。それで良くネタが尽きないものだと感心しながら、来週からどっちを聴こうかと、新たな悩みを抱えてしまった店主であります。

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2016年10月30日

2冊のカタログ

RIMG1508電話帳のように分厚い2冊のカタログ。いずれも、アメリカ人なら誰でも知っている筈の大手総合量販店のもの。ネット通販全盛の今日でも出版されているのかどうか、その点は存じません。

しかしASKULなどは定期的に分厚いカタログを送ってきますから、アメリカでもネットと印刷物とは、併用されているような気がします。

仮に出版されていたとしても、昔ならともかく、ネット社会の現在、わが国でわざわざ印刷カタログを必要とする人はごく稀でしょうから、古本屋あたりが目にする機会がないのも当然です。

考えてみれば、インターネットは巨大なカタログです。それでも印刷カタログがなくならないのは、やはりネットにはない便利さもあるからなのでしょう。

RIMG15142冊を見て、その便利さ以上に、大きな特徴があることに思い至りました。それは時間を閉じ込めるという機能です。

シアーズ・ローバックのカタログは1927年(それを1970年に復刻したもの)。JCペニーは1977年。それらを開いて見ると、それぞれの時代の消費社会の様相が、彷彿として浮かんできます。

何十年か先に、現在のネットカタログを懐かしく眺める、という様子は、少なくとも店主には想像がつきません。あるいは「懐かしむ」という心の動き自体が、今とは全く違うものになっているのでしょうか。

ともあれ、ここには40年前、90年前の時代相が映し出されています。だからこそ、復刻されもしたのでしょう。

と、ここまで書いてきて恐ろしい事実に気づかされました。シアーズ・ローバックとJCペニー、2つのカタログの時間差は50年ですが、JCペニーから今日まででも40年経っております。

つまり今の若者は、店主が若い頃にシアーズ・ローバックを眺めたように、JCペニーを眺めるのでしょうか。店主の目には、つい昨日のようにしか見えませんのに。

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2016年10月29日

2つの小話

小話その1

赤ちゃんを抱っこひもで抱いたお父さん。棚から抜いた千円の本(幾何学関係)を1冊、帳場に置かれて、「ここってこの商店街ですよね?」

店主が「?」という表情で顔を上げますと、「今日、この商店街のハロウィンじゃないですか。千円買うとtrick & treatのスタンプがもらえると…」

「ああそうでしたか。残念ながら、うちは駅前商店会には入っていないんです。ここから西口にかけては、もともと別の商店街でしたから。今はありませんが」

「残念、そうなんですか。じゃあ申し訳ないですが、これはやめておきます」

小話その2
RIMG1483
思いがけず、四方田犬彦さんがご来店くださいました。ご本人もおっしゃる通り「『先生と私』の時以来だから、ほぼ10年ぶり」ということになります。

「今日は私の行っていた学校の学園祭で、そこで私の本を芝居で演るから観に来いと言われ、その帰りです」

あらためて尋ねるまでもなく「行っていた学校」は筑波大付属駒場で、演じられたのは「ハイスクール1968」。

そのお芝居の出来については特に論評はありませんでしたが、「今の若い子たちは、民青と全共闘の区別もつかないんですよ。みんな民青にされてました」

突然のことでしたので、店先での立ち話で終わってしまいたが、このくだりには居合わせた家人ともども、大笑いさせていただいたのでした。

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2016年10月28日

1トンに100グラム

「神田古本まつり」初日は、あいにくのお天気となりました。開会式典のテープカットが、降られずに実施できただけでもよしとすべきかもしれません。

店主が明治古典会に出かけようと、店を出たころにポツリポツリと来はじめ、神保町につくとすでに道が濡れており、早々に「中止」と決まったようです。

明治古典会は月末特選フリ市の日。相変わらず最終台には、面白い本や資料が並べられており、大勢の同業がこれも相変わらず熱心に、品定めをしておりました。

店主も一応、会場を見て回り、あまり縁がなさそうな最終台の品々も、人並み程度には関心を持ってじっくり検分。ただし、なるべく手出しせず。

荷主さん、あるいは本気で手に入れたい同業にとって、野次馬的に商品をいじられるのは、決してうれしいことではないと思うからです。

触れる以上は最低限、札を入れる気持ちがなければならない。そう考えて、ただ眺めるにとどめているのですが、それでもつい好奇心に負けて、手に取ることがないわけではありません。

