2018年04月

2018年04月30日

聴き逃し

新しい楽しみを見つけたような気分です。

一昨日の帰り道、車のラジオをつけると面白そうな話をしていました。しかしほとんど終わり近くだったらしく、5分ほどで番組は終わってしまいました。

そこでふと思い出したのが、過去番組を聞くことが出来るスマホアプリです。

家に帰ってから早速スマホで「らじるらじる」を開いてみると、R1(第1放送)R2(第2放送)FMという3つのボタンに加えて「聴き逃し」というボタンがありました。

そこを押して現れた一覧表示をスクロールするうちに、めざす番組が見つかりました。「こころをよむ」というタイトルだけは記憶していたものですから。

RIMG2813この番組の放送時間はNHKラジオ第2放送で毎週日曜の午前6時45分から。再放送が土曜日の午後6時から。この再放送を店主は耳にしたわけです。

その詳しい番組名は「老前整理の極意〜モノから解放される暮らしへ」というシリーズの第3回「なぜものが増えるのか〜行動経済学から考える」。話し手は暮らしのコンサルタント・坂岡洋子さんと分かりました。

そして放送されてから約2か月間は、この「らじるらじる」で聞くことが出来るということも。

そこでそれ以前の番組を遡ってみたところ、斎藤兆史先生が12回にわたって「見つめ合う英文学と日本〜カーライル、ディケンズからイシグロまで」と題してお話されていたことを知りました。

残っていたのはその第9回以降。イザベラ・バードの話がタイムアップ寸前でしたので、昨晩床についてからそれを聴いたのですが、途中で眠ってしまい、今日残りを聴こうとアプリを開くとすでに消えておりました。

聴き逃しの聴き逃しを聴くことが出来るサイトは、ないものでしょうか。

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2018年04月29日

パリ古書店組合

スキャン_20180429『古書店主』を読み終えました。

読み始めたきっかけは、すでにお伝えした通り、そのタイトルに惹かれたからですが、読み進め、読み終えるには別の力が働いたようです。

ミステリーについて語る資格など店主にはありませんので、この作品の出来がどうとかいうような話はできません。第一、下手な解説などしてネタバレにでもつながると、どんな非難を受けるやもしれません。

ただ申し上げておきたいのは、そのタイトルから期待するほど、古書店に関する話は出てこないということ。ブキニストと呼ばれるセーヌ河岸で古書を売る露天商たちが登場しますが、同業者という感じはあまりしませんでした。

さらに言うと何冊かの本が、筋立てには絡んでくるのですが、さほど蘊蓄がちりばめられているわけでもない。装丁に関する疑問のところでもお話しましたように、あるいはこの作者自身が、特に古書に興味をお持ちのわけではないのかもしれません。

店主が本書を読むことにしたもう一つのきっかけは、登場人物の紹介にあった「パリ古書店組合の組合長」という肩書です。作中ではLe syndicat des bouquinistes de parisというのがその組合名になっていますが、もちろん著者の創作でしょう。

それに類した組織が実在するのかどうか。どこまでが実際の話しなのか。店主にとっては、本筋以上にミステリーでしたし、今も謎です。

しかし何よりこの作品を読み進めさせる力となったのは、店主のたった一度のパリ体験でした。数十年前、それも一泊しただけに過ぎませんが、一人きりで街を歩いた時に出会ったいくつかの光景が、不思議なほどエピソード記憶として蘇ってくるのでした。

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2018年04月28日

七夕この3点

RIMG2787昨日、明治古典会の市会が終了したあと、今期の恒例となっている懇話会を、会館8階の談話ルームで行いました。

これで5、6回目となるでしょうか、調達係も次第に慣れてきたようで、飲み物や食べ物も過不足なく行き渡っていた様子。およそ2時間ほど、ゆっくりと歓談に耽りました。

昨夜はある資料が用意されて、参加者全員に配られたのですが、それはしばらく前に会員アンケートとして提出してもらった「七夕この3点」リスト。

これまでの七夕大入札会を振り返って、記憶に残っている3点を挙げるというものです。若い会員もいますから、必ずしも実際に見たものでなくとも、過去の目録を見て挙げるのもOKとしました。

