2018年01月

2018年01月31日

読みたい本

ご注文をいただいて、慌てました。そしてちょっと後悔しました。

本が売れてしまったとか、見つからなかったとかいうわけではありません。並べてある場所も、しっかり記憶しておりました。いつか時間があるときに、自分で読んでみたいと思っていた本だからです。

65663寺島珠雄『南天堂 松岡虎王麿の大正・昭和』(皓星社1999年)というのが、その一冊。なぜ読みたいと思ったかは、袖の惹句を引用させていただきましょう。

大正六年、本郷白山上に開業。一階は書店、二階はカフェー・レストラン。集いし客は――大杉栄(以下略)……。そこは、夜毎アナキスト・ダダ詩人らが喧噪する酒場であり、時に前衛美術家の展覧会場となり、また〈近代名著文庫〉や文芸誌『ダムダム』を発行する出版部があり――

そして何より、付録として挟まれている「紙片no.0(創刊準備号)」によるまでもなく、本書は『彷書月刊』連載として書き続けられたものでした。

同誌のまじめな読者ではなかった店主ですから、この連載も時おり斜め読みする程度でした。それがこれほどの大冊にまとまっていたとは、この本を入手するまで知らなかったのです。

石神井さんや、月の輪さんが聞けば、呆れられるかもしれません。今は亡き田村編集長(なないろ文庫)なら「まあそんなことやろ」と笑ったことでしょう。

ともかく急いで拾い読みをして、読むべき本であることを改めて確認しました。ぜひまた手に入れて、じっくり読んでみようと思います。

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2018年01月30日

1月最後の洋書会

今月に入って、つまり今年に入って初めて、4階会場の陳列台全部が本で埋まりました。洋書会の1月も今日で終わりという回になって、ようやく、と言うべきでしょうか。

実は今日、会員の一人が大量の日本書を出品するという事前情報がありました。はたして洋書会員、それも役員だけで、仕分けできるのだろうかと危ぶまれるような量です。

直前になってそれがキャンセルされました。事情は存じません。取りやめになったのか、延期になったのか、はたまた他の会に出品することにされたのか。

KIMG0383いずれにせよ、今日もまた寂しい市会になっているのだろうかと案じながら、お昼過ぎに会場に着くと、初めに申し上げた通りなかなかの出品量です。ほっと一安心いたしました。

同時に、もし予定通り大量の日本書が出品されていたら、どうなっていただろうとも思いました。実にうまい巡り合わせだったわけです。

さてそこで、ゆっくりと会場を回って本を見ました。しかしどうも、食指の動くものが見つかりません。こちらに食欲がないことも原因でしょう。

少しだけ気になったのはポケットブックの大山ですが、ちょっと量が多すぎます。何しろ現在の店の状況が、かさばるものの仕入れを許しません。

あとはほとんどが小店にとっては専門外。余裕のある時なら、ちょっかいを出そうかという気になるような本はありましたが、まずは店にアキを作ることが先決。

そう考えて、結局、見るだけに終わった一日でした。

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2018年01月29日

棚を耕す

大見得を切っておいて情けないことですが、明古で仕入れた本の整理が、今日もはかばかしく進んでおりません。新しく設置した表の棚に、本を並べる作業を優先してしまいました。

RIMG2589では、そちらは捗ったのかと聞かれると、答えに窮しますが。

表に棚を増やそうという計画を立てたのは、昨年末のことでした。なんとか適当な棚を見つけて、手に入れたのが今月の半ば。

外に置きっぱなしですから、夜間はフタをする必要があります。そのフタの工作にさらに日数を要し、ようやく本を入れられる態勢になったのが昨日のこと。

主として家人が担当する絵本、児童書などを並べるつもりですが、一部、図録や画集などの大型本も、均一価格で並べようと考えています。

並べる本はいくらでもあって、すぐにも棚が埋まるはずでした。しかしいざ並べる段になると、なかなか適当なものが見つかりません。ようやく3分の1ほどを埋めたにとどまりました。

なんでも並べておけばよいというものではありません。値ごろ感があって、手に取ってもらえるようなものを選びたい。飛ぶように売れることはまでは望みませんが、多少は動いてもらわなければ困ります。

