2020年03月

2020年03月31日

マスクが後ろめたい

今日が何曜日だったか、意識していないと忘れそうですが、火曜日、洋書会です。お昼前、市場に向かいました。

思い立って、マスクを着けて出ました。こんな騒ぎになる前、冬になると医者から毎年のように言われる「寝るときにはマスクをしなさい」という言いつけに従って、10枚入り一袋だけ買ったものが、まだ半分方残っておりました。

RIMG4155要するに言いつけを守ってこなかったわけですが、こうなってみると貴重なマスクです。むやみには使いたくないと、そのまま手をつけないで来たのです。

今日マスクを着けていく気になったのは、古書会館でも少しずつ緊張感が高まってきているようですので、自分ひとり気が緩んでいると思われないように、と考えてのことです。

いざマスクを着けて外に出てみると、かえって道行く人のなかに、着けていない人が目につきます。そして何やら、後ろめたい気持ちにさせられました。まるで、闇物資を手にしてでもいるかのような。

洋書会は、今日が月末の特選市ということもあって、それなりに出品量もありました。しかし、じっくり見て回った結果、入札せず。こんな時ですから、できるだけ参加したい気持ちは、持っていたのですが。

古典会も覗きに行きました。こちらは今日から当分、廻し入札をやめて、すべて置き入札で行うことにしたそうです。多少なりとも、接触時間を減らすためです。それでも結構入札者で混みあっておりました。

両会とも、今日予定していた臨時総会は取りやめ。できる限りの予防措置を取りながら、続けられる間は市場を続けていくということしか、今のところ取れる手立てはなさそうです。

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2020年03月30日

ステージ・オレンジ

年度末も迫った今日、本当は1件、退任される先生の研究室へ、引き取りに伺う予定がありました。

お約束をしたのは10日ほど前のことですが、その先生から昨日になって、お電話をいただきました。「キャンパスへの出入りが厳しく制限されるようになったので、来てもらっても入構が許可されないかもしれない」と。

コロナ対策のステージが1段上がって、イエローからオレンジになったからだそうです(資料参照)

小店としては急ぐ理由はありません。ただ新年度に入っても、その本を置いておく場所があるのかどうか。それを伺うと、その点は大丈夫とのこと。「それならこちらは、いつでもご都合に合わせます」とお答えし、ひとまず無期延期となりました。

RIMG4156すると今日の夕方、また先生からお電話がありました。それによると、どうやら構内立ち入りは可能らしい。ついては、近いうちに来てもらえないかというご要望です。

やはり、なるべく早いうちに片付けたいお気持ちなのでしょう。打合せの結果、4月2日の木曜日、午前中に伺うことにいたしました。

「やむを得ない用件」と、認められるわけですが、文書にあるとおりだとすると「入構規制(正門への入構集約、サーモグラフィーによる検温実施、外部者の構内立ち入り禁止の厳格化など)を行う」ことになるのでしょうか。

この際、虎の子のマスクも、用意して出かけることにします。ただし明後日まで、状況に変化なければですが。

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2020年03月29日

怖い村八分

家を出る頃にみぞれまじりとなり、店に着いた時は、ほぼ雪でした。

強い主張があるわけではありませんが、一日に何人が出入りするかという店です。ましてこのお天気。車で店まで来て、店番をして家に帰るまでの間に、接する人の数は、自宅謹慎の場合と大差ないでしょう。

springsnowそう考えて今日も店を開けました。注文品の発送と、ネットで発注した事務用品の受け取りもあります。結局ご来客4名、配送業者3名というのが、本日の接触者(というより接近者)数でした。いずれも非濃厚のはず。

朝一番のご来客は、ほぼ決まって週末にお出でになるご常連で、こんな天気にもかかわらず、いつものランニングスタイルでした。まだ雪も降りしきっていた時間帯。

「青山通りは人っ子一人見かけませんでした。従順な人が多いのですね」とおっしゃっていましたが、このお客様の方が特異例かも知れません。何しろ真夏の酷暑の日でも、走ってご来店されるような方ですから。