その結果、挙げられたのは約50点。もちろん重複もあっての数です。本来、宣伝材料にするつもりで集めたものですが、諸事情でそれは取りやめ。

その代わりというわけでもありませんが、皆でそれをネタとして、一夕、語り合おうということになった次第です。

あらためて目を通して、他人の選んだ3点に感心したり驚いたり。アンケートに加わらなかった経営員たちも含め「楽しくてためになる」時間が過ごせたと感じたのは、手前味噌でしょうか。

ちなみに店主の選んだ3点のうち、一つだけご紹介しますと、芥川龍之介『鼻』の草稿。16年ばかり前の七夕に、この草稿を含む数点がまとめて出品されました。

店主の世代なら教科書で学んだ人も多いはずの、あまりに有名な短編。その自筆草稿が、出品者の期待をはるかに超える高値で落札されたのは、今でも鮮烈な記憶です。

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2018年04月27日

勝手に勘違い

言われてみれば、確かに店主も多少の違和感を抱いてはおりました。しかし言われなければ、そのまま思い込んでいたはずです。

先週の明治古典会の話。エッセイストで編集者だった方の旧蔵書――と思って店主が入札した本の半ば以上は、別の方の蔵書だったことが分かりました。

こういうことです。一人の荷主さんが、それぞれカーゴ7台とか9台とかいう2件の引き取りをされて、同じ日の市場に出品された。著名な元編集者の口はその一方だけ。

なまじ市会運営側の人間として、出品者を知ることができる立場にいるおかげで、先入観なしに見れば明らかに筋の異なる2つの出品物を、同じところから出た一口ものだと思ってしまったのです。

その誤解を正してくれたのは、当の荷主さんである親しい同業でした。

今日、市場で顔を合わせると「実は」と声をひそめて、店主のブログを読んだこと、そこに勘違いがあることを、申し訳なさそうに伝えてくれたのです。

RIMG2746それで店主も腑に落ちました。全体でかなりの売り上げになったはずなのに、彼から聞いていたのは「数点の自筆ものがあって、ようやく経費が出た」というような話しでしたから。

エッセイストの蔵書に関する限り、それが本当のところだったようです。

『中世思想原典集成』やら『西洋古典叢書』やら、はてはプレイヤード叢書までお持ちになっていたのは、また別の人物でした。

そもそも誰の話をしているのか、お分かりになる方はごく少数でしょうが、その方々に誤解を与えたままでは申しわけなく、ここに謹んで訂正をさせていただく次第です。

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2018年04月26日

実況ツイッター

RIMG2780ある時、地方から初めて明治古典会に来られた同業者が、その体験記のつもりか、市場の様子を写真に撮って、その場でツイッターにあげたらしいという事件がありました。

偶然、組合職員の知るところとなり、すぐに当人に連絡して削除してもらったと、まだ市場の開催中に、われわれ幹事まで報告が来ました。

ですから何がどのように撮られていたのか、知る由もないのですが、市場は部外者立ち入り禁止、という原則がある以上、どのような写真であってもアウト。

そもそも、会場での写真撮影自体が、市会関係者の許可なしには認められていないのですから。

東京組合員であれば加入時に、その程度の基本的なルールは教わっているはずですが、他組合の新規利用者にまでは、周知がおよばないというわけでしょうか。

そうした規制が、今の時代にどのような意味があるかはさておき、ルールはルール。ですから当ブログで市場について語るときも、写真はもちろん、文字情報についても許される表現の範囲を、常に気にかけているつもりです。