こう言っていて、それは何も、新しい棚に限った話ではないことに気がつきました。お客様にご覧いただく棚は、すべからくそうでなくてはならない筈です。

毎日棚を耕す。そんな基本が、ついおろそかになっていないか。省みて忸怩たるものがあります。

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2018年01月28日

路肩の雪

集荷に来た佐川急便のお兄さんが「日曜日から暖かくなるって言ってたのに」と、怒るようにボヤいていきました。

確かに、もう少し気温が上がると思っていましたが、曇りがちでほとんど日が差さなかったせいか、思ったほど暖かくなった感じがありません。

それでも、今朝の車の温度計は1℃の表示。昨日が0℃、その前二日間が-1℃。数年に一度と言われる寒気からは、少しずつ抜け出しつつあるようです。

しかし路肩の雪は一向に消えません。路肩どころか、日陰の裏道に入ると、路面さえ、まだ凍った雪に覆われているところもあります。いつになったら溶けてなくなるのか。

同じ疑問は店にもあります。いつになったら通路の本がなくなるのか。

もう長らく根雪のようになった一列の前に、もう一列、新たに積み上げることになってしまいました。前々回の明古で買って、先週水曜日に運んでもらった口です。

すぐに片付けに取り掛かろうとしたのですが、そういう時に限っていろいろと用事が重なるもので、少し手をつけただけで余儀なく一時中断。

RIMG2583ご覧のように情けないありさまとなって、お客様が入ってこられるたびに、何やら肩身の狭い思いに駆られている現状です。

ただ、別の用件もほぼ一段落。明日からは、いよいよ本腰を入れて路肩、ではない、通路の二列目の整理に掛かろうと思っております。

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2018年01月27日

若手から教わる

昨夕の明古懇話会で、店主のグループは、あまりテーマの定まらない雑談に終始してしまったのですが、中で一つ印象に残るやりとりがありました。

40代の会員の一人が、近頃、ネットで価格調べをしている入札者が目につく、と話し始めた時です。

さすがに、その場でスマホを操作して調べるようなことはマナー違反とされますが、いったん会場を出て調べることは、誰にも止められませんし、昨今では、多くの人がそうしているでしょう。

それについて、もう少し若い会員たちは、今やだれでも簡単に調べられることなのだから、やむを得ないだろうという意見でした。

言い出した本人も、ネットで検索すること自体を非難しているのではなく、それどころか自らもそれに頼ることがしばしばあることを認めて、そうなってしまった現状を嘆いたのです。

すると黙って聞いていた30代初めの経営員が「自分は入札するとき、事前に値段を調べない」と、ボソッと言いました。自分の売値を考え、それから割り出して入札するというのです。

思わず周りが彼の言葉に注意を向けました。「後で調べてみて、他が安く売っていることが分かったら、がっかりするのではないか」という質問も出ました。

彼の答えは「たった一人、自分の売値で買ってくれるお客を見つければいい」というもの。

RIMG2558特に気負った様子もなく、淡々と自分の考えを話すという口ぶり。ちなみに彼は無店舗、自身のオンラインショップ中心の営業。先が楽しみな同業の一人ではあります。

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2018年01月26日

明古懇話会

今日は明治古典会特選市。つまり早いもので、明古の1月が終わったということ。

市会終了後、今期3回目となる会館8階での懇話会。単なる会食ではなく、会員、経営員揃って、多少は実のある話しも交わしながら、ひとときを過ごそうという意図で企画されたのですが、なかなか時間の調整がつかず、ようやく3回目が開けたのでした。

この古書会館8階には、情報交流資料室ということごとしい名前が付けられています。しかし、組合員でもあまり知る人は多くないでしょう。

建築計画案では当初、組合員サロンというような名称が考えられていました。しかし国と都から無利息融資を受けて行う高度化事業では、単なる憩いの場というような冗漫なスペースは認められないと、指摘を受けたのです。

そこで現在の名称に落ち着いたという次第ですが、結局のところ普段は、組合員の休息所として利用されています。まあ古本屋にとって、同業との世間話こそが何よりの情報交流ですから、正しい利用法ではあるわけです。

たまたま今日の午後、その高度化事業の認可元である中小企業基盤整備機構から、PR番組作成のためとして、取材に来られました。

RIMG2565当時の経緯を知るものということで、店主に白羽の矢が立ち、呼ばれてあれこれ質問にお答えしたのですが、意余って言葉足らず。要領を得ないインタビューに終始した気がしないでもありません。

懇話会は、3グループに分かれてそれぞれ語り合いました。しっかりした進行役のいる組は、かなり面白い話題で盛り上がったようです。店主の組は、やや散漫となったきらいはありましたが、交流は充分果たせたと思います。

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2018年01月25日

寒い朝

KIMG0368起き抜けにニュースを見ようとTVをつけると、今朝の最低気温がマイナス4℃を記録、東京では40年ぶりのことだと言っておりました。

水道管の凍結などに気を付けるように、とも話していましたが、その時は他人事のように聞き流しただけでした。

起き出して身支度を始めると、家人が「給湯器が点かないようだ」と申します。去年の暮れに、故障というより寿命で新しく交換したばかりですから、それが不良品だったのでしょうか。

試してみると、確かに燃焼マークが点きません。水は蛇口から流れているのですが、いつまでも水のまま。混合栓のコックを高温の方に目一杯回すと、スーッと水流が細くなって、やがて止まってしまいました。低温にすると、また流れます。

どうやら水道管が凍結したらしい。それも給湯器に関係する部分が。念のため、お風呂の追い炊きスイッチを押してみたら、ちゃんとガスが点きました。

たまたま沸いていた鉄瓶を手に提げ、外に出て給湯器の設置してある所に向かい、あちこち目を凝らしましたが、むろん見てわかるはずもはありません。

ただ、管には殆ど断熱材が巻かれていますから、怪しいとすると栓や接合金具の部分だろうと、当てずっぽうに、半ばおまじない気分で熱湯をかけました。

そして台所に戻り、再びコックを高温に捻ると、なんと、僅かながら水が流れ出てきたではありませんか。そのまま見つめていたところ、何度か噴き出すように水が出て、ついには勢いを取り戻したと同時に、ガスの燃焼を知らせるマークが点灯したのでした。

