2009年04月29日

専門店が高いわけ

西洋古典の、特にプラトン、アリストテレスの注釈書をお探しというお客様が、Oxford Classical Textsのホメロスを棚から一冊抜いて、値段をお尋ねになります。

見るとOperaの第5巻、これだけジャケットがなく分かりにくかったのですが、あと4冊とセットで第一巻に値札が入っていました。揃いで6000円。

欲しいのは一冊だけのようでしたが、あまり安くて悔しいからと、まとめてお買い上げくださいました。神田あたりだとびっくりするくらい高いのですよ、と言って。

安いのには訳があります。もちろん本の状態もヤケがあり古びていますが、それ以上に、小店はこの分野を専門としているわけではなく、たまたま市場で安く買えたからです。

一方で専門店は品揃えのためにわざわざ仕入れるわけですし、店の常備として在庫を切らしたくないでしょう。割高になるのもやむをえないところです。

しかし今そうした、特に学術系の専門店は、どこも苦しい状況にあります。大概の本はネット上で探すことができてしまい、かつ専門外の店は、小店がそうであったように、安く入れば安く売るからです。ネット時代の専門書店のあり方を、試行錯誤しながらく築いて行くしかありません。



konoinfo at 15:59│Comments(0)TrackBack(0)

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