店主自身、興味深い出品物があるときなど、市場の始まる前にでも、そっとカメラに収めておきたい誘惑にかられることもあります。

しかし商品である以上、商売の邪魔になるかもしれない行為は厳に慎まなければなりません。

それがどうして商売の邪魔になるのか、ということについては、話が長くなりますので、また別に機会を見つけていたしましょう。

それにしても驚くべきは、問題のツイッターが、組合職員の知るところとなるまでの時間の短さです。どんな経緯だったのでしょう。

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2018年04月25日

ヴァレリー本

昨日の洋書会についてのお話。

先週に続いてフランス(ルネサンス)文学研究者の旧蔵書が、会場の半分ほどを占めました。残っていたのはカーゴ2台だけではなかったようです。

前回は並製本と、上製本でも比較的刊年の新しい本が多かったのですが、今回は革装、布装の古い上製本が中心。見るからに高価(だった)と思われる本が、ずらりと並んでおりました。

案外に安い値で落札されていたものもありましたから、置いておく場所さえあれば札を入れておきたかったところです。しかし思いは誰も同じ。あまりに量が多いため、的が絞りにくく、うかつに手出しできなかったのでしょう。

というわけで店主が狙いを定めたのは、別の口。以前にも取り上げた某業者が、コンテナ数台に塩漬けにしていた洋書のうち、カーゴ1台分ほど出品されていたようです。

それを当番が何点かに仕分け。その中のひとつに、かなり年季の入ったフランス書20冊ばかりの口がありました。

封筒には「ヴァレリー」とだけ書かれていて、見ると確かにPaul Valeryの、しかもその大半がGallimard書店の限定版。中には小さな数字のものもあります。

serpent元々の持ち主は、どうやら同時代に新刊を購入されていた様子。それが分かるのは、本の傷み具合が一様だからです。読み古した感じはなく、長年の湿気と埃で劣化したもの。保存さえよければ、素晴らしいコレクションだったでしょう。

時を遡れるなら、持ち主に会ってひとこと「大切にとっておきなさい」とアドバイスしたい気持ちです。

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2018年04月24日

おまかせ選書

NHKに「プロフェッショナル 仕事の流儀」というTV番組があります。店主も過去に、何回か見ました。たまたまやっていたから見た、という程度に過ぎませんが。

それでも、見始めると内容に引き込まれ、最後まで見てしまうことが多かったと思います。

RIMG2740しかし昨日のその番組は、やはりたまたまTVのスイッチを入れたらやっていて、しばらく見ていたのですが、途中で風呂に入ってしまいました。風呂を後回しにするまでの、興味を持てなかったからです。

取り上げられていたのは「1万円選書」を考え出したという、ある新刊書店店主。11年前からやっておられ、現在では3千人待ちの盛況だとか。

要するに予算1万円で、申込者の気に入りそうな本を見繕って集め、届けるというもの。

そのために申込者は、カルテのようなものに自身の読書履歴とか好みとかを書き込み、さらに立ち入ったいくつかの質問についても記入しなければなりません。

書店主さんはそれを読み込んで、その人の求めに応じた本を選び出して揃えるのだそうです。あたかもお医者さんが薬を処方するかのように。

とはいえ、自身に膨大な読書経験がなければ、貧しい処方しか出せません。そう考えると店主には、ほとんど神のみが成しうる技のように思われます。

それを考えついて、これまでやってこられたのですから驚き、感心するばかりですが、もっと驚くのは「おまかせ選書」を希望する人の多さです。「おまかせ定食」ならまだ分かるのですが。

つまりは店主の理解を超えた話であったのが、番組を見続けられなかった理由です。

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2018年04月23日

不思議な初版本

RIMG2738タイトルに惹かれて読み始めたものの、はやばやと躓いてしまいました。マーク・プライヤー『古書店主』(ハヤカワ文庫 2013年)という本。

話が始まって間もなく、セーヌ河岸の古本露店商から、主人公がアガサ・クリスティー作『雲をつかむ死』の初版本を見せてもらうところの描写です。

濃い栗色のモロッコ革装丁で、背には糸かがりによる隆起があって金文字でタイトルが記されており、見返しにはマーブル紙が使われている。ヒューゴー(主人公)の見たところ、背はオリジナルの布装丁のようだ。

一体、どんな装丁の本なのでしょう。文字通りに受け取れば、背だけが布装の革装本ということになります。しかし、糸かがりによる隆起というのは、おそらく背バンド(あるいは背ベルト)のことでしょうが、布背にそうしたものがあるのを、店主は見たことがありません。

