2017年02月

2017年02月28日

アラビア語の本

久しぶりに出品量の多い洋書会。

会館に着いてエレベーターで4階に上がって、ドアが開いて目の前の台に本が並んでいるのを見た時には、ホッといたしました。

半分ほどの平台が、空のままだったりした日もあり、このままでは当番唯一の愉しみと言ってもいい、月末の「うな重」も覚束なくなるのではないかと、会員一同案じておりましただけに。

ちょっと補足しておきますが、店主は格別うなぎ好きではありませんから、月末のお昼がうな重でなくとも一向に構いません。人により違いはあるでしょうが、他の会員も、是が非でも食べたいというわけではないでしょう。

なにより、1か月の当番お疲れさまという、ご褒美感が喜ばれているのだと思います。月末の今日、これだけの出品量であれば作業も大変だったでしょうから、当番さんはおいしくお昼を食べられたはずです。

RIMG1761ところで今日の出品の、分量にしておよそ3分の1はアラビア語の本でした。さすがに入札する人は限られます。若い業者さんで、アラビア語の学習を始めた人がいて、今日も果敢に入札をされていました。

競争相手が少なければ独占出来て、良いことのように思われますが、いざ自分が持て余した時、誰もそれを引き受ける人がいなくて、単なるツブシとなる恐れがあります。

それでも、あまり人が手掛けていない分野に取り組むことのメリットは少なくありません。挑戦に期待しています。

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2017年02月27日

ゴールド入館証

「業界歴で入館証を色分けしたらどうだろう」ある先輩業者が、そんな提案をされました。内輪の会合で、冗談半分にではありますが。

古書会館に入る時には、入館証を着用することが取り決めになっています。古物営業法により、交換会場には業者しか入ることができないからです。

昔はお互いが顔見知りでしたから、その必要はありませんでした。しかし現在は、たとえば月曜日の中央市会などに出かけると、店主でも半数以上は知らない顔です。

RIMG1758そこで入館証となるわけですが、これが制度化されたのは、現在の古書会館になってからのこと。顔写真まで入るようになったのは、6年ほど前からのことです。

古参組合員の中には、何をいまさらと着用しない方もおられます。その点では、新顔ほど着用率は高いはずです。

しかし、入館ルールは守っても、市場のマナーがなっていない。挨拶一つろくにできない。という現状に対する不満こそが、先輩の言の由って来たるところでした。

昔の市場には、頭を下げてからでないと入れないような雰囲気がありました。開放的になったのは悪いことだとは思いません。その一方で、先達への敬意が薄れてきたような面は、確かに伺われます。

10年までは若葉色、50年を超えたらゴールド入館証――マナー改善に効果があるかどうかはともかく、古参の着用率は向上しそうです。

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2017年02月26日

好転の兆し

KIMG0101先日のTKI会議での報告によれば、このところいささか伸び悩んでいた「日本の古本屋」の受注状況が、今年の1月に入って、過去最高に迫る数字となったそうです。

2月はまだ日を残していますから、正確なところは分かりませんが、依然好調は維持しているとか。

小店の場合も、確かに1月の受注金額は良かったのですが、これはたまたま、やや高額のセット物が売れたからで、それを除けば先月も今月も、目立った変化はありません。

会議では、どこに売り上げを押し上げる要因があったのだろうと、皆で頭をひねって考えたのですが、はっきりした答えは見つかりませんでした。

唯一の心当たりは「かごに入れる」ボタンを大きく目立つように変えたこと。マーケティング会社の方から、ぜひ改良するようにと勧められたことですから、多少の効果はあったでしょうが、それですべてとは思われません。

「もしそうなら、いくらでもボタンを大きくするのに」という冗談も出たほど。

また1月の数日間、突如としてサイトへの訪問者数が跳ねあがったことがあり、その原因らしいものを探ると、あるツイートが関係していることが分かりました。

どなたかが「日本の古本屋は使いやすい」といった好意的なつぶやきをしてくださったらしく、それがかなり大勢の方に共有されたということです。

もちろん、それとてそのまま売り上げにつながったとは思われませんが、何かしらの影響はあったことでしょう。一過性でなく、じわじわと広がってほしいものです。

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2017年02月25日

送料無料のツケ

宅配便が増え過ぎて、配達員さんが悲鳴を上げているということが、ニュースになりました。

そうだろうとは、多くの人が感じていたことです。かく申す店主も、さんざん利用させていただきながら、これはすこし異常ではないかと思うことが、しばしばあります。

今日頼んで明日届くということが画期的なサービスとして始まった時期から、明日と言わず、その日のうちにだって届けますと、ギアが一段上がるまでには、それほど長くかかりませんでした。

