2019年07月

2019年07月31日

高い珈琲の店

昨日、お客様が持ち込まれた本の中に、久しぶりの再会となった1冊がありました。

それが『偲ぶ 茜屋珈琲店主人』(茜屋珈琲店、1989年第1刷)。本書は1990年に刊行された第2刷です。

akaneya調べてみると、前回入手したのは2010年2月のことで、すぐネットにあげておいたところ、その年の10月に売れたという記録が残っておりました。

よく記憶しているのは、同じ「茜屋珈琲店」という店が、店主の住まい近くにあったからです。Googleで検索して分かったのですが、深沢にその店が出来たのは1980年。そして閉店が2009年のことだったとか。

独特の木彫り看板から、軽井沢の店と関りがあると思い込んでいましたが、今回、手に入った本を開き、巻末にある「茜屋珈琲店の歩み」という略年譜を見ているうち、ふと疑問が生じました。

昭和41年から平成元年まで記述されている中に、深沢店のことは出て来ないのです。あるいは、まるで無関係だったのだろうかと。

しかしその疑問を晴らしてくれたのも、Googleで見つかったいくつかの記事でした。確かに軽井沢の茜屋珈琲店と、繋がりのあるお店であったと分かりました。

さてあらためて本書を拾い読みしてみました。前半が追悼文集、後半は茜屋主人が限定出版した『珈琲九百九拾五圓』の再録、という構成です。なるほど個性的、というか、いかにも癖の強い人であったようです。

店主がこの店を知ったのは、まだ大阪で勤めていた頃、永六輔さんが、何かに書いた紹介記事を読んでだった――と思い出していたら、それに関する一文も見つかりました。

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2019年07月30日

入れないお店

今年早々に閉店した駅前のつけ麵店のあとに、ようやく新しい店ができるようです。

まだいつオープンするとも知れないのですが、内装工事が始まっていて、表にチラシのような紙が貼ってあります。

「知るカフェ」——初め見ただけでは何のことかわからなかったのですが、パソコンで調べてみて、どうやら分かってきました。

Google検索によると
知るカフェとは、学生同士や学生と企業が顔の見える距離で本音を交わし合い、お互いを「知る」ための大学生・大学院生限定のカフェです。

さらにTwitterでは
とうとう東大駒場キャンパス近くに知るカフェがOPEN🌸 大学生・院生向け🌱 ドリンク無料☕️ Wi-Fi&コンセント完備⚡️ 駒場東大前駅から徒歩1分! 交流会で気軽に企業の方とお話もできます☀️ 11:00〜20:30[L.O.20:00]

つまり東大など、特定大学の学生・院生に無料で利用できるスペースを提供し、スポンサー企業のリクルートに役立てるというのが目的らしい。つまりスポンサー提供の無料休憩所(飲み物付き)、ということです。


RIMG3868なかなかよく考えたものだという気もしますが、昔から「ただより高いものはない」という言葉もあります。ご用心を。

こんな事をいうと、疎外されたものの僻みのように聞こえるかもしれません。確かに、自分たちに関係のない設備ができると聞いて、良い気分がしないことは確かです。

考えてみればお隣のマックにだって、一度も入ったことがないのですから同じことのようですが、入れるが入らないというのと、初めから入れないのとでは、ずいぶん受ける感じが違うものですね。

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2019年07月29日

くっついてる本

まだ学部生かと思われる若い男女が、店に入ってこられました。二人それぞれリュックをテーブルに置き、女性の方は店主に笑顔で会釈し、棚の方へ向かいました。

しばらくすると女性は思想系洋書の棚に向かい、1冊のフランス書を抜き出すと、開こうとして「この本どうなってるの?くっついてる」と男性に尋ねました。

男性の方は小さな声で、それはそういう作りで、読む人がページを切っていくものらしい、と答えていました。

RIMG3875しかしどうやらフランス語がより読めるのは女性の方らしく、別の本を手にして「このnrfは読みやすく組まれているので評判が良い」というようなことを、男性に語っておられました。

