2019年04月

2019年04月30日

休日の過ごし方

フランスの方だろうというのは後になって分かったことですが、まだ午後の休憩に入る前、つまり3時より15分ばかり前のこと、若い外国人男性が店に入ってこられて、リュックを台の上に置きました。

親し気に挨拶されて、すぐ外に向かいます。そこで表のサービス台をじっくり見てまわること約30分。その間に店主はお茶を済ませ、帳場に戻っておりました。

やがて男性、再び店内に入ってこられ、入り口右側の棚を端から順に、時間をかけてご覧になります。

そこで30分ほど過ごされた後、こんどは左手に並ぶ棚を、やはり丁寧に一列ずつ目で追い、時おり抜き出しては中を確かめ——そんな風にして、また30分以上お過ごしになったようです。

それからおもむろに、こちらから3冊、あちらから4冊、最後にもう一度表に出られて3冊ばかりを取りまとめ「決まりました!」と、帳場にお持ちになりました。

それがすべてフランス語の書籍。いわゆる現代思想関係のものが中心です。よく吟味されただけあって、全部で7千円弱のお買い物。ご来客の少ない休日としては、ありがたい売上です。

お会計を済ませ、紙袋に入れた本をお渡しすると、それを覗き込みながら「また2か月、いや3か月かな?したらまた来ます」そんな風に、達者な日本語でおっしゃって、お帰りになりました。

RIMG3583連休の一日を、本を探しに出かける。そんなお出かけ先として小店を選んでいただいたのだとしたら、大変光栄なことです。

それに応えられるだけの品揃えをしなければと、殊勝にも思ったりしたのでした。

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2019年04月29日

おススメ本

「おススメはありますか?」というお尋ねを受けることが、たまにあります。ほとんどは初めてご来店の方か、そうでなくとも初めて言葉を交わすような方です。

RIMG3582古本屋で、こうした質問に答えることができるとしたら、お相手がよほどお馴染みさんの場合に限られます。しかしお馴染みとなった方が、そういう質問をされることはまずありません。

もしされるとしたら「何か入りましたか?」でしょうが、これだって慎み深いご常連は、あまり口にされません。したがって、おススメは?に対して、まともにお返事できたことは、店主の場合、過去に一度もないと言えます。

おススメしたい本がないわけではありません。今日も、表のサービス棚から The Lord of the Rings ハードカバー3巻本が売れました。これなんかまさに「おススメ」できる本の類でしょうが、誰にでもというわけにはまいりません。

ちなみにお買い上げくださったのは、日本語の達者な外国の方。時おりご来店になり、小店には少ない読み物系をお探しの方ですので、もし彼が冒頭の質問をされたら、おススメできたかもしれません。しかしおススメするまでもなく、目ざとく見つけてお買い上げくださいました。

昨夜のETVで1万円選書の本屋さんが紹介されていました。以前新聞でも読んだことがあります。お客様から色々な質問に回答をもらって、それをもとにおススメ本を1万円分揃えて送るというものです。

古本屋にはハナから無理なことではありますが、新刊屋さんだからと言って誰にでもできることではないでしょう。

しかし店主がおどろくのは、まるで薬を処方するかのようなその本屋さんに対してではなく、それをお願いする人が数多くおられるという事実に対してです。本は、そんなにおススメして欲しいものなのでしょうか。

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2019年04月28日

落ち葉の掃除

毎朝お天気さえ良ければ、朝食を済ませてから出かけるまでの間に、家の前の歩道を竹ぼうきで掃くのを日課にしています。

冬から春先までは、ときおりツバキの花が落ちているくらいで、あまり掃くものもなく手間がかかりません。梅の花が散る時期だけは別ですが、それも一瞬のこと。

KIMG0598しかし今ごろから、ぼつぼつ泰山木が葉を落としはじめます。年中葉を茂らせている常緑樹ですが、その生え変わりの時期がこれからなのでしょう。そろそろ蕾もついてきて、間もなく巨大な花が咲くはずです。

