2018年06月

2018年06月20日

お役所仕事

RIMG2928家人が、呆れた顔で郵便局から戻ってきました。差し出したゆうメールの1通が「規格外」と言われ、100円余分に支払うことになったからです。

いつも使っているA4用の梱包材ですから、規格内に収まっているはずだと主張したところ、縦(長辺)はともかく幅が25.1センチ、つまり「規格を1ミリ超えている」という回答だったとか。幅広の絵本だったので、横を広げて梱包した結果です。

文字通りの杓子定規。しかしそれを非難するつもりはありません。1ミリに目をつぶると、では2ミリならどうかとなります。際限がない。すべからく現場は規則に厳格であるべきでしょう。

「お役所仕事」と呼ばれるものがその代表で、融通のきかない最たる例とされてきました。しかし近頃は、この言葉の意味も大分変ってきたようです。何を言わんとするかはお判りでしょうから、この先は申しません。

もうひとつ意味の不明な言葉があります。某学園理事長の「友人」。ふつう損得抜きの関係をそう呼ぶのでしょうし、「だから仕事の話はしない」とおっしゃるのは、その意味を強調したのでしょう。

けれどもそこまでの仲であれば、相手の立場を悪くするようなことをしないのが「友人」ではないかと、店主などは思うのです。それとも、迷惑をかけあっても気にしないほどの仲なのでしょうか。

話がそれましたが、小店の使っているA4サイズ梱包材は、長辺34センチというのが製品表示です。しかし実際に計ってみると、1ミリ程度は長い。これからは、削って使わなければならないかもしれません。

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2018年06月19日

Tiny Sparrow

数日前のことです。朝、いつものように車で店に来て、駐車スペースにバックで車を入れました。

降りてから、トランクに荷物があることを思い出し、リアハッチを開けようとしたとき、車の下からチッチッと声がして、なにやら動くものが見えました。2羽の小雀です。

おぼつかない足取りで、どこかに向かおうとしているようではありますが、進むべき方向が分からない様子。

なぜそんなところにいたのか、一番考えられるのは、巣立ちの際に飛び降りたのが小店の店先だったというケース。よく車のタイヤで轢かなかったものです。

急に周囲が塞がったようになって、うろたえたのかもしれません。しばらくすると、親雀らしい姿が見えました。

なるべく近くに寄らないように、店開けの作業を続けていると、鳴き交わす声も聞こえなくなり、無事飛び立ったのだろうと一安心。

RIMG2911しかし、気がつくとまだ1羽残っていて、ヨタヨタと車の脇を表の方に向かってきます。その動きがいかに緩慢だったかは、店主がカメラを取りに店に入り、戻ってこれを写せたことでお判りでしょう。

あまり目に付くところに長くとどまっていなければよいが、と願いつつ再び仕事に戻り、次に見に行ったのは夕方。車の回りや下を点検いたしましたが、どこにも小雀の姿はありませんでした。

無事に飛び立ったと思います。ちなみにタイトルは、PPMの懐かしい曲の名。

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2018年06月18日

時間を気にする

今の季節、土日祝の午後6時閉店というのは、ちょっと気が引ける思いのする時があります。

とくに昨日のようにお天気の良い日は、まだ宵の気配さえなく、片付けを始めると通りがかりの人が「もう閉店?」といった表情をみせて行き過ぎます。店主の思い過ごしかもしれませんが。

RIMG2918それでなくとも閉店間際というのは、不思議とお客様が来られます。まったく気にもせずに入ってこられる方もあれば、時間を気遣いながら急ぎ足で覗いていかれる方も。

昨日の方も、そんなお一人かと思いました。学生さんというよりは、もう少しだけ年のいった男性。絵本棚の前にしゃがんで、一番下段の外国絵本をご覧になっています。時おり腕時計を睨みながら。

閉店時刻を10分ほど過ぎていましたので、それを気にしておられるのかと思っておりました。

やがて「この値段は税込みですか、税別ですか?」とお尋ねになりますので「税込みです」と回答。するとなおしばし思案ののち「これを」と1冊、店主に手渡しました。

ドイツ語の絵本。100円のラベルが貼ってあります。擦れイタミがあって見切り品としたものです。バッグをお持ちでしたので「このままでいいですか?」と伺うと「袋に入れてもらえませんか」。

そこで片付け作業を中断し、帳場に戻ってレジ袋に入れていますと、腕時計を見ながら「電車の出発時刻が迫っているんです」。口調こそ独り言のようですが、どうやら急かしておられるらしい。

再三、腕時計とにらめっこされていたのは、小店の閉店時間を気にされてではなく、電車の時間を気にしておられたのでした。

袋にお入れした本は、歩きながらバッグの中にしまい込まれたようです。

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2018年06月17日

LED導入

もう10日ばかりも前のことになりますが、店の裏の蛍光灯が一基、切れてしまいました。蛍光管を取り替えてみても点きません。ということは安定器の寿命です。

一時期、店の売り場部分の蛍光灯の安定器が次々に寿命をむかえ、一基、また一基と交換したことがあります。

まだ今日ほどLEDが普及する以前で、とても高価なものでしたから、それに切り替えるという選択肢はありませんでした。しかし安定器も決して安いものではなく、一基修理するたびに2万円近く掛かっていたはずです。

売り場の最後の一基を修理してから、3年以上経つでしょうか。点灯時間の短い分、長持ちしてきた店裏の蛍光灯も、いよいよ交換時期が来たのかもしれません。

久しぶりに、以前お願いした業者さんに電話して、修理を依頼しました。

店主自身少しばかり調べて、今ならLEDに替えることも可能かと考えたのですが、奇しくも業者さんから提案されたのも、安定器を使わないでLEDにするという方法。そのほうが安上がりではないかというご意見です。

ただ問題は、その業者さんにとっては初めての経験であるということ。すこし勉強させてくださいとの連絡があって、今日まで待つことになったのでした。

RIMG2915事前学習の効果があったようで、交換作業は1時間とかからず終了。機材費作業料あわせた支払い額は、以前の半分ほどで済みました。

次にどこが切れるか分かりませんが、同じ方式にしようと考えております。

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2018年06月16日

ニーズにこたえる

午後のお茶休憩を済ませて帳場に戻ると、家人が困り果てたような様子でビニール袋を掲げて店主に申します。

「これ忘れ物。さっき帰られたお客様の。大きなバッグをお持ちだったので、テーブルに置いていただいたのだけど…」

お帰りの際、バッグだけお持ちになり、袋をお忘れになったらしい。日本民藝館の袋で、中に入っているのはおそらく展覧会カタログ。

RIMG2896家人が困っていたのは、そのお客様、荷物を置きたがられなかったのを、たってお願いしたという経緯があったから。

ほんのいっとき立て込んだ、その間にお帰りになられたようで、気づいた時にはお客様の姿はなく、追いかけようもなかったとか。

それでも店主が帳場に座ると、念のためと言って駅の方まで行き、様子を確かめてきたようです。

すっかり気が重くなった家人でしたが、やがて救いの手があらわれました。昨年、近所に越してこられた「べにや民藝店」の店の方が、お客様から電話を貰ったとかで、引き取りに来られたのです。

うすうす気づいていたのですが、べにやさんを訪ねられるお客様の、小店への立ち寄り率は結構高い。

民芸館に来られた方が、べにやさんまで足を延ばされるケースも少なくないようで、その途中に本屋を見つけ、覗いていかれるのでしょう。「民芸関係の本はありますか?」と尋ねられることが増えました。

敬意を表して、その関係の棚を設けてみましょうか。

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2018年06月15日

向いてない

書簡、草稿といった、いわゆる自筆ものに優品の目立った、今日の明治古典会でした。

たとえば萩原朔太郎、萩原恭二郎、高村光太郎、柳宗悦、伊東静雄その他その他。つまり小店にとっては、あまり縁のない、まず札を入れることのないものばかり。

とはいっても、誰が高値になるのかは、業界人の端くれとして興味があります。例を挙げれば斎藤茂吉の分厚い歌稿。バブルのころ、大量に市場に出て、そのどれもが何十万円、何百万円となったことを記憶していますが、今日は数万円のレベルで落札されていました。

もっとも今日の出品「大部分は代筆のはずだ」と、詳しい先輩業者から教えられたのですが、仮にすべて自筆であったとしても、現在ではさほど高値にならないでしょう。

そのなかで、初めにあげた面々は、今でも比較的値のつく人々です。そう知って、この先役に立つことがあるのかどうかは、はなはだ疑問ではありますが。

RIMG2904ところで今日、市場で同業から、デパート展に参加しないかとのお誘いを受けました。あまりに突然のことで戸惑いましたが、丁重にお断りさせていただきました。

というのも現在の小店の在庫から考えて、とても出展できるような状況ではないからです。

もちろん会期はまだしばらく先のことでしょうが、催事などでそれなりに売り上げて採算をとるためには、日ごろからそのための仕入れを心がけなければなりません。

そして、そういうことにはどうも向いていないのだと、今では店主、確信しているのです。

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2018年06月14日

知らぬことばかり

朝と晩と、車に乗る時間帯は、大抵クラシック音楽番組が放送されています。ラジオから聞き覚えのある曲が流れてくると、自然と頭の中に検索スイッチが入ります。

ところがデータベースが貧弱なものですから、なかなかヒットしないことが多く、もどかしい思いを抱えたまま運転を続けることになります。

先夜、娘と一緒に帰るとき、流れてきたピアノ曲に「これ誰の曲?」と質問を受けました。特にクラシック好きというわけではない娘でさえ、どこか聞き覚えのある曲だったのでしょう。

確かにあまりにも有名な旋律。しかし哀しいかな、店主の脳内DBは空しくあがき続けるばかり。

RIMG2901苦し紛れに「音で検索できるアプリがあるといいのに」と告げると、いともあっさり「あるよ」と娘。「やってみようか」と、自分のスマホを車内のスピーカーに近づけました。

何度か試みているうちに、答えが出たようです。ベートーヴェン『ピアノソナタ第8番ハ短調』

そう、あのMidnight Blueの原曲。こんな超ポピュラーな曲さえ思い出せなかった自分が情けなくなりました。

同時に「あるといいのに」などと思っていたアプリが、とうに存在していたことにも、大いなる取り残され感を抱きました。

ただアプリの答えは演奏者まで出ていたようで、パウル・バドゥラ=スコダという名を言いにくそうに娘が読みあげてくれましたが、これは外れ。演奏終了後に拍手が聞こえて、最近のリサイタルを録音したものだと分かりました。

しかし、そこまで判定しようとしているのでしょうか。

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2018年06月13日

去年の雪いま何処

ふとしたご縁が元となって、もう何年もの間、年に一度か二度の割合でロンドンにお住いの日本人女性から、本のご注文をいただきます。

注文といっても特定の本ではなく、ご予算の範囲内で、小説類を適当に見繕ってというもの。重量の関係もあり、当然のように文庫本が中心となります。

少し年上の方ですが同性のよしみ、本選びはもっぱら家人が担当してきました。

RIMG2895初めのうちは小店の在庫で賄えていたのですが、何度もお送りしているうちに、次第にお好みも理解できるようになり、それとともに在庫では間に合わなくなったようです。

そもそも文庫本の入荷自体が多くありません。その中にお好みに合う作家が入っていることは、よほどの僥倖。たまにあったと思えば、すでに送ったことのある本。

そんなわけで、ここ何回かは、時間を見つけて何軒かのB***O**を巡り、ようやくある程度の冊数を揃えて責を果たしてきたようでした。

その女性から、今月初めころにまた手紙が届きました。近況と共に、いつものごとく送ってほしいと、現金も同封されています。

そこで家人は例によってある日、まずは渋谷のB***O**へと出かけたのですが、茫然とした様子で戻ってきました。聞けば、本の売り場は極端に縮小され、売れ残りが少しばかり並んでいるような状態とか。

栄枯盛衰を目の当たりにする感慨とともに、どう本を揃えようかと、新たな悩みに直面することになったのです。

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2018年06月12日

ロッカー整理

RIMG2902洋書会当番。今朝は余裕を持って店を出ることができました。

午前10時5分前、当番仲間の誰よりも早く、古書会館の4階に到着。会場を見回すと、人もいませんが、出品物も見当たりません。

まだ準備室から上がっていないのかもしれないと、2階におりて職員さんに尋ねてみたところ、申し訳なさそうに、なにも届いていないとの返事。

つまりその時点で本日の出品はゼロ。さすがに今まで経験したことのない事態です。

4階に戻ると、仲間が一人やってきました。状況を説明し、とりあえず店主は5階に借りている自身のロッカーへ。この際、在庫整理を断行しようという算段。

なんだかんだとカーゴに積み込んで4階に降りると、仲間も自分の在庫を運び込んでいました。

もちろんこれだけでは、質量ともに不足です。そこで大手同業に連絡を入れ、緊急出品を要請。やがてカートを押して、やってきてくれました。

これでどうやら最低限の格好がつき、本日も無事、市会を開催できたという次第です。

店主のロッカー在庫は、他にすることもない当番が総出で仕分けしてくれて、都合15点にもなりました。そして出品が少ないときの特典で、入札者も丹念に見てくれます。

結果として、思いのほか良い金額に売り上げました。これでロッカー代も支払えるというものです。

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2018年06月11日

音楽という趣味

雨で月曜日。その雨も朝のうちは、かなりしっかりと降っていて、お出かけの方々は、さぞや憂鬱な気分だったことでしょう。

店主も今日は、明治古典会七夕大入札会目録の再校で、午前中に古書会館へ出かけなければなりませんでした。

この再校、初校からわずか4日ほどで出てくるため、うっかりすっぽかしてしまうことも、過去には何度か。今年はこんな雨にもかかわらず、あるいは雨だったからか、忘れずに職務を果たしに出かけることができました。

RIMG2891ただし再校ですから、さほど時間もかからず、作業を終えて店に戻ってきたのは正午を少し回った頃。それからあとは人の来る気配もない店で、ひたすら昨日買い取った本の整理です。

買取り帳に、ご本人のお名前以外に旧蔵者名も書いていってくださったので、どんな方かとwebで検索してみました。これだけの本を読まれているのですから、何らかの著作でも残されているのではないかと。

そして分かったのは、この方が純然たるアマチュアであったということでした。いくつかの記事にマーラーファンとしてお名前が出てきます。それによると、何度か演奏会プログラムに解説を書かれたこともあるようです。

あるブログには、小澤征爾指揮新日本フィルによるマーラーの 7番のコンサート(1988年)のプログラムに「メチャクチャ詳細な曲目解説が、実に 11ページに亘って掲載されていた」とありました。

豊かな趣味の時間を過ごされた方だったようです。

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