2018年08月

2018年08月31日

詩人の手紙

ブログで知ったという何人かの方から、水害お見舞いの言葉をいただきました。ありがたいことです。

我が家に関しては、お伝えしたとおり、ご心配には及びません。しかし店主のところは、たまたま運良く被害を免れただけで、近隣では大きな損害を被られたお宅も何軒かありました。

2件お隣は、浸水が床上に及んでいたことが、2日も経ってからわかりました。お向かいのマンションは地下ガレージに1mほどの浸水があり、置いてあった車はすべて動かなくなったそうです。

災害はいつ起きるか分かりません。しかし都市水害についていえば、どこで起きるかは予測できるはず。もう少し対処の方法がないものかと、つくづく思います。

さて今日は、8月最後の明治古典会。特選市とあって、出品量もいつも以上。内容もバラエティーに富んで、見て回るだけでも面白い市でした。

RIMG3145とりわけ店主の関心を惹いたのは、最終台に載せられていた数通の書簡。表書きには西脇済三郎様とあります。何やら聞いたような名前。裏返してみると、差出人の名は順三郎。

あの詩人のようです。好奇心に負けて封筒から中身を取り出し、展げてみました。2通は毛筆の年賀状。ハガキではなく封書です。大正5年と10年の日付がありました。そのほかも文学的な内容ではありません。

ある1通の末尾に「御本家様」とあって、親類への手紙と分かりました。少し後年のものとみられるペン書きの2通、こちらは詩人らしい筆跡。

野次馬的に検分しただけですが、不思議に思ったのは、宛名の西脇の脇が「力」3つでなく、「刀」3つのものが、1通だけあったことでした。

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2018年08月30日

総会そして懇親会

昨日は東京古書組合の第73回定時総会でした。

組合員総数582名。出席者が90何名だかで、委任状が300通。定足数は満たしているので総会の成立には、何ら支障ありません。

RIMG3139しかし、ある先輩業者が嘆いていたように、役員改選の年に出席者が100名を切る事態となりました。母数が随分減ったのですから、出席率ではあまり変わらないのかもしれませんが。

一方で、委任状の集まりは、随分良くなっているように見受けられます。集め方に工夫が重ねられてきた成果でもあるでしょうが、すべてお任せという組合員が増えていることも確かです。

さしあたって賛否が分かれるような議案がない。もちろん課題はありますが、景気とか社会構造の変化とか書物の未来とか、組合員の力だけでは解決できないことばかり。そこでつい、委任状で済ませようとなるのでしょう。

今年は通常の議案とは別に、2020年に百周年を迎える東京組合の、記念行事についての提案もありました。簡素な式典と、記念誌の出版。その二つが承認されましたが、具体化はこれから。早々に委員会を発足させて、進めていくことになります。

総会終了後に恒例の懇親食事会が、会館7階の会議室を使って行われました。近年定番となっている、新世界飯店の出張料理です。

かつてのように、前置きの挨拶や、スピーチといったものは省略。乾杯と、中締めだけで、あとは各自でお互いに懇親を深めるという、昔の人が見たら嘆くかもしれない、しかし店主などにはかえって好ましい宴でした。

ところでその新世界飯店、お店はもちろん神保町ですが、ケータリングの事業所は桜新町にあるとかで、先日の豪雨で同所が、腰の高さほどに冠水。おかげで食器類などが間に合わせになりましたと、支配人が申し訳なさそうに話していました。

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2018年08月29日

深沢大洪水その2

いつもより交通量が少なく、短い時間で家の前まで来ました。しかしガレージの前に車が止まっています。それも回転灯をつけたままのパトカーが。

覗くと誰も乗っていません。あたりを見回すと、家の先の交差点でお巡りさんが交通整理をしています。駆け寄って行き、車を入れたいと伝えると、スイマセンと言ってすぐ移動してくれました。

ガレージのあたりは、もう水は引いていました。しかし玄関に回ると、入り口に敷いてあった枕木が何本か浮き流されて、跡が大きな穴になっています。

その先の庭は、丸い庭石が頭を出していますが、まるで池のよう。それでも「海から池になったところ」だと、足を滑らせないようにして辿りついた家の中で、家人から説明を受けました。

