2009年02月12日

函とか帯とか

ネット購入が一般的になるにつれて
多くの古本屋に戸惑いが広がっています。

たとえば専門書の注文を受けた際
「帯は付いていますか」と尋ねられたとか。
研究書に「線引き有り」を了承の上、送ると
函が付いていない、と返品されたとか。

新刊と古本を同じ土俵で売るサイトの出現と
「きれいな本」しか買わない新古書店の増加で
お客様の古本に対する要求が、随分と
変わってきたように感じているのです。

従来、通常に保管されていて生じる古びや
軽いイタミなどは、いわゆるコレクターアイテム
以外の本については、古本である以上
当然のこととして、表記してきませんでした。
しかし完本へのこだわりも、専門書、研究書にまで
及ぶようになって、昨今では、殆どの店が
状態表記に、かつての何倍もの努力をしています。

一概に悪い面ばかりではありません
新しいお客様が増えたのだという見方も出来ます。
しかし古書には価格という、最も重要な表記があり
内容的な価値、希少性、それに保存の良否まで
含めた古書店の総合的判断が、古書の価格なのです。
この点を、お客様にもっと理解していただくよう
業界としても広報に努めなければなりません。




konoinfo at 18:57│Comments(0)TrackBack(0)

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