2019年09月

2019年09月20日

全勝全敗

今日の明治古典会は、数週前にあった某美術雑誌編集者の旧蔵書一口の続きが、やはりカーゴ10台前後出品されておりました。

量的には、それが一番の大口でしたが、珍しさから同業の関心を引いた点では、地方の業者が持ち込んだ、仏教美術系の口ものに軍配が上がったようです。

RIMG3955後者のほうが、より専門性が高く、さらに中国関係も多く含まれていたため、全体では相当な売上高になったと思われます。

ただ専門性が高いということは、参戦できる業者が限られるということでもあります。

その点からすると、雑誌編集者の蔵書は、美術関連といいながらも、内容が多岐にわたっておりましたから、店主さえ入札する気になるような口が数多くありました。

特に今回は、洋書もカーゴ1台分程度はあった模様で、それが10点くらいに仕分けられていたでしょうか。ついそこに目が行き、気になる本が混じっている口6点に入札いたしました。

日本書でも、店に置きたいような美術研究書が含まれている口には、何点か札を入れたのですが、終わってみると洋書は全勝、日本書は全敗。

札が弱かったと言えばそれまでなのですが、店主としては結果に大満足。日本書に比べて、はるかに質の高い(と店主が思う)洋書を、逃さず落札できたからです。

もっとも、他店が洋書にあまり強い札を入れないのは、それだけ売りづらいからで、その点、市場というのは実態を正直に反映していると、あらためて思います。

konoinfo at 22:27|PermalinkComments(0)

2019年09月19日

消費税

消費税率アップの10月が迫って参りました。

「日本の古本屋」の対応は以前にもお伝えしたとおり、次のようになっております。

9月30日から10月1日へと日付が変わる頃、システム運営会社の手によって、一律に販売価格の改定が実施されます。

その方式は現在の価格を1.08で割り、それに1.1を掛ける。その際に1円単位の数字が出たら切り捨てる。

ごく真っ当な数式ではありますが、もちろん気に入らない同業も、いるかもしれません。店主がそうであるように、価格改定などしなくてよいという人だっているでしょう。

RIMG3941ですからこの一律変換は、それを望まない古書店には施されません。

ただし、そのことを連絡するに際して、大きな過ちをおかしてしまったのではないかと、今日の「日本の古本屋」事業部会議で取りざたされました。

その連絡というのは、この「一律変換を望まない人」に対して「管理画面から申請をするように」と求めたのです。

あとから考えれば、これは逆でした。変換を望む人に申請を求めればよかったのです。

現に今、およそ3分の1程度から「変換不要」の返答が届いているのですが、まだ相当数が今回の連絡を見ていないか、見ても理解していないと思われるからです。

よく分かっているはずの古本屋の習性を、考慮しなかったというほかありません。

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2019年09月18日

正しい営業時間

RIMG3918昨日、ちらりと触れました小店ホームページの不都合。じつは営業時間の修正が、できていないままだったのです。

今年5月に平日の閉店時間を午後7時とした際、「日本の古本屋」の自店情報ページに関しては、早々に修正いたしております。

しかし自店HPの「お店の場所・営業時間」というページでは「平日am 10:00 〜 pm 8:00」と表示されたまま、4か月が過ぎてしまいました。

これを直すのに、なぜ時間がかかってしまったのかと申しますと、長いこと手入れせずに放置していた間に、ホストサーバーに保守などが行われたためか、店主のアカウントではログインできなくなってしまっていたからです。