聞き耳を立てていたわけではありませんが、書物に関するその二つの知識の隔たりに、少し不思議な感じを抱かされたのでした。

ここで取り上げたかったのは、その「くっついている」本の問題。フランス語では一般にnon coupeと表記されますが、これを英語に訳すとuncut, unopenなどとなります。

しかしアンカットというのは「小口が裁断されていない」ことであり、必ずしも「くっついてる」とは限りません。そこで、この状態を日本語でどう表したらよいか、いつも悩まされるのです。

一番似通った言葉としては「未開封」がありますが、英語でunopenedという場合とは異なり、抵抗を感じるのは、そこに「封」という文字が含まれているからでしょうか。

「ページが切られていません」などと長たらしく説明するのも野暮。そこで現状はやむなくunopened, non coupeなどと、そのまま記載しております。

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2019年07月28日

支部総会日和

RIMG3868午後1時過ぎに店を出て、JR五反田駅で下車。炎天の下、南部地区会館まで歩き、午後2時からの支部総会に出席。

淡々と議事は進み、午後3時15分閉会。再び暑熱の中へ出て駅まで歩き、店に戻ったのが午後4時前。

今日の総会に際しては、現支部長から2度、念押しを受けています。1度目は、確か6月の南部地区大市会の時、口頭で「河野さん、総会出席してもらえますか?」。

2度目は今月の合同役員会があった夜、「河野さんには理事としてぜひご出席ねがいたくメールします」。

もちろんどちらの時もイエスとお答えしたのですが、開催側の不安は良く分かります。特に役員改選のない年の総会は出席者が少なく、一つ間違うと総会が成立しない恐れさえあるからです。

さすがに近頃は委任状の集め方も洗練されてきておりますので、滅多なことでは不成立となるようなことはないでしょうが、過去には「あわや」ということもありました。

もっともそれは支部総会ではありません、本部総会でのことです。支部は総数が少ないため、成立要件である過半数の出席(委任状含む)を満たすのが、多少は楽。とはいえ当事者にとっては、気の揉めることに違いはありません。

ともあれ支部総会は無事に成立し、終了しました。

次に控えているのは8月末の本部総会。こちらは小店主も当事者の一員です。求められた理事としての報告を簡略に済ませたあと、出席者の皆さんに、ぜひ本部総会へもご出席をと、お願いしたのでした。

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2019年07月27日

「届出ができる」

古物営業法の一部を改正する法律(平成30年法律第21号)附則第2条第1項の規定により主たる営業所又は古物市場その他の営業所又は古物市場の届出をします。

そんな文言が記された「主たる営業所等届出書」をWEBからダウンロードして、記入例を確認しながら必要事項を記載し、今日こそ目黒署に行って届出を済ませようと、意を決して電話を入れたのは木曜日のことでした。

RIMG3863この法律が一部施行されたのは昨年10月ですが、全面施行となる来年4月までに、法律に従って届出を出すことが全ての古物商に義務づけられています。しかし義務などという言葉は使われません。

警視庁のHPによれば、あくまで「届出を行うことができることとなり」「上記の届出をした古物商等は、新法施行の際、現に許可を受けているものは、新法許可を受けているものとみなされ」るだけなのです。

もう少し分かりやすく、別のところに目立つ色で「すでに許可を受けている古物商等が届出期限内に主たる営業所等の届出をせずに、改正法の全面施行日後に古物営業を行った場合は「無許可営業」となりますので注意してください」とも書かれていました。

改正法の趣旨に異を唱えるつもりは毛頭ありませんが、この独特の言い回しには、どうしても馴染めません。

ともあれ1年半の猶予期間のすでに半ばも過ぎ、うかうかしていると出し遅れてしまう懸念もあります。そこで一念発起したのが木曜日だったわけですが、前もって電話を入れてみて正解でした。

