2017年07月

2017年07月22日

勘違い注文

昨日と今朝、在庫確認のお電話をいただいた別々のお客様が、それぞれご来店くださいました。

暑い中を、わざわざお越しいただけるのは有り難い限りです。手に取って、確かめてから買いたいということもあるのでしょう。今日はどちらもご納得いただけたようで、無事お買い上げ。店主も満足。

お客様の側でも、炎天下出かけるのですから、目指す本が確かにあるのかないのか、先に問い合わせておこうとお考えになるのも当然です。

何をお確かめになるのかはさまざまですが、大別すると、本の状態をお確かめになる場合と、それが本当に自分の探している本かどうかをお確かめになる場合があります。

RIMG2030どちらであっても確かめた結果「要りません」となることがあるのはやむを得ません。そんな時「違ってた」と言われる方がまだ心穏やか。状態が不満で見合わせられると、いささか心が波立つことは否定できません。

先日「日本の古本屋」のお客様から「間違った本を注文してしまった」というメールをいただきました。検索語に応じて現れた本を、よく確認しないまま、ご自身の探しておられた本だと思い込んでしまわれたそうです。

ご注文確認後、すぐ送金いただき、すぐ発送し、届いた本をご覧になって初めてご自身の勘違いに気づかれたのでした。「全く私のミスですが、もし可能であれば返品をさせていただけたらと思い、メールをさせていただきました」

返品は問題なく承ること、ただしご返金できるのは書籍代だけであること、送金料が発生する場合は書籍代から差し引かれること、などを記してご返信いたしました。

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2017年07月21日

暑中の明古

KIMG0070午前10時過ぎに古書会館に着くと、3階の陳列作業はかなり進んでいて、今日はやや出品が少な目に感じました。

もっとも朝の内から3階が混み合うことは、あまり多くありません。案の定、4階に上がってみると、しっかり本が並んでおりました。

明治古典会の場合、3階会場は主として1点もの、黒っぽいもの、つまり明古らしいものを並べ、4階には嵩物、白っぽいものを中心に並べます。

つまり会としては、明古らしさの点でも、出来高を上げる点でも、3階の充実度が鍵となるわけです。

とりわけ生命線は最終台。ここにどんなものが並ぶかで、その日のおおよその出来高が予測できます。店主が会場に着いたころ、その最終台にはまだわずかしか商品が並んでいませんでした。

若い事業部長の表情にも不安の影が兆します。しかし時間が経つにつれ、少しずつ荷も集まり、いつのまにやら最終台も埋まっておりました。

今日の最終発声は、大判の外国宣伝ポスター13枚。広げれば背丈ほどにもなる大きさです。

落札したのは小柄な女性店主で、筒状に丸められたポスターと背比べし「私より大きいかも」と嬉しそうに抱えて行かれました。

会が終わったあと、1時間ほど幹事会。そのあと、いつものメンバーで食事。まさか空いてないだろうと電話した「かねいち」に席が取れ、一足早い土用丑となりました。

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2017年07月20日

SEO最先端

午後2時からのTKI定例会議が、いつもの午後6時を1時間オーバーしてようやく終わりました。

その原因は、ある方からのおススメにより、SEO対策に長けているという会社のプレゼンを受けたからです。それが約1時間、つまりそれを除けばほぼ普段の会議時間でした。

SEOというのは、いまさら店主が説明するまでもありませんが、ご存じない方のために平たく申し上げれば、Googleなどの検索結果で、いかに上位に自分のサイトを持ってくるかという技術です。

そのために「日本の古本屋」が改善すべき点を、いくつかご指摘いただきました。しかしそれらの多くはすでに気づいていたことです。契約すればさらに詳しく分析し、より効果的な対策をご提示いただけるのでしょう。

もちろんお金がかかります。その金額自体は今の「日本の古本屋」が払えないというほどのものではありません。しかし提案を実現するためには、さらに費用と時間がかかることになります。それこれ考え合わせると、現状、そこまで踏み込む余裕はないように思われます。