いずれにせよオリジナルはクロース装でジャケット付き。ジャケットについて言及がない点からも、この「初版本」は改装本らしい。いくら本の状態が良くとも、あまり高価な値はつけられないでしょう。

ちなみにクロース装をそのまま布装と訳されているのでしょうが、本屋としては多少違和感があります。

ただ、この装丁全般の描写に関しては、訳者だけの責任とも思われません。それでも原文を見れば、もう少し理解できるのでしょうか。

不思議に耐えかねて「訳者あとがき」を読んでみたところ、末尾に余談として、この初版本と「同じ装丁のものが〈AbeBooks.co.uk〉という古書専門のサイトでは約千ユーロで売られていた」と書かれていました。

早速検索しても、あるのは本当の初版本(価格は倍以上)だけ。ぜひ一度、お目にかかりたいものです。

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2018年04月22日

卑劣なやり口

ホームページからご注文をいただいた本を、店のデータベースで調べてみると「在庫切れ」になっていました。しかもかなり古い日付で更新処理されています。

ともかくすぐに、お詫びのメールを出しました。しばらくすると返信が入り、たった一行「卑劣なやり口だ。」と書かれていました。

RIMG2744お怒りはごもっともですが、いささか意味が不明です。あるいは、言葉を選ぶ余裕のないほど怒りが沸騰し、思いついた悪態をそのまま、キーボードに叩きつけられたのかもしれません。

それで、少しは気が晴れたのでしょうか。

的外れな非難ではあっても、言われた店主のほうには、あらためて反省すべき点があります。特に今回の場合、長期間にわたって削除の処理が出来ていなかった。記録によれば、この本が売れたのは、実に3年以上前。

日々の売り切れ処理のほか、一定の間隔で過去のデータも再チェックするように心がけていますが、さすがにそこまで遡ってチェックはしておりません。汚名を頂戴したのを機に、現在データベースに残っている8000点ほどの販売記録を、全部チェックしてみました。

すると他にも何点か、売り切れているのに、まだホームページで販売中になっていた本が見つかり、即刻削除。これでいくらかは、お客様にご不便をかける割合が減じたことと思われます。

しかし、今回調べることが出来たのは、あくまで売り切れ記録が残っている本に関してのみ。店頭などで販売したものは、その記録すら残っていない可能性もあります。

またいつ卑劣の謗りを受けないとも限りません。

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2018年04月21日

名の知れぬ木

我が家の庭は、狭い上に手入れをしないため、知らぬ間に新しい木が根をおろし、気がつくと伐るのに躊躇するほどに育っていたりします。

それでもあまりに雑然として見苦しいし、風通しや日当たりが悪くなれば、昔から植えてあるツバキなどの花木にとって良くないだろうと、さほど幹の太くない木を数本、伐採することを思い立ちました。

そう思ってまず目星をつけた木があるのですが、しかしそれが一体、何という木なのか分かりません。分からないまま伐って、後で惜しむようなことは避けたい。

そこで何度かネットで調べてみました。便利なサイトもあるのですが、こちらが適切な検索をしなければ、目指すものが見つからないのは木でも本でも同じこと。店主の探し方のせいか、なかなか答えが見つかりません。

KIMG0557ある日、その木から特徴的な小枝を手折り、娘に調べてもらったところ、しばらく時間はかかったものの、見事、解明してくれました。オオバベニガシワというのが、伐採候補の名前だったのです。

その名で検索してみると、新たに季節の花300というサイトが見つかり、そこでこの木について4頁、32枚の写真を使って詳しく説明がなされていました。我が庭の樹がこれであることは、間違いありません。

KIMG0534さてこうして名を知ってしまうと、何やら情が移ったようで、むざむざと伐りとってしまうに忍びない気分になってきました。

そこでひとまずこの木は措いて、別の候補を探してみようと思います。もちろん名のない木などありませんから、その度に、また情が移る可能性もないではありませんが。

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