2016年12月

2016年12月21日

間のいい注文

昨日、洋書会歳末特選市の準備作業中に、店から電話が入りました。

お向かいの家具デザイン事務所の方が、ディスプレイ用に、まとまった量の洋書を分けて欲しいと店に来られているとのこと。要領がつかめませんので、ご本人と変わってもらいました。

RIMG1561どうやらざっと計算して約10m、色は特に問わないが、できれば大きめの本が有り難い。というのは、書棚というより、いわゆる飾り棚で、棚の高さが50cmあるから。

予算を伺えば、楽に揃えられるという金額ではありません。しかも納期は今日明日、もっか現場作業の最中だとおっしゃいます。

それでまずは、店に並んでいる本から選んでいただくようお願いしました。表の棚を中心に、3mほどになったようでしたが、足りないだろうことは分かっておりました。

折よく歳末市は大量の出品です。大きな山で出品されている口も、沢山ありました。そこで、それらの内から要件を満たしそうな口を探して、札を入れました。

うまい具合にある程度の量を落札できて、それが今日、ルート便で運ばれてきました。それまでに店の在庫を引っ掻き回して、3mほどを用意。そして届いたばかりの昨日の口を整理して、そこから4m。

どうにか、お向かいさんのご要望に応えることが出来たようです。夕方、現場から車で戻ってきて、本を積み込むと、すぐまた現場に向かって出て行かれました。

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2016年12月20日

歳末市の反省

午前10時、古書会館の4階に到着すると、すでに会場は出品物の山でした。仕分も始まっていましたので、慌てて作業に加わりました。

予期した以上に仕分の口が多く、店主が参加したのは神学関係のかなり大きな一口。ほかには語学辞書関係、英文学関係、建築美術関係など、どれも面白そうです。

ともあれ割り当てられた部署で、早速仕事に取り掛かりました。誰もが忙し気で、普段ならまずコーヒータイムとなるところですが、一向に休む気配なく作業が続きます。どうやらめどがついたのは正午を30分ほど回ってから。

沢山の出品はありがたいのですが、入札する側からすると、目が届かず見落としも出がちです。もう少し普段の市に振り分けてもらえればと、思わないでもありません。

仕分けの口のほかにも、地方からよい出品がありました。目録に掲載されている一品ものです。実際に届いた商品を見ると、期待外れだったり、期待以上だったりと様々ですが、そのなかで、日本関係と哲学関係の古刊本の一口は、今回の出品の中でも粒ぞろいでした。

ただ、とても残念だったことがあります。数点が、思わぬ安値で落札されてしまったのです。その原因は、荷主さんが封筒に入れた札にありました。

開札してみると、その札には値書きがなく、ただ書店印が押してあっただけです。しかし入札者は、これを止め札だろうと判断したようでした。

値打ちを知っている業者ほど、安札を入れることをためらいます。まして、荷主が止札を入れていると判断すれば、無益な札は入れないことが多いのです。

市会終了後の光景その結果、そうしたことに頓着しない業者が遠慮のない札を入れ、それで落ちてしまうということにもなるのです。荷主さんに、止め値のあるなしを事前に確かめておけばよかっただろうかと、いささか後悔しております。

ちなみに、小店が昨日発送した荷物が届いたのは午後1時前。出品は次回に持ち越しとなりました。

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2016年12月19日

洋書会へ出品

今朝はまず一番に荷造りをして、佐川急便の「WEBトータルサポート」を開き、集荷を申し込みました。

送り先は東京古書会館。中身は明日の洋書会歳末市に出品する本です。午前中には着いてもらわねば困ります。それで早目に連絡を入れたのでした。

先日、この時はお客様へ送る本を荷造りして、午前11時頃に、やはりWEBで集荷申込をしたのですが、まだログアウトもしないうちに、ドライバーさんがやって来ました。ちょうど近くにいたそうです。

どうやらお昼前くらいに一度、このあたりを通ることが多いらしく、それ以前にも何度か、申し込むとすぐ集荷に来てもらうことがありました。

RIMG1571このタイミングを逃すと夕方、下手をすると閉店間際になることだってあります。それでも送り先が古書会館ですから、明日の午前着も難しくはないでしょうが、念のために朝一番で集荷を頼んでおいたのでした。

ところが今日はお昼を回っても、ドライバーさんが現れません。ようやく顔を見せたのは、午後5時を過ぎたころでした。ともあれ一安心。あとは、午前中に届いてくれることを祈るだけです。

量も点数もお慰み程度、ごく僅かです。封筒をつけて出品するのに、さして時間は取られません。

明日はおそらく一口ものの仕分けや、陳列に時間を取られます。自分の出品は極力控えめに――そういうと聞こえは良いですが、要するにモノがないだけのことでした。

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2016年12月18日

買入れの整理

昨日3件、今日2件。お客様からの買入れです。それぞれ段ボール3〜6箱。

小店あたりで、これだけの量が一度に集中しますと、日ごろから整理を怠っているため、荷物を納めておく場所に困ります。

RIMG1573日中は、表に移動式の棚を出しておりますので、店内にその分のスペースが空いております。まずはそこに仮置きして、順次片付けることにしました。ところが昨日は妙にバタバタとして、3件のどれにも手を付ける間がありませんでした。