その方の心配されていたのは「感染者に対する村八分」。すでに起きている話のような口ぶり。起きていても不思議はありませんが。

逆にいうと、村八分にされる恐れのほうが、実際に感染することへの恐れより大きいのが、日本社会の特徴なのかもしれません。競って自粛するのも、そのためのような気がします。

しかし、それが拡大を抑止する力になっているのだとすれば、なんとも複雑なところです。

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2020年03月28日

マスク無策

RIMG4157「在宅率高いんで、宅配業者さんはウチも含めて助かってるんじゃないですか」と話してくれたのは、郵便局の集荷員さん。

どれほどの人が、不要不急の外出を控えられたのでしょうか。花見にも行けないとボヤく人がいる一方で、目黒川沿いはそれなりの人出があったようです。例年ほどではないにせよ。

朝方、小店に来られたお客様は、お会計のあと「学校が閉まってるとは思いませんでした」と、驚きの声。図書館に行きたかったのだそうです。

その学校ですが、駒場は新学期から、すべての授業をオンラインで行うと聞きました。「3月23日に決まり、4月6日から実施では、準備もまともにできない」と、ある先生が嘆いておられましたが、もっともだと思います。

他大学では5月の連休明けから授業開始というところもあるようですが、駒場は特殊な事情があって、始業を遅らせることができないのだとか。

しかしその先生、「どんな無理難題でも何とかしてきたのが駒場ですから、結局、何とかしてしまうのでしょうね」と、いささか自嘲気味に言い置いていかれました。

さてここにきて、マスクをしていない人を見つけるのが難しいほどになりましたが、皆さん本当にどうやって手に入れておられるのでしょう。

実際に感染拡大阻止に効果のあるものなら、まず誰でもマスクが手に入るようにしてもらいたい。もし「気休め」に過ぎないのなら、はっきりそう言ってもらいたい。

和牛券などより、経済対策としても、よほど意味があると思います。

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2020年03月27日

自粛ムード

3回続けて、明治古典会終了後の会食は中止。過去の2回はそれぞれ事情があってですが、今回に関しては、はっきり自粛です。

本人たちの自覚はともかく、世間的には紛れもない高齢者グループ5名。不要不急の外出には違いありませんし、ちょっと控えておきましょうかと、誰からともなく言いだして、市場が終わるのを待って静かに解散いたしました。

その市場も、今日は特選市なので、本来、入札会を終えるとフリ市で盛り上がるはずのところでしたが、会場には「本日のフリ市は中止します」と貼り紙。まあライブのようなものですから、やむをえません。

それでも浮世絵関係の一口物の出品があり、最終台では高額の発声が続いて、最後を盛り上げてくれました。

RIMG4153自粛と言えば、古書会館地階で毎週末に開かれている即売展が、今日の「和洋会」から中止になりました。突然の決定には驚かされましたが、夕方職員さんに尋ねたところ、お客様からのクレームは全くなかったとのこと。有り難いような、淋しいような。

今のところ来週末の即売展も中止。再来週と、その翌週の即売展については、目下、同人間で意見をまとめているところだそうです。

ちなみに明日の土曜日、神田の古書店街では店を閉めるところも多いようです。週末の人出を減らすのに協力するためと聞きました。

繁華街や集客力のある店は、それなりに対応を考えているようですが、小店のようにふだんから自粛されているような店は、今さら閉めてもさしたる貢献は出来ないでしょうから、いつものように開けるつもりです。

