2020年08月

2020年08月21日

ドアを閉めるワケ

本日から小店は、とりわけ厳しい猛暑の日には、店のドアを閉めさせていただくことにしました。このままの調子では、はたしてひと夏、エアコンが持つかどうか心配になってきたからです。

開けたままでエアコンをつけていると、入り口近くは多少ひんやりとする程度ですが、バックヤードは冷え切っていて、何か羽織るものでもないと、デスクワークなどできないほどの状態です。

開店以来、使っているエアコンですから、かなりのロートルです。センサーがどの程度働いているのか分かりませんが、コントロールパネルは一つ、本体は2基。店の部分とバックヤードとで、別々に感知するような芸当はできないようです。

結果として一日フル回転の状態が続いていて、こんな時に故障でも起こされたら、商売どころではなくなります。

そもそも冷静に考えれば、ふだんでさえご来客の少ない店です。炎天下に入ってこられるお客様は、日に数名がいいところ。ほとんどの時間を無人のまま、ひたすら換気に努めるのも空しいことに思われます。

RIMG4441少なくともお客様のおられない間は、店内の空調を保つことを第一にするのが合理的です。さらにもう一つ、ドアを閉めるメリットは、蚊の襲来を防ぐことが出来る点です。

あまり大きな声では言いたくありませんが、小店の前は蚊が多い。たとえ蚊取り線香を焚いていても、店内に侵入してきて、時折お客様がパチリと手を叩く音が聞こえます。

人よりずっと蚊のご来店が多い。それだけでも、ドアを閉めさせていただく十分な理由といえませんでしょうか。

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2020年08月20日

葬儀とコロナ

昨日に続いて葬儀の話。久しぶりの通夜が、店主にしみじみとした思いを抱かせたからです。

式場である落合斎場に着いたときは、午後6時を20分ほど回っておりましたので、すでにお焼香が始まって、というより、ほぼ終わりかけていました。

午後6時から7時というのが知らされていた通夜の時間ですが、時間前に着いていた方々は、あらかたお帰りになった後のようでした。

記帳所も受け付けもすでに人気がなく、すぐ焼香台に導かれ、遺影に合掌してご霊前を辞去するまで、ほんの数分。表に出ると、ようやく見知った顔が数名、立ち話をしているのを見つけました。

RIMG4438参列した人がそれほど多くなかったことは、導師が経を上げ、ご親族が焼香されたあと、一般参列者の焼香となるのですが、それが約20分で済んでしまったことからも分かります。

無理もありません、昨日も書きましたように、業界全体には訃報を流しておりません。加えて現在の状況です。

店主のところに届いたFAXにも、喪主の方が、コロナ感染症が懸念される折りから「会葬はご無理されませんように」と仰っている旨、記されておりました。

当然のごとく、いわゆる「お清めの席」も設けられていません。そのため一層、人の退けるのが早かったわけです。

店主は早稲田で修業した関係で、この葬儀場で幾人かの同業をお送りしています。いつ、だれをお送りしたのだったか、遠い記憶を手繰り寄せながら、往時の葬儀のありようを思い起こし、つい感慨にふけるのでした。

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2020年08月19日

見事な店仕舞

昨日、市場から戻ったあと、意を決して同業大先輩の通夜に行ってまいりました。

業界では紛れもない、巨人のお一人でした。大きな店を構えておられたわけではありません。質の高い目録を出しておられましたが、知る人ぞ知るという性格のものでした。

そんなわけで、世間的に知名度の高い古書店ではなかったかもしれません。ご本人もそれを望まないようなところがありました。外部に向けてどころか、古書月報にさえ、文章を載せることを好まれませんでしたから。

しかし市場などでは、若い同業を相手に、惜しげもなく蘊蓄を語られる姿を良く拝見しましたし、店主もご自身の若い頃のお話、全国をセドリに廻ったことなどを、親しく伺った記憶があります。

そんな私たちでさえ、その巨人ぶりを真に知らされたのは最晩年になってからのことでした。後継の話がなくなったのか、ご自身で店仕舞いを思い立たれたのです。

それまでも手持ちの在庫を少しずつ市場に出したりしておられましたが、ある年から倉庫の整理を始められ、以後数年間にわたって、その膨大な在庫を東京古典会、明治古典会を中心に出品され続けました。