なにしろ大きな葉ですので、落葉が盛んになると掃くのも大変。塵取りがすぐ一杯になり、何度もゴミバケツまで往復することになります。まだその時期までには少しばかり間がありそうですが。

いくら大変でも、落ち葉、とりわけわが家の木からの落ち葉は、掃いていて苦になりません。むしろ義務でもあるわけですから。

しかし癪に障るのは人が落としていった、もっと正確に言えば捨てていったものを目にする時です。

さして乗降客のいない、小さなバス停が我が家のガレージ前にあるため、その利用者と思われるのですが、同じたばこの吸い殻がしばしば落ちています。さらに面妖なのは、マスクです。

去年の春、毎朝のように、白いマスクが我が家の門前に捨てられていたことがありました。腹に据えかねてガードレールのポールに引っ掛けておいたところ、それが7つ8つ溜まったあたりから、増えなくなりました。

と思っていたら、先日また新たに1つ。またポールに引っ掛けてあります。

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2019年04月27日

時間短縮のお知らせ

世間は10連休に突入いたしました。

古書組合の職員さんたちは、原則暦通りですから、今日から長いお休みに入ったはず。何人かの職員さんに「どこか行くの?」と尋ねてみたのですが、とくに予定はなさそうでした。あっても言いにくかっただけかもしれませんが。

ただし今日はまだ会館は開いていました。地下の即売展が開催中でしたし、昨日までの買い上げ品の引き取りなどがありました。だから担当の職員さんは出勤。

さらに連休が明けるのを待ちきれず、5月6日の月曜日は中央市会が開催されます。ですから丸々は休めない職員さんもいるわけです。

RIMG3581さて小店は、かねてお知らせのとおり連休中も毎日営業いたします。しかしこれも重ねてのご注意となりますが、土日祝日は午後6時閉店。どうぞお間違いなきように。

そしてもう一つ重要なお知らせがあります。この連休を機に、小店の営業時間を変更いたします。平日の閉店時間を午後7時とさせていただくことにしました。

いろいろ悩んだ末の決定です。この時間帯にお越しいただくご常連さんのお顔が浮かび、心が痛みます。お名前も連絡先も存じ上げない方々には、予告なしの変更となってしまうわけですが、お許しを願うばかりです。

健康面のプラスと、営業面のマイナスと、どちらにどんな影響が出るか、やってみなければ分かりません。それによっては、また変わることだってあるかも知れませんが。

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2019年04月26日

平成最後の

大型連休前ということも確かに関係したでしょう、最近では珍しいほどの出品点数、出品量。4階会場などは、普段使わない壁面にも本が積み上げられました。

RIMG3571一点ものが中心の3階会場も、月末の特選市ですので、緋毛氈を敷いた最終台がいつもの2倍。そこにも多数の良品が並び、その皺寄せで残りの台は一層混雑しておりました。

本日のスケジュールは入札会終了後にフリ市、それが終わってから明治古典会総会。そのあと、これも恒例となった月末懇話会。今朝の出品量を見たときは、はたして予定通り終えることができるか不安になるほどでした。

しかし思いのほか順調に開札が進み、フリの最終品が登場したのは5時20分頃。最後の最後で今日一番の落札額まで競り上がり、拍手のうちに平成最後の市場が終わりました。

ちなみに商品は棟方志功の版画。このところアニメ原画などの勢いに席巻されていた感がありましたので、久々王道が返り咲いた気がいたしました。といっても、本ではなく美術品なのですが。

市会後の総会では、来る七夕大入札会にむけての進行状況を確認。次期幹事体制の報告も受けて、いよいよ現幹事会もホームストレッチに入った気分です。

今日の懇話会は、いつもの古書会館8階ではなく、すずらん通りのビストロリベルテ。時間で予約してあった会場ですから、何時に市場を出られるか気を揉んだわけでしたが、半数は予約時間までに着席。後片付けの経営員たちも間もなく合流して、飲み放題の2時間を過ごしました。