お天気は悪そうですけど。

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2020年03月26日

品薄のワケ

午後、アルバイトのχ君が到着するのを待って、夕食の買い物に出かける家人を車で送っていきました。いつもそうするわけではありません、今日たまたま。

住まいに近い食料品スーパーに着き、ついでに店内まで付き合いました。店主もたまに来ることはある店ですが、平日の午後というのに、あまり記憶にない混みようです。

家人はさっそっく目当てのコーナーへ向かったのですが「何にもない!」と戻ってきました。気が付くと周りの野菜類の棚も、空きが目立ちます。

献立の計画が狂い、材料の揃うものは何かと考えた末、ビーフカレーを作ることにした家人ですが、サラダにする葉物も買い込み、さて帰ろうとして、玉ねぎを切らしていることを思い出しました。慌てて売り場へ戻ってみると、棚は空っぽ。

玉ねぎなしでカレーは作れません。少なくとも我が家のカレーは。そこで、別の店を探すことにし、2軒目でようやく見つけて無事、家まで帰りついた次第です。

昨日あたりから、車で通りかかるスーパーなどに、人影が多い気がしていました。今日、家人のお供で走った時にも、あちこちのスーパーや八百屋さんなどが、いつも以上に賑わっているように見えました。

コロナ騒ぎで買い溜めが始まっているのだろうか、と思ったりもしたのですが、少し考えて別の理由があることに思い至りました。

それは出勤を含め、お出かけを自粛する人が増えて、家で食事をとる人数も回数も多くなった結果ではなかろうか、ということです。

IMG_20200324_080254需給バランスが崩れるには十分な、行動形態の変化が起きているようです。こうした点まで、しっかりフォローしないと、パニックが起きる原因にもなりかねません。

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2020年03月25日

御苦労様

池田弥三郎というお名前には、懐かしいものを感じます。もちろん面識などありません。店主の子供時分、TVなどで良くお顔を拝見していたというだけのこと。

Wikipediaには慶應義塾大学文学部教授時代、1957年 - 1963年にかけて、NHKのクイズバラエティ番組「私だけが知っている」などに出演し、タレント教授の走りとしても知られた。とあります。

国文学者であるという以上に、生粋の江戸っ子として知られ、それだけに、言葉遣いについて書かれたり、発言されたりすることが多かったのを記憶しています。

その池田さんの『露地に横丁に曲り角』(新人物往来社、昭50)が、roji先日の宅買いでお引き取りしてきた中にありました。新聞に連載されたコラム記事だとかで、短い文章が集められたものです。

頁を繰っていくと、「別れのことば」という章で「御苦労様」について書かれていました。

軍隊では「御苦労様」であった。指揮者が「別れ」というと兵たちはいっせいに挙手の礼をしながら、「御苦労様でした」といった。長い練習が終わって講評があって、そうして解散という時もそういったし、点呼のあとで、内務斑の上等兵に調教されて、ひっぱたかれた後でも「別れ」となれば「御苦労様」であった。「たくあん切るのも国のため」なら、「ぶんなぐられても御苦労様」であった。

目上から目下には「御苦労」であり、明治天皇は「苦労」と言ったらしい、という話が続くのですが、目下が目上に「御苦労様」というのが失礼に当たるとは、どこにも書いておられません。

あの言葉にうるさい池田さんが気にされなかった以上、店主も気にしないことにしようと思います。マナーなどを教える輩の、賢しらではないかという気がしてきました。

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2020年03月24日

ああイタリア

新型ウイルスの話ではありません。

IMG_20200324_075835今日の洋書会、お昼に会館に着き4階の会場まで上がると、最近にない大量の出品が平台を埋めています。まだ仕分けが終わっていない状態。

カーゴ8台という、イタリア史を中心とした一口の出品があったのだそうです。ですから8割がたはイタリア語の書籍。ソフトカバーが多いのですが、しっかりした、しかもどことなく垢抜けたデザインの、いかにも定価の高そうな本が目立ちます。

しかしいかんせんイタリア語です。我が国における洋書のマーケットは、稀覯本などを別とすれば、日本書の5%程度ではないかと検討をつけたことがあります。根拠に乏しい数字ですから、比喩としてお考え下さい。