そこで店を閉めるときには、表の棚を入れる場所を開けるために、3件分の買入れ品を一旦、棚の通路に積み上げなければなりませんでした。

そして今朝、店を開けてから、また通路の本を昨日と同じ場所に戻したのです。

今日の2件の内、1件は宅買いです。何度か伺っているお客様のお住まいへ、朝一番に車で出かけました。マンションの4階まで上がってもらうのが申し訳ないと、段ボール4箱を玄関まで降ろして待っていてくださいました。

近間でもあり、行って帰るのに15分。公式(?)開店時間の午前10時より前に、店に戻ることが出来ました。

さらにお昼前、都合5件目となるお持ち込み。こちらもお馴染み様。要するに年末を控えて、家の中を片付けておこうということなのでしょう。

さすがに今日は、通路に積まずに済みましたが、整理がついたのは、3割程度に過ぎません。

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2016年12月17日

ネギを背負った客

午後の一時、立て続けに3人の男性客が店に入って来られました。最初の男性は手提げかばん。お荷物を台に置いていただくようお願いいたしました。

続いて入って来られたのは、いずれもリュックサック。この場合、いつも判断に迷います。

RIMG1576本当のところを言えば全て、台に置いていただきたい。しかし見るからにペチャンコで軽そうなリュックをきちんと背負っておられる場合、なかなか声をかけにくいところがあります。

一方で大きく膨らんだリュックは、本来、もっとも置いていただきたいお荷物です。狭い通路ですから、背を向けた棚の本を押したり擦ったりする恐れがあるからです。

ともあれ今日のお2人のリュックは、それほど膨らんではいませんでしたから、そのままお通りいただきました。

手提げかばんの男性は、都合5冊をお買い上げいただいたのですが、1冊選ばれるたびに帳場へきてお会計をされます。レジを5回打ちました。

その男性がお帰りになったあと、リュックのお1人が、一旦外へ出られたあと、表から本を1冊お持ちになり、お勘定をしてお帰りになりました。

しばらく時間が流れ、ふと、あとお一方残っておられたことを思い出しました。通路を伺うと、奥の棚で一冊の本を読み耽っておられるようです。こちらに背を向けた、そのリュックから、長ネギの上部がはみ出しています。

このネギ姿、確か前にもお見かけしたことがあります。夕食の買い物の途中なのでしょうか。やがて一区切りついたか、時間が迫ってきたか、静かにお帰りになりました。

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2016年12月16日

いよいよ年末

明治古典会は、今日を入れて年内あと2回。しかしまだ年末の実感がありません。店主だけかもしれませんが。

来週は洋書会の歳末特選市、TKIの月例会議、そして23日の金曜日、祝日ですが明治古典会のクリスマス特選市と予定が詰まっております。

しかも洋書会と明古は、どちらも会が終わってから忘年会を兼ねた飲み会。こうしてあっという間に、年の瀬を迎えることになるのでしょう。

今日は会の事務仕事があって、市場は短時間しか見ることができませんでした。しかしその間に、2点入札。仕事を終えて市の結果を確かめると、2点とも落札しておりました。

RIMG1562一つは上札、一つは一番の下札。そのどちらも嬉しい結果です。上札となったのは須賀敦子の著作などがまとまっていた口で、店の棚に並べたかったもの。高すぎたとは思いません。

下札で落ちたのは、開化新聞の複製版。オリジナルは明治4〜5年に出ていて、まず市場に現れることはないでしょう。この複製版も、それほどザラにあるものではありません。

ただこちらは正直なところ、値踏みにあまり自信がありませんでしたから、下札で落ちてホッといたしました。この仕入れ値なら、売値も付けやすい。

バイトのΧ君が風邪でダウン。そこで今日はいつもの会食をパスし、午後6時に会館を出て店に戻りました。

靖国通りは「要人警備のための交通規制」とかで大渋滞。そういえば昼、会館に向かう時には「北方領土返還」の街宣車が騒音をまき散らしておりました。

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2016年12月15日

便利に慣れる

3日前のブログに書いた無作法な客は、案の定、家人にメールを出した時点で、amazonに「評価1」をつけていたことを知りました。「届かない、死ね」という言葉と共に。

その文言とあわせて、発注の日と書き込んだ日を知ることが出来れば、クレームとさえ言えない不当な評価であることは分かるのですが、「対抗手段がない」と家人は落ち込んでおります。

ネット上で、名が出ないのを良いことに、このような下品な物言いをする人間について弁護するつもりは毛頭ありませんが、2日で「遅い」と感じる心情については、理解できないでもありません。それは今どきのネット通販に慣らされすぎているためでしょう。

彼が注文したのは8日深夜。amazonやASKULやヨドバシカメラなら、翌日届くという感覚です。それがその翌日、10日になっても届かないのです。彼としては、1日は猶予したつもりだったかもしれません。

