2019年03月

2019年03月31日

怪我の功名

初めての方のようですが、ホームページカタログから、9点のご注文をメールでいただきました。一昨日の夜に送信されていて、拝見したのは昨日の朝。

ところが、よりによって、そのうちの5点までが在庫切れ。何かの折に、誤って古いデータを再登録してしまったようです。ひたすらお詫びした上で、「4点は在庫しています」と、お返事を出しました。

RIMG3514すると、当初は公費購入をご希望されていたのですが、「それだけなら取りに伺って現金で支払いますので、明日以降でご都合の良い日をお知らせください」との返信が。

「なおその際、以下の本、在庫されていたら拝見したいのですが」と、文末に6点がリストされておりました。

幸い今回は、全点在庫あり。その旨をご回答し、店主が店にいる日と時間帯を、併せてお伝えいたしました。

すると今日のお昼前、「メールで注文したものです」と、早々にお客様がご来店。ご自宅から自転車で来られたとのことです。早速お取り置きしておいた本をご覧に入れたところ、すべてお買い上げくださいました。

小店のことは、都立駒場高校に通われるお嬢様から最近になって、「父さんが読むような本を売ってる本屋さんが駅の近くにあるよ」と教えられたのだとか。

早速ネットで調べ、カタログをご覧になって、ご注文くださったという次第。「いままで存じませんで」と詫びられるようにおっしゃいます。そもそもは小店のお詫びから始まったことでしたのに。

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2019年03月30日

ぶっつけ本番

東京で桜が満開になった——と発表されてから、昨日今日と寒い日が続いています。

せっかくドンピシャのタイミングで開催できた「神保町さくらみちフェスティバル」も、この寒さでは、人の出が悪いのではないでしょうか。

KIMG0931お天気に恵まれた年は花が終わってしまった後だったり、雨にたたられる年もあったりと、苦労続きの「春の古本まつり」。それでも頑張る同業に、心からエールを送ります。

さて今日は、東京のお天気よりも、鎌倉のお天気のほうが気になっておりました。というのも明治古典会の同僚が、もう15年以上も前に物故された高名な日本画家のお宅へ、蔵書の引き取りに出かけたからです。

別段、店主が気をもむ必要もないのですが、聞くところでは、この画家のお屋敷というのが、本を運び出すには、驚くほど不便な立地なのだそうです。

車を着けられるところから玄関までが相当な距離の上、舗装などされていない地道。本を積んだ台車などを押して移動ができるかどうか、下見をした当人によれば「微妙なところ」だと言います。

その動線の長さから、用心のため7名の同業にお手伝いを頼んだとか。車も運送屋さんのトラック1台のほか、自家用ワゴン車を2台。

ただし下見と言っても、車の置ける場所を確かめにいっただけ。肝心の蔵書については、事前に見ておらず、「書庫が2つ」と聞かされているだけらしい。つまり質も量も、まったく未知数。

無謀とも思える賭けに出たのは、百戦錬磨のベテラン業者の勘でしょう。ひとまず雨が降らなくて良かった。こうなれば、その手配が報われることを祈るばかりです。

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2019年03月29日

久々のフリ

この二週間ほど、出品点数が少なめだった明治古典会ですが、今日はその2回分を補うかのような大量の出品物で会場が埋まりました。

一見して、どこかの研究室整理と思しき口を始め、何件か大きな一口物が持ち込まれたようです。

昨日、TKI会議を終えて階段で降りてくると、4階ではまだ前日仕分けが続いていました。今朝、市場に着くと、今日になってさらに増えた出品物を並べるのに、経営員たちが苦心している最中でした。

3月は5回の金曜日がありましたが、今日が最後で特選市。実は今日から、「特選フリ市」が復活しております。

置き入札による、通常の形の市を終えたあと、会で選んだ百点ほどの商品を、オークション形式の競りにかけるというやり方。以前にもやっておりましたが、前年度から休止されていたものです。

