2019年12月

2019年12月31日

開ける理由

バスが驚くほど空いていました。駒沢大学駅を過ぎると、乗客は店主を入れて6人。大橋バス停で降りるまで、乗ってくる人もいませんでした。

もちろん道路もガラガラ。こんな日に店を開けても、はたしてお客様が来られるだろうかと思うのですが、ネット注文の荷造り発送があります。そのほかにも、昨日買い入れた本の整理とか。

どうせ店に行くわけです。午後3時までと時間を切って営業いたしました。

一番気を使ったのが、昨日までにいただいているご注文の、決済なり、入金なりをどこまでお待ちするかです。メールをお出しして、本日の午前中までに確認できたものは年内発送いたしますとお伝えしました。

その甲斐あってか、年越しになったものは1件のみ。正確には今朝未明に受けた、中国からの注文がもう1件ありますが、これは初めから4日以降の発送となる旨、返信しております。

RIMG4064ちなみにこの中国のご注文、4冊4千円という本なのですが、重量が4垓瓩あり、EMS(先方からのご指定です)の送料が5300円になります。果たして決済されるでしょうか。

さて店を開けて、所用を片付けて、あっという間に閉店時間。それでも何人かは店に立ち寄られ、そのうちお買い上げもお二方。読み物文庫のまとめ買いがお一人、分厚いドイツ語ハードカバー2冊はドイツの方でしょうか。

他の方々も、お目当ては休み中の読み物だったでしょうから、店内素通りもやむを得ないところです。店主も、名古屋までの新幹線で読むものを探しました。

それでも店を閉めるまでにあと2件、フランス書2冊と哲学書4冊が売れました。開けただけのことはあったと言えるでしょう。

それでは皆さま、来年も良い年でありますように。

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2019年12月30日

暮れの居場所

IMG_20191227_084508ずいぶん昔の話、まだ五十嵐さんの店員だった頃、何軒かの同業と、スーパーの店頭で行う即売展に、出向しておりました。

ある時には、それが年末の時期だったこともあり、大晦日まで、店の外に並べたワゴンセールの店番をしたことを思い出します。

30日、31日と押し詰まってくると、奥様方はさまざまな買い物に忙しく、古本などに目をやる余裕はないのでしょうが、一緒について来られるご主人方が、何となく手持ち無沙汰に立ち寄られる光景が見られたものです。

中には一人でお出でになり、所在なげに長い時間ワゴンを眺めてから、1冊2冊お買い求めになって帰られる方がおられ、誰に言うともなく「ウチにいても邪魔扱いされるだけだから」などと漏らしていたこともありました。

そんな大昔のことを思い出したのは、「奥さんが大掃除なので、少しでも片付けないといけないのです」と、ご常連のフランス人が、小雨降る中、紙袋2つを提げてご来店になったからです。

残念ながらお持ちいただいた本は、さして評価を付けられるものではありませんでしたが、それを気にされる様子はありません。むしろ金額を申し上げると、その分、何かを買わなくてはならないと思われるのか、それからずいぶん時間をかけて棚をご覧になりました。

確かに今までも、買取り金額以上に、お買い上げいただいています。しかし今日は探索の末、ようやく見つけた3冊で、売り買い差し引きゼロがやっと。

それでも「また新年に来ます」とおっしゃって、お帰りになりました。

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2019年12月29日

渋谷駅の不便

昨日、用があって宮益坂上にある同業の店を尋ねました。

IMG_20191227_084423風の冷たい朝の、まだ10時前でしたが、井の頭線を降りて目的地まで歩く間は、さすがに人通りが多い。駒場とは大違い。

今さらそんなことを嘆こうというのではありません。昨日から銀座線が工事のため運休になりました。新駅へ移行するための準備です。

その新駅というのは、ハチ公前を通り過ぎ、宮益坂を登りかけると右手上に見えてきます。井の頭線の渋谷駅から銀座線の駅まで、これまででも遠かったのですが、さらにその倍ほどにもなる感覚。