「古物担当は30日にならないと来ません」その一言で決意は空しく頓挫。他日を期すことになったのです。

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2019年07月26日

7階に缶詰め

朝の10時半に古書会館に着いてから、夜8時に退館するまで、一歩も外へ出ることがありませんでした。

もう少し正確に申しますと、その9時間半の間に7階以外のフロアに行ったのは、数回を併せても10分となかったでしょう。つまり一日、古書会館7階で過ごしたわけです。

RIMG3866ですから肝心の明治古典会も4階3階の会場を、文字通り一回りしただけ。月末特選市で、フリに面白いものが出ているという噂だけ聞きましたが、それが何かを確認する時間もありませんでした。

では何をしていたかというと、七夕大入札会の精算業務です。市会で売った人買った人、それぞれに計算書を送ったのが2週間前。買いが多かった人はその支払い、売りが多かった人はその受け取りができる、今日がその清算日。

最近では、支払いも受け取りも銀行を通じてというケースが増えましたが、市場の窓口でという方も依然としていらっしゃる。通常市の売買清算は組合の窓口で行いますが、大市については各交換会がその業務を行います。

今年は店主も会計担当の一人として、一日その席に詰めていたのです。午後2時に窓口を締め切ったあと、事務処理に時間を要し、なんとか片付いたのは5時半過ぎ。お金を扱う仕事というのが、いかに神経を使うものであるかを実感しました。

その頃にはすでにフリ市も終わっていて、同じ階の別の部屋で、今度は明古定時総会および七夕の反省会です。升本のお弁当まで用意されていて、さらに2時間半。

そんなわけで今日は、いつものメンバーでの会食も、お預けとなったのでした。

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2019年07月25日

フーコーとカフカ

「日本の古本屋」をご覧になったお客様から、「店頭引き取りは可能か」というお尋ねがありました。

もちろん大歓迎です。某販売サイトとは違って、直取引に関して何のお咎めもありません。というのも売上歩合を納めているわけではないからです。

RIMG3867つまり店で売ろうが、ネットで売ろうが小店の実入りは同じ。それでも大歓迎なわけは、発送の手間が省けることもありますが、なにより店を知っていただけるから。また、ご来店のついでに、他の本もお買い上げいただけるかもしれません。

昨日のお客様もそうでした。しばらく店内をご覧になったあと、取り置いたフーコー『狂気の歴史』以外に1冊、お求めくださいました。

50代と思われる男性で、店に着かれたときは、かなり憮然としたご様子だったのです。「まるで迷路だった」とおっしゃって。どうやら東口からお出になったらしい。「永遠に着かないかと思った。カフカの『城』みたいに」

確かに東口へ出ると、知っていても3分以上かかってしまいます。東大側の階段を降りれば、まだ線路に沿って一回りするだけで済みますが、もう一つの階段を降りると、果たしてどこに連れていかれるかと不安になるような道。

それにしてもカフカが引き合いに出されるとは。

駅のホーム自体は、こじんまりした短いものです。それでつい、どちらから出ても大差ないように思われるかもしれませんが、それが大きな落とし穴。どうぞ皆さま、河野書店においでの際には、必ず西口(吉祥寺寄り)からお出になってください。

そうすれば改札を出て、30秒で小店に到着いたします。

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2019年07月24日

慰労とお別れ

昨夜は、洋書会の前期役員メンバー9名で慰労会。洋書会は会員を2班に分けて、1年ずつ交代で役員を務めています。ですから1年経てば、また役員を引き受けることになるのですが、まずはお疲れさまでしたということで、打ち上げの一席が設けられたわけです。

会場は日比谷、日生劇場地下にある「春秋ツギハギ」という創作和食の店。集合時間に10分ほど遅れて一人で駆け付けると、地下ながら天井も高く、落ち着いた雰囲気の店内の、少し奥まったところにある個室に案内されました。

tugihagiドアを開けると、すでに全員揃っています。前会長の挨拶をかわきりに、宴がスタート。乾杯のシャンパンのあとは、冷酒、赤ワイン、デザートが出る頃にカンパリソーダというのが、店主の注文した飲み物。