懇話会を終えて帰路につくと、町も電車も普段の週末より空いています。これはちょっと意外でした。もっと平成最後の飲み会に繰り出しているものと思っていましたから。あるいは時間が早すぎたのでしょうか。

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2019年04月25日

3件のご注文

お茶の休憩を終えてパソコンを見ると、立て続けに3件「日本の古本屋」から受注メールが入っております。管理画面を開いて注文書籍を確かめました。

するとまず1点、店の棚に並んでいるはずの本が、見つかりません。登録したのは半年ほど前。店頭で売れて、その伝票をどこかに紛らせてしまい、売り切れ処理ができなかったのでしょうか。

次の1点は、これは間違いなく在庫があります。あるもなにも、つい一時間ほど前に裏の棚に納めたばかり。ようやくスペースを作って押し込んだ40冊ほどのなかの1冊です。

それにともなって「準備中」から「販売中」に、ステータスを変えたところ。つまりネットで公開してまだ1時間と経っておりません。

それだけなら、たまにあることですが、ご注文をいただいたのが同業からでした。新刊のある本です。良い状態なので、定価の3割引き程度につけてありました。送料を入れて2割引きというところ。それが、想定外のお値引き対応となりました。

さて3点目は2800円の洋書。すぐ見つけ出して本を手に取ると、値札は4800円となっております。値下げした記憶はありません。どうやら入力時にミスがあったようです。

これには、しばし考えこまされました。これが通常のご注文なら、あるいは涙を呑んでそのままお売りしたかもしれません。しかし「財源は大学の公費で、支払いは6月か7月末になります」とのこと。

KIMG0992外国のサイトを調べても値崩れした様子はなく、送料を入れれば8000円以下で手に入れることは難しい本です。恥を忍んで、正直に入力ミスだとお詫びし、いったんキャンセルとさせていただきました。

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2019年04月24日

人騒がせ

お昼ごろ、にわかに店の前が騒がしくなりました。「近くで火事らしい」と家人。

確かに先程から消防車のサイレンが聞こえてはおりましたが、それほど近くの気はしませんでした。しかしやがて店の前を、数名の消防隊員が歩いていきます。

それに続いて、折畳まれたホースを積んだ手押し車が1台、2台。その後ろには延々と、平たいままのホースが延びております。

RIMG3579表に出て様子を見ていると、小店の前を行き過ぎ、斜向かいの畳屋さんと、その先のマンションとの間を奥に向かって入っていくのですが、そこは通路ではなく行き止まりのはず。

どうやら火元は、お向かいの裏手にあたる家らしく、当然向こう側にも道があるのですが、消火栓と消防車を止められる場所の関係で、こちら側からホースを回すことになったようです。

しかし結局、延ばされたホースに水が通ることはなく、しばらくすると今度はそれを端から畳み始めました。何人もの隊員さんがトランシーバーで連絡を取り合いながら、店の前を行ったり来たりしていましたが、やがて潮が引くようにその姿が見えなくなりました。

ご近所の方の情報によれば、庭で何やら煮炊きをしていた煙が、騒ぎの元だとか。今回は笑い話で済みましたが、もう少し時間がずれていたら、組合ルート便や、郵便局の集荷の車が入ってこられず、小店の業務にも支障をきたすところでした。

それよりなにより、火事騒ぎがあるたびに、この界隈の道の狭さに不安を抱かされます。

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2019年04月23日

手間賃を出す

一年に何度もないような気持ちの良い天気。

洋書会で仕分けを終えてお昼時、仲間と外に出ると、爽やかな風に誘われるようにして、ついいつもより足を伸ばしておりました。

駿河台道灌道をぶらぶらと本郷通まで歩き、信号を渡ったところにあるレストラン「1899」。ホテル龍名館の1階部分に設けられた「抹茶料理」が売り物のお店で、和食を洋風にアレンジした健康志向。