RIMG4442それが毎回、予想以上の高値となったことで、量ばかりでなく、その質の高さにもあらためて驚かされたというわけです。

全ての整理を終えられ、組合を脱退されたのは昨年のことでした。そのため今回の訃報は組合員に流されることはなく、両古典会の会員ほか、親しかった同業に限られた模様です。

96歳の、見事な店仕舞いであったと思います。

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2020年08月18日

ようやく繋がる

少し暑さが和らぐ、という天気予報を信じたからとは申しませんが、服装選びに失敗しました。

ポロシャツ一枚で家を出たのですが、すぐ汗が吹き出します。薄いグレー地に、その汗染みがとてもよく目立つのです。今どきの「速乾」などではなく綿100パーセント、それで一度浸みだした汗は、なかなか消えてくれません。

店主の汗腺は胸のあたりとお尻のあたりに集中しているようで、お尻の方は外から見えませんが、胸の汗は神保町駅から古書会館まで歩く間に、ポロシャツに大きな染みを作りました。

市場に着いて、しばらくおとなしくしていると、今度は寒くなってきました。市の会場は、作業する人たちに合わせて、冷房が強めに設定されていることが多いのです。

さすがに冷えすぎではないかとコントロールパネルを見に行くと、3基あるすべてが20℃と表示されていました。

RIMG4429中央市会や資料会などのハードな作業現場ならともかく、洋書会には低すぎる設定です。ひとまず25℃に上げましたが、それでも十分涼しかった、いやまだ少し寒かったくらいです。

昼過ぎからは所用で会場にいる時間が少なかったため、その後、エアコンが調整どのように調整されたのか、定かではありません。

さて、昨日のブログを先輩が見てくださったようで、「メールは届いていない」と新たなメールが届きました。先輩のスマホがPCメールを受け取らない設定になっている可能性もあると思い、店主のスマホからメールしてみました。

その結果、ようやく連絡が取れ、さらにLINEまで繋ぐことができました。先輩仲間の数人が写った近影も送られてきて、家人に見せると大きなショックを受けておりました。

無理もありません、家人にとっては、かれこれ半世紀ぶりのご対面です。均しく時は流れております。

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2020年08月17日

こんな時間に

突然、懐かしい人からメールが届きました。大学時代の部活の先輩です。先輩といっても一年だけのことで、当時から遠慮のない口をきいていた仲。

この先輩は京都の放送局に職を得て、やがて住まいも京都に持ちました。

RIMG4431今から20年ほど前に京都組合の主催で全古書連の総会(および大市会)が開かれた折り、久しぶりに会おうということになりました。その当時でも、何十年ぶりかのことです。

別の先輩が祇園白川でスナックをやっていましたので、そこで落ち合うことにし、当時の理事会仲間数人とともに訪れて、久闊を叙したのでした。

宴席を盛り上げるのが上手な先輩で、その時も同行した理事連中に強烈な印象を残し、今でも仲間うちの思い出話になると、その名前がでてくるほどです。

そんな先輩から届いたメールは「偶然TVみてたらインタビュー受けてた貴君がいて懐かしくなりました」と始まるものでした。

それに続いて「昨年一月にYさんが亡くなり、今年6月20日にSが亡くなりクシのはが欠けるように一人づつ・・・寂しい限りです。お元気で何よりそこそこの歳になりましたから、これからもお店を守って頑張ってね」

スマホから出したらしく、文章に一部乱れが見受けられますが、それより驚いたのは「こんな時間に失礼します」という、その時間。午前4時過ぎでした。

すぐ返信して「起きたところですか寝るところですか?」と尋ねたのですが、翌日メールを開くと、似たような文面のメールが再度送られてきていて、どうもこちらのメールが届いていないような様子。

