2019年11月

2019年11月30日

霜月尽

午前中に1件、宅買い。

腰が重いように思われているかもしれませんが、店主だって行くときは行きます。今日は阿佐ヶ谷まで。車で30分ほどでした。

IMG_20191116_074750量もそれほど多くないとのことでしたし、運ぶ距離も短そうでしたから、ひさびさドライブ気分で出かけたのです。山手通り、井の頭通り、環七、早稲田通りと経由して目的地へ。

天気が良く、気持ちもいいのですが、車に反射する日光が眩しいのに閉口しました。ことに山手通りや環七を北上する際は、前の車のリアウィンドウから、反射光がまともに目に入ります。

眩しさを感じる度合いが強くなったら、白内障の恐れがあるという話を聴いた覚えがあります。年を取ると多かれ少なかれ白内障の傾向が出るとも。

せっかく気持ちよく走っていても、ついそんなことを考えてしまうところが、年を取った証拠でしょう。今さらそんな証拠など上げずとも、歴然としてはおりますが。

年といえば、その昔、井の頭通りは片側一車線の狭い道が環七まで続いておりました。それがいつのまにやら広がって、すっかり見通しの良い二車線道路(一部未完成)になっています。手が着けられてからは、30年ほども経っているのではないでしょうか。

肝心の引き取りは滞りなく済み、店に戻って本を調べますと、なかなか面白そうな本揃い。ただ売り値と売れ足を考えると、さほど高く値踏みできないのが悩ましいところ。ともかく査定額を連絡。明日にも振り込むつもりです。

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2019年11月29日

つまらぬ記録の大切さ

Kさんの言葉が、つくづく身に滲みました。

Kさんというのは、10年ばかり前に本屋を廃業して引退された先輩。『古書組合五十年史』作成の、大功労者の一人と言えば、同業なら誰もがあの人と分かります。

RIMG4047彼は店主にとって組合機関誌部の先輩でもあり、店主らが機関誌部を引き受けた時、これからの機関誌のあり方について、ご意見をうかがったことがあります。もう30年も前のことですから、時期は違うかも知れません。

ともかくその時、店主は「決まりきった記録ばかりで面白くない」というような意見を言った気がします。それに対してKさんは「つまらない記録が、あとになって役に立つんだよ」と静かに答えられました。

その意味は、やがて年とともに理解するようになりましたが、今度ほど痛切に感じた事はありません。記録がある有難さではなく、ない不便さについてですが。

今日は、書き上げた「洋書会史」をともかく提出するつもりでいたのですが、その前にもう一度、事実確認をしておこうと、会館応接室にある『古書月報』バックナンバーを調べ始めました。

すると確認どころか、異なる情報が見つかり、行き詰ってしまったのです。旧会館で洋書会はいつ頃まで2階を会場として使用し、いつから1階に固定したのか。その間に他会と入れ替えで開催していた期間があるらしいが、それはいつ頃のことか。

裏付けが取れなければ、これに関する部分は削除しなければなりません。これこそかつてKさんが、この何倍も味わった苦労に他ならないことが分かったのです。

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2019年11月28日

歴史の難しさ

最初の稿ができたのは、今月初めの頃です。一応、目安とされている枚数は書き上げました。

しかし読み返しているうちに、だんだんと気分が沈んできました。ひとつも面白くないのです。とてもこのまま出すわけにはまいりません。

書くことを求められているのは洋書会百年史(の後半50年をコンパクトにまとめたもの)です。淡々と史的事実を羅列して、その結果つまらなくなるのであれば、それはそれで仕方ないと思います。

RIMG4050しかし実際は、そうした史実の記録がすこぶる乏しいため、見つかった材料だけを、捏ね上げたり引き伸ばしたりして、枡目を埋めていっただけという格好です。

その結果、洋書会史というよりは、洋書会論とでもいうべきものになってしまいました。それも生煮えの。

あちこち手直ししているうちに日が経ち、ますますひどいものになっていくようです。思い切って全面改稿に踏み切りました。

その間にも、史実の採集を心掛けたのですが、なかなか材料は増えません。

結局トピックを1つ2つ増やすことができただけ。それを時代順に並べて書くのが精いっぱい。それだけのことでも、事実を確かめるのに手間取って、もう時間切れになりそうです。

歴史を書く難しさを、今さらのように知りました。

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2019年11月27日

消極的な応対

「お久しぶり!今日はおられましたね」

入ってこられたのは、旧東京工業高校(現日本工業大学付属駒場高校)で、かつて国語(おそらく漢文)を教えていらっしゃった先生。最近も何回かおいでになり、その度に店主は不在だったようです。

RIMG4049「私ももう80歳になったので、そろそろ本を整理しようと思ってるんです。子供たちにもうるさく言われますし。ついては、開店の時から知っているオタクにお願いするのが一番良いかと」

