2020年06月

2020年06月20日

糠喜びした話

昨日の明治古典会では何も落札できなかったのですが、その前の、再開第1回目の市では嬉しい本を手に入れることができました。

英米文学関係の洋書の口が、大きな山にされて数点出ていたのですが、その中の一つで6本口として積まれた中に、それを見つけたのです。

Grove PressThe Collected Works of Samuel Beckettつまりベケットの英文版全集。

RIMG4326お世辞にも上等とは言えない、どちらかと言えば安っぽい作りのハードカバーですが、案外見かけることのない本です。

ほかにはディスプレイに使えそうな本が少しばかりあって、残りは今ではほとんど需要のない文学研究書。あえて山を崩して確かめることもせず、外から眺めただけで入札しておきました。

結果は下札で落札。そのまま2階へ降ろしてルート便のカーゴに積みましたが、翌火曜日になって洋書会に出品するものがないので、それを出品することにし、そこで初めて本を改めました。

巻数の表記はないのですが、ジャケットに印刷されたリストと照合していくと全16巻の揃いであることが判明。これは最近にないヒットだと、思わず頬を緩めたのです。

しかしその喜びは一瞬でした。ある一巻を開くと、標題紙の真ん中に某大学研究室の印が押されています。あわてて他の巻を見てみると、すべて印有り。落胆したことは申すまでもありません。

しかし返品も、値引きもしないことにしました。高くは売れないにしても、損が出ない程度の値はつけられるはずです。その安値に驚いて、買っていただけるのではないかと思っております。

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2020年06月19日

以前の姿に

再開第2回目の明治古典会。先週より出品は少な目で、出来高も良くなかったはずです。

それでもようやくルーティーンが戻って来たような安心感が、会場に漂っていたと感じたのは店主だけでしょうか。

今日の市会から、発声も再開されました。一点ずつ落札価格と、落札者を読み上げていくものです。

先週の段階でこれを控えていたのは、なにも飛沫を恐れたわけではありません。別室で発声をすることだってできたはずですから。

一番の目的は、それを聞こうとして会場に居残る人を減らすこと。少しでも密を避けようというのが狙いでした。ただその結果、市場が盛り上がりを欠くことになるのは、前回お伝えしたとおり。

東京都の休業要請が今日をもって全面解除されたのに合わせて、交換会の運用規則も一段階、緩めることになったわけです。こうして少しずつ以前の形を取り戻していくことで、その賑わいも取り戻せるといいのですが。

今夜の食事会は、すずらん通りの中華料理店「三幸園」。午後6時前に店に入ってしばらくは、ほかに客の姿が見えず心配したのですが、帰るころには8割方の入り。ここでも徐々に、復調が兆し始めているのでしょうか。

夜まで降り続いた雨がなければ、もっと週末の人出は多かったかもしれません。半蔵門線はともかく、井の頭線は、ほぼ以前の混雑に戻っておりました。

IMG_20200617_170256そして店に戻ってレジを覗いてみると、今週一週間を締めくくるような低調な売り上げ。しかしこれこそが、コロナ以前の小店の姿であったことを思い出しました。

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2020年06月18日

幻の第2巻

『ハロルド・ピンター戯曲選集』(竹内書店)という本があります。店主にとっては懐かしい本。というわけは、学生時代には、とても手の出ない高嶺の花だったからです。

ちなみに手元にあるのは、その第1巻で1970年刊行、定価は1500円と表示されています。当時、京都の学生下宿の相場が一畳千円程度と言われていました。4畳半なら家賃が月に4500円前後というわけ。

風呂もトイレもないような下宿の家賃ではありますが、それに比べても本の値段が高いことが分かります。

IMG_20200617_170128もっともこの本は650頁近い厚冊。その3年前に出ている『ベケット戯曲選集』(白水社)の第1巻は、約半分ほどの頁数で定価850円ですから、特別高い本だったとは言えません。部数の出ない戯曲集としては、それが相場だったのでしょう。

