2020年04月

2020年04月20日

本はどこへ行った その2

大きなテーマを期待して当ブログを覗かれた方には、あらかじめお詫び申し上げます。実に個人的な事件の、ご報告に過ぎません。

RIMG4232さて翌朝(つまり昨日)、店に行く前に倉庫へ寄りました。もうすっかり自分の勘違いだったと結論。注文を受けた本を取り出して、店へ持っていって荷造りをするつもり。

どう言ってお詫びの電話をしようかと考えながら、台車を押して4階に上がり、今度こそ間違いなく自分の荷室の前に立ちました。

しかし目の前にあるのは、前夜と同じ光景。掛けられているのは、取り替えられたダイヤル錠です。何度も、ドア一杯に大きく書いてある部屋番号を確かめました。

店主がボケたわけではなかったのです。それは嬉しかったのですが、事態は余計に混沌としてきました。本は一体どこにあるのでしょう。ともかく店に向かい、着いてから前夜の緊急連絡先に電話を入れました。

出たのは前夜とは異なる担当者。前夜は男性、今度は女性です。引継ぎが出来ていなかったらしく、もう一度、窮状を説明。ともかく調べてみますとの回答に、報せを待つことにしました。

やがてかかって来た電話で、ようやく事態が判明。どんな経緯か分かりませんが、管理の人が南京錠を切断して、ダイヤル錠に取り替えたらしい。つまり本はまだそのまま、部屋の中にある。

最悪の事態は免れました。中の本が移動されていたら、注文品を探し出すのが大変です。ダイヤル錠の解錠ナンバーを教えられ、昨夕、店からの帰り路に倉庫に寄り、ようやく目的の本を取り出したのでした。

今日になって倉庫会社からお詫びの電話がかかってきましたが、謝っているご当人は、何があったのか、もうひとつよく理解していない様子。こちらは、怒る元気も失せておりました。

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2020年04月19日

本はどこへ行った

しばらく前に取り上げましたが、もっか小店の倉庫は仮住まいです。水に浸かったコンテナ倉庫を改修する期間、トランクハウスに移転中なのです。

これが前より近く、屋内のため照明設備はあり、空調も入っていますから、こちらに乗り換えようかと思案していることなども、お伝えしました。

RIMG4236その倉庫に最近運び込んだばかりのセット本に、注文が入りました。店内のスペースを少しでも空けるため、疎開させておいたものです。

こんな時は少しでも近いのが助かります。昨日夕方には雨も上がりましたので、家に戻る途中、本を取りに立ち寄ったのでした。

備え付けの台車を押して、4階の我が荷室まで着くと、扉の鍵が、もともと付いていたダイヤル錠に戻っています。店主は倉庫会社から送られてきた、南京錠に付け替えておいたはずですが。念のためダイヤル錠を、当初知らされていた番号に合わせてみましたが、開きません。

さては連絡なしに元の倉庫へ戻したのか。そう考えて、すぐそちらへ向かいました。元の倉庫に着いて扉を解錠してみると、中は空っぽ。狐につままれたようです。

倉庫会社の緊急受付に連絡を取ると、少し調べてくれたのでしょうか、折り返し「お部屋を間違われたということはありませんか?」というお尋ねが返ってきました。

そう言われると、俄かに不確かな気持ちになってきます。ひとつ通路を間違えたのだろうか。似たような部屋が並んでいることだし。明日確かめに行って、潔くお詫びの電話を入れよう。

浅い眠りについたのでした。(つづく)

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2020年04月18日

コロナの先輩

アメリカに暮らす友人から、しばらくぶりのメールを貰いました。

彼女は大学の一年先輩で、家人ともども長いお付き合いが続いています。先輩後輩などという隔てのない、気安い性格ですが、今回は「コロナの先輩」として、見舞いの言葉とともに、ご自分たちの近況報告をしてくれたのです。

RIMG4223今住んでおられるのはオハイオ州コロンバス。家賃の高さに音を上げてアトランタから引っ越した、と聞きましたから、それほど大きな都市でないことは確かです。しかしそんなところでも、「自宅待機状態でもう1ヶ月以上」になるのだとか。

天津でもしばらく暮らしたことのある人なので、3月の初めころはマスクをかき集めて中国の友人たちに送っていたそうですが、一転、自分たちも自宅待機に。

始まって2週間ぐらいまでが、しんどかったです。慣れない籠り生活。スーパーのオンラインでオーダーするも品切れ品も多く(ミルク、卵、キャットフード、漂白剤、ペーパー類全て売り切れ)やはり焦りました。

1ヶ月経ち、ようやく今の生活に慣れ、状況を受け入れざるをえない心境になったと言います。夏までこの生活が続くのではないかと覚悟しておられる様子。

彼女のさらに先輩となる、天津の友人達からの忠告も紹介してくれました。

買物に出る場合はしっかりマスクして手を良く洗う、この徹底。夜にはしっかり風呂に入るようにとの事。又、生姜がいいそうです。こういう時。西洋医学で効く薬やワクチンがない今、中医の生姜、いいかもしれません。鍋に入れたり、うどんに擦って食べたりして、体も温まるし。