数年前、東横線の駅が地下に潜った時も、ひどく不便になったと感じました。いったいなぜ、こうも不便な方向に、渋谷の街は変わっていくのでしょうか。単に、井の頭線方面からのアクセスが不便になっただけでしょうか。

用を済ませての帰り、宮益坂を降りてきて駅の向かいに渡るのに、寒い中、何度も交差点で信号待ちをするよりは早いのではないかと、地下に降りました。ずっと井の頭線駅の下まで続いているはずです。

しかしまるで迷路に踏み込んだようで、駅に辿りつくまでに、余計時間が掛かってしまいました。

今日はまた午前中、家人が根津方面へ出かけたのですが、色々と不便だったことでしょう。しかし店に帰ってきて口から出たのは「町はどこも人でいっぱいなのに…」という言葉でした。

駒場の町は、今年も静かに暮れていきます。

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2019年12月28日

『風の便り』

一冊の目録が届きました。「古書目録 風のたより」と印刷された封筒です。しかしその下の差出人のところにはラベルが貼られていて、別の住所とお名前がありました。

そのお名前のあとに(古本あじさい屋 元従業員)と記されています。胸騒ぎがして封を開けました。するとA41枚に次のようなメッセージが。

ajisaiあじさい屋店主 山本光代が2017年11月に永眠いたしました。(略)従業員として、一時は途方に暮れておりましたが、この度山本が準備しておりました「風の便り 別巻」を発行致しました。ご一読頂き、故人をお忍びください。

表2には山本さんの序文。

“…かつて助任橋の近くに古本屋があった…”と言い伝えられるのを頼りに、二〇〇九年七月、店舗形式を終了しウェッブ通信販売のみの業態へと移行してきました。/吉野川の流れがいま海へと拡がる河口にほど近く、叢の中のこおろぎよろしく、露と電波に恵まれて〈仕事〉を続けております。/これまでにインターネット・ホームページの月刊表紙として広告した商品画像とコメントを当店、風の目録“風の便り”の別巻として編集し、お届けします。/御笑覧下さい。//二〇一七年秋 山本光代

つまりそのご遺志を継いで発行されたのが、この目録だというわけです。

懐かしさにウェブを検索して情報を求めましたが、古本屋としての山本さんについての記述は、不思議なほど何も出てきません。

ほぼ唯一お名前が見つかったのが、松下昇さんに関するHPの中。簡単な略歴も作られていました。うすうす伺ってはいましたが、松下さんというお名前もまた、ひどく懐かしいものでした。

いずれにせよ、もう「風の便り」は聞けないわけです。

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2019年12月27日

返金システム

なるほどなと、感心したことを一つ。

以前、AbeBooksで購入して届いた本が、まったく注文したものと違い、返品したことはすでにお伝えしましたが、その返品先から一昨日、メールが届いたのです。

何事だろうと開いてみると、大略次のようなことが書いてありました。

返品は受け取りました。お支払いいただいた代金も返金したはずで、もうクレジット口座に入金されたと思います。もし返していただいた際の送料分が不足していたら、お知らせください。もしそれ以下の金額で済んだのでしたら、差額を返金いただければありがたい。

RIMG4056そこで改めて調べてみると、入金されていたのは当初支払った書籍代+送料に加え、同じ送料が加算された額でした。つまり約60ドルという高額な送料が倍になって返ってきたのです。

こちらから送る際にかかった送料は約2千円でした。要するに4千円ほど余分に返ってきた勘定になります。送金システムがあれば、返金するのにやぶさかではありません。その旨を返信いたしました。

今朝になって返ってきたメールによると、Paypalか、国際郵便為替か、違法ではあるが現金をそのまま送っていただくか、だといいます。

国際郵便為替は手数料が4、5千円かかりますから論外。封筒に現金といっても日本円を送るわけにもいきません。といってドルに両替してまで送る義理はない。そこで長らく使っていなかったPaypalで、4千円ほど送金しました。