さらにその洋書の中でも、英語の本が占める割合が圧倒的で、フランス語、ドイツ語のマーケットは遥かに小さい。ましてやイタリア語に至っては、文学書などのテキスト類ならともかく、研究書となるとほとんど古書の需要は見込めません。

結局買い手がついたのは、全体量の半分以下でした。逆に言えば、よくそれだけ売れたとも思います。買った業者は、またその中から生かせるものを自分で選別することになるのでしょう。

学術書の世界においては、重要な文献も多いイタリア語です。スペースさえあれば取っておいて、外国相手にネット販売という手立てもありそうな気がします。

しかしそれは店主の仕事ではない。そう考えて断念しないと、古書の世界はどこまでも際限がありません。

英語で書かれた研究書と、古典テキストの対訳シリーズもの。その2点に絞って入札し、落札できました。

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2020年03月23日

全古書連総会中止

先週の木曜日、「日本の古本屋」事業部定例会議に出席するため、古書会館に出かけました。

いつものように午後2時から初めて午後6時まで。机の配置はロの字型(正確には一部欠けていますが)ですから、前方は広く空いています。両脇はそれほど余裕はありませんが、肘がぶつかるようなことはない。

こんな説明をいたしますのは、心配される向きもあるかと思ってのことです。密集もしておりませんし、ロスナイ換気もしっかり働いておりますが、時おり熱が入って口角泡を飛ばすメンバーが、いないわけではありません。

それを気にしたからではないでしょうが、2時間ほど経ったとき、一人の部員がおもむろに「換気しましょう」と言って、窓を開けて外気を取り入れました。

IMG_20200322_080543幸い暖かな日でしたので、あとはそのまま会議を続け、安心したかのように、議論は一層白熱の度を増していくのでした。

さてその日、店主は途中で一時退席し、別室で理事長と、4月15日に予定されていた全古書連総会について、最終決断を下すべく打ち合わせをいたしました。

結論は既に各組合に届いているはずですが、今回は総会そのものも中止。ただ会議のためだけに、全国から来ていただくのも、お気の毒ですし、個々に宿泊・食事券をお渡しするくらいでは、あまりに藝がない。

その後の経過を見るにつけ、なるべく移動は控えるべしという専門家の意見も聞かれ、やはり中止は正しい結論だったと、日を追うにつれ確信が強まりました。

警戒しすぎだったと、あとで笑えるなら、なにより有り難いことです。

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2020年03月22日

字が下手

IMG_20200321_075909何かの折に息子から「父さん、昔はもう少し字が旨かったんじゃない?」と言われたことがあります。頼まれて、書類に住所や氏名などを、書き入れていた時のことでしょう。

自分でも、ずいぶん字が下手になったという感じは持っていましたから「視力が悪くなったせいじゃないか」と、その時は答えたのでした。

こういうと、前はきれいな字が書けたと、自慢しているように聞こえるかもしれません。もちろん、そんなつもりは毫もないのですが、最近、古い書類を整理していて、昔の自分の字に再会しました。

30年ばかり前のものでしょうか。なるほど今より、よほど整った字です。いわゆる美文字などとは間違っても呼べませんが、何より、書き慣れた字に見えます。

すでにワープロなどは使っておりましたが、まだ日々、自らの手で文字を書く機会が多かったからでしょうか。その後、急速に手書きが減り、キーボードを叩かないと、文章も綴れないほどになりました。

脳の言語処理スピードと、指先を動かすスピードが、うまく一致しなくなったのかもしれません。あるいは老化も加わって、書き慣れていた頃の感覚では、指先がついて行けないのかも。

考えてみれば、手書きの便りなどというものは、もう長いこと出した記憶がありません。せいぜい短い添え書き程度のものだけで。

ふと何人か、古い友人の顔が思い浮かびました。今さら旨い字を書きたいなどとは思いませんが、手紙でも書いて、コロナは無事かと尋ねてみましょうか。

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