2018年11月

2018年11月30日

11月が終わりました

今朝まだ家にいる間に、スマホから来月分の家賃と更新料を支払いました。つまり家賃二か月分です。これほどの大金(店主にとって)を、いとも簡単に送金できてしまう仕組みに、便利さよりも恐ろしさを感じてしまいます。

RIMG3318店に着くと、まずいつものようにネット注文に関する仕事を片付けるのですが、今朝は幸か不幸か(幸のはずはないですね)あまり注文や決済がなく、出かける前にバタバタしないで済みました。

金曜日ですから明治古典会。午前10時半が、自分で決めている出勤時刻です。余裕をもって間に合いました。

着いてみると今週も出品量が多い。そのため午前中の作業は押せ押せとなり、仕分け・陳列が済んで開場したのは、通常より20分遅れて12時20分。

ある画家とその子息の蔵書――と聞く美術系の本が一番の大口。洋書も多く含まれ、興味をそそられました。もうひとつ同業の倉庫整理の口にも洋書が何点かあって、大きくまとめられた中に、面白そうな本が混じっています。

しかし今日は午後1時半から、組合職員さんの賞与査定。市会の準備作業を終えて昼食を取とっている間に、その時間が迫り、急いで会場を一巡したものの、ほとんど入札はできませんでした。

組合の仕事が終わり、市会に戻っていつものお手伝い(札改め)。点数が多かったため終わったのは午後5時半。そのあと、ちょっとした会議。そして今日が締め切り日だった、クリスマス特選市の目録編集作業をしばらく見学。

店主らの出る幕はなさそうだと見てとって、いつもの仲間と一緒に退出。食事をして解散しました。

店に戻ってレジ締め。今日は月締めも打ち出し、その数字に対し今朝の送金金額が、あまりに不釣り合いであることを、今さらながらに感じたのでした。

konoinfo at 22:19|PermalinkComments(0)

2018年11月29日

リニューアルに向けて

しばらく前から気になっていましたが、一体いつからこんなことになってしまったのでしょう。神保町駅を降りてホームを歩いていると、出発を告げる不思議なメロディー音。その耳障りなこと。

ご丁寧に上りと下りで違う曲が流れるのですが、どちらも感心しません。一番気になるのは、割れているような音質の悪さ。それが一層、音量を大きく感じさせています。

半蔵門線では、すべての駅でこの手の音を流しているのでしょうか。他の駅でも耳にしたことがあります。そういえばJRの駅でも流していますが、地上駅では音の逃げ場があるので、耐えきれないほどではないのかもしれません。

曲自体については好みもあるでしょうから、とやかく申しませんが、ともかくあの音量と音質だけは、何とかしていただきたい。今日改めてそう感じました。

今日、半蔵門線に乗ったのは、午後3時から臨時の『日本の古本屋』事業部会議があったからです。

議論を重ねてきた次期サイトリニューアルが、いよいよ実際に着手する運びとなり、まずは担当業者から大枠の説明を受ける、というのが全員招集の理由です。

RIMG3324店主のような窓際でも、一応は耳にしておくべきと考えて、2週続けてのTKI会議出席となりました。しかし今日聞けたのは、これからの作業手順。期待していたものと違いましたので、肩透かしを食ったような気もしましたが、これも大切な話ではあります。

それでも新サイトのトップページ案がプロジェクターに写されると、いよいよ始まるのだなという実感がわいてきました。完成は2020年の末だそうです。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2018年11月28日

先生ゆかりの本

先週金曜日の明古で落札、昨日の洋書会で仕分け直して出品し、もう一度自分で買い戻した高橋先生旧蔵書が、お昼過ぎに組合ルート便「コショタン」で届きました。

ずい分減量したつもりでしたが、店に運び込んでみると結構な分量です。今夜また店を閉める時、押し込む場所を考えなければなりません。なにはともあれ、まず整理に取りかかりました。

高橋先生の蔵書には、フランス書が200冊ばかりあって、明古ではそれがひとまとめで出品されていました。それを落札し、洋書会ではその中からプレイヤード叢書9冊と、シュルレアリスム関係など約20冊を抜き出し、残りは山にして出品しました。