確かに開業当時、いち早く常連になっていただいたのは、その高校の数名の先生方で、お昼休みなどに連れ立って、よくご来店いただいていました。そのお一人です。

高校を定年退職されてからも、時々、何かの用で来られた折など、顔を見せてくださってましたので、店主にはさほど、お久しぶりの感じはありませんでしたが。

「受けてもらえますか?」と尋ねられて、お住まいはどちらですかと問い返しますと「国分寺です」というお答え。

実は10年ほど前、この先生のご同僚だった別の先生のお宅まで、蔵書を引き取りに伺ったことがありました。ところは和光市。「古典文庫がほぼ揃っている」というので遠征したのでしたが、当時すでに「ほぼ揃い」では値にならなくなっていて、市場に出して落胆した記憶があります。

お持ちの全集名を幾つかあげてくださるのですが、当時に比べ、店主の体力も落ちております。それ以上にそうした全集の相場が落ちております。さらに車も小型になっていて、多くは積めません。

前向きなお返事が出来ないまま、あらためてご連絡いただくことになりました。

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2019年11月26日

Aさんの旧蔵書

最高気温が昨日より12℃低いという予報が出ていて、確かにその通り寒く、降りみ降らずみの雨もよい。

IMG_20191116_074828_1そんなお天気の中を洋書会に出かけました。お昼より少し早くに着くように出たのは、少しばかり出品があったからです。

先日、昔の同業である渋谷の元G書店さんから買い受けたうちの、今日出したのは洋書段ボール3箱。日本書については1箱強、すでに先週金曜日の明治古典会に出品しております。

洋書は歴史関係、英文学関係、中国関係といったところを3点に仕分け、それぞれ札が入って売れました。もっとも落札価という点では、中国関係が期待以上だったものの、あとはまあ、そんなものだろうという落ち値でした。

右から左に市場で売ってしまうことに、いくらか後ろめたさを感じなくもありませんが、自分の店で売ることの大変さを考えると、適材適所、それぞれに相応しい店に収まるのが、本にとっても幸せなことだと思っての決断です。

日本書についても同様の考えから、市場に出しました。こちらは例えば、即売展をやっているような方に、一番向いている本が多かったようです。実際に買っていただいたのも、そうした書店さんでした。

出品に際し、G書店さんをご存じの何人かの同業に、それがG書店Aさんの旧蔵書であると明かしますと、洋書会でも明古でも、みなさん大変懐かしがり、しばし思い出話に花が咲きました。

それで多少は、良い札を書いてくれたのかもしれません。

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2019年11月25日

「とても疲れた」

あるフランス語の本をBookfinderで検索してみると、3点がヒットして、うち2点は9千円台の値が付いているのに、1点だけ2千円台で出されているものがありました。

どこでその値段の差がついているのだろうと解説欄に目を凝らすと、tres defraichie という語句が見つかりました。明らかに状態を示しています。

こういう時に辞書を引くことがなくなりました。つい楽をしてGoogle翻訳で調べてしまいます。すると「とても疲れた」という日本語訳が現れました。

思わず、そのまま受け取ってしまいそうでした。というのも、ご承知のとおり「ツカレ」というのは本の状態を表す用語として、昔から使われている言葉です。もっとも、近頃はあまり見かけませんが。

IMG_20191116_074800どちらかというと丁寧に繰り返し読まれた本の状態を表しますので、そういう読み方が少なくなったということでしょうか。それにしても英語にtiredという表記がありますが、フランス語にもあるとは。

など、すっかり感心していたのですが、どうも違うような気がしてきました。あらためて defraichie だけで調べてみると今度は「色あせました」という訳語。

念のため辞書も引いてみると、要するに「freshでなくなった」ということのようですから、「疲れた」という意味もあるでしょうが、本の状態説明としては「褪色した」と解釈するのが正しそうです。

さてそれでは、ツカレた本と、ヤケた本とでは、古書として求める場合、どちらが我慢できるのか。それは好みの問題になるのでしょうか。

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2019年11月24日

50年は大昔

KIMG122010年ひと昔といいますが、この歳になると10年なんぞは only yesterday。しかしさすがに50年というと——これはもう大昔ですね。

その50年を寿ぐ「南部支部創立50周年記念祝賀会」が、今日、五反田の南部地区会館で開かれました。

丸2日雨が降り続き、今朝も店に来る頃までぐずついていましたが、昼前から雨が上がって、傘は不要。気温も少し高めになってコートも不要。

これで主催者側は随分と助かったはずです。よほど日ごろの行いの良い人たちばかりなのでしょうか。

半世紀前まで東京古書組合には10を超える支部があったのですが、会館建築などの要請からその再編が図られ、旧第4・5・6支部が一つにまとまって「南部支部」となったのが昭和44年。