KIMG0931それが復活したのは、本年の七夕古書大入札会で、再び「振り」を採用しようということになったから。運営側とともに、お客様にも慣れていただくための、いわば予行演習という意味合いがあります。

しばらくぶりということもあって、思ったより多くの同業が会場に残り、フリ位置に参加、もしくは見学していました。店主も最前列で、しっかり見学。

一番気になっていたのは、ある現代音楽家が、わが国の英文学者に宛てた数通の書簡です。

ひそかにセリに参加してみようかと考えておりましたが、あっという間に店主の予算を超えて競り上がっていき、パドルを挙げる暇さえありませんでした。

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2019年03月28日

3月のTKI定例会議

『日本の古本屋』では、出店業者を「古書店会員」と呼んでいます。これはかつて当サイトが、まず会員登録をしていただく仕組みとなっていたため、ご利用者を「一般会員」と呼び、それと区別するための呼称でした。

その「古書店会員」から、様々な意見、要望が組合事務局に届きます。それらを検討し、対応するのもTKIの重要な職務の一つです。

今日取り上げられた問題の一つは、海外発送に関する要望でした。その要望というのは「海外からの注文が入らないようにできないか」というもの。

少し説明が必要ですね。現在、出品店ごとに、海外注文を受けるか受けないかの選択ができるようになっています。ただし、それはあくまで表示に関してだけ。

受けたくない場合は管理画面で操作することにより、「海外発送」のアイコンが薄いグレー表示になります。まるきり消してしまうより、拒否の姿勢が鮮明になるという、これは一種のWEB文法らしい。

しかしそれだけのことで、システムとしてブロックする仕組みにはなっていません。ですからそうした文法をご存じないか、あるいは知っていても無視して注文すれば、その注文は店に届きます。

海外発送が嫌なら、その時点でお断りすればよいだけのことのように思いますが、この方、気付かずにうっかり国内送料で決済してしまわれたようです。

その後どうされたかまでは聞いていませんが、おそらく送料差額分を自己負担で送られたのでしょう。そこで、そもそもシステムが不備だからだ、というわけで、こちらに矛先が向かったわけです。

KIMG0944実を申せば店主にも、過去に似たような経験はあります(小店の場合は、海外発送を承っていますが)。しかしだからと言ってシステムでブロックできるようにするには、結構大きな改修が必要だとのこと。

そこでとりあえず、外国からの注文にはアラートを出すことにしたらどうかという提案が出て、その実現性を探ることになりました。

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2019年03月27日

良品入荷しましたが

月曜日に宅買いした本。ついに置き場に困って、裏の休憩スペースをつぶし、積み上げました。

一時的な措置のつもりですが、これが長期化し、果ては恒久化するのではないかという一抹の危惧もあります。せいぜい頑張って整理するしかありません。

1週間ほど前にお電話がありました。「ちくま学芸文庫や岩波文庫が200冊くらい、みすず書房や法政大学出版局などの本がやはり同じくらいあるのですが、引き取りに来ていただけますか?」というもの。

RIMG3503文庫については喉から手が出るほど。単行本も話半分だとしても、充分魅力的です。量もその程度なら、小店の車で引き取り可能。場所をお伺いすると、車で30分ほどのところでした。

当日お訪ねすると、3階建てマンションの2階。エレベーターがあって、まずは一安心。お部屋へ入るとすでに引っ越しを終えられたのか、中は空っぽ。

それで一層広く見えるリヴィングとは別に1室あって、本はその床に平積みされていました。

一目見て、お話されていたより、ずっと量が多いことが分かりました。段ボール箱を12箱用意していったのですが、詰めてみると案の定、まだ結構残っています。持参したビニール紐で10本ほども縛りました。

どうにかこうにか小店の小さな車に詰め込んで、店まで戻り、さてどうするかと思案の結果、冒頭申し上げたような状態になったという次第です。

近来稀な、嬉しい買い物でしたが、しばらくは裏でゆっくり休憩することもできません。

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2019年03月26日

卒業シーズン

昨日は午前中、車満載の宅買い。午後からは駒場キャンパスの研究室へ、引き取り品の下見。今日はお昼から洋書会で、終了後総会。店に戻ったのは午後5時半。

RIMG3505なんだかだとバタバタして慌ただしく、ようやく帳場に座ってレジを見ると、まだ今朝から3件しか売り上げ記録がありません。そういえば昨日も、かなり淋しい売り上げでした。