交差点では何台か、動かなくなってしまった車があったようです。また向かいのマンションでは地下ガレージに水が入ったためか、警報サイレンがずっと鳴り続いています。

信仰を持つ身ならここで、水が床下でとどまったことを、神や仏に感謝するところでしょう。無信心ものの店主でも、ありがたく思う気持ちに変わりはありません。まだ何やら騒然とした気配の残る中で、遅い夕食をとりました。

やっと人心地がついて部屋に向かったところ、家人から「お風呂がつかない。ガスメーターを調べて」という要請。庭に出て調べてみましたが、結局メーターが止まったわけではなさそう。

ガス会社に電話して分かったのは、給湯器に水が入ったのではないかということ。翌朝、懇意な店に電話して、見てもらうことにしましたが、給湯器取り換えも覚悟してくださいとのご託宣。観念して審判を待ちました。

RIMG3138結果は、安全装置が作動しただけだったと分かり、解除して一件落着。すわ大損害、となるところを、ここでもまた免れることができました。ひとまず、運が良かったと言っておくべきでしょう。

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2018年08月28日

深沢大洪水

RIMG3083当番長としての、今月最後の洋書会が終わりました。次に同じ役目が回ってくるのは、ざっと計算して1年半後。ホッとひと息というところですが、それほどの任務を果たしたわけではありません。

今日も、役名の手前、市場がすべて片付くまで居残っていたというだけのこと。朝は例によって、10分ほど遅刻してしまいましたし。

それでも10分遅刻で済んでよかった。ひとつ間違えば、今日の市会は、お休みさせていただかなければならないところでした。

昨夜の豪雨です。店を閉めて帰ろうとするころ、激しい雷鳴を前触れに、強烈な土砂降り。アメッシュで様子を見ていると、突然店内の明かりが消え、もちろん覗いていたPCの画面も消え、表も真っ暗。

この停電は、何分も続かなかった気がします。家人と交わしたLINEで確かめてみたところ、復旧まで1分少々でした。

ところがそのLINEで、今度は家人が、家に水が迫っていると伝えてきました。やがてお風呂場の排水溝から水が噴き出してきたと続報。玄関にも水が。ついに文字ではなく音声で緊迫の中継。

店主はいかんともできません。アメッシュを見ながら、降りの峠は超えたようだと伝えるのがやっと。やがて水が引き始めたとの連絡が入り、床上浸水は免れたと一安心。

駒場の雨はすっかり小やみになっていて、着くころにはガレージに車を入れることもできるだろうと判断し、店を出たのは午後9時過ぎ。

家までの道中は、何事もなかったように平静でした。どこも冠水している様子はないし、渋滞もありません。さっきまでのやり取りが、まるで空騒ぎのよう。

しかし確かに事件は起きていました。それはまた明日。

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2018年08月27日

痛み分け

某日、一人のご婦人が店に来られて、ある全集を手放したいとおっしゃいました。「全冊揃っています」とのこと。

「昔は高い本でした」と、ほとんど決まり文句のように、そう申し上げました。

実際この全集、元版が発行されたのは昭和10年代のこと。昭和50年代に復刻版が出版されるまで、なかなか高価な全集であったことは確かです。復刻版も、需要が高かったのでしょう、1度ならず出版されています。

その結果、必要なところには充分に行き渡ったと思われます。価格が落ち着きました。落ち着けば、あとは下がるだけ。この方のお持ちなのは、もちろんその復刻版です。

RIMG3136現在、いかに値崩れしているかを説明し、店主の頭にあった相場を申し上げました。驚いたような様子でお帰りになりましたので、それきりになったものだと考えておりました。

ところが後日そのご婦人が、2度に分けてその全集を持ってこられました。それまでに店主も、自身の相場感を裏付けるため、ネットで販売状況を確かめております。そして得た結論は、現実はさらにシビアだということ。