※写真は火曜日の朝です

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2018年01月24日

雪の後遺症

昨夜は無事に車で帰宅し、今朝も車で店に来ました。

いつもの裏道を避け、246を走ろうとしたのですが、いきなり大渋滞。一信号間およそ15分。そこで見切りをつけて、裏道へ入りました。

やはり裏道には、残った雪が凍結したような箇所もあり、それを避けるためだったのですが、やむを得ません、慎重に慎重に。環七に出てからはほぼ順調に流れ、店近くで多少の渋滞があったものの、ほぼ出だし15分遅れのままの到着でした。

ナビには事故らしいマークがあちこちに出ていて、おそらくは雪の影響もあったでしょう。それが幹線道路の渋滞を引き起こしていたようです。

雪の影響といえば、いつもならお昼過ぎに来るはずのコショタン(組合ルート便)が、一向にやって来ません。

事故や渋滞にでも巻き込まれたのかと、担当運転手さんに電話を入れると折り返し連絡が来て、荷物が多すぎて1回で積み切れず、一度会館に戻って、それから運ぶことになるとの返事でした。

RIMG2579結局、到着したのは午後4時半過ぎ。事情を訊いたところ、雪とは関係なく、カーゴ6台の出品を集荷したためだったとか。

もちろん事前に分かっていたからこそ積み込めたわけで、それならそれで、こちらにも連絡しておいてほしかったと思います。

なにしろ今日の午後は、到着した荷物の整理に当てるつもりでおりましたから、こちらの予定はすっかり狂ってしまったわけです。

気を取り直して他の仕事に手をつけてみたのですが、届くはずの荷物をどこにどう片付けるか、そのことばかりが気になって集中できません。結局、落ち着かないまま半日を過ごしてしまったのでした。

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2018年01月23日

雪の明日

まずは昨日の帰りの話から。

少しもたもたして、店を出たのが午後6時40分頃。井の頭線は各停のみ運行。しばらく待たされたものの、空いた電車が来て渋谷駅までは順調。しかしホームに着くとこぼれそうなほどの乗車客が待ち受けており、階段を降りて改札口まで埋め尽くされた人波の脇を、すり抜けるようにして駅から出ました。

駅前のバス乗り場はいくつもの人の列。等々力行きの最後尾を見つけて並び、やがて動き出した列についていって、どうにか乗り込むことができたのは、まだ午後7時前。

案外スムーズだったと思ったのもつかの間、誰かが出発時間を尋ねると、運転手さんの答えは「19時20分発です」。一瞬耳を疑いました。動かぬままの満員バスで、我慢の時が流れます。

ようやく出発。道中はもちろん渋滞。しかも停留場ごとに乗降で時間を取られ、ようやく降車地に着いた時は午後8時30分。感心したのは、運転手さんの手慣れたアナウンスによる乗降客誘導。おかげで何割方かは、痛苦が軽減された気がします。

KIMG0372さて今朝。店に着くと、まず雪掻き。昨日手に入れた幅広のスノープッシャーが威力を発揮して、比較的短時間で、店の前に積もった雪を除けることができました。ただし今夜、あるいは明日以降、腰に来る恐れは大いにあります。

雪の明日は継子の洗濯」とのことわざどおり、朝から良く晴れて気温も上昇。道路の雪は急速に解けていきましたが、明日からは寒い日が続くという予報ですから、路肩や裏道に解け残った雪は、これからしばらくは残るかもしれません。

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2018年01月22日

雪の日の決断

RIMG2572車を店に置いて帰ろう。そう決めたら、ようやく気持ちが落ち着きました。

午後1時半過ぎから地面にうっすらと雪が残りはじめ、それからはあっという間。1時間過ぎると、表の道路はほとんど白く覆われました。

今すぐ店を閉めて帰るならまだ間に合いそうだが、もう少ししたら帰り道、淡島通りに出るまでの坂が登れなくなる可能性がある――数年前にも、同じような状況になったことがありました。

しかし今すぐ帰るわけにはいきません。ユキニモマケズ頑張って営業したいというのではなく、郵便局の集荷がまだ来ていないからです。

集荷の車も、この路面では、いつやって来るか怪しいところですが、とりあえずは待つしかない。となれば、雪の降り具合や集荷の時間に気をもむより、車は置いて帰ることに決め、店をもう少し長く開けていることにしました。

お客様が来られるとも思えませんが、やるべき仕事はいくらでもあります。そして何より気が楽なのは、今日、すでに午前中にご来客があって、僅かながら売り上げが立っていることです。ゼロデーではない。

などというと売り上げゼロを恐れているようですが、恐れているのは一日のゼロではなく、慢性的な売り上げ不振。滅多にない大雪を嘆いても仕方がありません。

未明には上がるという予報ですから、明日は車で帰ることができると思います。

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