お昼に同業と食事に入った店も、いつもは結構混んでいるのですが、今日は午後1時過ぎというのに我々2人だけでした。途中でようやくもう一組、入っては来られましたが。

しかしそれと、小店に閑古鳥が鳴いているのとは、もちろんまったく関係ないこと。小店の場合は、大学の卒業式が影響しているのかもしれません。

だからと言って、ふだんお寄りいただくお客様方が、すべて大学関係者ということはないはずです。むしろ関係者以外が、数の上ではずっと多いことは確か。

いや、本当にそうだろうか?――と考え込んでしまうほどの人気のなさです。こうなると宗旨替えして、やはり一刻も早く、公務員住宅の跡地利用を決定していただくことを願うしかないでしょうか。

お昼、神保町駅から会館へ向かう道は、いつも以上に賑わっていました。明治大学でも卒業式らしく、盛装を凝らした袴姿の女学生さんが、大勢歩いておられました。気づけば周りはほとんどがスーツ姿の男子学生たち。

神田の古書店街も、今日は暇だったのかしらん。

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2019年03月25日

解説から読む

定説、通説とされていることに真っ向から挑み、驚くべき真相を明らかにする――というのは、一つ間違えばトンデモ本の仲間に括られてしまいそうです。

おそらく以前に単行本版を入荷した時、店主はそのタイトル(副題:贋作に隠された自殺の真相)からそんな感じを受けて、良く確かめもせず、ただ棚に挿しておいたのだろうと思います。

gogh今回『完全版 ゴッホの遺言』を手にした時、最初はそのことすら忘れておりました。初めて見る本だと思い、ゴッホを語る以上は、木下先輩の著作が挙げられていなければと、何の気なしに参考文献に目を通したのです。

すると3つの書名が挙がっていたばかりか、続く「解説」に「木下長宏」の名があるではありませんか。驚いてまず、それを読みました。そして、先輩に薦められるような恰好で、冒頭から読み始めました。

なにしろ2000年の「日本推理作家協会賞」を受賞した作品だということです。謎解きの面白さに、つい引き込まれて、店主にしては記録的な短時日で読み終えました。

そしてもう一度解説を読み、的確に内容を紹介しながら、ネタばらしになっていないことに、改めて感心するとともに、この本が「一つの美術研究の報告書」として「美術史研究賞」にこそ相応しいという先輩の意見に、強く同感しました。

ところで本の内容とは関係ありませんが、とても気になったことがあります。文中に頻繁に引用される『ファン・ゴッホ書簡全集』で、テオがゴッホに宛てた手紙に「きみ」という二人称が、訳語として用いられていることです。

あの浩瀚な書簡全集に目を通したことはありませんが、そのあたりの訳者弁明は掲載されているのでしょうか。途中から頭の中で「兄さん」と置き換えて読むようにして、座りが良くなりました。

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2019年03月24日

静かな町

お出かけ日和の休日とあって、店の前もふだんより人だかりがしています。

しかしドアが閉めてあることもあって、中を覗き込むようにしたあと、自動ドアのガラスに貼られた〈バッグ類はレジ横の台に置いてご覧ください〉を目にして、怯んだように戻っていかれる方も多いようです。

お散歩のついでに立ち寄られるご家族連れは、たいがい表のジャンクおもちゃを見るだけで、しばらくすると姿が見えなくなります。

お昼からは開け放しておいても良いような陽気になってきましたが、閉めておくのは家人の花粉症対策です。

貼り紙に怯まれる方もおられる一方、まるで気がつかず、大きな荷物を提げて奥へ進まれる方もおられます。声をおかけする回数も、いつも以上でした。

一時、荷物の置き場が一杯になるほど店内が混みあいました。どうやらアゴラ劇場からのお帰りのお客様方だったようです。わざわざ足を延ばしていただいたのでしょうか。

人だかりがしたと言い、混みあったと言っても、どちらもその一瞬だけのことで、それが過ぎればまた静かな時間が流れます。

RIMG3501今日あたり、渋谷の混雑は相当なものでしょう。平日より、土日の方が売り上げを期待できるようになってきた小店ですが、相変わらず閑静な地であることに変わりはありません。