RIMG1740そのスピード競争が、昨今では送料無料競争へと、戦線を移してきたようです。一定金額以上のお買い上げ、という条件があった送料無料が、その枷を外し、全て無料とする通販サイトも現れました。

そんなサイトの一つに、店主は以前、小さな電球1個を注文したことがあります。金額は100円そこそこ。それが即日、日本郵便の小包みで届きました。

この時は、もちろん必要なものを手に入れることが出来て、大変有り難かったのですが、一方で何やら罪悪感のようなものも感じたのでした。

こんな状態が、いつまでも続くはずはないと思います。そのしわ寄せなのかどうか、日本郵便では、ゆうメール料金が、近々改定されると聞きました。大口利用者のツケが、一般利用者に廻されるような気がしてなりません。

しかしこれも、シシ喰った報いというわけでしょうか。

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2017年02月24日

読書時間ゼロ

古書会館に向かって靖国通りを駿河台下の交差点まで来ると、道の向こう側の三省堂書店に「村上春樹堂」の看板が掲げられ、机に山積みにされた本の脇に、店員さんが立っていました。

新聞やTVニュースによれば、この場所に、午前0時には50人ほどの人が並んだということです。通りかかったのは正午過ぎ頃のことでしたが、その時間には、もう特に人だかりがしている様子はありませんでした。

初版の刷り部数が130万部だと聞きます。本としては驚くべき数字ですが、工場生産品とすれば、ビックリするような数ではないでしょう。また、読者を視聴者と言い換えてみても、やはり大きな数字とは思えなくなります。

RIMG1727それでも130万人が同時に読む本、というのは、ちょっと不気味な感を抱かされます。そういう本が、あって悪いとまでは申しませんが。

新聞ではもう一つ、「読書時間ゼロの大学生が50%」というヘッドラインが目を惹きました。大学生協連合会が長年続けているアンケートの、最新の結果だとのことです。

アンケートの正確な質問内容は分かりませんが、そもそも「読書」とはどういうことをさしているのでしょう。本を開いてマンガを読む、スマホで資料を読む、これらは「読書」に入るのか入らないのか。

本を読まない大学生、ということを強調したいのかもしれませんが、勉強に追われて本を読む暇がないとも考えられます。勉強=読書とは限らないのですから。

あるいは、勉強のために本を読むのは読書ではない、と考えている大学生も多いかもしれません。ステレオタイプではない分析を、期待したいところです。

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2017年02月23日

TKI定例会議

RIMG1721月に一度の「日本の古本屋」事業部定例会議も、今日で今年2回目。この会議をあと10回やれば、1年が過ぎてしまうことになります。

一方で、前回の会議がずいぶん前のことのように思えるのもまた確か。しかしその間、何もしなかったわけではありません。

店主のような窓際部員は、日々、グループウェアで交わされる連絡を見守るばかりですが、ほかの部員たちは部会やら、システム会社との打ち合わせやらと、忙しく活動しています。

なんだか申し訳ないような気もしますが、だからといって実際に出向いたところで役に立てることも少なく、月に一度の会議で報告を聞いたり、求められたときに意見を述べたりという、今のペースが分相応と言えます。

しかし今日などは、その相応も怪しくなってきたことを感じさせられました。若手部員たちを中心に、次期リニューアルの話が、次第に現実味を帯びてきたからです。

現在のシステムはまだ稼働して2年ですが、立ち上がりからいろいろな躓きがあり、事業部としても決して満足はしておりません。手直しは進めているものの、それだけでは限界もあります。

そうした中で、2020年を目標に新システムを、というプランを聞かされました。もちろん今の時点では、まだ何も具体的に決まったものはありません。

それでも、それを進めるのは、これからの人たちであるべき、ということだけは明らか。「退き時」ということについて考えさせられました。

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2017年02月22日

ここから武蔵野

musashinoしばらく前に宅買いでお引き取りしてきた中に、ほるぷの復刻版があったことを思い出して、その山をひっくり返すと出てまいりました、『武蔵野』。

なぜこの本を探し出したのかと申しますと、例の『日本文壇史』を読んでいて、この『武蔵野』が書かれたのが小店からほど近い、渋谷の地であったと知ったからです。

渋谷に住んでいる時に書いたのか、渋谷の時代を思い出して書いたのか、正確なところは、もう一度読み返さなければ分かりませんが。

いずれにせよその渋谷も、ということは、すぐお隣のわが駒場も、紛れもなく「武蔵野」の一部として考えられているということです。

表題になった「武蔵野」は、この小さな本の冒頭から44頁までの短い作。ざっと読んでみました。終わりの方で、武蔵野はどこからどこまでかについて語られています。

ようするにぐるっと円を書いて真ん中の市街地を除いたところだといい、円の端については雑司ヶ谷を起点に「板橋の中山道の西側を通って川越近傍」「入間郡を包んで円く甲武線の立川駅」「立川からは多摩川を限界として上丸邊までさがる」「そして丸子から下目黒に帰る」。