値段の話がしたかったわけではありません。このピンター戯曲選集、店主は五十年この方、第1巻しか目にしたことがないのです。それでいろいろ調べてみて、どうやらそれしか出なかったようだと結論づけておりました。

ところが昨日『日本の古本屋』で、2冊揃として出品されているものを見つけました。よく知っている若手の同業です。驚いて注文を入れたことは申すまでもありません。

すると夜のうちに「在庫切れお詫び」のメールが入っておりました。ご丁寧に「一昨日売れました」というメッセージまでついて。

本当に存在したのでしょうか。店主はもう一度、国会図書館やCiNiiで調べてみましたが、どこにも第2巻の情報はありません。竹内書店は当時、2巻組の戯曲選集を何点か出しているので、そのどれかと紛れてしまったのではないか、というのが今になっての店主の推理です。

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2020年06月17日

ある閉店

駅を挟んだ向こう側にあるお蕎麦屋さんが、店を閉めることになったそうです。

今はなき駒場西口商店会、小店もそこに加入していたのですが、その新年会などの寄り合いでは、もっぱらこのお蕎麦屋さんが会場となっていました。

駅から近く、しかも駒場キャンパスに隣り合っているというロケーションから、学生たちの胃袋を満たすための、盛りの良さが売り物でした。

IMG_20200617_170014蕎麦にしろ丼物にしろ、普通盛りでも結構な量なのですが、さらに増量した大盛りがあって、まだ30代であった当時でさえ、店主は一度頼んでみたきり、二度と挑戦しませんでした。

それどころか、女性客の場合などにはAという符丁が使われていて、やや盛りを少なくして出していました。ある時それを知って、店主は自分から「Aでお願いします」などと注文するようにしたものです。

そのころ店に「大盛りを4杯食べたら代金無料」という貼紙があるのを見て、目を丸くした覚えがあります。聞けばチャレンジに成功した人も、何人かいたとか。運動部の学生たちでもあったでしょうか。

本屋については、書物離れなどという言葉で、商売の低落傾向を表現したりします。学生が本を読まなくなった、だから本が売れなくなった、などと。

しかしお蕎麦屋さんの場合は、どんな要因が、商売を難しくしてきたのでしょうか。昔のような売り上げはないと、ずいぶん前に聞いたことはありますが、それは商売人なら誰もが口にする、挨拶のようなものと受け取りました。

それから今日までに、どんな変化があり、何が閉店を決断させたのか。学生が蕎麦を食べなくなったのでしょうか。

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2020年06月16日

コロナに負けず大市会

今日は東京洋書会の大市会でした。

当初予定されていた日時の、およそ一か月遅れ。規模についても、大幅に縮小しての開催です。中止しようかという意見もあった中、出来るだけのことはしようと、挙行することに決めました。

今期当番の役員さんたちは、大変なご苦労だったと思います。開催できるかどうかは情勢次第でしたので、紙の目録を準備することができません。出品の呼びかけも控え気味にして、集まったものを組合エクストラネット上に、WEB目録として紹介することにしました。

集まらなくても困るし、集まりすぎても困る。そんな複雑な心境で迎えた今日の大市ですが、ふたを開けてみると4階ワンフロアで、ほぼ収まりきる分量。

IMG_20200615_181159十分とは決して言えませんが、ちょっとした特選市程度には品物が並び、ふだんの市よりはずっと来場者も多め。それでも密になるほどではない、というところが洋書会です。

それなりに華やかな本が並んだ最終台では、来場者の札を押さえて、リモート入札の地方業者が何点か落札されていました。もっともこれは、コロナ以前からありましたが。

いつもなら大市終了後は打ち上げの酒席が用意され、ひとしきり談論風発するところですが、このご時勢にあってはそれも自粛と、最終発声後に会長が発表。会員が一番寂しい気分になった瞬間でした。