手前側の敷地はオープンカフェになっており、店内の椅子テーブルの配置もゆったり。時間が午後2時近かったこともあり、いっそう広々とした感じがいたしました。

肝心の食事ですが、健康志向。店主はまあ満足いたしました。食後の飲み物が別料金になっているため、いつもよりやや割高にはなったのですが。

RIMG3578さて洋書会です。先日金曜日に落札した英文学、聖書関係の一口。これを仕分け直して出品したのです。

落札した時は、宝の山を手に入れたような気分でおりましたが、いざ仕分けてみると、さすがにそれほど甘くはありません。

大きな揃い物に欠本があったり、本の状態が思いのほかよくなかったりで、思ったほどの点数に仕分けることができませんでした。

それでも自店で処理できる程度の量をあらためて手に入れ、残りの分は他店に買上げてもらって、差し引きいくらかの手間賃になったのですから、それ以上欲張っては罰が当たるというものです。

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2019年04月22日

今日は平日

夕暮れ時、ふと店じまいを始めそうになりました。よくよく思い返してみれば、今日は月曜日、平日です。なんだか休日のような気分がしたのは、今しがたのお客様のせいかもしれません。

RIMG3565ジョギングでもされているような軽装で、両耳にイヤホン、手には発泡酒の缶。赤い顔をして店内に入ってこられ、イヤホンを外して「法律書はどこ?」とお尋ね。

「置いておりません」と答えると「なんで?じゃ、マイケル・ジャクソンの本はある?」「ありません」

するとイヤホンをつけ直して洋書の棚の前に行き、ステップしながら本をご覧になり始めます。「飲み物はご遠慮下さい」と言っても反応がないので、近くまで行って繰り返しますと、素直に表の地べたに置きましたが、誰かが蹴飛ばすと困るので、店主が机の上に置き直しました。

次のお尋ねは「ビートルズの本は?」。ちょうど立っておられるすぐわきに、15、6冊の洋書が並んでいますので、それをご案内すると「たったこれだけ?しょぼくない?」。それでも500円の本を1冊お買い上げくださいました。

「前にこの店に来たことがあるんだ」「いつ頃?」「30年前」「おいくつ?」「50歳だよ。昔、池ノ上に住んでたんだから」「30年前はここじゃなかったですよ」「え、どこにあった?古本屋があったことは覚えているけど」

代官山まで歩いていくにはどう行けばいいのか、というご質問に、とりあえず淡島通りに出るまでの道順をお教えすると、そちらへ向かわれました。「お忘れ物ですよ」と、お渡しした缶を手にされて。

それですっかり休日気分が、うつってしまったのでした。

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2019年04月21日

査定をする

朝、来がけに選挙。最近は期日前投票が増えていると聞きますが、店主のところでは、当日、投票所に赴くのが一番便利です。

というわけで今回も一家揃って、朝のうちに投票を済ませました。店主の連敗記録は、おそらく今回また更新されるはずですが。

今朝は一件、宅買いの下見がありました。知り合いの道具屋さんが持ってきたお話しで、数日前LINEで本棚の写真が送られてきました。

RIMG3548暗くてよく見えなかったのですが、なかなか面白そうな本が写っています。「とりあえず預かってきたら?」と返事したところ、まず量が結構多いこと、そしてなにより先様が査定額を知りたいらしく、それで連絡をしたというのです。

そこで日を決めて一緒に伺うことにして、今日がその日だったのでした。

決してお屋敷ではありません、普通のお宅でしたが、本棚に囲まれた部屋が二つほど。中にはガラス戸のついた棚もあり、限定本や詩集、初版本らしき本が納まっています。かなり熱心な蒐集家であったことが窺えました。

持ち主はすでに他界され、ご遺族が骨董品などの遺品整理のために道具屋さんを呼んだようです。遺産相続の手続きがあるため、まずは評価額を出してほしいとのこと。

ざっと見て回ると、保存状態も良く、大切にされていたことは分かりましたが、とびぬけて高価なものや、いわゆる「化けそう」なものは見つかりませんでした。

ですからおよその相場は見当がつきます。あとは諸経費と取り分をどう見積もるか。道具屋さんにそのあたりをお伝えしました。うまく話がまとまれば、小店にもいくらかのおこぼれはありそうです。

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