店主も先ごろ、こうした通販大手ではない、自前でホームページを持つ会社に、文庫カバーを発注いたしました。

その時、お品物の発送は、ご入金の確認が出来次第となります。お急ぎの場合は、ご入金の控えを弊社までFAXいただきますと、すぐに発送の手配ができますとあるので、すぐにFAXしたのですが、到着まで4日かかりました。

RIMG1577そして、それを遅いと感じる自分に気づき、いかに便利に慣らされてしまっているかを反省したものです。

そういう反省を、彼に求めるのは無理というものでしょうが。

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2016年12月14日

挨拶を交わす

RIMG1568棚の本をご覧いただく際に、カバン類は帳場の横の台に置いていただこうと決めて、1か月余りが経ちました。幸いなことに特にトラブルもなく、今日に至っております。

家人の話では「おカバンを…」と声を掛けたところ「それならいいや」と言ってお帰りになった学生風の方が、これまでに1人だけいらしたそうです。

店主の方もおかしな例が1件。店主と同年配の男性が、小ぶりなショルダーバッグを肩にかけ、膨らんだレジ袋を手に提げて入って来られましたので、「お荷物をこちらに」と申し上げたところ、「大丈夫です」とそのまま棚の方に向かわれました。

しばらくご覧になったあと、お帰りになる時に店主に向かい、「はい見てください」と両手を挙げてみせます。片手にレジ袋を提げたまま。

この方の場合、その荷物が、本をご覧になる時に邪魔になるのではと思ってお声を掛けたのですが、真意を理解していただけなかったようでした。

実際、つい昨日もしばらくぶりにお見かけしたお客様に、「こういうことにいたしましたので、ご協力ください」と申し上げると、「いやむしろ有り難いです」と手提げかばんを台に置いて棚に向かわれました。

一つ功徳もあります。初めにお声をかけることで、お帰りの際にご挨拶くださるお客様が増えたことです。簡単な会釈だけの場合もありますが、それだけで、またお出でくださいという気持ちになれるのです。

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2016年12月13日

近代文学著作者辞典

カレンダーに予定が3件。その限りでは忙しい一日でした。午前中に近所へ宅買い。午後は洋書会。そして午後2時から4時までは面談。

前の二つについては、残念ながら特筆するようなことはありません。最後の面談について、少しばかり書いておきたいと思います。

在野の近代文学研究家がおよそ40年間、こつこつと現物に当たって書き溜めた、「近代文学著作者辞典」ともいうべきものの草稿約2万5千件分が、組合に保管されています。

元はそのパトロンのような存在だったN書店が著者からそれを預かっていて、いつかは形にしたいと考えていたものです。しかし出版を引き受けてくれるところが見つからず、とこうするうちにNさんが急逝されてしまいました。

生前、そのNさんから、「日本の古本屋」のコンテンツとして、デジタル化できないだろうかという相談があったそうです。その遺志は夫人にも伝わっていて、後日改めて夫人から申し入れを受けました。

RIMG1560東京組合はその意義を認め、組合の事業として進めることになりました。手始めに、まず預かったデータをすべてPDF化し、今後の作業に備える。そのスキャニング費用等の見積もりを、複数の業者にお願いするのが、今日の面談の目的でした。

手書きの原稿をPDF化しただけでは、単なる資料に留まります。将来的にはこれをデータ化し、公開することを目指していますが、いかに費用を掛けず、信頼できるものを作り上げるか、これからが知恵の絞りどころです。

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2016年12月12日

無作法な客

昨日の朝、メールボックスを開くと、中に何とも無作法なメールが見つかりました。「Amazonのカスタマー ×× 様から注文の配送に関するお問い合わせ」という件名です。

家人がこのサイトにわずかばかりの出品をしているのは、以前にもお話した通り。評価システムにとても気を使っていて、以前「普通です」と「3」をつけられた時には、ひどくガッカリしておりました。

そんな家人に届いたメールの文面と言うのは、「まだ届かねーよ。なんとかしろクソ」。そしてその1分後に「早く届けろボケカス」。

RIMG1558このお客様からの注文が入ったのは、12月8日の23時48分。発送は翌日9日、いつものように目黒郵便局の集荷員が午後2時頃に来られ、小店の他の発送品と共にお預けいたしました。

くだんのメールの日付は12月10日21時59分と22時00分。これを見た11日は日曜日です。それでも念のために、配達局に電話で問い合わせてみました。

局の担当者のお話では、日曜日はゆうメールの配達はないので、12日の配達分になるのではないかとのこと。「もし郵便物を見つけたらご連絡しましょうか」と先方から言ってくださいましたので、ぜひにとお願いいたしました。

そして今朝、「今日の配達分に確かにお尋ねの郵便物があります。ただ郵便受けに入らない場合もありますから、その場合は不在通知を入れることになります」。

家人はこの言葉をそのまま、注文主にメールいたしましたが、その後なんの音沙汰もありません。

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12月31日から1月3日まで
休業いたします
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