店主はといえば、今年もまた、ほとんど出来高に貢献できずじまい。忸怩たる思いを抱きながら、まだ明るい古書会館を後にいたしました。

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2020年06月15日

聴きたい音楽

毎朝晩、車に乗っている時間は、平均すると片道25分。ラジオが好みの番組でないときは(そのほうが多いのですが)、好きな音楽を聴きながら運転しています。

以前の車のナビはCDプレーヤーがついていて、SDに録音もできました。その前の車は、ハードディスクに録音するタイプで、せっかく録りためたものを、移行することができませんでした。

しかしSDなら将来、車を替えた時にもそのまま使えるだろうと思い、新たにCDを聴くたび、せっせと録りためておりました。

さて今回、車が新しくなって、ついてきたナビにはCDプレーヤーがありません。そればかりかSDスロットもありません。あるのはUSBの差込口だけ。

それならせめてSDに溜めこんだ音楽データを、USBに移行できないかと、あれこれ調べてみて分かったのは、それが随分と特殊なデータで、今度のナビでは再生不可能だということでした。

CDプレーヤーを外付けしたところで、聴きたいCDをいちいち車に持ち込むのは面倒です。しかも今度は録音機能がありません。

IMG_20200615_181108それで一念発起して、パソコン経由でまた一から、CDをUSBに溜めることにいたしました。1枚のCDをMP3で保存するのは5分くらいでしょうか。仕事の手の空いた時に、少しずつやっております。

ところでそうまでして録っても、車に向かないものが多いのですね。たとえば交響曲などは、音量の差が大きいので、弱音部になるとほとんど聞こえません。

分かっていても、つい録ってしまいます。いつか静かなところで、ゆっくり通しで聴ける日があることを願って。

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2020年06月14日

夏落葉

そういう季語があることを、今朝知りました。起き抜けにつけたTVでやっていた、俳句の番組によってです。

最初にスイッチを入れた時は、NHK総合で6時のニュースをやっておりました。それが終わると、次に始まったのは「水害で行方不明となった夫に、妻が送り続けた“届くはずのないメッセージ”」というドキュメンタリー。

ぼんやり眺めるのに適した番組とはいえません。急いでチャンネルを替えるとEテレは短歌の番組。それを音楽代わりとして、まどろみつつ聞いていると、いつしか俳句番組に変わっていて、やがて耳に届いたのが「夏落葉」でした。

IMG_20200610_080043このところ連日、わが家の泰山木が大きな葉を落とし、朝になると歩道を埋め尽くさんばかりに散り敷いています。毎年、大きな白い花を咲かせるこの時期に、盛んに落ちる葉。外国原産の樹だからでしょうか、季語の持っている風情はありませんが、これも紛れもない「夏落葉」です。

庭に積んでおいてもなかなか腐っていきません。堆肥にもなりませんから、掃き集めてゴミバケツに入れると、1週間と経たず満杯に。それを3度か4度ゴミ収集に出すと、シーズンが終了します。

この季節、もう一つ落ちてくるのは梅の実です。こちらは家人のご近所友達が、ボランティアで収穫してくださるようになり、ずいぶんと楽になりました。それでも採りきれず、庭や道路に散乱。歩道で踏みつぶされた実を見つけるたび、肩身の狭い思いがいたします。

実と言えば枇杷の実。今年も取りはぐれました。こちらはカラス(多分)との競争。日ごとに熟すのを待って、そろそろかと思う頃には、先を越されています。

こんな競争力のなさで、良く人類が、生き延びてきたものだと思います。

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2020年06月13日

それぞれの休業

昨日は、それこそ2か月以上ぶりに顔を合わせた同業も多かったわけですが、誰かから「久しぶりだよね」と声をかけられて、あらためてそう気が付くほど。

声をかけた側も、会わなかった時間の長さを、自ら確かめていたのかもしれません。それほどに、休み前とひとつながりの、市場の空気です。状況は大きく変化しているというのに。

IMG_20200605_080110店主も何人かと、お互いマスク越しで、多少は遠慮しながらではありますが、それぞれの2か月を報告し合いました。

石神井書林の内堀さんは、店の裏口に積み上がって出入りを塞いでいる本の山を、この機会に片付けられると意気込んだそうです。少なくとも市場が休止の期間、そこで過ごす時間と、その往復に費やす時間が、それに振り当てられるはずと踏んで。