なるほどと思ったのはAbeBooksの返金ルールです。おそらく送料倍返しというのが、デフォルトルールで、そこから先のやり取りは、システムでは関知しないということなのでしょう。

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2019年12月26日

ゆとりある人々

いつもの時間に家を出て、少し車を走らせると、通りが静かです。子どもたちの姿が見えない。思わず「今日は学校休み?」とつぶやくと、「昨日から冬休み」と家人の答えが返ってきました。

RIMG4058言われてようやく気が付く始末。盆も正月もなく(まあ正月はありますが)暮らしに追われていると、世間のことに疎くなってしまいます。日々ゆとりを持って暮らしたいものです。

というのも今朝は、ゆとりがないのは店主ばかりかと思うような朝だったからです。

午前10時になるかならぬかに、お客様が立て続けに3名ご来店。そしてそのまま長いこと、店内をご覧になっておられました。

最初に帳場に来られたのは、一度外に出られてから、また中に戻り、時代物文庫を都合7冊お買い上げのご老人。

次の方は初めに店頭で1冊お選びになり、そのあと店内で約1時間。結局最初の1冊以外には、手の出るものがなかったようです。お会計をしてお帰りに。

残るお一方は、一通りご覧になってもお目当てが見つからないのか、店内探索をあきらめて外の棚をさらに30分。再び店内に戻られて、手ぶらで帰るわけにはいかないと意を決されたように文庫を1冊。

おかげで店主は午前中、帳場に座ったまま、年賀状の宛先チェックがはかどりました。

お昼前にはとどめの珍客。ショートタイプのトップハットをかぶり、らくだ色のオーバーコートにステッキを持った若者が店内に来ると、「あっ」と声を上げてから店主を見つめ、「これからの事業展開についてどんなお考えをお持ちですか?」と切り出しました。

何やら色々と話したそうでしたが、丁重にお引き取り願ったのは申すまでもありません。

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2019年12月25日

年末年始の予定

昨夜は、わが家では恒例のクリスマスディナー。家人が毎年、七面鳥ならぬ鶏の丸焼きを作ります。

正月はいつも店主が娘一人を連れて名古屋に行き、家人はもう一人の娘と東京に居残り。ですからその代わりのようにして、これが年中行事の一つとなっています。

何年も前にガスオーブンが壊れてから、電気オーブンを使って鶏を焼いているのですが、庫内が狭くて苦労しているようです。

一番小さな丸鶏でも天井につかえてしまうため、焼き上がるころには背中は黒焦げ。それを恐れて早めに上げると、本体はまだ生焼けだったりとか。

温度とか時間とか、試行錯誤の挙句、今年は上々の出来上がりでした。とはいえ背中はやはり黒焦げですから、写真を撮ってお目にかけるわけにも参りません。

RIMG4055しかし、もも肉や胸肉などは適度にジューシーで、おいしくいただきました。家人は肉類を食べません。もっぱら詰め物のモチ米専門ですから、家族の評だけが頼り。今回の成果を来年に生かそうと、メモを取ったりしておりました。

というわけで今日でクリスマスも終わり。いよいよ今年もカウントダウンです。そこで年末年始の営業のお知らせ。

暮れはいつものように大晦日まで営業します。ただし30日は平日ですが午後6時まで。そして31日は午後3時に閉店させていただきます。

明けて正月は4日から平常営業です。「日本の古本屋」あるいはホームページからのご注文につきましても、対応は4日以降となりますので、ご了承ください。


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2019年12月24日

思い入れのある本

先日のクリスマス特選市に、お客様からお預かりした本を出品いたしました。昔は高い値がついていた詩集です。

現在ではかなり相場が下がっています。さらにこの手の本は、状態によって大きく値が違ってきます。そこで自分で値踏みする自信がなく、市場に出すことにしたのです。

結果から申しますと、ほぼ店主が想定した値段で落札されました。今どきなら順当だろうと思いました。

そこでお客様の留守番電話に落札価格をご報告しておいたところ、今日店主が出かけたあと店に来られ、本を返して欲しいとおっしゃって、用意しておいた買受代金は受け取らずにお帰りになったそうです。