前の2点を再び店主が落札したのは、昨日申しあげたとおりです。プレイヤードはマラルメ、ヴァレリー2冊、アポリネール、クローデル2冊、ジャリ、17世紀演劇集、デカルト。

旧版が多いのは仕方ないとして、状態が今ひとつなのが残念です。読み込んだ形跡があるのはマラルメだけなのですが、小口にシミ斑が見られるものが多く、安めの値をつけるしかありません。

マラルメの場合は「高橋先生手沢本」ということになるのですが、果たして、興味を持つ方がおられるでしょうか。

それ以外の、いわば「選りすぐられたフランス書」も埃を落とし、表紙を拭いて再吟味いたしました。自分の評価が果たして的を射ていたかどうかと。

おおむね想定した価格はつけられそうで、まずは安堵いたしましたが、売れるかどうかは神のみが知るところ。
nonsense
その中の一冊。汚れ傷んだプラスチックカバーを外すと、案外きれいな表紙が出てきました。ただし巻末付近にノド割れがあり、数葉綴じから外れています。先生にゆかりの深いタイトルではあります。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2018年11月27日

成功はしたものの

先週の明治古典会で、高橋先生の口をカーゴ1台ほど買いました。といっても日本書が2点、洋書が4点、都合6点に過ぎません。つまり1点の量が多い本口(1束を1本と呼び、それが複数まとめられた口)ばかりです。

もっとも先生の口は、ほとんどが本口に仕分けられ、カーゴ30台の出品点数合計が150点ほどでしたから、6点でカーゴ1台というのは平均的なところだといえます。

そのうちの洋書4点、カーゴにして2/3台分を、今日の洋書会に出品いたしました。そのまま店に持ち帰っても、処理に困るからです。店で持て余さないように、少しでも減量したいと思いました。

そこで、明古で買った4点を改めて9点に仕分け直し、封筒をつけて並べました。

その結果、9点のうち4点が売れ、4点は店主が買い引き、残る1点は札が入らずボー(取引不成立)となりました。売れた4点は、いずれも量の多い口でしたので、手元に残ったのは当初の1/3ほどの分量です。

RIMG3320作戦としては、申し分のない成功といえるでしょう。売れた分だけ、仕入れ原価が安くなりましたし、店で売りたい本は手元に残りました。良いことずくめではないか。

しかし一抹の寂しさはぬぐえません。第一、札が入ったということは、それ以上に売れる値打ちのある本だったということです。

実際には手間や労力を考えれば、儲けが出せるとは言い切れないのですが、それでも市場で売ってしまった本も、できれば自分の店で売りたかった。

欲ばかりではありません。そう思えるくらい、良い本が多かったのです。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2018年11月26日

飛ぶように売れる

つい一日二日前に手に取った本の、前書きだか後書きだかで「文芸エッセイ」という語句を目にしました。

それが何という本だったか、まるで思い出せないので、あやふやな記憶のままお話しするのですが、その「文芸エッセイ」というのは、出版社では売れないジャンルの代名詞なのだそうです。

著者は、自分の著書がその「文芸エッセイ」に属するもので、とても売れそうにない。そんな本を良く出してもらえたものだ――というような表現で、編集者に謝辞を述べていたのでした。

では売れる本とはどんなものか、と言って対比させていたのが、美容・健康本とお金儲け本。「こうしてダイエットに成功した」とか、「年収一億円稼ぐ方法」とかいった類のハウツー本だといいます。

実用書というのとは、少し違いそうです。この手の本が、実際に役に立つことはほとんどないでしょうから。

さてそんな折も折、あるお客様が、そうした本ばかり何冊かお持ち込みになりました。店主の目からはあまり評価がつけられませんが、比較的最近の出版ですので、幾ばくかの金額で買い取りました。

RIMG3308表の均一棚にでも並べて売るつもりでしたが、家人がAm*z*nで検索してみると、案外良い値段で売られてると言います。そこで家人に任せました。すると、出品して数時間のうちに、中の1冊が売れたのです。