今日、久しぶりに浜松の時代舎さんとお会いしました。ほぼ毎月、特選市に出品してくださっているのですが、月に一度のことですから、お互いのタイミングが合わないと、2、3ヵ月はお目にかからないこともあるわけです。

立ち話で、最近は若い仲間たちが買い取りに付き合ってくれるようになり、体力的に楽になったと伺いました。いずれもネット販売専門業者だそうです。

RIMG1479ご自身が始められた時には浜松に16軒あった古書店が、いまや2軒だけだとか。その分、買取依頼が集中し、忙しくされているようで、それを「1トン仕入れてアタリは100グラムです」と表現されました。

しかしその100グラムが、しばしば金以上の価値であったりするのを、店主は目撃しております。

明日は良い天気になりますように。

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2016年10月27日

怒鳴る人たち

店の前は狭い一方通行ですが、それにしては車が頻繁に通り抜けていきます。

先へ行くと、人とすれ違うのがやっとというほど道幅が狭まっているところもありますが、小店の前あたりは少しばかり広くなっていて、片側に車を止めても通り抜けられるだけの余裕があります。そのため、勝手に駐車するドライバーが後を絶ちません。

すぐ戻ってくればまだしも、時にいつまでも止めたままのこともあり、止めた時点ではその予測が付きませんから、気が付けば声をかけ、事情を伺うようにしております。

先日、表から大きな怒鳴り声が聞こえてきました。何事かと思って外へ出ると、隣のコンビニへ納品のトラック運転手さんに向かって、初老(つまり店主ほどの年配)の男性が、野太い声で罵っているのです。

RIMG1455その人のベンツ(としか店主には分かりません)が通り抜けられず、車から降りて、そのことを責めているのでした。

一目見て、道の反対側に止められたスクーターが原因だとわかりました。おそらく運転手さんが作業中、気付かない間に誰かが止めていったのでしょう。

それを弁明したのかどうか、相手は聞く耳を持たない様子で怒鳴り続け、結局、トラックを移動させて、抜けていきました。

その間、何分待ったのか分かりませんが、後から次々と車が通り過ぎていきます。改めて、この通りの交通の多さを感じました。

これは家人から聞いた話ですが、ある日、店の前の道の真ん中で立ち話をしていたご婦人方に対し、走ってきた車のドライバー(これも初老の男性だとか)が、怒鳴りつけたそうです。

すると、怒鳴られたご婦人がこれにひるむことなく、逆に怒鳴り返し、しばらく言い合いになったといいます。さぞや見ものであったでしょうが、これは男性が悪い。

通り抜けが頻繁でも、ここは生活道路。車は遠慮しながら走ってもらいたいと思います。

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2016年10月26日

稀有なお申し出

RIMG1486決して多いとは言えない数ながら、連日、ネット注文品を発送しておりますが、そのうち、何かしらの理由で返送されてくる郵便物が、平均すると月に1通程度はあるような気がします。