すなわち今年で50年というわけで、何か記念行事をと考えて今日の祝賀会となったのでした。

これまで南部支部では10年、20年、35年の祝賀式典を持ちました。店主が知るのは後の2つですが、それらはいずれも大きな会場を借りての華やかなパーティー。

それに比べて今回は、自分たちの会館を使い、こじんまりした手作り感ある祝宴で、店主としては立派な過去2回のパーティーより、ずっと心和む、良い集まりになったと感じました。

ご尽力された実行委員の皆さまに、心から「お疲れさま」と申し上げます。

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2019年11月23日

細かい話

昨日は本当にconstant rainという感じでした。今日も一日中降って、ただし昨日よりはいくらか雨脚が弱い。

そのためか、人通りも少しはあります。しかし店には一向に入ってこられる気配はない。

午前中は新書2冊お買い上げの女子学生さん一人。「手提げ袋は有料です」という表示を見て、袋をご所望。小さなビニール袋で良いとおっしゃるので10円を取りづらく、サービスしてしまいました。

するとしばらくして戻ってこられ、「紙の手提げをいただけますか?」と10円を出されます。「10円で売ってるわけじゃないんですよ」と念を押して、お渡ししました。

RIMG4051そう言えば先日、家人が店番をしているときに「昨日買ったこの絵本、こっちのと取り換えてもらえませんか」というお客様が来られたそうです。

昨日買ったのは500円、今日のは400円。だけれど100円のお釣りは要らないと言われたとか。

それにしても普通ならお受けできない話です。ネットで注文して送られてきたわけではありません、ご自身が選んでお買い上げになったもの。

ご当人のお話では、英語だと思って買ったババールの絵本が、フランス語だったので読めないということらしい。

目くじら立てる気にもなれず、「ふつう(交換は)あり得ないですよ」と笑って応じたそうです。

もっと景気の良い話がしたいですね。

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2019年11月22日

少数精鋭

朝から冷たい雨。お昼前、明治古典会に出かけるため店を出て、井の頭線のホームに上がりました。

IMG_20191116_074726目の前は東大駒場キャンパス。今日から駒場祭です、本来なら西口を出て正門に向かう坂道は多くの人が行き交っているはず。ところが今日は人ひとり歩いておりませんでした。

市場に着いて、まず会場を一回り。そしていつものように仲間と連れ立って昼食を取りに「たんぽぽ」へ行くと、普段ならまだ混み合っているはずの店内が、我々以外には一組二組。

食事を済ませて市場に戻った頃、家人からLINEで「お父さんが出かけてから、ひとっこひとり、入ってこない!人通りもない!」

市会が終わったあと、臨時総会。いくつかの懸案を討議して、本日の明古が終了。それからまた昼間とは多少異なるいつもの仲間と、今度は夕食のため「かねいち」へ。

2階へ通されると「どこでも好きなところにお座りください」。他に客の姿はなく、食事を終えて店を出るまで、2階には結局、新たな客は上がってきませんでした。念のため言っておきますと、電話で予約を入れて、席が取れないことも少なくない店です。

外へ出ると冷たい雨が、朝よりむしろしっかりと、降り続いていました。わが店に戻ってレジを覗くと、お客様数は5。観念して精算キーを押すと、出てきた数字は思いのほか健闘しておりました。

ほっと一息。しかしこの雨は、明日も明後日も続くようです。今日のような僥倖は、続くと思えません。

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2019年11月21日

キックオフ

「日本の古本屋」事業部、11月定例会議。何ということでしょう、これで今年も残す定例会議は、あと1回になってしまいました。

そんな今日、会議終了後に、プロジェクト2020のキックオフを宣言する、小さな祝宴が開かれました。参加者はTKIメンバーのほかに、顧問をお願いしているSEお二人と、システム会社の皆さん、それに組合の担当職員たち。

会場は、毎年忘年会に利用している会館近くのイタリアン「クイリナーレ」。貸し切りにちょうど良い広さで、重宝している店です。

午後6時半開始の宴は、2次会まで予定されているらしいので、遅くまで盛り上がることでしょう。店主は申しわけないことながら、一足先に、ひっそりと中座。

このキックオフ、「日本の古本屋」の自店在庫管理システム(ZIZAI)を、すっかり新しいもの(新ZIZAI)に作り替えようというプロジェクトで、当初は2020年の完成を目指しておりました。

RIMG4040しかし要件定義などで想定以上に時間を取られ、今夜ようやく、スタートラインに立つことができたというわけです。この先順調に行っても、目標年には出来上がらないでしょうが、良いものを作ることが一番大切であるのは、言うまでもありません。

いっそプロジェクト名を2020から2021に替えたらどうか、という案も出ましたが、そうすると完成が2022にさえなりかねない。そんな冗談ともつかぬ意見が出て、あくまで「にーまるにーまる」で行くことになりました。

若いメンバーたちのエネルギーに期待するばかりです。

konoinfo at 21:07|PermalinkComments(0)
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