これが西半面とかで、東半面も書かれていますが省略。これに対して、内側の円となる東京市街の一端が道玄坂であり、そこから先は目出度く「武蔵野」となるわけです。

内側はともかく、外側が思ったより近いのがちょっと意外。「八王子は決して武蔵野には入れられない」と力んでいるのが、面白く感じられました。

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2017年02月21日

遊び心

お客様から頼まれて、外国の書店から何冊かの本を取り寄せたことについては、前にもお話しした通りです。

その最後の2冊が今日届き、すぐに荷造りし直して発送し、これでひとまずの区切りとなりました。

こうしたことは初めてではありませんが、今回のケースは、お客様ご自身がネットで本をお探しになり、小店は示されたURLにアクセスして、それを注文するだけという、手数料をいただくのが申し訳ないような仕事でした。

ほとんど、お言葉に甘えてご相伴させていただいた、というところです。それでもお客様は喜んでくださり、ねぎらいのメールまで頂戴いたしました。

店主としては、手数料もともかく、さまざまな書店との取引が、良い勉強になったことを有り難く思います。

先日取り上げたBeach Hutのように、外国にはどこかゆとりのある本屋さんが多いと、改めて感じました。それはもうふた昔も前に訪れた米国西海岸の、何軒かの小さな本屋さんで感じたことでもあります。

RIMG1743金銭的にという意味ではありません。「あくせくするくらいなら本屋などやらない」とでも考えてておられるような。遊び心がある、と言いますか。今日届いた郵便物の切手から、そんな思いを抱かされたのです。

もしかしたら日本でも、そういう本屋さんが増えてきているのかもしれません。

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2017年02月20日

気力と体力

午前中、中央市会の大市に。

熱心な業者は、昨日の下見会から2日がかりで本を見て、札を入れます。怠け者の店主は、短時間の滞在がせいぜい。膨大な量の出品物の前を、ほとんど「見学」するようにして4階から地下1階まで。1時間ほどで終点にたどり着いてしまいました。

それでも洋書の山に何点か入札。夕刻エクストラネットで結果を見てみると、辛うじて1点落札出来ていたようです。

例によって、5階から地階に至る階段の壁面は、余すところなく本の壁と化し、普段は使わないようなスペースまで陳列場所となり、近年の傾向である出品の嵩物化はますます顕著です。

量が増えるのに、それに比例して出来高が伸びない、というのが交換会共通の悩みですが、その量が、今年は前年比2割減と聞きました。出品点数では1割減とか。

RIMG1719会場を回った限りでは、とても昨年より減ったようには見えませんでした。何しろ玄関を入ったロビー奥の壁には、床から天井まで43本口!の洋書が積み上げられていましたし。

しかし交換会の成否は、量を集めることではなく、出来高を上げることに係っております。努力が報われるような結果となることを祈るばかりです。

質が低下したとか、珍品稀本がなくなったとか年寄りは嘆きますが、今日駆け足で回って感じたのは、まだまだ商売のタネは沢山ある、ということでした。

必要なのは財力よりも、気力と体力。そのすべてに欠ける店主が申しても、説得力がありませんが。

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2017年02月19日

まさか連想検索?

このところ「店で受け取りたい」というメールをしばしばいただきます。昨日は特殊なケースですが、大概は「近くに行くので」とか、「他の本も見たいから」とかいうのが主な理由。

たまに「内容を確かめたい」という場合もありますが、これならお買い上げいただくにせよ、「ご遠慮」されるにせよ、理由がはっきりしておりますので、店主も思い煩うことはありません。

今日もお一方、そうしたお客様があり、あらかじめ承っていた3冊をお目にかけました。手に取ってざっと目を通されただけで、店内でお選びいただた3冊と合わせてお買い上げくださいました。

そして「実は」と切り出されたのは、「日本の古本屋」で見た書名をよく覚えていない本についてのお尋ねです。

surrealismsurrealistで検索して出てきた、と言うのが唯一のヒント。もう一つヒントともいえない手がかりが「題名にはそのどちらも入っていない」。

72043初め、うっかり語尾にeをつけて調べたため、見つかりませんでした。改めて英語綴りで検索して見つかったのはExploring the invisible : art, science, and the spiritual。プリンストン大学で2002年に出版された本です。

幸いすぐに取り出せる場所に保管してありました。お渡しするとしばらく目を通されて、「いただきます」。

それにしても「日本の古本屋」は、一体どうやってこの本を検索してくれたのでしょうか。小店が登録した書誌情報のどこにも、surrealistの文字は入っておりません。まるで連想検索のようです。

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