うっかり者の店主が、お客様の指定されるお届け先と、登録されているご住所が異なるのを見落として、ご登録住所にお送りしてしまった場合。

住所表記に誤りがあった場合。これはお客様ご自身の登録ミスの場合もあれば、小店の入力ミスの場合もあります。

さらに配達時に受取人不在で郵便局員が持ち帰り、その後、連絡が取れないまま保管期間が過ぎてしまった場合。

要するに、小店の失敗もあれば、お客様側のご事情ということもあるわけです。

Amazonのシステムでは、店主の犯すようなミスが起きる余地はない仕組みになっているようで、こうした点は「日本の古本屋」でも取り入れたいものだと思います。

しかしもちろん、現在でも殆んどの同業はそんなミスとは無縁ですから、もっぱら店主に原因があることは確かです。

というわけでAmazonでは、返却されてくるのは、ほぼお客様側の事情によるわけですが、そうした場合、取引をキャンセルするか、再送するかの選択になります。

しかし再送の場合、その費用をあらためて請求する仕組みはなさそうです。送ってもらう側も、それを当然のことと思っているのでしょうか。

先日、小店でも「日本の古本屋」注文品で一件、保管期間経過による返送がありました。このお客様、非常に恐縮されて、再送費用を負担したいというメールを送ってこられました。大変、稀有なお申し出です。

そういうお気持ちのほうが、遥かにありがたいとお返事し、もちろん費用はいただかず、再送いたしました。

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2016年10月25日

グッズ洋書

洋書会、10月当番も今日が最終。お昼に恒例のうな重をいただきました。贅沢と思われるかもしれませんが、何度も申し上げている通り、これが洋書会当番の唯一の報酬です。

他の会ならば、経営員がする仕事を、会員が交替でしております。それもこれも、出来高の関係で、経営員を雇う費用が出せないからにほかなりません。

しかし、店主の知る限りでも、この形が30年以上は続いておりますから、今さら無賃労働に不満を持つ会員はおりません。

しかも仕分けとなれば、それなりの経験と知識が必要です。そしてその仕分けこそが、洋書会当番の主要業務ですから、うな重を節約して経営員を雇う、という発想は生まれないわけです。

とはいえ、仕分けの他にも様々な雑務、肉体労働がありますから、平均年齢が他会と比しても決して低くはない洋書会会員にとって、大量出品の日などは、なかなか辛い作業となります。

今日も比較的、量が多い市でした。仕事が少ない日ですと、何やら気が引けることもありますが、今日は当番一同、安んじてうな重をいただいた次第です。

店主は、先週に続いて出品があった、T先生蔵書の仕分けを担当。前回の反省から、大山にも札が入るように「分け尽くさない」ことを心がけました。

その甲斐あって、分け残しの大山に、思わぬ良い札が入りました。落札されたのは、意外な若手の同業。

RIMG1408あとからその業者に話を聞いてみると、共同イベントなどに出店していて、そこに持って行くための古い趣のある洋書をお探しだったとのことでした。

そういえば確かに、一緒に来られていたお連れさん、「カワイイ」とつぶやきながら、本をご覧になっておられました。

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2016年10月24日

They died too young

lennon「豆本」と言っていいでしょうか。比べるものがないので、画像からは大きさが分かりませんが、高さは11cm、幅は8.5cm。写真図版も16点ほど入って94pという小さな本。

タイトル頁を開くとDisparus trop jeunes/ Tom Stockdale/ Le Mtyhe de/ John Lennon/ Traduction de/ Sandra Vailles/ Gremese.

タイトルからわかるように本文はフランス語ですが、英語からの翻訳書なのでした。

その裏側のページに書誌事項が記されており、原題はThey died too young: John Lennon。仏語版の版権年は1997年、原著は1995年。

そこで著者とタイトルから検索してみると、They died too youngシリーズとして数冊出版されていて、Karen Carpenter, Sid Vicious, Jimi Hendrix, Marvin Gaye, Buddy Holly, Marc Bolan などという名が見つかりました。

このメンバーからすると、レノンの40歳は、必ずしもtoo youngとは言えないかもしれません。しかし早すぎる死が惜しまれた点では、他の誰にも劣らなかったのですから、彼を外すわけには行かなかったのでしょう。

さて、この本の話がしたかったわけではありません。そのシリーズタイトルに、つい胸をつかれる思いがしたのです。

20日に訃報が伝えられた平尾誠二は、53歳であったと聞きます。夭逝という言葉には当てはまらないでしょうが、この died too young ならば、多くの人が感じ、また店主も感じた気持ちを言い表しているように思います。