RIMG2034では今日のプレゼンはまったく無駄であったかというと、そうでもありません。つまりプロが一目見て直ちに(無料で)指摘してくれるような点、それらは我々もすでに気づいていた点ではあるのですが、それを優先的に改善していこうという意思統一ができました。

ほかにも、いくつか有益な情報や、知らなかった知識をいただきました。Googleが行うサイト評価のアルゴリズムは年間500回更新されているそうです。その変化にいかに素早く的確に対応できるかが、SEO対策の決め手とか。

その効果を認めないわけではありませんが、最先端は無理とあれば、それぞれの店が出品内容の充実を図るという基本を、今後も愚直に続けることが肝要でしょう。

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2017年07月19日

落丁繰り

RIMG2040お客様から「先日買った本に落丁が見つかった」というメールをいただきました。

幸いなことに、ご常連さんでしたから「次回お越しの際にご返金いたします」ということで、落着しました。

古本屋に店員として入ると、昔はまず店の掃除と棚の背揃えを教わり、次に「落丁繰り」を習いました。

本文頁の片隅をつまんで捻りを加えると、もう一方の隅が少しばかり開きます。そこを5枚ずつまとめて繰っていくと、ノンブルの下一桁は常に同じ数字でなければなりません。もし狂いがあれば、落丁の疑いありというわけです。

慣れればかなり速いスピードで繰り終えることができますが、落丁調べを最も必要とするのは全集などの揃いものです。ですから大店などでは一日中、落丁を繰ってばかりの店員さんもいたようでした。

しかし店主の修業時代でも、製本技術の進歩により、実際に落丁が見つかることはごく稀になっていました。自然と、落丁繰りの習慣もすたれてきたように思われます。もちろん希少本を扱う店では、今もしっかり落丁を繰っておられますが。

それにしても、なぜ落丁本が古書として流通しているのでしょうか。ほとんどの場合は、読まれることがなかったからだと考えられます。

つまり、保存状態の良い古書ほど、落丁に気を付ける必要がある。もう一度、肝に銘じておこうと思います。

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2017年07月18日

バルトン先生

昨日ご紹介した本と、同じお客様からお引き取りした中の一冊。こちらは小店がお売りしたものではないようです。

burton1表紙を開くとすっかり茶色く焼けた見返しの上部に、太いペン書きの署名がありました。何やらいわくありげ。

早速調べてみることにいたしました。こんな時、ネットはすこぶる重宝いたします。W. K. Burtonと入力しただけで、すぐ情報が。読んでみると、なかなかに興味深い人物のようです。凌雲閣の基本設計者であるとされたり、小川一真と親しく交わったり。

何より明治期日本に住み着いた外国人の一人で、のちに病を得て日本の土となった人なのでした。

太い署名の下にある細いペン書きの文字によると、1899年にBurton遺品の売り立てがあったように読めます。Wikiの記事によれば亡くなったのはその年の8月5日。

写真や都市計画関係など、貴重な資料が売り立てられたのではないだろうかと、つい想像をたくましくしてしまいます。今出てくれば、かなり貴重なものでしょうが、すでにどこかに納まっているのでしょうか。

昨年出版されたという『バルトン先生、明治の日本を駆ける!』(平凡社)を読めば、そのあたりのことが分かるかもしれません。

burton2さてこの本に戻ると、タイトル頁に細いペン書きの署名。どうやら見返しの記述者だと分かります。しかしこちらの人物は、ネットでは特定できません。そして本自体は、残念ながら古いというだけの価値しかありません。