食べ物はメニューから転載すると、【前 菜】 つぶ貝と夏野菜のゼリー寄せ【凌 ぎ】 ツギハギ寿司【造 り】 お造り3種盛り合わせ【魚 介】 伊佐木のソティ 青トマトと明日葉のソース【預 鉢】 黒胡麻豆腐と海藻麺の冷やし鉢【主 菜】 ツギハギセレクト牛サーロインの炭火焼き【食 事】 真蛸と茗荷の鉄釜飯 味噌椀 香の物【食 後】 季節のデザート盛り合わせ

一年間のご褒美ということで、やや張り込んだ形になりましたが、この手の料理としては決して高い代金ではありません。それでいて味も水準以上だと、店主は感じました。

なにより貸し切り空間で、ゆっくり(3時間以上)過ごさせてもらえたのが、ありがたいことでした。その点まで含めると、充分リーズナブルだったといえるでしょう。

もうひとつ、この夜の席は、19年間洋書会に籍を置いた大島書店さんの、お別れ会でもありました。思いは残りますが、新しい生活が順風に恵まれることを祈ります。

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2019年07月23日

席を譲る

夜に酒席が予定されていたため、今朝はバスで店に行くことにしました。

バス通りまで来ると、ちょうど停留所からバスが出ていくところです。この時間は本数も多いですから、そのまま次を待つことにしました。

すぐうしろに列ができはじめましたが、それほど待たないうちに次のバスが来て、先頭で乗り込みました。

車内は立っている人もいましたが、優先席に一つだけ空きがありましたので、遠慮せず着席。1台遅れたことが幸いしたわけです。

ゆっくり本を読み始めると、やがて駒沢大学駅。大勢が降りて一旦は車内が空きましたが、同じくらい大勢が乗って来られました。

KIMG1109店主の両隣も空いたのですが、すぐまた埋まりました。そしてそのあと、杖をついた女性がやっ来られ店主の前に立ちました。店主より少しばかりは、お若いとお見受けしましたが。

両隣は、どちらもアラフォーの女性ですが、なんの反応もありません。思わず「変わりますか?」と声をお掛けすると、喜んで受け入れてくださいました。

そのあとも車内が空くことはなく、それどころか移動することもままならず、結局、大橋で下車するまでその場で立ち通しとなったわけですが、両隣の女性には、気詰まりなことだったかもしれません。

店主などは、めったに席を譲る局面がないので、親切心を起こしたりもできるのですが、若い人たちにしてみれば、こんなことで席を変わっていたら、永遠に座る機会がめぐってこないように思われるのかもしれません。おそらくは店主などより、ずっと疲れておられるのでしょう。

酒席の件は、日を改めまして。

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2019年07月22日

引き取り始末

かれこれ20年ほどのお付き合いになるM先生のお宅に、昨日、本を引き取りに伺いました。

初めて伺った時は、引っ越される前のご実家。それから日吉にある勤務先の研究室(ここも建て替えで一度変わっています)。そして現在のお住まい。

研究室とご自宅には、もう何度伺ったかしれません。2度ほどは、まずお宅で少しばかり積み込み、先生をお乗せして研究室まで行って、そこでさらに積んで戻ってきたこともあります。

今回は、当初の予定では先に研究室に行き、それからお宅に戻って積み込むという、新しいパターンになるはずでした。しかし事情が変わって、やはりご自宅を先にすることになりました。

伺ってみてその理由が判明。玄関から奥に向かう廊下に、本が山積みになっています。小店の小さな車では、はたして積みきれるかどうかという量。

30分ほどかけて、一部は縛り、残りはバラ積みにして、なんとか全部が車に納まりました。研究室の本を積んだ後では、とても無理だったでしょう。

先生の方でも、とりあえず今回お出しいただいた本を、片付けなければならないご事情があったようです。

RIMG3861店に戻って本を降ろし、店内に積み上げて整理を始めましたが、洋書和書取り混ぜて約350冊。例によって線引き、耳折本が半ばを占めます。売り物になるもの、ならないもの、その選別が一仕事。

今日になっても、まだ終わりません。終わるまで、営業中は通路確保、閉店後は店頭什器の収納場所確保のため、本の山を、朝晩移動させることになります。

腰痛ベルトでもした方がいいかもしれません。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)
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