長期戦になるのでしょうか。

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2020年04月17日

1000平米を超える施設

RIMG42004月7日を最後に、東京古書会館で開かれる交換会は、休止となりました。国の緊急事態宣言を受けての対応です。

まだ出来るのではないかという意見もあり、いったん休止するとしても、できるだけ早く再開してほしいという要望もありました。

そうした中で組合から出した通知には、ひとまず4月21日までの休止を告げております。ただし情勢により、休止期間を延長する場合がある、という留保をつけて。

初めから5月6日までとしなかったのは、早期再開を強く希望する一定数の組合員がいることに、配慮してのことでした。もちろん、できるなら少しでも早く市会を開いて欲しいというのは、誰にも共通する思いでしょう。

仕入れの場としても、余剰在庫の換金の場としても、古本屋にとって市場は不可欠なものですが、店によってその依存度に違いはあります。市場がなくては商売が成り立たない、と悲鳴を上げる同業も少なくありません。

当初の休止期間が過ぎたあと、他が再開をためらっても、十分な感染防止対策を取ったうえで、自分たちだけでも開催させてほしい、という市会もありました。

しかし今回の事態で、あらためて明らかになったのは、交換会というシステムが、典型的な労働集約型であるということです。大勢の人の手を介さないと、成り立たない仕組みなのです。

取引記録作成や売買清算などでは、IT化を進めてきてはいますが、モノを集め、人を集めるという根幹の部分は、今のところ変わりようがありません。いろいろなアイディアは出されているのですが。

休業要請対象の施設である古書会館で、世間が納得するような形の再開は、期間中には難しいだろうと思います。

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2020年04月16日

今朝もドタバタ

店を休業して今日で4日目。未だに落ち着いて仕事ができません。

休業なのに仕事というのは矛盾しているようですが、休業を依頼されているのは、いわゆる対面販売。人との接触を8割減らすという目標を達成するために、店頭販売を規制しようというものです。

従ってネット販売、あるいは目録販売といった非対面の営業は、規制されておりません。実際のところ外出自粛が呼びかけられて以降、小店あたりでも、ネットからのご注文が増えてきた印象があります。

今日は、そんな注文品のなかに、荷造りにかなり手間のかかるものが2点ばかりあり、それだけに30分以上も費やしてしまいました。単に店主の、手際の悪さが問題なだけなのですが。

それはさておき、今朝も昨日に引き続いて、東京都の休業依頼を組合員に通達する作業に追われました。

RIMG4224昨日の段階で17日と想定していた休業開始日が、夜に発表された実施概要では16日(つまり今日!)となっていたからです。急いで新たな通達文を作成したのですが、同報通信を出してもらったのは、お昼近くになってしまいました。

少しでも早めに知らせようとして、結果的に不正確な情報となってしまい、かえって組合員を焦らせてしまったかも知れません。

それにしても「明日から閉めなさい」というのは、どうにも荒っぽいと思うのですが、都にしてみれば、依頼自体は11日にしたではないか、ということなのでしょう。

どれくらいの同業が、休業に踏み切ったでしょうか。

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2020年04月15日

休業対象業種

RIMG4225良くご来店いただくご常連のうち、メールアドレスを存じ上げている数名様に宛てて、休業のお知らせをお出ししました。

すぐ何通かの暖かいご返信をいただき、大変励まされる思いでしたが、その中に、「この際ホームページカタログを大幅に更新していただけるとありがたい」という、耳の痛いご指摘もありました。

常々、何とかしなくてはと思い続けて来たのですから、たしかにこれはカタログ更新の良い機会です。

などと言うと不謹慎に聞こえるかもしれませんが、もちろん喜んでいるわけではありません。ただ、へこんでいるばかりでなく、今風に言えば「前を向く」ことの大切さを教えていただいた気分なのです。

と言いながら今日も一日、前向きの仕事は何一つできませんでした。ネット注文への対応と、荷造り発送業務をこなしたばかりで、あとは東京都の休業依頼を、組合員に周知するための作業に追われたのです。

夕方には業界紙の電話取材もありました。しかし休業依頼対象とされたことへの組合としての見解を問うものでしたから、統一した見解を持つには至っていないとお答えし、重ねて尋ねられた小店の現状について、少しばかりお話しいたしました。

実際、古本屋と一口に言っても、それぞれは魚屋さんと不動産屋さんほどの違いがあります。規模も、立地も様々。今回の対象業種指定についても、不利益を被るだけの店もあれば、大なり小なり助けになる店もあるはずです。

ただ指定基準とされた「生活に必要」には、誰もがいささか釈然としない思いでいることでしょうが。

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2020年04月14日

捨て難い本

午後4時半、少し早めに店の仕事を切り上げて、家に帰ってきました。

ひと休みしてから取り掛かったのは、ながらく放置してあった物置部屋の整理。7年ばかり前に他の場所から移動させた本が、ほとんどそのまま積まれている部屋です。訳あって、近いうちにそこを空けなければなりません。

空けるためには、どこか新たな置き場所へ移す、市場に出す、思い切ってツブす、というのが考えられる手段です。となるとまず、一番手っ取り早いのは、最後の方法。

そう思って作業を始めたのですが、結局、1時間以上かかって、ごく一部に手を着けただけで、ようやく40冊程度のツブシを選り分けるのが、精一杯でした。

さすがに、すぐツブせるようなものは、しまい込んでおらず、一見、汚れてイタミもあり、何故こんなものを、と思うような本に限って、良く見ると捨て難い理由があったりするのです。

ただ7年の年月を経て、さらに劣化が進んでいたり、復刊などで価値を失っていたりするものもあり、それで辛うじて僅かな本をツブすことができたという次第です。

IMG_20200414_192333そんななかで、やはり今回も捨て切れなかった1冊がありました。

Gordon Craig, The Theatre-Advancing. Boston, 1919.