それはまさに「一億円稼ぐ」ことを謳った本でした。販売価格は知れていますから、安く買ったとはいえ、儲けも知れたものです。しかし次に同じような本を売りに来られたら、今度はどう評価したらよいでしょうか。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)

2018年11月25日

記憶の食い違い

RIMG3309Googleマップのストリートビューで西早稲田の街並みを見て、まるで見知らぬ光景に驚いてしまいました。

家人が「二朗書房さんのことが書かれている」と教えてくれた堀江敏幸さんの文庫本『一階でも二階でもない夜 回送電車供(中公文庫)を読み、思わず懐かしくなってのことです。

「古書店は驢馬に乗って」と題された一文は、巻末の初出一覧によれば「東京人」2001年5月号掲載とあります。

「まだ早稲田に安部球場があったころ」「かならず立ち寄ることにしていたのは、鉄筋コンクリートに占拠されていく周囲にまどわされることなく、いまだ木造の店構えを守っている二朗書房だった」

その二朗さんに著者が「久しぶりに足を踏み入れた」時の話が、それに続くのですが、当時もまだ古いお店だったという書きぶり。それが店主の記憶と食い違っていました。

二朗さんはむしろ、あの辺りでは早くに建て替えたお店だった、というのが店主の記憶です。少なくとも2001年頃には、もう今の建物ではなかっただろうか。

それでストリートビューを覗いてみたのですが、周囲のあまりの変貌ぶりに呆気に取られてしまい、肝心の二朗さんの建物を見ても、記憶が蘇ってはきません。

しかし、もし店主の記憶通りだとしたら「とっくに誰かが指摘しているはず」という家人の言も一理あります。なにより現在の店主である功さんが、読んでいないわけはないですからね。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)

2018年11月24日

駒場祭の静けさ

今日は人通りも少なく、とても静かな休日。

昨日から明日までの3日間、駒場祭が催されています。なのでこの静けさ、小店にとってはごく当たり前の光景に過ぎません。キャンパスの騒がしさが嘘のように、町がひっそりするのが例年の習いです。

ところが昨日は、店も案外賑わったようでした。夜、店に戻ってレジを締めてみると、客数も売り上げも普段より良い数字。

RIMG3305あとから家人に聞いてみると、必ずしも駒場祭のお流れではなさそう。表を行き交うのは、むしろ休日を楽しむ家族やら、ご年配が目立った様子。

小店に入って来られたのは、多くが初めての方。そのため手荷物をテーブルに置いてくださいというアナウンスを、いつも以上に繰り返さざるをえなかったといいます。

打って変わって今日は、店に入ってこられるお客様の数が少なく、お声をかけた回数も知れたものでした。その代わり、お買い上げくださる率は高かった気がします。

ところで昨今、駒場に人を呼んでいるのは、駒場祭は別として、旧前田邸のようです。東京都生涯学習情報というサイトに、旧前田家本邸洋館は平成28年7月1日から休館していましたが、平成30年10月27日(土)から一般公開を再開しますとありました。

なるほどそれで先日も、朝店を開けていて、ご婦人からお尋ねを受けた訳です。ご贔屓のパン屋さんが、以前に増して混んでいて、売り切れが早いのは、そのせいもあるかも知れないと、家人がぼやいていました。

人通りと売り上げが比例するような商売が、いくらか羨ましくもあります。

konoinfo at 18:30|PermalinkComments(0)

2018年11月23日

祝日開催の明古

年に何度もあることではありませんが、金曜日が祝日と重なった場合、明治古典会はお休みするのがふつうです。

しかし今回は、先週の16日が東京古典会大市会のため、お休みでした。2週続けてのお休みは、会を売り買いの場として期待されている同業に、ご不便を強いることになります。有り体にいえば、せっかくの出品を、ほかの市会に回されてしまう恐れもあります。

というわけで踏み切った祝日開催ですが、思わぬ大量出品のおかげで、ふだん以上に賑やかな市会になりました。

さて今日になって「カーゴ30台」と同業向けFAXで報じられた一口物の旧蔵者は、すでに業界では周知の事実となりましたので、憚りなく申し上げますが、誰あろう高橋康也先生です。