古書組合が借りているサーバーの間借りですから、そのうち組合の担当職員さんに頼んで、新しく設定し直して貰おうと思いつつ、今日に至ってしまいました。

ところが先週金曜日、ある用件で小店をお尋ねいただいた方がおられ、それが午後7時半頃でしょうか。店番のχ君は片付け作業の最中だったようです。

辛うじてことづけを承ることはできましたが、その方から「ホームページには8時閉店となっていますよ」とのご指摘を受けたとのことでした。

そこで慌てて連休明けの昨日、組合職員さんに電話を入れて、事情を話したところ、とりあえず彼の手で、文字の修正だけはしていただけました。

おかげで現在は、間違いなく「平日am 10:00 〜 pm 7:00」と表示されております。ただし店主がサーバーにアクセスできない状況は、変わっておりません。

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2019年09月17日

『リポート笠間』

ここ何回か、洋書会で売り買いがありません。今日は出品自体が少なかったので、やむを得ないところですが。

しかしながら店には、整理しなければならない洋書が山積みですから、これももっけの幸いかもしれません。はやばやと店に戻り、昨日までの続きに手を付けました。

RIMG3949するとこんな小冊子が出てきました。『季刊リポート笠間』の創刊号から第10号までですが、第7号が欠けております。ただどういうわけか第10号は40pのものと14pのものと2冊あるので都合10冊。

笠間書店さんは店主には馴染み深い出版社です。五十嵐書店が国文を専門としておりましたから、良く扱いました。当時、索引書というのは基礎資料として価値が高く、品切れにでもなると、市場でもかなり高値で取引されていたのを記憶しています。

その索引書といい、もう一つ同社が力を入れていた影印本といい、デジタル、ITの世の中で、現在はどうなっているのだろうと、気になってホームページを覗いてみました。

するといきなり「事業拡大のため編集者・正社員募集!」という大きな広告が目に入り、今もご盛業中のようです。

シリーズ名にリンクがあり、一つ一つ押して見ると品切・重版未定の本がたくさん目につきます。昔なら古本屋の飯のタネになる情報が、今は簡単に調べられることに隔世の感を抱きました。

ところでシリーズ[刊行中]というほうは、どのタイトルを押しても「ページが見つかりませんでした」となってしまいます。リンクエラーでしょうか。

あら探しのつもりはありません。小店でも、ホームページの不備は多々あって、現在それを直すに直せない状況なので、つい気になってしまったのでした。

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2019年09月16日

フレカンのテーブル

山を崩して整理を始めると、なぜそれらの本が未整理で積まれたままになっていたのか、だんだんと思い出します。

つまるところは決断できずに一旦、取り置いたものたちなのです。簡単には売れそうもない、かと言って捨ててしまうのも惜しい。そんな優柔不断が積み重なって、山をなしていたのでした。

時間をおいて、あらたな判断で眺めると、案外うまく整理がつく時もありますが、それはかなり稀なこと。思い切った処分モードで立ち向かわないと、右にあった山を、ただ左に移すだけで終わることになります。

現在は「洋書まつり行き」という選択肢がありますから、ふだんより整理が進むのですが、悩みはそれを11月まで置いておく場所。結局、またどこかに積まなければならないので、見た目は一向に片付きません。それでも確かに整理は進んでいるはず。

今日の山からひょっこり出てきて、懐かしい気にさせられたのは古びたフランス書。

75791本自体に思い出があるのではありません。その題材となっている映画さえ見ておりません。単にそのタイトルである「フレンチカンカン」―—それが店主にとっての記憶スイッチなのでした。

四条烏丸を少し上がって東に入ったところ、そこにその名を掲げたシャンソン喫茶がありました。もう半世紀も前のことになります。店主の一年先輩の母上が経営する店で、「フレカンのママ」は自らも時おり歌っておられたようです。

その店が移転することになったのは70年前後のことでしたでしょうか。駆り出されて手伝いに行った覚えがあります。その時、その店のテーブルと椅子2脚をお駄賃代わりにもらい受けました。