駅前一等地の旧公務員宿舎は、もう何年も空き家状態で、広大な土地が放置されたまま。何か気の利いた施設でもできて、一気に町が活性化する――というのが地元商店街の望みとするところでしょうが、店主としては静かな駒場も捨てがたい気がいたします。

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2019年03月23日

お断りした話

RIMG3504一昨日、男女二人連れで入ってこられたお客様、店内をしばらくご覧になったあと、男性の方が「カウンターテーブルなどに置く本を探しているのですが」とおっしゃいます。

店主の聞き違いだったかもしれません。いずれにせよ、飾り本をお探しのようです。「こちらの店を紹介してくださる方がいまして」と、ご来店の経緯をお話になりました。

そこで詳しくご要望をお尋ねしたところ、小口(ハラ)を見せて積み上げる本を、30cm×4。立てて背を見せたり、あるいはヒラを見せたりする、大判のビジュアル系の本を10冊ばかり。

納める先は、とあるホテルだそうで、見せていただいた図面によるとテーブルではなく、大きな格子状の飾り棚に、それぞれを配置したイメージが描かれています。

「インバウンドのお客様も多いので、内容もあまり的外れなものでは」と、これはビジュアル本の話。

積み上げる本は何でも良さそうなものですが、シックな色のハードカバーが望ましいらしい。均一に出しているソフトカバーを何冊かまとめて、「こんな感じでは?」とご覧に入れたのですが、いま一つ反応が良くありません。

さらに納期をうかがうと「今週中(つまり3日以内)にお願いできれば」。店主が目をむくと「最長月曜日でも。揃った時点で、まず画像を送っていただければ、クライアントさんに見てもらいます」。

昨日、明古の最中にメールが入り「ビジュアル本は、できれば船や海に関係したものをおねがいします」。

これを見るに及び、「とても納期までに、ご納得いただけるクオリティのものを揃える自信がありません」と、ご辞退のメールを出しました。もちろん「ご予算内では」という蛇足は省いて。

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2019年03月22日

出品の結末

K先生の研究室蔵書を、今日の明治古典会に出品いたしました。書類用の、つまりやや大きめの段ボール63箱。

仕分けは経営員任せ。本来は一緒に作業すべきところですが、下手な手出し、口出しをするより、お任せしたほうがスムーズに行くと考えました。

そもそも先生が、箱ごとに内容を示すラベルを貼ってくださっていましたので、さほど苦労せず仕分けできるだろうと思われましたし。

RIMG3500他の仕分けの口が前日までに済んでいて、今朝は比較的、経営員の手が空いていたという好都合もありました。結局、最初から最後まで、丸投げしたことになります。

その代わり仕分けられた本は、丹念に見て回りました。そして、自分でも積極的に札を入れたつもりです。しかし日本書は、ほとんど買えませんでした。一方の洋書は、おそらく入れたらほとんど落ちてきたことでしょう。

つまり正直に申しますと、積極的に札を入れたのは日本書だけ。洋書に対しては腰が引けておりました。大きくて重い本ばかりだったからです。

そんなわけで、建築専門店が札を入れるには入れてくれたのですが、大部分が無競争入札となり、最低価格に近い落札値。量にすれば3割程度の日本書が、出来高の7割近くを占める結果となりました。

さてこの結果を、先生にご連絡しなければなりません。達観はされておられるでしょうが、それでも淋しい思いは持たれるかもしれません。

しかし淋しい思いなら、むしろ本屋にこそ強いのです。

konoinfo at 21:59|PermalinkComments(0)
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