一度ハガキでも出してみようかと思っています。

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2020年08月16日

本に熱中症

これでもか、というように暑い日が続きます。ドアを開けたままにしていますから、帳場のあたりは冷房の効きも悪くなっております。

一方、裏のストックヤードは効きすぎて、デスクワークをしていると、上に何か羽織りたくなるほど。

こんな調子でエアコンが稼働し続けていると、どこかでダウンするのではないかと心配です。

昨日も猛暑でした。そんななか、表の本を熱心にご覧になっているお客様。洋書の台では、しゃがみこんで本の背を追っておられます。

見ているだけで汗が出そうですが、実際にご覧になっているお客様のTシャツは、すでに背中一面汗で、体に貼りついています。

しばらくすると店内に入ってこられました。挑むような姿勢で棚に向かい、すなわち店主に背を向けるような形で棚を順にご覧になっていかれます。今にもしずくが垂れそうなシャツが、嫌でも目につきます。

もしこれが、雨に降られてそのように濡れたのであれば、入店をご遠慮願うところです。この方も、土砂降りに遭ったのも同然の濡れ具合。よほど声をおかけしようかと思いました。

RIMG4435とはいえ、その熱心さには頭が下がります。店主なら暑さでボー然として、本の題名など、とても頭に入ってきそうにありません。ついに店内をくまなく一回りされました。

時おり手に取ってご覧になっていましたが、結局お気に召すものは見つからなかったようです。「どうも」と会釈して外に出られ、表の棚をさらに一瞥されてから、お帰りになりました。

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2020年08月15日

宅買いの教訓

久しぶりに「県をまたいでの移動」をして、宅買いに行ってまいりました。といっても、横浜市の北部、車で45分ほどの場所です。

初めは「フランス書を買ってもらえますか」というお電話からでした。文学、思想とおっしゃるので、こちらから送り状を郵送し、送っていただくことにいたしました。

RIMG4433次の日、「千冊あれば取りに来ていただけますか?」と改めてのお尋ね。聞き違いだったかもしれません。「多すぎても難しいです」とお答えすると「ダンボールにして6、7箱ですが」

何かご事情がおありなようでしたので、ともかく伺うことにしました。

思ったほど道は空いていませんでしたが、ナビの予測通りの時間で到着。本は大きめのダンボール箱に詰められて、玄関先に。家は開け放たれて風通しも良さそうでしたが、表に止めた車が、まともに直射日光を受けています。

一刻も早く済ませようと、中も確かめずに次々箱を車に載せ、「後ほどご連絡します」と申し上げて、早々に帰路につきました。

店に戻り、箱から本を取り出してみて当惑。仮に、このまま市場に出しても買い手がつかないだろう、というのが店主の感じたところでした。

一冊一冊は悪い本ではありません、こまめに古書店で買いあつめられたようで、むしろ好著、良書揃い。しかしたとえば『日本の古本屋』やAmazonで、最安値500円以上で売られているような本は、数えるほど。しかも、決して足が速いものではない。市場で値が付かない所以です。

電話を掛けて、評価がつかない旨、お伝えしました。しばらくして先方から電話が掛かり、いささか腑に落ちない様子で、いろいろお尋ね。それに対しご説明を重ね、最後は「納得しました」とのお言葉をいただきました。

しかし今度は店主の方に、わだかまりが残りました。逡巡の末、再度お電話して「もしよろしければ全部ご返送しても…」と話しかけると、「いえ、もうすっかり納得しました。お手間を考えれば当然です」

先ほどよりスッキリしたお声でしたので、ようやく店主も安んじて、本の処理にかかりました。

教訓:お預かりする際に、まずは中身を確かめるべし。

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2020年08月14日

どうにか解決

RIMG4432先日、店主のミスで別の方のご注文書をお送りしてしまったお客様から、後日メールが届きました。あとから急いで送った正しいご注文書が「良い状態で満足してます」という書き出し。

続けて「最初の本はまだ開けていません。ご要望通りメール便着払いで返送します」とのこと。「ポストには入らないようですから、休み明け、郵便局に行きます」とも。

ゆうパケットでお送りしたものですから、ポストに入るとは思うのですが、それより、まだ開けていないということであれば「受け取り拒否」としてお返しいただくよう、お願いしました。