今日まで処分されていなかったことが、まず驚きでした。しかし昨日も申し上げましたように、おそらく貴重な資料、珍しい書物は、すでに納まるべきところに納まっていると思われます。

洋書に関して言えば、出品されたのはご専門の英文学・演劇関係の研究書、評論書が大多数で、質の高さは間違いなくとも、いざ古書として見たとき、その保存状態からも、良い値がつけられるものではありませんでした。

一方で日本書は、特別な学術書というよりは一般向けの本が多く、筋の良さと、洋書より全般に保存状態が良かったこともあって、思った以上に札が入っておりました。

それでも掛かった労力や経費を考えると、処分を引き受けた業者にとって、決して割のいい仕事ではなかったと思いますが、先生の蔵書を古書の海に放つことに一役買えたことをもって、喜びとしているようでした。

konoinfo at 21:14|PermalinkComments(0)

2018年11月22日

英文学者旧蔵書

早晩明らかになることですので、今ここで実名をあげても差し支えないようなものですが、一応節度を保ってT先生と申し上げておきます。

東大名誉教授の英文学者で、10数年前に亡くなられた方。その蔵書がトラック2台、明治古典会に出品される、という情報が入ったのは今月初めのことでした。

KIMG0719それがT先生の蔵書だと店主が知ったのは、今日、市場でその荷を見た時です。前日仕分けのために幹事、経営員や若手会員まで動員されて、大量の本を平台の上に並べ終えたあたりで現場に入ったのですが、そこで誰かの口から先生の名を告げられました。

明日になれば、市場に来た業者はその名を容易に知ることになります。多くの献呈本に著者の署名とともに、献呈先の先生の名が記されているからです。

フロア全体に広げられた本をざっと眺めたところ、6割方が日本書。洋書は4割程度だったでしょうか。もっと洋書が多いかと思っていたのですが、それで幸いでした。見た限りの洋書には、さほど値になりそうなものがありません。

出来高に貢献してくれるのは、日本書、わけても署名本の類でしょう。名のある作家のものが、まとまってあったようです。詳しいご報告は明日にでもいたしましょう。そう、明日は祝日ですが、明治古典会は開催されます。

さて店主が今日市場に出かけたのは、仕分けの手伝いのためではありません。「日本の古本屋」事業部定例会議が午後2時から延々7時まで。その合間を縫ってわずかな時間、手伝いのまねごとをしただけです。

洋書の方が、そんな具合でしたので、いずれにせよ大した役には立てませんでした。貴重な本はすでに然るべく、お身内やお弟子さん方に引き取られていたのでしょう。

konoinfo at 20:29|PermalinkComments(0)

2018年11月21日

困りながら売る

tokyo半年以上も前に出た雑誌を話題にするなど、いかにも古本屋ですが、お客様から買い入れた中に、たまたまあった1冊。

『東京人』2018年4月号。特集「写真の力」とある表紙をめくると、見開きの目次頁に「古書店『日月堂』のコレクションを誌上公開!」――さっそく拝見いたしました。

日月堂の佐藤さんはメディアで取り上げられることの多い、いわゆる露出度の高い本屋さんの一人です。ご本人はいたって控えめな方なのですが、扱っているものとセンスが「絵になる」からでしょう。

この雑誌でも堂々12頁にわたって秘蔵の(でもないのかな)コレクションが掲載されておりました。

これを見ながら、とても自分には出来ない仕事だと感じつつ、ある一文を読んで、なぜ自分にできないかを豁然大悟いたしました。

とにかく面白くて飽きないので、売る気になれず困っています(笑)」という、ある写真帖に対する佐藤さんのコメントに答えがあります。

せっかく集めた貴重な資料も、手放さなければ、商売にはなりません。そこがコレクターと商売人の違うところで、手に入れることには熱心でも、それを手放す際には恬淡としている、いわばハンターのような資質が、この手の商いには向いていると思われます。

佐藤さんがそれだとは申しません。むしろ「自分が欲しい」を入札基準にされているような方ですから、ほとんどの在庫は本来「売る気になれ」ないもののはずです。しかし「売りたくない」を売ってこられたからこそ、いまに続いているわけです。

店主には、真似できそうもありません。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)
毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives