2009年07月04日

宅買い:山茶花究氏宅

十年ほど前の話です。直ぐ近所、ということで呼ばれて伺った家は、本当に店から200mくらいの距離。主が不在となってしばらく経つそうで、明かりもまともにつかないような薄暗い部屋でした。

建物を取り壊し立て替えるため、残っていた本を片付けて欲しいと、通された茶の間のようなところに大きめの本棚、別の部屋にも、二つほどの本棚。

最初見たときは、一昔、いや二昔も前の小説類、いわゆる雑本が並んでいるとしか見えず、お断りしようかと思いました。

しばらく見ていくうち、昭和20年から30年代くらいの演劇、映画関係の本が目に付きました。気をつけてみると、芸能関係の本が案外沢山あります。

やがてその本の持ち主自身が芸能人であったことが分かりました。ある本の献呈名に山茶花究様と書かれていたのです。何冊か署名本が見つかりました。

そうなると雑本もおろそかに出来ません。全部きれいに片付けて引き取ってきました。

当時参加していた即売展などで売ったのですが、芸能本より当人が読んでいたらしい、当時の推理小説に珍しいものがあり、お客様に喜ばれました。

以来、TV放映される古い映画にその姿を見かけると、格別の親しみを覚えるのです。

konoinfo at 20:18│Comments(0)TrackBack(0)

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