小店に費用が発生しないだけでなく、ご返送の手間も要りません。数日後、お願いした通り「受取拒否」と、貼り紙がついて戻ってきました。

本来のご注文主に、すぐさま転送したのはもちろんです。あわせて、ご迷惑をかけたお客様には、送料代金をご返金したい旨、お伝えしてあったのですが、口座をうかがって送金するほどの金額でもありませんので、相当額の切手を封筒に入れて郵送いたしました。

その際、単に切手の額面を合わせるだけでは、ご利用の機会が少ないかもしれないと考え、定形郵便料金である84円の切手を中心にしてお送りしたのです。しかし、手紙を書く習慣をお持ちの方でなければ、同じことだったかもしれないと、後から思いました。

さて一件落着、と思ったら今日また一件。こちらは単に店主が、似通った本を間違ってお送りしてしまったというだけのミス。正しい本を送り直し、間違い本については「おついでの際に、ゆうメール着払いでご返送ください」と、お願い申し上げたのでした。

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2020年08月13日

ある日のお電話

RIMG4436ある日の午後のお電話。「そちらにあるとネットで見たのですが、ありますか?」

こういうお問い合わせは少なくありません。対応手順は決まっております。,泙砂饑厂召魍稜Г掘↓◆屬調べして折り返し電話します」と告げ、お名前と電話番号を伺う。

この方の場合、「ありますか?」のあとですぐ、ご自身で著者名と書名をおっしゃっていました。しかしフランス語の本(ということくらいは分かりました)で、一度聞いただけでは耳に残りません。

「もう一度、書名を」とお願いして、今度はスペルもおっしゃって下さったのですが、スピードが速く追いつきません。「著者名も念のためもう一度」とお願いして、こちらもスペル付き。

「ではお調べしてから、お電話させていただきます」と申し上げて切ったときには、正直、見つかるかどうか自信がありませんでした。

しかし案ずるほどもなくすぐに見つかり、しかも結構良いお値段です。勇んでお電話をいたしました。留守電になっておりましたのでメッセージをいれておくと、しばらくして掛けてきてくださいました。

「在庫いたしております」そうお伝えすると「どうやったら手に入れられますか?」。「ご覧いただいた『日本の古本屋』からご注文いただくのが、一番確かだと思います」などとお答えしているうち、値段を確かめられ、大きな思い違いが明らかになりました。1万2千円の本ですが、3千円だと記憶されていたようです。

「どうも安いと思いました」「他の店に出ていたものとお間違いになったのでは」「日本に何冊もあるとは思えません。少し考えます」そうおっしゃって、そこで一旦終了。

その日の夕刻、『日本の古本屋』から即決注文の知らせが入っておりました。

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2020年08月12日

ざわつく理由

昼時、お揃いのジャージ姿で、学生さんらしい集団が、店の前を通り過ぎていきました。総勢10名前後も、おられたでしょうか。

何かの球技でも終えた後のように見えました。汗をかいている様子からそう感じたのですが、ただ歩いているだけでも汗が出る気温でしたから、これから向かうところだったかもしれません。

何かの、というのも漠然とした言い方ですが、肩から下げていたバッグからは、何とも判別できなかったのです。

しかし言いたいのはそのことではありません。今どき少し連れ立って人が歩いていると、なにか気持ちがざわつくのを覚える自分がいることについてです。

中学生、高校生あたりは、よくお隣のコンビニに5、6人で連れ立ってやってきます。そのまま小店前の路上にたむろすることも、しばしばです。以前ならそれほど気になりませんでしたが、最近はつい、どんな様子でいるのかと目が行ってしまいます。

別に監視するつもりはありませんが、マスクを外して何やら飲みながら、楽しげに話しているのを見ると、つい心配になります。一方で気の毒にもなります。あれでも随分抑えているのだろうと思うと。

RIMG4430そしてこうした一連の店主自身の心の動きが、つまりはコロナ騒ぎによってもたらされたものに他ならないわけで、そう考えると、まるでコロナウィルスに心を操られているような、情けない気分になるのです。

そういえばあのジャージ姿の一団、マスクを着けていなかったのでは?

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