先生の署名に、いくらの値がつけられるでしょうか。

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2017年07月17日

頭をひねる

連日の暑さにもかかわらず、いや、暑さゆえでしょうか、部屋を片付けたくなられた方が多かったようで、この三連休、本のお持ち込みがいつも以上にありました。

中には、お引き取りするだけというケースも1、2件ありましたが、売れ足の早そうな、嬉しい仕入れもいくつかありました。

それらは幾らで店に出せば売れるだろうという見当のつけやすい、ある意味で分かりきった本です。しかしそのような本だけが嬉しいわけではありません。値段をつけるまでに頭をひねるのも、古本屋の楽しみの一つです。

昔と違って今では、良くも悪しくもネットに頼る部分が多くなり、その結果、期待よりはるかに安くつけざるを得なくなる場合がほとんどですが。

イメージ (7)たとえばこのエリオットの詩集。裏側に小店のラベルが貼られておりました。それもそのはず、お持込いただいたのは、小店ご常連のお一人です。全部で20冊ばかりお持ちいただいたうち、半分ほどは小店からお買い上げの本でした。

この本はアメリカで1943年、これと同じ装丁で出版されたのが初版です。その初刷りは4500部と言われていますが、印刷の不調で大部分が破棄され、世に出たのは788部だけだったそうです。

それだけ出ていれば十分だとも思えるのですが、詩人の人気によるのでしょうか、極めて高価です。第2刷も状態次第でそれなりの価格。ちなみにこの本はprinters codeと呼ばれる文字列が印刷された後刷りで、A Wartime Bookのマークと文章も刷られています。

何年前かは忘れましたが、前回この本に付けた価格は500円。さて今回は、どういたしましょうか。

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2017年07月16日

ブリコラージュ

今読んでいる『日本の文脈』(内田樹・中沢新一)は、ご当人たちの弁によるとおり「おばさんがしゃべってる」ような面白話の連続ですが、いろいろ啓発されるところも多い対談です。

例えば「ブリコラージュは身を助く」という見出しの章で、内田さんが語る次のような話。

(マト・グロッソのインディオたちは)ジャングルの中を歩いていて、何かを見つけると、それをじっと眺める。そして「これはそのうち何かの役に立つかもしれない」と思うと、それを背中の袋にポイッと入れる。ということが(『悲しき熱帯』に)書いてあって感心したんです。そういうふうに「ありもの」で用足しをすることをレヴィ=ストロースは「ブリコラージュ」と称したわけですけれど…(略)ジャングルの中には「なんだか訳のわからないもの」がそれこそ無数に転がっているわけですよね。その中の一つにふっと目を留める。そして「これはいつか何かの役に立つかもしれない」ということを感じる。(略)ある日「ああこれはこういう風に役立つものだったか」と気づいて、「いやあ拾っておいてよかったわ」と喜んでいる自分の姿が先取りされている。

RIMG2037長々と引用いたしましたのは、読みながら、まるで古本屋のことについて話されているように感じられてきたからです。

しかしやがて、店主がそんな風に感じたのは、すでにどこかで、そんなことを言われた方がいたからではないかという気がしてきました。

それは店主など、レヴィ=ストロースの名をその著作から教わった、山口昌男さんでしょうか。あるいはまさにポイッと袋にでも入れるように本をお選びになった、由良君美先生だったでしょうか。

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2017年07月15日

油断大敵

小店で扱う本は、必要で買われるものが中心です。いわゆる学術書、研究書、専門書。これらの言葉の意味の違いは措くとして、要するに愛蔵を目的としてお買い上げいただく方は、少数派です。

ですから、きれいに越したことはないにしても、傷んでいたり、汚れていたりするのでなければ、むしろ価格の手ごろさを求められる方の方が多いようです。

そんなわけでネット販売書籍の状態表記も、あまり煩瑣にならないよう、必要最小限にとどめてきました。

ご注文を受けた時には、もう少しだけ詳しくお知らせするようにはしておりますが、いずれにせよそれで苦情が届くことは滅多にありませんでした。

73720ところが最近、ロマンス語研究のイタリア語版(原著はドイツ語)という、需要のごく限られる学術書のご注文があり、喜んでお送りしたところ、数日してメールをいただきました。