それらは東京へ引っ越した後もしばらく使っておりましたが、やがて椅子は壊れて廃棄。しかしテーブルは今も永らえて、わが店の裏に置いてあるのです。

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2019年09月15日

ハッピーエンド

店内のあちらこちらの床に山積みになっている本を、とにかく整理しなくてはならないのですが、しっかりした方針も立てられずに、ほとんど行き当たりばったり。

bresson今日も手近な山を崩そうと1、2冊本を手にしたところ、その下から、数か月前に大探しした本が顔を表しました。

薄くて小さい本ですから、紛れ込むと見つけるのは大変で、現に見失ってから今日まで、杳として行方が知れなかったのです。

もともと裏から出した一山を店に積んでおいたときに、あるお客様が目を止められ、ご興味を示されました。しかしその時点では、先約のようなものがありましたので、しばらく待っていただきました。

やがてそちらの話はなくなり、お譲りできることになったのですが、そうなったときに肝心の本が雲隠れしてしまったのです。

それをお伝えした時のガッカリされたお顔が、今もありありと思い出されます。

さて、こうして見つかったものの、お客様のご連絡先も存じ上げません。しかし、月に1、2度はご来店になりますから、今度は間違いなくそれまでお取り置きしておくことにしよう——そう考えていると、なんとそこへお出でになりました。

あまりの間の良さにビックリ。そして本が見つかったことをお伝えすると、大変喜んでお買い上げくださいました。

紛失することも、忘れたころに出てくることも、珍しいことではありませんが、これほどのハッピーエンドはめったにないことです。

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2019年09月14日

未読スルー

oda4.2僉G悗遼弔蕕鵑隻分を実測した、この本の厚みです。

昨日、八木書店さんの卸部に改めて出向き「論創社」の棚をのぞきました。まだ再入荷していないのか尋ねようとして、ふと入り口近くの平置きスペースを眺めると、そこに1冊だけ立てて置かれているのを見つけました。早速購入。

店に持ち帰って夜、ずしりと重い本を手に取り、1から200までナンバーが打たれた目次を追っていくと、150番台に「由良君美」の名が何度か現れるのに気がつきました。

正確に言うとタイトルにその名が現れるのは2回だけ。しかしその時期数回にわたって由良先生関連の話題が続きます。実際に読んでみると、その間、より頻繁に取り上げられていたのは四方田犬彦さんのほうでした。

彼の『先生とわたし』が153の主題となったあと、160で由良哲次が取り上げられる回まで、毎回キーワードのように四方田という文字が出現します。

記憶力の悪い店主ですが、このなかで、はっきり読み落としていたと言える回があります。それは「154緑書房と『文化のモザイック』」。ここで小田さん、店主の文章を引用されているのです。

そればかりか「今度会う機会があったら、彼に由良と古本にまつわる話を訊いてみようと思う」と結んでおられるのですから、小田さんも店主が読んでいないことは気づかれたに違いありません。

いくら筆不精の店主でも、読んでいれば何かしらご連絡差し上げたはず。あるいは、今流に言うなら「既読スルー」をしたと思われたでしょうか。

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2019年09月13日

緊急放出

今日の明治古典会も、先週に引き続いて、ある書店の在庫が大量に出品されました。

わけあって一部を緊急放出したものですが、長年専門店として名を知られてきた店です。ふだんの市場では、なかなかお目にかかれないようなものも多く、同業たちの入札にも熱が入っておりました。

その結果、出来高も想像以上で、2回合わせると結構な金額になったはずです。小店の在庫など、すべて売り払っても、とても及ばないことでしょう。

しかし出品した書店としては、本来なら自店でじっくり売って、もっと大きな利益を得るつもりのものだったでしょうから、複雑な思いであることは間違いありません。

RIMG3944それでも公平に見て、なかなか良い値で落札されていたと思います。一種のウブ口ではあったわけですから、それも当然かも知れませんが。

専門店の商品なので、筋の違う小店には、なかなか札を入れるものが見つかりません。良さそうなモノかどうか、くらいは何となくわかるのですが、買えそうな札を入れる度胸がありません。日ごろの不勉強を思い知らされました。