そこで、お持ち込みの全集を、申し上げたうちの最低価格で引き取らせていただきました。かなり買い叩かれたご気分だったのではないでしょうか。

ところで小店も、その全集を店に並べる余地がありませんので、市場に出してみました。損覚悟の止め札なし、つまり2千円でも売るつもりで出品したのですが、結局のところ買い手は付きませんでした。

処分するか、倉庫に塩漬けにするか。残された道は、二つに一つです。

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2018年08月26日

お祭り神輿

昨日をさらに上回る、今日の暑さ。外に出るのが、まるでサウナ室にでも入るような感じです。

それでもめげずに何人かのお客様が、表の本をお買い上げくださいました。今日あたり、売り上げがあるだけで奇跡のような気がいたします。

店主など、なるべく表に出ないですむように、作業をできる限り店内で行いました。

その作業というのは、昨日の閉店間際に車で運んで来られた、段ボール13箱の本の整理。例の「砂金採り」の続き。

かれこれ合算すると、もう80箱は超えております。この間ひたすら整理して処分してきたのですが、お持ち込みのペースが上回り、店内の通路はいよいよ狭く、棚に手が届きにくくなってきました。

採算ということだけ考えれば、めぼしい本を抜いたあとは目をつぶって処分してしまうのが、一番効率的です。

とくに線引きや耳折のある本は、市場に出してもまともな値はつきません。かといって、店頭で安く売るにしても、それが捌けていくのには時間がかかります。

それよりは通路を片付け、店内を見やすくする方が賢い選択だとは思います。しかし、そこを簡単に割り切れないのが古本屋。matsuriしばらくは片付かない可能性が大です。

午後4時頃、日盛りを過ぎたといってもまだまだ暑い中、店の前をお神輿が通っていきました。氷川神社のお祭りです。そういえば子ども神輿がありません。この暑さで見合わせたのでしょうか。大人も辛そうでした。

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2018年08月25日

頭も冷やしたい

今さらそんなことを言われても、なんの慰めにもなりませんが、今年の夏は今までで一番暑い夏になりそうだと、新聞に出ておりました。

今日もまた、呆れるほど暑い。店に入ってこられるお客様が、揃って上気したように赤い顔をされています。

昼間、親子連れが、表から袋詰めしたプラレールを持ってこられました。受け取ると、びっくりするほど熱い。見るとお子さんの顔も赤い。

店の前には本棚や台車など、並べるものが次第に増えてきております。全てを日陰に並べることはできませんから、何かしらは日向に置くことになります。

ジャンクおもちゃは、日向になりがち。しかし、あまり暑い日は、熱中症を誘うことにならないよう、考慮したほうがいいかもしれません。

日陰だからといって、涼しいわけではないでしょう。それでも気がつくと、じっと棚を見つめておられるお客様が、今日のような日にも何人かはおられました。よほど暑さに強い方々か、本好きの方々か。

RIMG3106午後になって一本の電話。「日本の古本屋」で古書組合の某支部機関誌が売られているが、どうしたもんだろうとTKIの同僚から。

この暑さで、店主もいささか思考停止状態。ひとまず取り下げてもらうように頼んだらどうか、と返答しました。頭を冷やして、ゆっくり考えたいところです。

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2018年08月24日

望蜀の嘆

ほどほどの出品量で、午後5時過ぎには、市場の後片づけもほぼ終わりました。今日の明治古典会は、出来高も平均的なところだったようです。

某雑誌のアンケート回答原稿というものが出品されていました。回答用紙に自筆で書き込まれたものですが、なるほどこういうものも商品になるのかと感心いたしました。

興味深かったのは、数名分をまとめて1点とされていたものがあった一方、1人の回答だけで1点として出品されているものがあったことです。

たとえば岡本太郎は、他の何人かと一緒にされていたのですが、石ノ森章太郎は単独で扱われていました。荷主さんが、そのように分けて来られたのです。

結果としては、石ノ森のほうが、岡本ほか数名よりも高値で落札。売れ筋を、よくご存じの荷主さんのようです。出品する側にも、またプロがいるということです。

市場が終わって、いつもの仲間との食事。ほとんど決まった店にしか出かけないので、たまには新規開拓をと、店主が少しばかりネットで調べてみました。

そして浮かんだのが、何度も前を通ったことはある海鮮居酒屋「海蔵」。以前、ある同業から話を聞いたことがあります。それほど悪い評価ではなかった。あらためてネットで見てみると、結構高い評価点。