どうも困ったことになりました。いつもご利用いただいているお客様で、今回の件についても指値のようなものはなく、お任せいただいているとばかり思っていたのです。

IMG_20191210_080525手数料は要りません、で済む程度の問題ではなさそうです。この本ばかりは、よほどの思い入れがおありだったのでしょう。その辺りをもう少しよく確かめておくべきでした。

今となっては、じっくり現在の相場などをお話しして、納得していただくしかありません。重い気分になりながら、そう腹を括りました。

しかし、今日たまたま市場で、その本を落札した業者さんに会う機会がありましたので、恥を忍んで思い切って事情を話し、良かったら買い戻させてもらえないかと持ち掛けてみました。

すると望外なことに、快く返却すると言ってくださったのです。本もまだ市場に残っていたのでその場で受け取り、落札値に僅かばかりの迷惑料を足して返金いたしました。

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2019年12月23日

「風とともに去りぬ」

お客様がお持ち込みになった中に『高松宮日記』全8巻がありました。

店主が出かけている間のことでしたが、いつもお持ちくださるご常連さんですから、まあ大丈夫でしょう。

というのは、この本、今では「日本の古本屋」などでは、全巻揃いが1冊分の定価ほどで売られているからです。買い取るとなると、一体いくらと申し上げればよいのか。

初めてお売りいただくような方でしたら、査定額を申し上げずに、お返しするかもしれません。

今回の場合は、驚かれるようなことはないでしょうから、安んじてお引き取りできるのですが、引き取れば引き取ったで、売るのに苦労しそうです。決して、そんな安値になっていい本ではないと思うのですが。

RIMG4053ため息をつきながら第8巻を手に取り、昭和20年8月のあたりを開いて見ました。15日には車で御殿場へ出かけて戻ったなどの、時間が記されているのみ。感想めいた記述は何もありません。ちょっと拍子抜けいたしました。

もちろん、その日にどんな放送がされるかは、すでに承知されていたのですから、驚かれることはないにしても、何らかの感慨はなかったのでしょうか。その前の数日は、短いながら動向と感想が記述されています。

しかし店主がおどろいたのは、8月2日の記述。

一八〇〇華族会館(海軍省合宿ニナッテル)ニテ「風とともに去りぬ」映画ヲヤル、見ニユク。二一四〇皈ル。

どんな人たちが観て、どんな感想を持たれたのか、ぜひ知りたいところです。

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2019年12月22日

宅買いの方法

昨日一件、宅買いに伺いました。事前にリストをいただいておりましたので、念のため車に手押し台車を積んで出かけたのですが、結果的には正解でした。

いただいたリストで見る限り、1回で抱えて運ぶのは、現在の店主の腰では多少無理な感じでしたし、実際伺ってみると、さらに10冊以上の追加がありましたから。

IMG_20191221_161612本は、大きな段ボール箱2つに入れてありました。瀟洒な低層マンションの1階ですから、運び出しはラクラク、と言いたいところですが、途中に2ヶ所、段差があるため2度の積み下ろし。それでも、さほど大変ではありませんでした。

お引き取りして店に戻り、値踏みをしてからお電話をいたしましたところ、明らかに落胆されたご様子が伝わってまいります。

確かに定価の高い本が多く、中にはネットで高く売られているものもあります。事前にお電話で打ち合わせさせていただいた時に、売値と評価額の違いについて、いくらか予防線を張ったつもりでしたが、それでもお心積もりとの間には、かなりの落差があったようです。

それをお怒りになるわけではなく、そのまま受け入れていただきましたので、かえって心が痛みました。近頃では稀なケースです。

昔は、お支払いを済ませてから引き取っていました。しかし時間がかかりすぎるため、まずお引き取りするという方法が増えています。

こういうことがあると、今後は、おおよその評価額だけでも、その場で申し上げるようにしたほうが良いかもしれないと思いました。

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