その早すぎる死を惜しみながら、同時に別の寂しさを感じていました。それは、その気持ちを共有できたはずの何人かの友人が、すでに鬼籍に入っていることにあらためて思い至ったからです。

かれらもまた店主にとっては、too youngでした。

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2016年10月23日

三種類の読書

RIMG1458漠然と考えていることを、きちんと整理してくれるような文章を読むと、自分の頭もすっきりして、そこからまた先に考えを進められるという功徳があります。長くなりますが、以下はその引用。

読書にはおよそ次の三つの種類があるように思う。
第一は教養のための読書。これは当面何に役立てようというような実利的目的もなく、ただ人間としての教養を身につけ情操を高めるための読書である。
第二は娯楽としての読書。おもしろく読めて一定の時間を退屈せずに過ごせれば、それでよい。
第三は病気の手当てとか税金対策とか、現実生活に必要な知識を得るための実用的読書で、私の場合は広い意味でこの実用的読書の範疇に入る。

尾形仂「鴎外との出会い」(『読書のすすめ第5集』岩波書店編集部編1998年刊所収)

近世文学者であるご自身を、実用読書の徒であると韜晦しておられるのですが、なるほどそう考えて小店の棚を見渡すと、半ば以上は尾形さんの言われる実用書であることになります。

実用書の場合、税金対策はともかく、病気の手当てということになると、役立つ範囲はごく限られます。頭が痛い人に、やけどの治療法をオススメするわけにはまいりません。

それに比べて、第一、第二の読書対象となるような本の場合、仮にドストエフスキーがなければ、トルストイをお勧めしてみることも、まるで無益ではないでしょう。

ただし教養・娯楽書は、古本となると単価が低いものが一般です。よほど数をこなさないことには、商売になりません。

だからこそ多少とも単価の高い専門書(実用書)を置くことになるのですが、それは極めて限られた需要のものですから、一旦値崩れが起きると際限なく安くなり、そのうち肝心の実用にも役立たなくなるわけです。

とまれ、この三分類を拳拳服膺し、せっせと棚の入れ替えに励もうと思います。

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2016年10月22日

カルチャーの秋

今日は駒場キャンパスで「日本民藝館創設80周年記念シンポジウム」なるものが開かれており、「聴講無料」に惹かれてしっかり予約を申し込んでいた家人は、午後からそれを聴講に出かけております。

陽射しがなくひんやりとして秋の深まりを感じる土曜日、一人で店番をしていても、朝から売れるのは店の前のジャンクおもちゃばかり。

100円ミニカーを30個ばかり爆買いしていった、軽トラックのお兄さん、子連れでやってきて自分のほうが興奮し10台をまとめ買いしたお父さん。

入荷したばかりのNゲージの箱に張り付き、時間をかけて5台を選んで行った母子連れ。その他にも時折、ポツリポツリと売れていきます。

一方、本のほうは表の均一本が、もっと間遠に1冊、また1冊と売れるくらいで、その売り上げを合計しても、おそらく爆買いのお兄さんにも叶わないのではないでしょうか。

まもなく「神田古本まつり」も始まろうという「読書の秋」。この言葉は、もはや死語かとさえ思われます。

ただこの季節は「文化の秋」でもあるわけで、駒場界隈に限っても日本近代文学館の「漱石−絵はがきの小宇宙」展、東京大学駒場博物館では「マザリナード集成」展が開催中。

cultureあるいは本を読まれるような方々は、こうした展覧会見学に忙しいのかもしれません。

しかしそれならその行き帰りにでも、小店を覗こうという気になっても罰は当たらないはず。やはりそもそも、駒場を訪れる人の数自体が少ないのだ、と結論しておきましょう。

残された僅かな希望は、狭まる喫煙場所に愛煙家が蝟集するごとく、小店あたりにも、本好きの方が足を向けてくださることですが、それで商売が上向くかどうかはまた別の問題です。

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