とりあえず足を運んでみることにしました。すると時間が早めだったからか、すんなり席に案内され、一夕を過ごすことができました。

引き上げるころには満席。やはり人気店のようです。驚かされたのはボリュームで、刺身盛り合わせ以外に頼んだのは3品程度。我々にはそれで充分でした。結果として勘定も極めてリーズナブル。

RIMG3098かくして飲食面では満足できたのですが、難点は音。満席の人声が部屋に充満して、静かな会話は成立しません。そこまで求めるのは、高望みというものでしょうか。

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2018年08月23日

TKI 8月定例会議

今日も5時間会議。次々と際限なく湧き出してくる検討課題に、いちいち熱心な討議を重ねる事業部員の面々。そのうえ、毎月の報告事項の中にも、議論すべき事項が見つかります。それで、ついつい延長戦となる次第。

そんな中に、クレーム関連の報告もあります。これをもっぱら受け止めるのは「中の人」。一部にどうも暗いのではないかというご指摘もあるのは、古本屋の親父に対するネット顧客のクレームを、こうして日々受け続けているためかもしれません。

今日聞いた事例の中に「送料込み」と表示されていた書籍を購入したら、「送料補助費」なるものを請求された――という件がありました。

最近の大幅な郵便料金値上げに、たまりかねた措置だということは理解できなくもありません。また補助費をいただくという旨は、自店商品の解説欄の下に、別行で表示してあったということです。

そう聞けば、同じく値上げに悩まされている同業者としては、あまり強く非難もできないところです。

RIMG3105しかし、見栄えの良い方法だとは言えません。サイトとしては、早急に「送料込み」の文言を削除するなり、販売価格に転嫁するなりして対処してもらいたいところ。「中の人」もそんな提言をしたはずです。

今回の場合は、どうやら素直に聞き入れてくれたようですが、何しろ一癖も二癖もある自営業者のあつまりです。ウェブコマースの常識などを説いても、簡単に了解してくれる方が少ない。

もっと凄絶なクレーマーvs.頑固おやじという事例も少なからずあるのですが、あまり面白い話は、当然ながらお教えできません。

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2018年08月22日

甲子園と研究書

連日、今年が第100回だという甲子園高校野球の話題が新聞やTVを賑わしていましたが、昨日で一段落。結局、店主は試合結果を報じるニュースさえ、まともに見ないで終わりました。

それなのに取り上げようとしているのは数日前、新聞で目にした「甲子園 究極のベストゲーム決定」という記事について。アンケートをもとにして、1位から45位までがランクされています。

一見して、店主の感覚からすると、最近の試合が多いような気がしました。そこで数えて見ると、ランクされているうちの35試合が、2000年以後のものでした。

それより前は10試合に過ぎず、一番古いのが1969年の三沢高校vs松山商業。

もちろん21世紀になって、俄かに好試合が増えたというわけではないでしょう。回答者の年齢に偏りがあったのでしょうか。去る者は日々に疎しということでしょうか。

これを分析しようというのではありません。ただ、これと似通った状況が、古書の世界にもあるのではないかということに、思い至ったのです。

立派な函に入った分厚い研究書、それが壁一面に積み上げられて一山で売られ、落札価格が数万円ということがありました。

いずれもそれぞれの学問分野で一流とされた研究者の、主著ともいうべき本までが、1冊あたりにすると100円にも満たないような価格で落札されるのを目にした時は、さすがに衝撃でした。

RIMG3100考えて見れば、おそらくそのほとんどは2000年より前の出版です。多くは昭和の刊行物だったでしょう。

研究書は、甲子園のベストゲームのようなものかもしれません。

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