しかし瞬く間に休業期間が過ぎて、何一つ手を付けられなかったことに驚き呆れているそうです。それは、まさしく店主が抱いた思いでもありました。

もうひとり、これは敢えて名を伏せますが、目録とネット販売中心の同業は、この3か月、注文件数が5割ほど増えたと言います。店員さんにはテレワークをお願いしたため、ふだん自分ではやらない荷造り発送作業に忙殺されたとか。

店舗営業ではないので休業協力金もなし、売り上げ増ですから事業継続給付金も対象外。国にも都にも世話になっていないと、胸を張っていました。

古書業界が全体として苦境にあることは間違いありませんが、一人一人の古本屋さんの状況は、それぞれ違っているようです。

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2020年06月12日

回復への道のり

休業解除後2週間、今日の明治古典会をもって東京古書会館では、一通りすべての交換会が、再開のスタートを切ったことになります。

奇しくも今日からステップ3となり、東京都の休業要請は、ほぼ全面的に解除されました。そうは言っても再開以降の各市会は、どの会も感染防止対策に気を使い、なかなか今までどおりとはいきません。

明治古典会の場合も、開札時にはその階を閉め切り、経営員だけで開札を行いました。更に落札金額、落札者の発声もなし。

IMG_20200605_080009何とも静かで盛り上がりに欠ける入札会ではありましたが、出品点数は約800点。出来高も思ったより良く、やはり再開を待ちかねていた同業が多かったということでしょうか。

来週からは、従来のパターンで交換会が開かれていきます。果たしてどこまで活気が戻って来るのか、しばらくは不安な市会運営が続くことになります。

明古の再開に伴って、我らの食事会も復活いたしました。市会を終えて、臨時会議も終えると午後6時。以前なら、まともな店はほぼ席の埋まっている時間です。

会館を出て、まずはコロナ以前、一番席の取れなかった店に向かいました。へぎそばの金剛庵です。ところがこの店で、いきなり席が取れました。我われにとっては有りがたいことですが、お店にとっては苦しい状態だということでしょう。

この店に着くまでの、近くに立ち並ぶ飲食店は外から見る限り空席ばかり。中には潰れて、立ち入り禁止の紙が貼られた店もありました。

飲食業界も、立ち直るには、時間がかかりそうです。

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2020年06月11日

レジ袋有料化

7月1日からレジ袋が有料となることは、ご存じの方も多いでしょう。法律によって定められました。

スーパーやコンビニばかりでなく、使い捨てのプラスチック手提げ袋を提供している、あらゆる小売店において、今後はレジ袋を要求されれば、しかるべき代金を頂戴しなくてはならなくなるのです。

小売店の営業を助けるのが目的で定められた法律でないことは、言うまでもありません。地球環境上の大問題となっている、プラスチック廃棄物を減らすという、大いなる目標を掲げての施策です。

それ自体には何の異論もありません。ただ、有料化に従わなくてはならない小売店としては、助けになるどころか、釣り銭がややこしくなるだけでも困りものです。

しかし大義に逆らうことはできません。そこで小店の場合は、次のように方針を立てました。

原則として、プラスチック手提げ袋は廃止いたします。ご用意するのは紙袋と紙の手提げ袋だけです。そして手提げに関しては、千円以下のお買い上げの場合、10円を頂戴いたします。

ここで「原則として」といたしましたのは、若干の例外もありうるからです。例えば大判の絵本。A4サイズまでなら紙袋に入りますが、それを超えると入れられる紙袋がありません。

そこで大きめのプラスチック袋で、手提げ穴の付いたものを用意しています。ただし、このご提供には1枚10円を頂戴いたします。理屈からいうと、穴のない袋なら有料化しなくてもよいのですが、そこまで準備する必要があるとも思えません。
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いずれにせよ、小店で10円頂戴する袋は、いずれも原価10円以上。ですから「袋だけ」というご要望にはお答えいたしかねます。念のため。

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