市会終了後、臨時総会。そのあと、会員、経営員揃っての会食。会場は中華料理の「太一」。昼食などに時おり利用しますし、夜の飲食にも何度か利用している店ですが、売りは「何しろリーズナブル」。

ただし音の響く店内で、30名近い団体となると、相当の騒音源。仲間内でも話し声が聞き取れないほどでしたから、ほかにも2、3の小グループがおられたのですが、ずいぶんご迷惑だったことでしょう。

かなりメートルも上がってきたあたりで、もう一人の飲まない仲間と、一足お先に退席いたしました。

konoinfo at 21:51|PermalinkComments(0)

2019年09月12日

増えた送料

RIMG3940代引きで送ってほしい、というご要望がここ数日で3件ほどありました。

そのいずれもが厚さ3センチ超え、もしくは重量1キロ超えの本です。つまり小店においては、ゆうパックを利用するほかありません。

このゆうパック、以前は特約割引料金制度があって、それを利用することができたため、お客様にも割安料金でお送りしておりました。

ところが料金値上げとともに制度も廃止され、正規料金でしか送れなくなりました。そのため、ふだんまったくと言っていいほど、ゆうパックは利用いたしません。

レターパックプラスか、それに入らないものは佐川急便。同社の特約料金に、梱包資材費程度を上乗せした料金で、お送りしております。

しかしその佐川さんとは、代引き取り扱いの契約は結んでおりません。レターパックプラスも代引き扱いはできません。そこで今では目の玉の飛び出るような気がする、ゆうパックを利用せざるを得ないわけです。

今朝のお客様は2500円の本でした。幸い関東地区でしたから送料850円(!)、代引き手数料260円、この上に送金手数料が200円かかりますから、お客様のお支払総額は3810円になります。

おそるおそるメールいたしますと、慣れた方らしく、すぐに「構いません」というお返事をいただき安心いたしました。以前2000円の本に中国地方からの代引き注文が入り、一旦は了解されたのですが、しばらくして「やっぱりやめます」というメールをいただいたこともありましたので。

ところで今朝は1000円、1500円という本を、いずれもレターパックプラス(510円)でお送りしました。かつてなら、せいぜい350円。日本郵便のために働いているような気にさせられます。

増えた送料が、現場の労働環境改善のために使われるのなら、あえて文句は申しませんが。

konoinfo at 20:03|PermalinkComments(0)

2019年09月11日

『追放者たち』

「レッドパージ」という言葉は、子供のころにも耳にする機会があり、何となく知ってはおりました。

しかしハリウッドのいわゆる「赤狩り」ほどには、その実態について無知なまま今日に至っております。

これは米国のマッカーシー旋風と呼ばれるものが、劇場型の効果を狙ったものであったため、今日でもその査問の様子がフィルムなどで流れることもあるのに比べ、日本の場合はもっぱら組合活動をターゲットとしたので、労働争議としてしか世に認知されなかったからのようです。

redそのことを新藤兼人『追放者たち』岩波同時代ライブラリー版(1996年)巻末の「解説対談」を読んで知ることになりました。

この本は、新藤さんが近代映画協会で苦楽を共にした、黒田清己カメラマンの葬儀の場面から始まります。練達のシナリオライターだけに、映画のシーンを思わせるように話が進み、時代の犠牲者とでも言うべき人々の存在が明らかになっていきます。

初版は1983年。レッドパージから30年余という時点での出版ですが、わが身に当てはめると開業から現在までの時間とほぼ同じ長さ。

しかしながら店主のように、のんべんだらりと生きて来たものの30年とは、比べものにならないほど辛く長い日々であったに違いありません。

ある思想を敵視し、その同調者まで排除しようとする社会の恐ろしさは、現在にも通じるものです。権力がそれに加担すると、理不尽も横行します。背筋が寒くなるような思いもさせられた読書でした。

konoinfo at 19:30|PermalinkComments(0)
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