表紙がひどく損傷して売りものにはならないのですが、後ろ見返しにscarceと書かれているとおり、英国初版より2年も早い刊年を持つ、珍しい本なのです。

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2020年04月13日

それぞれの事情

今日から小店は閉店しております。

15日まで待つという選択もあったのですが、 天気予報によれば一日雨。風も強く荒天と予想されていました。それできりよく、月曜日から休業としたのです。

実際に朝、車を出すときも、夕方帰って車をガレージに入れてから 家に駆け込むときも、 強い降りの中で、服がびしょ濡れになってしまいました。

こんなお天気では 仮に店を開けたとしても、ほとんどお客様は来られなかったでしょう。

それでも開けていてご来客がないのと、 閉めてしまって誰も入ってこないのとでは、こんなにも気分が違うものでしょうか。息苦しさのようなものを感じながら、店の中で一人、仕事をいたしました。

さて小店は休業を選択いたしましたが、同業はそれぞれの事情があり、対処も一様ではありません。ある友人は「休んでも旅行もできない。息抜きのパチンコ、競馬もダメ。それなら帳場に座っている方がましかな」と、LINEをしてきました。

冗談めかした口振りですが、東京都が出すという休業協力金では、1ヶ月の家賃にもならないような、好立地にある店です。小店ほどにもネット販売をしておられず、店売りが中心。これもまた生活を賭けた決断であることには、違いありません。

RIMG4204別の深刻な事態も見えて来ました。市場からの仕入れが生命線という、ネット販売中心の同業たちです。彼らに対する補償の手だてはありません。一刻も早い交換会の再開を望む声が上がっています。

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2020年04月12日

明日から休みます

「いつまで閉められるんですか?」「ひとまず4月15日に東京都が方針を出すそうですから、以後の期間はそれによってですね」

ついに明日から「新型コロナ感染拡大防止協力」の名のもと、しばらく店を閉じることにいたしました。今日、店頭にその貼り紙を出したのです。

それをご覧になった一人のお客様から、冒頭のお尋ね。神妙にお答えしたのでした。

すると「コロナって、そんなうつり易いんですかね」——しみじみおっしゃったあと「今は近所に住んでないんですよ」と続けられました。

そこまでは普通の会話でしたが、ひと息止めたあと調子が変わり「実は追い出されたんです!」と、一段ボリュームが上がりました。

数年前、お勤め先で理不尽な出来事があり、マスコミの晒し者になって、ストーカーめいた連中まで集まるようになり、家主さんから追い立てを食らった——固有名詞が次々に上がり、話は次第に熱を帯びてきます。

そのお話の真偽よりも、申し訳ないことながら店主が気になったのは、その声の大きさと、いつ終わるとも知れない話しぶり。その上、せっかくのマスクは顎にかけたまま、滔々と身の上話を続けられるのです。

RIMG42092メートル近くは離れておりましたが、たまたま店主はマスクをつけておらず、狭い帳場が居心地悪く感じられました。

せいぜいが、5分ほどの間のことだったでしょうか。

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2020年04月11日

揺れる思い

都が休業を要請する6つの業態や施設を公表しました。そのなかに「商業施設」と一括りされて、一般の小売店舗が含まれるようです。

ただし床面積100平米以下の小店の場合、感染防止の対策を取った上で、営業を継続することが認められます。

しかし「防止の対策」と言ったところで、それほどのことができるはずもなく、またもし感染者が小店に立ち寄ったことでも判明した場合、営業の継続は難しくなります。

日ごろ、お客様が来られないことをボヤいてばかりいるくせに、矛盾した言い方になるかもしれませんが、実はこの数日、ご来客が増えているような気がしているのです。

もちろん売り上げが伸びているわけではありません。家に籠って本でも読もうという方が、「図書館も閉まっているし」と、小説文庫などを数冊、まとめ買いされるケースが目立ちます。

あるいは隣がコンビニですから、ついでになんとなく立ち寄られる方もおられるようです。

RIMG4210開いている店が少なくなればなるほど、こうしたお立ち寄りが増加することでしょう。一方で本を読みたいという切実な要求に、多少ともお応えしたいという思いもあります。

協力金という名の休業補償も、現実的になってきました。開けるにも閉めるにも大義名分が立つところが、一番の迷いどころです。

この先、さらに都から具体的な要請があった場合、週明けから店舗を休業するかもしれません。予め、お知らせ申し上げる次第です。

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