それによると、後見返しの隅に旧蔵者の記名などがあり、そのことの注記は無かった。これは「記載のない瑕疵」ではないか、というご指摘です。

実はこの本は2巻本で、お客様はそのうちの1冊をお持ちでしたが、セット販売なので甘んじて購入されたそうです。そこで、この「瑕疵」対応として、1冊だけ売ってもらいたいとのこと。何の対応もできなければ「残念ながら返品する」とおっしゃいます。

記載しなかったのは確かに小店の落ち度ですが、それによって商品価値が下がるような「瑕疵」だとまでは、思ってもおりませんでした。そこで「残念ながら返品」していただきました。

これからは油断せず、注記するようにいたします。

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2017年07月14日

新旧幹事会

RIMG2032今日から明古の新しい一年が始まりました。世間一般の方はもとより、多くの同業にとってさえ、何の関係もないことではありますが。

しかし店主の場合はそういうわけには参りません。これから一年間、幹事の一員として、市会運営のお手伝いをすることになるからです。

実際に体を動かしてする作業は、年若い6人の幹事仲間と9人の経営員たちにお任せ。店主と2人の先輩は、まあ員数合わせのようなもの。などというと先輩方には叱られるもしれません。

なにしろ店主と違い、経験も実績もあり、さらに情熱もお持ちです。役職を引き受けられたのも、会のためを思えばこそ。いわばその先輩お二方と、若手たちとの橋渡しが店主の役目でしょうか。

これから毎週金曜日は、午前10時半に出勤しなければなりません。ただしこれもロートル3名に限っての特別待遇で、他の幹事、経営員の集合は朝8時半。

その一年の始まりにあたり、恒例の新旧幹事会を市会終了後に開きました。これは前期幹事への慰労をこめて持たれる食事会です。

今夜の会場はあの「松翁」。以前にも利用したことのある2階のテーブル席は、13名でほとんど一杯。午後6時から約2時間半、創作料理のコースで飲みかつ語り合いました。

記憶に残ったのは丸ごといただける鮎の煮びたし。一品ずつは決して多くないのですが、最後のデザートに至ると、もう満腹。

ただ勝手なことを言わせてもらえば、この店の主役はやはり蕎麦。それを脇役に廻すコース料理は、ちょっともったいない気がいたします。

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2017年07月13日

ロエブにとりかかる

溜まっていた店の雑用も少しずつ片付いてきて(と言っても店が片付いたわけではありません)ようやくLoeb叢書のデータ登録に手を付け始めております。

ちなみにこのLoeb、Wikipediaではローブと表記していて、恐らくそれ、あるいはロウブあたりが正しい読みなのでしょうが、なぜか昔からロエブと呼び習わしていますので、これからもそう呼ばせていただきます。

cicero今回仕入れた中で、冊数が一番多かった著者はPlutarchの27冊、次いでCiceroの26冊でした。プルタークは二つのシリーズLivesとMoraliaがほぼ揃っていて、状態もまずまず。さほど登録に苦労はありません。

問題はキケロ。こちらは各標題紙にin twenty eight volumesとあるにもかかわらず、巻数が表記されていないものが多くあります。刊年も状態もまちまち。

叢書の通し番号が一番若いのはLetters to Atticus 1で全体の第7番目。初版刊行は1912年。しかしこれがキケロ著作集では第22巻となります。

ちなみに第1巻は1954年刊のRhetorica ad Herennium、叢書番号では403。第28巻は同じ1954年に出版されていて叢書番号462のLetters to Quintus and Brutus, etc。おそらくここでいったん完結したと思われます。

そこで著作集として巻数をつけることになったのでしょうが、著作年などを基準にして順を決めたのでしょうか。

重版、改版を繰り返し、さらに第29巻が追加され、第15巻が2分冊となって、今は全30冊。旧版となった巻もあり、揃いには4冊ばかり足りないことになりますが、この状態でまとめて安く売るつもりです。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)
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